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臨床上脳死に近い状態 脳波あり、聴性脳幹反応は正常
Bickerstaff型脳幹脳炎とGuillain-Barre症候群の合併例
2000年6月24日、第150回日本神経学会九州地方会が琉球大学医学部で開催され、大分県立病院神経内科の橋口氏らは、臨床上脳死に近い状態となった48歳女性から脳波が測定されたことを報告した。
この女性は2000年1月はじめより風邪症状があり、1月15日意識障害で発症、同日夕刻には深昏睡、呼吸不全となり人工呼吸管理となった。
1月20日JCS300、自発呼吸なく、両側瞳孔径6mm、瞳孔正中固定で対光反射、角膜反射、毛様体脊髄反射、眼球頭反射、咽頭反射などの脳幹反射は消失し、四肢の弛緩性麻痺、腱反射消失を認めた。聴性脳幹反応は正常で脳波は基礎波アルファー波に徐波の混在がみられたが平坦脳波ではなかった。
出典:橋口 良也(大分県立病院神経内科)ほか:臨床上脳死に近い状態を呈したBickerstaff型脳幹脳炎(BBE)とGuillain-Barre症候群(GBS)の合併と考えられる1重症例、臨床神経学、40巻8号、p866(2000年)