戻る ] 上へ ] 進む ]

2005年10月30日 「心停止後」「組織移植」と称してカテーテル挿入、呼吸器停止
透析で12年生存、移植4ヵ月で死亡ほか 日本移植学会総会
2005年10月26日 法的脳死提供の6割、移植側に請求すべき医療費をドナー側に請求 
市立札幌病院:脳死判定できない患者から「心停止」後臓器摘出
大阪大学:重症頭部外傷の6割が意識回復、年単位で回復を確認
北海道大学:クモ膜下出血グレード5の患者を積極治療、独歩退院
第33回日本救急医学会総会・学術集会
2005年10月25日 法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡は累計20人
名古屋市立大学病院
2005年10月22日 末期的虚血性心筋症には、移植より左室縮小術が生存率は高い
移植後生存率は拡張型心筋症より約10%低い 日大 南教授
2005年10月21日 透析導入までの期間を2.4倍に延長 取手方式
2005年10月16日 岡崎市民病院 人工心肺で3患者を冷却して臓器摘出
院内移植コーディネーター=臨床工学技士が摘出従事
2005年10月14日 看護師が脳死・臓器管理に戸惑い、ジレンマ感じる 市立札幌病院
家族は「心停止後」が脳死摘出と異なると誤認 大津赤十字病院
第7回日本救急看護学会学術集会
2005年10月 9日 補助人工心臓装着患者の22%が心機能回復
Dor手術は虚血性心筋症に合理的 埼玉医科大
10年後は他の治療法が心臓移植を凌駕 東京女子医大
2005年10月 7日 「心停止後臓器摘出目的で、心停止前から薬剤投与は問題」と認識
ガス麻酔、人工呼吸は許容される?? 京大附属病院呼吸器外科

20051030

「心停止後」「組織移植」と称してカテーテル挿入、呼吸器停止
透析で12年生存、移植4ヵ月で死亡ほか 日本移植学会総会

 10月28日から30日まで第41回日本移植学会総会が朱鷺メッセで開催された。以下は「移植」40巻総会臨時号より注目される発表の要旨(タイトルに続くp・・は掲載頁)。なお総会臨時号は、同総会のサイトhttp://www.med.niigata-u.ac.jp/uro/guidance3.htmlからダウンロードができる。ここで要旨を紹介した抄録が掲載されているPDFファイルはシンポジウム=http://www.med.niigata-u.ac.jp/uro/pdf/41isyoku09.pdf、一般演題(口演)=http://www.med.niigata-u.ac.jp/uro/pdf/41isyoku10.pdf、一般演題(ポスター)=http://www.med.niigata-u.ac.jp/uro/pdf/41isyoku11.pdfの3つ。

 

膵臓摘出、膵島分離移植

*剣持  敬(国立病院機構千葉東病院)ほか:心停止ドナーからの膵臓摘出、膵島の分離・保存の現況と問題点、p195

 わが国の膵島移植の臨床は、2004年4月に開始され2005年4月までに27例の膵島分離、8例の膵島移植が施行された。当院の分離・凍結・移植11例の膵島分離施行例のうち10例(91%)が心停止ドナー、4例が医学的に心停止膵臓移植に使用可能と考えられた。膵臓摘出に際しては、ダブルバルーン先端のバルーンを腹腔動脈の頭側に留置し、網嚢腔内にクラッシュアイスを充填している。膵島の収量低下には、死因、死戦期心停止、心停止前カニュレーションの有無、無尿時間の長さなどが影響した。心停止ドナー膵を用いた膵島移植においては、レスピレータオフ等のドナー側の条件改善がもっとも重要と考える。

 

膵臓移植

寺岡  慧(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター外科)ほか:心停止下膵移植(NHBDPTx)における移植膵機能発現のための諸因子の検討、p197

 90〜94年に当施設で実施した11例の心停止下膵移植の内3例が移植膵血栓あるいはプライマリーノンファンクションのため廃絶に至った。原因として、温阻血時間、持続性低血圧/昇圧剤大量投与、高齢、一過性心停止などが推定された。温阻血時間(WIT)が6分以内で、持続性低血圧/昇圧剤大量投与、高齢、一過性心停止などの因子が存在しない他の8例では、全例18日以内にインスリン離脱が得られ、とくに灌流用カテーテルを挿入し、人工呼吸器オフを実施し得た4例では移植後1〜4時間以内のインスリン離脱と長期生着(最長生着13年で生着中)が得られた。後者は死戦期の温虚血傷害防止に、前者は心停止後のWIT短縮に有用であった。

 

膵臓腎臓同時移植

*杉谷 篤(九州大学大学院腎疾患治療部)ほか:臓器移植法施行後の心停止下膵腎同時移植2例の長期経過、p198

症例1ドナーは30代女性。カテーテル挿入、人工呼吸器オフのち33分後に心停止となった。レシピエントは36歳女性。3年5ヶ月経過した現在も良好な膵、腎機能である。
症例2ドナーは20代女性。血行動態は安定しており、カテーテル挿入を行ったが、人工呼吸器は停止せず約40分後心停止となった。レシピエントは40歳女性。現在1年4ヶ月を経過し、膵・腎機能は良好で社会復帰している。

 

3歳小児にもカテーテル挿入、腎臓摘出

*早川 邦弘(藤田保健衛生大学 医学部 泌尿器科学教室)ほか:心停止ドナーからの献腎移植;同一施設で施行された移植成績は他施設での対側腎移植の成績を上回る、p219

 当施設で1990年10月〜 2004年3月で心停止ドナーから摘出した献腎の内、摘出と同一施設(同)で移植した62腎と、他施設(他)で移植した対側腎62腎の成績を比較した。ドナー年齢3 〜 68平均46.1歳。摘出は全例in situ cooling法(カテーテル挿入、脱血と同時に臓器に冷却灌流液を注入する)でおこない、平均温阻血時間11.8分。心停止ドナーに対し献腎摘出と腎移植が同一施設でおこなわれた場合の生着率は、同一条件の腎を他施設に移送して移植した場合に比べ良好な事が示された。

 

渡航腎臓移植

*松野 直徒(東京医科大学八王子医療センター 第五外科)ほか:当科を訪れたアジア渡航腎移植患者の実状 −わが国の献腎移植との比較−、p239

 臓器売買がからむ移植の斡旋は禁じられているが、外来を突然訪れる渡航移植患者も存在する。ドナー情報不明のまま、中国(8名), フィリピン(5名)、その他(タイなど)で腎移植をうけ、当科外来を訪ねた15例。すべて男性, 平均年齢は51.6歳。外来でのフォローアップ開始後、2年以内に合併症を認めたのは6例で内訳はカリーニを主体とする肺炎と脳梗塞で死亡1名, 悪性リンパ腫で死亡1名, 悪性中皮腫で死亡1名, 胃癌で死亡1名, 食道カンジダ症1名, 新しくC型肝炎発症および帯状疱疹1名。高率に合併症を併発、短期的な生存率も低い。50歳台以上で献腎登録を行っても現状での待機期間を考えると事実上、献腎移植をうけることができるのは、難しいということを患者自身が自覚していることを示唆させた。しかし一方、ドナー情報の詳細が不明なアジアでの渡航移植はかなりのハイリスクの腎移植であることを広く社会に周知させるべきであると考えられた。

 

劇症肝炎の移植救命例、移植後死亡例、非移植救命例

*豊木 嘉一(弘前大学 医学部 消化器・乳腺・甲状腺外科)ほか:当科に肝移植依頼のあった劇症肝炎症例の検討、p262

 1998年1月から2004年12月までに当科に依頼のあった劇症肝炎症例7例全例が肝移植ガイドラインに沿って移植が必要と判断された。7例中移植を行った症例は5例で、1例は術後真菌感染症を併発して失った。残りの2例は移植に至らず、1例は生存し、1例は失った。劇症肝炎に対する治療として肝移植は広く受け入れられてきている。しかし、その適応、移植のタイミングなどまだクリアしなければならない点も残されている。

 

「心停止」ドナー研究

*陳 豊史(京都大学呼吸器外科)ほか:再潅流傷害抑制効果の検討、p276

 心停止肺移植では経静脈的な再潅流傷害抑制薬の投与は困難であり移植成功を阻む大きな原因となっている。われわれは、温虚血中のβ2受容体アゴニストSalmeterol xinafoate(SLM)吸入が、虚血再潅流傷害を軽減するという仮説をラットを用いて検討。温虚血中のSLM吸入は肺温虚血再潅流傷害を軽減した。SLM吸入は心停止肺移植のドナー肺保護をもたらす可能性がある。

 

*藤永 卓司(京都大学呼吸器外科)ほか:Isoflurane による肺温虚血再灌流傷害の抑制

 心停止後の臓器提供を目的に心停止前から薬剤投与することは倫理的に問題があり、心停止後の経静脈投与は極めて困難である。吸入麻酔薬イソフルランの虚血前吸入が、臓器の虚血再灌流傷害を抑制することが報告されている。我々は温虚血開始直後からのイソフルラン吸入が肺虚血再潅流傷害を抑制するかを検討した。
 ラット肺ex vivo潅流モデルを用いた。希釈血液で15分間潅流後、潅流を停止し換気は継続した。温虚血時間は50分でその後再灌流を60分間行った。肺温虚血中イソフルラン吸入はミトコンドリアを保護し、温虚血再潅流傷害を抑制した。

当Web注:換気を継続し血流を再開しているため、心停止前からの薬剤投与と同じ。人間に行なえば、倫理上だけでなく傷害致死罪に問われる可能性がある。

 

透析で12年間生存、移植後4ヶ月で死亡

*一森 敏弘(徳島赤十字病院 外科)ほか:献腎移植後約4 ヶ月でVAHS(ウイルス関連血球貪食症候群)のため不幸な結果となった一例、p308

 症例は58才男性。1992年8月多発性嚢胞腎にて血液透析導入、2004年9月3日献腎移植術を施行、10月7日退院。12月27日に3日前から熱発と関節痛があり来院。12月29日体温が38.5℃あり、血小板減少が著明なため入院。2005年1月5日より呼吸不全、VAHS(ウイルス関連血球貪食症候群)の診断がついたのは1月7日。ステロイドパルス療法など行ったが1月9日永眠された。

 

脳死を経ない臓器提供例

*土方 仁美(あきた移植医療協会)ほか:脳死を経ない献腎2 症例におけるコーディネーターの対応、p314

 2004年度に当県で受信したドナー情報は8件。うち献腎の承諾書を受領した2件は脳死を経ない症例であった。
症例1は50代男性、間質性肺炎、挿管なし、意識レベルはセデーションにてJCSII 〜III桁で変動あり。本人の口頭による提供意思と、急変に備え早く手続きを完了したいという家族の強い希望あり。承諾書受領後8日目腎機能悪化にて献腎断念、その翌日眼球と心臓弁の提供となる。
症例2は50代女性、原発性脳腫瘍、挿管なし。意思表示カード所持あり、意識レベルJCSII桁へ低下を機に家族が臓器提供を申し出る。第一報受信後6日目JCSIII桁へ低下した時点で承諾書を受領、その翌日腎臓と眼球の提供となる。

当Web注:移植用臓器の摘出のためには、臓器冷却目的のカテーテル挿入(脱血と同時に冷却液注入)、抗血栓剤ヘパリンの投与(投与後の血液循環)などが不可欠だが、厚労省は関西医大事件判決を無視して「脳死状態が確認されていること」を条件にカテーテル、ヘパリンなどを容認している。
 

 

本邦初、心臓再移植申請症例

*増田 太一(東京女子医科大学附属第二病院 内科)ほか:本邦における最初の心臓再移植申請症例、p328

 心移植後数年が経過し慢性拒絶反応の進行例では再移植が救命手段となる。今回我々は再移植を希望した17歳男性例を経験した。症例は、6歳時に拘束型心筋症と診断され、2000年6月(13歳時)に米国で心移植。移植後2 ヶ月目で心停止を伴う急性拒絶により心機能が低下し、2001年1月後は当院で管理された。2004年7月からは一時的にカテコラミン依存状態となり入退院を繰り返すようになった。この間2001年3月から2004年11月にかけて冠血流予備能は3.8から1.2と低下した。2004年12月、日本循環器学会心臓移植委員会へ再移植適応検討を申請し、本邦で1例目となる再移植適応ありの認定を受けた。2005年4月、感冒から心不全の急性増悪を生じ多臓器不全より死亡した。

 

角膜提供をきっかけに臓器獲得

*米満ゆみ子(福井県済生会病院 看護部):医師による意思確認を院内システムに導入し、院内医師の移植医療に関する意識の変化を調査して、p355

 2002年8月からポテンシャルドナー(以下PD)の適応範囲の広い「角膜提供」に関する医師による意思確認(以下DrOP)を院内システムとして掲げ、院内啓発活動に従事してきた。その結果、角膜提供率は激増し、現在、県下提供の9割は当院からの提供となった。また、院内全体のDrOP率はH15年度34.4%、H16年度40.4%と年々上昇し、取り組み前まで「角膜提供」に無関心だった脳外科に関しても75%と、院内の中でも牽引力とかし、臓器提供のPDが発生した際の対応にも比例してきている。このように、院内システムへの導入が、脳外科医師はじめ院内医師の臓器移植に関する意識改革に結びついたものと考える。

 


20051026

法的脳死提供の6割、移植側に請求すべき医療費をドナー側に請求 
市立札幌病院:脳死判定できない患者から「心停止」後臓器摘出
大阪大学:重症頭部外傷の6割が意識回復、年単位で回復を確認
北海道大学:クモ膜下出血グレード5の患者を積極治療、独歩退院
第33回日本救急医学会総会・学術集会

 

 第33回日本救急医学会総会・学術集会が10月26〜28日まで大宮ソニックシティにて開催される。以下は日本救急医学会雑誌16巻8号より注目される発表の要旨(タイトルに続くp・・は掲載頁)。

*久志本 成樹(日本医科大学救急医学)ほか臓器提供7施設、日本臓器移植ネットワーク東日本支部:脳死下臓器提供手続きにおける医療費請求上の問題点、p438

 現在、臨床的脳死診断後の法的脳死判定とドナー管理に要する費用は、第2回法的脳死判定前はドナーの医療保険請求、法的脳死判定後はドナーの医療保険から支払われ、一時的にドナー家族が負担し、最終的に移植実施施設側よりネットワークを経由して家族に支払われるシステムとなっている。しかしながら、ドナーの治療以外の目的にかかる費用は一時的にせよドナーの医療保険請求とされるのは適切ではない。また、ドナーの病態の治療とは関係のない法的脳死判定、法的脳死判定の補助手段としての検査などの費用がどのように負担されるべきかが明確にされていない。2004年11月末までに法律に基づいた脳死判定、脳死下臓器提供を経験した30施設を対象に、上記問題に関してアンケートを行った。

【結果】

  1. 家族の意思決定など、倫理的側面を考慮した場合、ドナー家族への請求と移植施設側請求を脳死判定承諾書および臓器提供承諾書への署名時で分けるのが適切であるとの回答を48%の施設より得た。
     
  2. 法的脳死判定に係わる費用および法的脳死判定開始から第2回判定修了までの管理料は移植施設側へ請求すべきであるとの回答が73%であったが、実際には約60%において患者保険請求が行われていた。
     
  3. とくに法的脳死判定は脳死下臓器提供のためのものであり、これに係わる費用は一括した法的脳死判定斜として移植側に請求すべきであるとの見解が81%の回答より得られた。

【結論】ドナーとなる患者の治療方針の決定、家族の意思決定などの倫理的側面を考慮した場合、ドナー家族への請求と移植施設側請求を脳死判定承諾書および臓器提供承諾書への署名時とするのが明確であると考えられる。

当Web注:「ドナー家族が脳死判定承諾書および臓器提供承諾書に署名した時点以降は、管理料の医療費請求を移植施設側に行う」とする場合、「管理」の内容にドナー候補者の救命治療の継続が含まれ 、請求内容が点検されないと、脳死判定確定後に開始することになっているドナー管理も法的脳死判定7例目で行われたように早期に開始され脳死作成法となる恐れがある。

 

 

鹿野 恒(市立札幌病院救命枚急センター)ほか:救命救急領域での臓器提供のオプション提示、p438

 2004年1月より2005年2月までに臨床的脳死と判定された9例全例に対してオプション提示によるドナーカードの確認および患者家族の臓器提供の意思確認を行なった。1例にドナーカードを確認したものの鼓膜損傷により法的脳死判定ができず、脳死下臓器提供には至らなかった。しかし、同患者を含めた6例に心停止下の臓器提供の意思が確認され、腎臓12件、膵臓1件、心臓弁・大血管3件、角膜4件、皮膚3件の臓器・組織提供を受けることができた。さらに臓器提供となった6例中4例の家族は延命治療中止を希望したが、以前からの施設の方針により人工呼吸器停止を行なってはいない。オプション提示症例が増加すれば、確実に臓器提供は増加すると思われる。また、心停止下臓器提供時も含め家族が延命治療を望まない場合にどのような終末期医療を行うか、今後法的な問題を含め慎重に検討する必要がある。

当Web注:「心停止後」と称する臓器摘出も、血液循環下に抗血栓剤ヘパリンを投与することが不可欠で冷却用および脱血用カテーテル挿入をするのが一般的。これらの臓器獲得目的行為はドナー本人が承認する確定的な意思表示があれば違法性はないとされるが、厚労省等は1998年5月20日の関西医科大学事件判決(http://www.v-net.ne.jp/~pikaia/indexkansaisaiban0.htmlに裁判関係資料)も無視して、「脳死状態と判定されていればヘパリン投与、カテーテル挿入、人工呼吸器停止をしてよい。これは治療方針を決める一般的脳死判定であり法的脳死判定は不要」と臓器移植法をザル法化している。市立札幌病院は鼓膜損傷により脳死判定はできないのに「独自の臨床的脳死判定」で臓器摘出をした。

 

*塩崎 忠彦(大阪大学大学院医学系研究科生体機能調節医学講座):重症頭部外傷受傷後に植物状態を呈している患者は、いつ目を覚ますのか?、p 448

 当施設で治療を受け、重症頭部外傷受傷から1ケ月後に植物状態を呈していた35例(平均年齢45±19、男/女=27/8)は、2005年3月現在、 全例で2年以上(最長8年5ケ月)の追跡調査がなされている。意識回復の過程は、

  1. 受傷から3ケ月以内に急激な意識レベル改善を認める症例(12例)
  2. 受傷5〜12ケ月後にかけて緩徐に意識レベルが改善する症例(8例)
  3. 植物状態が遷延する症例(15例)

の3通りに分かれ、35例中21例(60%)が意識を回復した。意識回複までに要した期間は平均5.0±5.2ケ月であった。経過中9例(26%)が感染症で死亡したが、受傷から 1年以内の死亡は2例(6%)のみであった。意識が回復した21例のうち、MD以上のレベルにまで回復したしたのは3例(14%)だが、うち2例が社会復帰した。受傷時年齢、急性期頭蓋内圧の高低、及びCT上の脳損傷形態と意識回復度合いとの問には明らかな関係を認めなかった。

【結論】重症頭部外傷の急性期治療が終了した時点で植物状態を呈していても、諦めずに治療を継続すれば中枢神経機能が回復する可能性が十分にあることと、年単位で綬徐に回復する中枢神経機能が存在することが明らかになった。

 


*澤村 淳(北海道大学大学院医学研究科侵襲制御医学講座救急医学分野):CPA(心肺停止状態)で搬送され、救命処置により独歩退院し得たクモ 膜下出血の一手術例、p478

 症例は52歳男性。小型トラックを運転中に約30km/hで家屋に衝突する単独事故、救急隊到着時は心肺停止状態。病院到着時に心拍再開となった。頭部CTを施行したところ、クモ膜下出血が認められた。直ちに脳血管造影検査を行い、右中大脳動脈 瘤を検出した。心肺停止状態で発症し来院時Grade5であったが、脳庄降下剤の投与により対光反射が出現したことから手術適応と判断し、再出血予防の為に緊急クリッピング術を施行した。術後経過良好で、 第3病日にはICUを退室し一般病棟へ移床した。その後、脳血管れん縮などの問題もなく独歩退院さjtた。

【考察】Grade5に分類される重症クモ膜下出血症例では手術適応になる症例も少ない。ましてや手術し得たとしても機能的予後は決して良いとは言えない。今回の症例のように、決して諦めない救命処置により、脳庄降下剤の投与で対光反射の出現や意識の改善が認められる症例では、機能予後さえも改善する可能性があると考え られた。

 

当Web注:法的脳死判定第1例目ドナーもクモ膜下出血のグレード5または4とされ、救命努力が尽くされたか疑問視されている。

 


20051025

法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡は累計20人
名古屋市立大学病院

 日本臓器移植ネットワークは25日、http://www.jotnw.or.jp/datafile/example.htmlにおいて法的脳死判定 26例目ドナーからの腎臓移植手術を名古屋市立大学病院で受けた女性が死亡していることを掲載し た。法的脳死判定手続下の臓器移植でレシピエントの死亡が判明したのは 20例目。

 このレシピエントは移植当時から年齢さえも公表されていない。臓器移植術後の臓器生着率および生存率に、レシピエントの年齢は大きく影響する。また生存期間、死因は臓器移植医療の評価に不可欠の情報だが、特に腎臓移植においては情報隠蔽が常態化している。

  法的「脳死」移植レシピエントの死亡年月日、レシピエントの年齢(主に移植時)←提供者(年月)、臓器(移植施設名)は以下のとおり。 

  1. 2000年11月20日 47歳女性←bP0ドナー(20001105)  肝臓(京都大)
  2. 2001年 5月25日 10代女性←bP4ドナー(20010319)  肝臓(京都大)
  3. 2001年 9月11日  7歳女児←bP2ドナー(20010121)  小腸(京都大)
  4. 2001年12月11日 20代女性←bP8ドナー(20011103)  肝臓(北大)
  5. 2002年 2月 3日 43歳男性←bP1ドナー(20010108)  右肺(東北大)
  6. 2002年 3月20日 46歳女性←bP6ドナー(20010726)  右肺(大阪大)
  7. 2002年 6月10日 38歳女性←a@5ドナー(20000329)  右肺(東北大)
  8. 2002年 9月10日 20代男性←bQ1ドナー(20020830)  肝臓(京都大)
  9. 2002年12月 5日 20代女性←bQ2ドナー(20021110)  両肺(岡山大)
  10. 2004年 6月頃   50代女性←bP5ドナー(20010701)  腎臓(東京女子医科大学腎臓総合医療センター
  11. 2004年 6月 7日 50代男性←bR0ドナー(20040520)  両肺(東北大)
  12. 2005年 3月 7日 50代男性←bP2ドナー(20010121)  心臓(国立循環器病センター)
  13. 2005年 3月10日 50代男性←bR6ドナー(20050310)  両肺(京都大)
  14. 2005年 3月21日 40代男性←bR2ドナー(20041120) 心臓(大阪大)
  15. 死亡年月日不明   50代男性←a@5ドナー(20000329)  腎臓(千葉大)
  16. 死亡年月日不明   30代男性←bP4ドナー(20010319)  腎臓(大阪医科大)
  17. 死亡年月日不明   50代男性←bP6ドナー(20010726)  腎臓(奈良県立医科大)
  18. 死亡年月日不明   50代男性←a@2ドナー(19990512)  腎臓(東京大学医科学研究所附属病院
  19. 死亡年月日不明   20代男性←bQ9ドナー(20040205)  肝臓(大阪大)
  20. 死亡年月日不明              女性←bQ6ドナー(20031007)  腎臓(名古屋市立大学病院)

 


20051022

末期的虚血性心筋症には、移植より左室縮小術が生存率は高い
移植後生存率は拡張型心筋症より約10%低い 日大 南教授

 10月22日、第64回日本大学医学会総会が開催され、心臓血管外科部門の南 和友教授は教授就任講演でドイツボッフム大学・バードユーンハウゼン心臓病センターで行ってきた慢性心不全に対する外科的治療を報告。「末期的虚血性心筋症に対し、左室瘤を縫縮するDor手術は世界的なドナー不足のなか、急速に普及し優れた臨床成績が報告されてきている。左室縮小術は、心臓移植や人工心臓の5年生存率を比較しても80%、70%、65%と良好な成績であるため、今後、心臓移植の進まない日本およびドナー不足である欧米においても末期心不全に対する外科治療の中心となって行くであろう」と述べた。

 またバードユーンハウゼン心臓病センターにおける1989年3月から2004年11月までの1401例の心移植および心肺同時移植の成績を示し「拡張型心筋症と虚血性心筋症を比べると、長期予後は拡張型心筋症に対する心移植のほうが有意に良好であった」と述べ、心臓移植から数年経つと虚血性心筋症患者の生存率は拡張型心筋症患者よりも10%程度低くなる実態を示した。

 出典:南 和友(日本大学医学部外科学講座心臓血管外科部門):末期心不全に対する外科治療、日大医学雑誌、65(1)、61―64、2006

 


20051021

透析導入までの期間を2.4倍に延長 取手方式

 10 月20 、21日の2日間、第54回日本農村医学会学術総会が長野県北佐久郡軽井沢町において開催。取手協同病院の椎貝 達夫院長は、取手方式(とりでほうしき=食事療法、血圧調節、薬物療法を総合的に徹底して行う)により腎不全患者の透析導入までの期間が2.4倍延長できたことを発表した。

 前医での腎不全進行速度がわかっている進行性腎不全患者60例のうち、31人(51.7%)は進行速度が80%以上遅くなった。21人は進行速度の減少が認められたが79%未満に止まった。進行速度が前よりかえって速くなったのは8人(13.3%)だった。全体として、前医での治療が続けられていた場合は透析導入まで平均78.2ヵ月、取手協同病院での治療で187.0か月となり、腎臓の寿命は2.4倍延長された。

 椎貝氏らの「進行性腎不全の治療成績-60例についての交差法による検討-」の抄録はhttp://www.jstage.jst.go.jp/article/nnigss/54/0/54_114/_article/-char/ja/、取手方式を行なっている保存期腎不全の患者さんの会「医と食の会」はhttp://www7.ocn.ne.jp/~itosyoku/top_page/top_page.htm

 


20051016

岡崎市民病院 人工心肺で3患者を冷却して臓器摘出
院内移植コーディネーター=臨床工学技士が摘出従事

 10月15、16日の2日間、ホテル松島大観荘(宮城県松島町)を会場に第31回日本体外循環技術研究会大会が開催。岡崎市民病院医療技術局・臨床工学室の山本 英樹氏、西分 和也らは人工心肺(PCPS)を装着した患者からの腎臓摘出時の人工心肺操作について、第38回日本臨床腎移植学会よりも詳細に発表した。

 体外循環技術32巻3号p343および体外循環技術33巻2号p171〜p173掲載「PCPS装着例における心停止後腎臓摘出3症例 の経験」によると、岡崎市民病院医療技術局・臨床工学室は2000年より院内移植コーディネーターを兼任し、心停止後腎提供は過去30例実施、臨床工学技士として摘出時に、これまでは静脈を切断・脱血しながら落差を利用して冷却灌流液を注入する単純冷却保存法による腎灌流を施行し、今回、3例からの心停止後腎臓摘出においてPCPS回路を使用した。

 急性心筋梗塞の67歳男性は入室直後に心室細動となり挿管、血行動態破綻しPCPS(経皮的心肺補助循環)装着・IABP(大動脈内バルーンパンピング)挿入となった。その後、ムンテラ時に家族よりPCPS停止の申し入れがあり、同時に主治医より心停止後の腎提供を提示(オプション提示)し、家族の承諾後に心停止後の腎臓摘出を行った。

 急性心筋梗塞の67歳男性は血行動態破綻しPCPS装着・IABP挿入、ICU帰室後心破裂、PCPS継続困難のため、家族に説明が行われ同時に主治医よりオプション提示、家族の承諾後に心停止後の腎臓摘出を行った。急性心筋梗塞の67歳男性2名については、心停止後直ちにIABPを拡張しPCPS回路の脱血側を離断し、腎灌流回路を接続、約4度に冷却した乳酸リンゲル液にて灌流を行なった。

 バスケットボールの練習中、休憩時突然倒れ意識消失した20歳女性(韓国からの留学生)は、臨床的脳死判定後、家族に対して心停止後の腎提供オプション提示を行い、家族の希望もあって腎臓摘出となった。心停止後直ちに送血側を離断し、熱交換器(心筋保護回路)を装着して酸素化血を冷却し臓器保存を行なった 。その後、手術室にて通常の乳酸リンゲル液にて灌流を行った。 潅流速度は毎分0.4〜2L、潅流温度3.8〜5.2度(血液温12〜18.6度)、総潅流量49L。

 山本氏らは結論として「PCPS装着症例における心停止後の腎臓摘出では、腎灌流にPCPS回路を用いることで迅速な腎灌流の開始(温阻血時間の短縮)や冷却酸素化血による臓器保存を行うことが可能であり、腎摘出時の温阻血障害を軽減できると考えられる」としている。

 

以下は当Web注

  1. 弘前大学第二外科は人工心肺装置を使った全身冷却により14歳児の体温を31度に低下させて心停止させた後に臓器摘出を行なっている。岡崎市民病院のように20歳女性に酸素化血を冷却して灌流することも、患者の生還をまったく不可能にする行為とみられるが、このような臓器獲得が法的脳死判定手続によらず行われても違法ではないのか。 心停止の原因は不明だが、検視は適正に行われたのか。
     
  2. 人工心肺による血液循環下に全身冷却して臓器摘出に持ち込む行為を、「心停止後」と称して行うことは許されるのであろうか。
     
  3. 67歳男性患者2名に対して「心停止後直ちに」人工心肺用に用いていた回路から脱血して4度の冷却灌流液を注入しているが、心室細動が20分継続していても救命できたケースがある。「心停止後直ちに」脱血して冷却灌流液を注入することは、許されるのであろうか。
     
  4. ガイドラインは「脳死判定医は、臓器移植にかかわらない医師であること」としているが、院内移植コーディネーターが臨床工学士として臓器摘出にまで関与することも禁止されるべきではないか。

 


20051014

看護師が脳死・臓器管理に戸惑い、ジレンマ感じる 市立札幌病院
家族は「心停止後」が脳死摘出と異なると誤認 大津赤十字病院
第7回日本救急看護学会学術集会

 第7回日本救急看護学会学術集会が2005年10月13日、14日の2日間、札幌コンベンションセンターで開催された。臓器摘出に戸惑い、ジレンマを感じている看護師、「心停止後」の腎臓提供が脳死臓器摘出とは異なると誤認している家族の事例も発表された。以下は日本救急看護学会雑誌 7巻1号より(タイトルに続くp・・は掲載頁)。

 

*佐藤 真澄(市立札幌病院救命救急センター):臓器提供における倫理的課題 院内移植コーディネーターの役割を通して見えてきたもの、p66

 当センターでは、臨床的脳死と診断した患者の家族に、医師が意思表示カードの所持・家族の臓器提供の意思確認を行っている。今のところ不快感を示す家族はいないが、心停止後腎臓提供の場合、家族の承諾のみで提供が可能なため、本人の考えを忖度して家族が決断しており、意思決定に関して容易ではないこと、臓器提供することを承諾した後も、本当に良いのか葛藤している言葉があった。他の患者と同様に、看護師はケアを行っているが、脳死は人の死であることが前提の移植医療、移植のための臓器管理や本人の意思がはっきりしていないことに関し、戸惑いやジレンマを感じている看護師もいた。

当Web注:「移植のための臓器管理」は法的脳死が確定した後でなければ傷害致死罪に問われる可能性があるが、市立札幌病院では心停止前=死亡宣告前に開始している (救急医学31巻12号)。

 

*國松 秀美(大津赤十字病院救命救急センターICU):患者・家族の思いを看護ケアに取り入れることをめざす 心停止後の腎臓提供を希望された脳死患者の家族援助を通して、p178

 クモ膜下出血の43歳女性、第2病日夫よりドナーカードをもっているとの意思表示がある。第4病日臨床的脳死と診断、心停止後の腎、角膜提供を同意された。第13病日に敗血症のため、臓器提供は無効となり、第14病日死亡された。

 看護目標は容姿に変化を最小限にとどめるとし。家族と一緒に計画を立てた。夫の言動は「妻の臓器が人様のお役に立てればと考えている」と話す一方で「寝たきりでもいいから生きていて欲しいので脳死下での臓器移植は希望しない」であり、生への希望が大きい事が伺えた。

 


20051009

補助人工心臓装着患者の22%が心機能回復
Dor手術は虚血性心筋症に合理的 埼玉医科大
10年後は他の治療法が心臓移植を凌駕 東京女子医大
 

 メジカルビュー社発行の「ハートビュー」10月号は“難治性心不全 非薬物治療の最前線”を特集した。

 企画にあたって(p6〜p7)、埼玉医科大学心臓血管外科の許 俊鋭氏は「ドナー心不足から・・・(中略)・・・多臓器不全を合併した末期的心不全例に対して確実な循環維持効果が証明されている治療は、補助循環治療のみと考えられている」と指摘。一時、心臓移植の代替治療として脚光を浴びたバチスタ手術は「代替になりえない」と結論。一方、Dor手術は「虚血性心筋症に対してはきわめて合理的」と評価、再生医療とのコンビネーションにより「新たな可能性が展開される」とした。

 同科の西村 元延氏は「外科的アプローチで治す 補助人工心臓(p106〜p111)」において、補助人工心臓を装着した41例中9例(22%)が、補助人工心臓からの離脱に成功していることを報告した。しかしながら現時点では(補助人工心臓の装着前に)どの症例で心機能回復が可能であるかを「予測することは困難」という。

 東京女子医科大学循環器内科の松田 直樹氏と笠置 宏氏は、「難治性心不全のOverview(p8〜p9)」において 、NYHA分類W度(ニュヨーク心臓協会が定めた心臓機能の分類で最も重症)の心不全患者の各種治療法による生命予後曲線をBraunwaldの教科書heart diseaseから引用。1992年に報告されたエナラプリル投与患者の1年死亡率は40%、2001年に報告されたカルペジロール他投与患者の3年死亡率は30数%まで改善していることを紹介 した(プラセボの1年死亡率60数%、心臓移植の3年死亡率10数%)。「病態への理解の進歩、非薬物療法の進歩は、これら難治性心不全の克服へと前進している。10年後の教科書には心臓移植の予後を凌駕する生命予後曲線を目にするに違いない」と結んだ。

 


20051007

「心停止後臓器摘出目的で、心停止前から薬剤投与は問題」と認識
ガス麻酔、人工呼吸は許容される?? 京大附属病院呼吸器外科

 2005年10月5〜7日の3日間、岡山市内で第58回日本胸部外科学会定期学術集会が開催された。以下はThe Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY53巻Suppl.IIより注目される発表の要旨(タイトルに続くp・・・は掲載頁)。

 

*小谷 恭弘(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科心臓血管外科):心停止ドナーからの心移植における左室と右室機能に及ぼすフリーラジカルスカベンジャーMCI-186の効果、p463

 心停止ドナーからの心移植において、心停止に至るまでの低酸素血症と心筋の過伸展は、左室のみならず右室の心筋障害をきたすと考えられる。また常温虚血後の虚血再灌流障害は移植心機能に悪影響をおよぼす。今回われわれはブタ呼吸停止モデルにおいて、フリーラジカルスカベンジャーであるMCI-186の心筋保護効果を検討した。

 ドナーブタに抗血栓剤ヘパリンを投与後、人工呼吸器を停止、心停止を確認後、常温で30分放置した。直ちに白血球除去血液心筋保護液で20分間調節再灌流を施行、MCI-186を大動脈基部より投与した(体重1kgあたり3mg )。続いて白血球除去血液で再灌流した。その後、心拍動下にレシピエントブタに移植した。MCI-186投与群で良好な回復を示した。MCI-186は虚血後の虚血再灌流障害を軽減し、移植後両心室機能の回復に寄与すると考えられた。

 

当Web注:いったん心停止しても、再び血液灌流を開始するのであれば「心停止ドナー」とはいえない。小谷氏らは第23回日本心臓移植研究会において、脱血死させたブタから摘出した心臓のほうが、呼吸停止死させた場合よりも心拍出量回復率が良好と報告している。

 


*藤永 卓司(京都大学医学部附属病院呼吸器外科):温虚血中Isoflurane吸入の肺保護効果、p629

 深刻な臨床肺移植における臓器ドナー不足に対する解決策の一つとして、心停止ドナーからの臓器提供がある。ただ、心停止後ドナーにおいては冷保存までに温虚血が存在し、そのため臓器機能が著しく傷害される。しかし心停止後の臓器提供を目的に、心停止前から薬剤投与することは倫理的に問題があり、心停止後の経静脈投与は極めて困難である。

 吸入麻酔薬イソフルランは、心臓、肝臓、脳では虚血前吸入により虚血再灌流傷害を抑制することが報告されている。我々は虚血開始直後からのイソフルラン吸入が、肺虚血再灌流傷害を抑制するか否かを検討した。希釈血液を用いてラット肺を15分間灌流後、1.38%のイソフルラン混合の室内気で換気を継続させたまま灌流を停止し温虚血(37度、50分)とした。その後、再灌流を60分間行った。

 肺虚血中のイソフルラン吸入は温虚血障害を抑制し、その機序としてミトコンドリア機能の温存が想定された。

 

当Web注:上記の実験では血液灌流は停止されたが、換気が継続されており、3徴候死ではない。「臓器摘出を目的に、生存している患者に薬剤投与やカテーテル挿入」などを行うことは、傷害(致死)行為となる。麻酔薬の投与だけ、別扱いで許容されることはない。

 


このページの上へ

2015-03 ] 2014-12 ] 2014-10 ] 2014-9 ] 2014-8 ] 2014-7 ] 2014-6 ] 2014-5 ] 2014-4 ] 2014-3 ] 2014-2 ] 2013-12 ] 2013-11 ] 2013-10 ] 2013-9 ] 2013-8 ] 2013-7 ] 2013-6 ] 2013-5 ] 2013-4 ] 2013-3 ] 2013-2 ] 2013-1 ] 2012-12 ] 2012-11 ] 2012-10 ] 2012-9 ] 2012-6 ] 2012-5 ] 2012-3 ] 2012-2 ] 2012-1 ] 2011-12 ] 2011-11 ] 2011-10 ] 2011-9 ] 2011-8 ] 2011-7 ] 2011-6 ] 2011-5 ] 2011-3 ] 2011-2 ] 2011-1 ] 2010-12 ] 2010-11 ] 2010-10 ] 2010-9 ] 2010-8 ] 2010-7 ] 2010-6 ] 2010-5 ] 2010-4 ] 2010-3 ] 2010-2 ] 2010-1 ] 2009-12 ] 2009-11 ] 2009-10 ] 2009-9 ] 2009-7 ] 2009-4 ] 2009-2 ] 2009-1 ] 2008-12 ] 2008-11 ] 2008-10 ] 2008-9 ] 2008-8 ] 2008-7 ] 2008-6 ] 2008-5 ] 2008-4 ] 2008-3 ] 2008-2 ] 2008-1 ] 2007-12 ] 2007-11 ] 2007-10 ] 2007-9 ] 2007-8 ] 2007-7 ] 2007-6 ] 2007-5 ] 2007-4 ] 2007-3 ] 2007-2 ] 2007-1 ] 2006-12 ] 2006-11 ] 2006-10 ] 2006-9 ] 2006-7 ] 2006-6 ] 2006-5 ] 2006-4 ] 2006-3 ] 2006-2 ] 2006-1 ] 2005-12 ] 2005-11 ] [ 2005-10 ] 2005-9 ] 2005-8 ] 2005-7 ] 2005-6 ] 2005-5 ] 2005-4 ] 2005-3 ] 2005-2 ] 2005-1 ] 2004-12 ] 2004-11 ] 2004-10 ] 2004-9 ] 2004-8 ] 2004-7 ] 2004-6 ] 2004-5 ] 2004-4 ] 2004-3 ] 2004-2 ] 2004-1 ] 2003-12 ] 2003-11 ] 2003-10 ] 2003-9 ] 2003-7 ] 2003-6 ] 2003-5 ] 2003-4 ] 2003-3 ] 2003-2 ] 2003-1 ] 2002-12 ] 2002-11 ] 2002-10 ] 2002-9 ] 2002-8 ] 2002-7 ] 2002-6 ] 2002-5 ] 2002-4 ] 2002-3 ] 2002-2 ] 2002-1 ] 2001-12 ] 2001-11 ] 2001-10 ] 2001-9 ] 2001-8 ] 2001-7 ] 2001-5 ] 2001-3 ] 2001-2 ] 2001-1 ] 2000-12 ] 2000-11 ] 2000-10 ] 2000-9 ] 2000-6 ] 2000-4 ] 1999 ] 1998 ] 1997 ] 1996 ] 1994 ] 1993 ] 1992 ] 1991 ] 1990 ] 1989 ] 1988 ] 1986 ] 1985 ] 1984 ] 1983 ] 1982 ] 1981 ] 1969 ] 1968 ] 1967 ] 1966 ] 1964 ]


ホーム ] 総目次 ] 脳死判定廃止論 ] 臓器摘出時に脳死ではないことが判ったケース ] 臓器摘出時の麻酔管理例 ] 人工呼吸の停止後に脳死ではないことが判ったケース ] 小児脳死判定後の脳死否定例 ] 脊髄反射?それとも脳死ではない? ] 脊髄反射でも問題は解決しない ] 視床下部機能例を脳死とする危険 ] 間脳を検査しない脳死判定、ヒトの死は理論的に誤り ] 脳死判定5日後に鼻腔脳波 ] 頭皮上脳波は判定に役立たない ] 「脳死」例の剖検所見 ] 脳死判定をしてはいけない患者 ] 炭酸ガス刺激だけの無呼吸テスト ] 脳死作成法としての無呼吸テスト ] 補助検査のウソ、ホント ] 自殺企図ドナー ] 生命維持装置停止時の断末魔、死ななかった患者たち ] 脳死になる前から始められたドナー管理 ] 脳死前提の人体実験 ] 脳波がある脳幹死、重症脳幹障害患者 ] 脳波がある無脳児ドナー ] 遷延性脳死・社会的脳死 ] 死者の出産!死人が生まれる? ] 医師・医療スタッフの脳死・移植に対する態度 ] 有権者の脳死認識、臓器移植法の基盤が崩壊した ] 「脳死概念の崩壊」に替わる、「社会の規律として強要される与死(よし)」の登場 ] 「脳死」小児からの臓器摘出例 ] 「心停止後」と偽った「脳死」臓器摘出(成人例) ] 「心停止後臓器提供」の終焉 ] 臓器移植を推進する医学的根拠は少ない ] 組織摘出も法的規制が必要 ] レシピエント指定移植 ] 非血縁生体間移植 倫理無き「倫理指針」改定 ] 医療経済と脳死・臓器移植 ] 遷延性意識障害からの回復例(2010年代) ] 意識不明とされていた時期に意識があったケース ] 安楽死or尊厳死or医療放棄死 ] 終末期医療費 ] 救急医療における終末期医療のあり方に関するガイドライン(案)への意見 ] 死体・臨死患者の各種利用 ] News ] 「季刊 福祉労働」 127号参考文献 ] 「世界」・2004年12月号参考文献 ]