脳死ドナーの減少は不可避! エラスムス大Kompanje氏ら
デッド・ドナールールを犯さなければ、心臓の供給源がない
2011年6月15日付で発行されたTransplantation91巻11号p1177〜p1180のForumに、オランダ・エラスムス大学医療センターのEtwin
Kompanje氏らによる「Is organ donation from brain dead donors reaching an
inescapable and desirable
nadir?(脳死ドナーからの臓器提供は、不可避かつ望ましい最底点に達しようとしているのか?)」が掲載された。
抄録はThe brain dead patient is the ideal multiorgan donor. Conversely, brain
death (BD) is an undesirable outcome of critical care medicine. Conditions
that can lead to the state of BD are limited. An analysis showed that a (aneurysmal)
subarachnoid hemorrhage, traumatic brain injury, or intracerebral hemorrhage
in 83% precede the state of BD. Because of better prevention and treatment
options, we should anticipate on an inescapable and desirable decline of BD.
In this article, we offer arguments for this statement and discuss
alternatives to maintain a necessary level of donor organs for
transplantation.
Etwin Kompanje氏らは、「脳死患者は理想的な多臓器ドナーだが、逆に言えば救急医学の望ましくない結果で死の過程をゆがめたもの」として、オランダにおける過去15年間の臓器ドナーについて
1995年〜1999年=脳死ドナー88.6%:心停止ドナー11.4%
2000年〜2004年=脳死ドナー66.9%:心停止ドナー33.1%
2005年〜2009年=脳死ドナー58.4%:心停止ドナー41.6%
と脳死ドナーの減少傾向を示し、医療ほかの発展による脳死に至る原疾患(クモ膜下出血、脳内出血、交通事故)などの減少を指摘した。米国における人工呼吸器停止後の小児の心停止心臓ドナーの実施や、臓器提供安楽死などの解決法も示唆されていること、家族の提供拒否も増加していることを書き、肺・腎臓・肝臓については生体ドナーにも可能性を見る。文末は、こう書かれている。
The transplant community should anticipate on a possible decline of brain
dead patients because of better prevention and treatment of the causes
leading to BD. This decline is desirable and inescapable. Concerning the
decline of hearts eligible for transplantation,there is no alternative
source without violating the dead donor rule. For obtaining the lungs,
kidneys, and livers,there is still potential for further improvement. Better
and timely identification and care of the potential organ donor and removal
of the hurdles of living organ donation will offer us some time to further
investigate more challenging alternative sources that may force us to shift
our moral and ethical boundaries.
(仮訳)移植コミュニティは、脳死に至る治療法と予防法の改良で、脳死患者が減少する可能性について、予期しているべきです。この低下は望ましく、そして不可避です。移植に使える心臓の減少は、デッド・ドナールール
を侵犯しなければ代わりの供給源がありません。肺、腎臓、および肝臓を得るためには、まだ改良の可能性があります。よりよい適切でタイミングの良い潜在的な臓器提供者の識別とケア、そして生体臓器提供のハードル除去は、私達の道徳および倫理の境界をシフトすることを強いると見込まれる、より挑戦的な臓器供給源をさらに調査するための、しばらくの時間を私達に提供します。
当Wwb注
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米国OPTNのデータhttp://optn.transplant.hrsa.gov/data/によると、ほとんどが「脳死」ドナーである心臓移植の「死体」ドナー数は、1994年の2,337体がピーク、2004年に2,015まで落ち込み、その後2010年に2,333体まで増加したものの、2011年11月までのデータでは1,760体と減少が見込まれる。いずれにしても「脳死」心臓ドナー数は年間2,400体付近に天井がある。年齢その他の生理的状態から、従来はドナーとしていなかった患者もドナーにするようになっており、米国においても「脳死」ドナーの実質的減少は進行している。
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1968年の対談で、榊原 仟氏(東京女子医科大学教授)は「駄目だと確実に分かるなら、取ることを問題にしないでおこう」、石川 浩一氏(東京大学教授)は「モラルをかえる方が手技の問題よりはかえやすい」と喋った。近藤 芳夫氏(東京大学分院外科教室)は「死の定義に関する時間的ずれを論じ、いい臓器を求める宿命」と書いた。
Etwin Kompanje氏らの「道徳および倫理の境界をシフト・・・」の論説は、医学的根拠なく臓器移植技術の実行に執着する人々の行動パターンを踏襲したもの。
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子どもを凍死させて臓器を摘出する、移植関係者の「心臓ドナーは、自分の生の代わりに、生命の贈り物をした」という認識、さらに脳死判定基準を満たしても心停止に至るとは限らない、なかには脳死判定を覆す患者もいる現実は、「臓器提供により患者が死ぬことはあってはならない」「臓器提供者は死体でなければならない」というデッド・ドナールールが、
当初から虚構であったことを示す。
第24回日本脳死・脳蘇生学会総会・学術集会
岩田:臓器提供選択肢提示、サポートツールを提供
堤:現在の検証会議は“お墨付き”を与えるだけの存在
鹿野:よくある、脳死で臓器提供承諾、自発呼吸して転院
堤:承諾をとるため一生懸命やったふりをする。下心ある
第24回日本脳死・脳蘇生学会総会・学術集会が、2011年6月17、18日の2日間、奈良市の奈良県新公会堂を会場に開催された。18日は、シンポジウム「改正臓器移植法 1年の検証」が開催された。以下は、日本脳死・脳蘇生学会機関誌「脳死・脳蘇生」24巻2号(2012年)に掲載された発表の
要旨または一部分(タイトルに続くp・・・は掲載
ページ)。
*岩田 誠司(福岡県メディカルセンター):改正臓器移植法1年後の検証、p82〜p90
脳死下臓器提供者数は、改正されたこの10年、突出して増えている。家族からの申し出の数が非常に増えています。同じように増えたのが過去に1999年と2006年にもありました。1999年は第1例目の脳死下の提供があった年なんです。2006年は衆議院に改正案のA案とB案が提出された年です。非常に新聞紙上がにぎわった時でした。
このように何かしらあってメディアに多く取り上げられた年というのは、それに比例して家族の申し出が増えている傾向がみてとれます。ただ、問題はそのあとです。確実にまた減少していってます。つまり、一般の人の関心というのは決してどんどん増えていくのではなくて、一過性じゃないだろうかと。ですから決して安心できる状況ではありません。しかし、こういうふうに世間の注目を浴びていると病院のほうで躊躇している傾向があるのではないかと思います。(臓器提供選択肢提示が)減少の傾向がみられるのではないかと思いました(岩田氏は臓器提供(脳死下+心停止下)選択肢提示による症例数を示し
た。1996年58例をピークに2002年は18例まで低下、次のピークは2009年の59例、2010年は48例)。
今、私たち移植コーディネーターは皆、この選択肢提示というのを一生懸命やっています。選択肢提示を実際にやっていただける先生をどんどん増やしていこうと活動しています。サポート的なツールを提供していくことも1つ考えていいと思っています。ある病院では、選択肢提示まではできないということがあったので、ではしなくていいですと。しなくていいですといったら極論ですが、脳死状態の説明用のパンフレットをそういう病院にはつくりました。脳死の患者さんにこういう検査をしましたということで、図とともに示していただくパンフレットなんですが、この中にさりげなく脳死後の選択肢の中に臓器提供がありますと書いてあります。さらに、こういった書面や口頭で選択肢を伝えることは主治医の役割として法の運用の指針にかいてありますということで、主治医の立場を擁護する文言も入れさせていただく。先生はオプション提示をする意識がなくとも、家族に選択肢が提示できるというものを作って配布しています。
このように、例えば自分はやりたくない、あるいは院内コーディネーターが代行する、いろいろな方法はあると思いますが、要はこれじゃないといけないというのではなくて、ある程度そこは病院に合わせていくと。つまり、選択肢提示を行なう主治医へいろいろ選択肢が提示できる状況も作っていけてもいいのかなと思っています。
*堤 晴彦、熊井戸 邦佳、杉山 聡(埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター):臓器移植法改正後の第1例目の検証と情報の公開を!、p98〜p104
2010年8月、臓器移植法改正後初めて、家族の承諾のみの脳死下の臓器提供が行なわれました。検証会議報告書は死因は、脂肪塞栓症候群にともなう脳梗塞とのことですが、それは本当なのでしょうか。脂肪塞栓症候群による脳病変に関する論文をみますと、脂肪塞栓の場合には脳病変は、半卵円中心や放線冠、あるいは大脳白質とされています。しかるに、本事例では両側基底核を中心とした多発性低吸収域をみとめた、とされています。病態の形態が異なるのではないでしょうか。
本質的な疑問は、脂肪塞栓症候群による病変はあったのか、という点です。本事例においては何より、肺を摘出して移植に用いているわけです。肺に脂肪塞栓症候群にともなう病理学的・器質的病変があったとは、到底考えられません。
死亡診断書、あるいは死体検案書かもしれませんが、どのように記載されているのでしょうか。死亡診断書は公文書であります。私が主治医だったら、到底このような死亡診断書は書けないと思います。おそらく本事例の主治医もこういう死亡診断書は書いていないのではないかと思っています。いずれにせよ、検証会議においては何の検証もなされておりません。
医療安全の立場からも本事例は非常に重要な症例と言えます。大腿骨骨折は日常の救急診療でごく普通にみられる外傷です。右→左のシャントが存在すれば、このような広範囲の脳梗塞が発症したことも理解できないわけではありませんが、本事例においては、心臓も移植に用いられているのであり、右→左のシャントの存在は考えにくい状況です。もし、このようなことが起こり得るなら、その原因を究明することは医療安全の立場からも医師として当然の責務ではないでしょうか。
警察の検視は、どのように実施されたのでしょうか。報告書によりますと、検視が行なわれた時間は22分間です。警察の捜査・検視については、何も検証されておりません。これで本当によいのでしょうか。検事が判断できる医学的内容ではありません。本事例は交通事故の被害者です。加害者が死因で争うとどうなるでしょうか。
臓器摘出が実施されているのですから、病理解剖の承諾をとる努力が必要だったのではないでしょうか。臓器の移植に関する法律により、臓器摘出後に司法解剖を施行することはできません。
まとめです。脳死下での臓器提供事例に係る検証会議の目的は何か、という点であります。私には、現在の検証会議は、ただ単に脳死下の臓器移植が適切に行なわれたという“お墨付き”を与えるだけの存在になっているように思えます。本来は、脳死下の臓器移植をさらに改善させるために行なわれる検証なのではないでしょうか。警察の捜査は検証会議の範囲外という対応でいいのでしょうか。臓器移植ネットワークの記者会見の検証も必要でしょう。「知らぬ存ぜぬ」という対応はいかがなものでしょうか。もっとジャーナリスト側に誠実に対応すべきであったのではないでしょうか。
結語です、健全な移植医療の推進のために、professional
autonomyという立場からも、「検証会議の検証報告書」の“検証”を行なうことを提案します。その上で、検証会議のあり方について再検討することを強く要望します。
*総合討論、p107〜p112
奥地:奈良医大の奥地です。我々がオプション提示をする時期について、いつがいいのかというのは、いつも悩んでしまいますが、コーデイネーターの立場としていちばんいい時期というのはいつぐらいの時期なんでしょうか。
岩田:それは先生方、鹿野先生とかに聞かれたほうがたぶんいちばんわかるかと思いますが、例えば私たちが連絡をいただいて、そして先生がオプション提示をされて、それでご家族に面談するケースというのが結構多いんですが、そういった時に、ちょっと時期的に早かったんじゃないかと思わせられるような症例も多々ありました。ご家族の方が冶療に対してどこか納得できない部分を持っていたり、もしくは本当に助からないのかと、まだ確実視してないような段階で、先生のほうはもう絶対に助からないと断言しているという、ぞういったギャップのある期間でのオプション提示があった時には、やはりご家族のほうも先に進みにくいのかなとは思います。
奥地:ありがとうございました。
北原:今の件に関して他の方、鹿野先生、何かございますか?
鹿野:いつオプション提示をすればいいのか、よく死が受容できたら、でも病院にいる間は死が受容できるわけがないですね。では、どのくらい時間をとって先生は話してるんですかと言われますが、脳死の診断をしてその結果をお伝えして、その日、次の日にお話ししていることが8割方ですね。それ以降、3日目以降にお話ししていることはほとんど少ないです。それで、早い段階でお話ししている方々のほうが実は承諾が高いです。後々になると自分がたぶんお話ししづらいので、後になると承諾率も悪いと思いますが、実はそんなに時間がかかってるわけではありません。
さっきから話を聞いていると、オプション提示がポンと出てくるから違和感があって負担があって、というように皆さん捉えてしまうんですけれども、僕らは、まずとにかく終末期であるという診断を確実に行って告知をします。オプション提示が前提ではまったくありませんので、告知してこれからもうお別れの時間なんです、ということを言って、時間とか空間だとか整えて、看護師を含めていろいろなことをやっている中で、患者さんのご家族の意思があったらということでお話をさせていただいているだけですので、この時間を何か設定するということではなくて、いちぱん大事なことはまず終末期であるという告知をきちっとし、確実に脳死を診断することです。世の中では聞いているとよくあるんです、脳死だろうということでオプション提示をしてしまって、コーディネーターまで来て承諾書まで作っているのに、あとから自発呼吸が出てきて植物状態になって転院していったと。何のための承諾書かわからないですね。死を前提とした承諾書なのに、その第一段階を間違えているわけです。
脳死の診断そのものは、僕は難しいと思っていません。たくさんやっていますので。診断する時期がすごく難しいと思っています。そういったことを誤ってるんですね。だからまず、そういったことをきちっとする、まず告知して、これから亡くなって"いくんですよということが話の上であれば、その中で自然とこの方は亡くなっていく、こういうご意思があるかということを言っているだけです。いつの時期がいいかということよりも、まず告知して、そうすると家族もゆとりのある時間があれば考えてということになります。そんな長い期間ではなく、診断の結果をお伝えしたその日、もしくはその次の日にお話ししていることがほとんどです。
堤:鹿野先生は“善人”の代表です。私は“悪人”の代表で話をします。たぶん、私が実際の救急、あるいは脳外科の先生の考えに近いところにいると思います。
例えば、患者が亡くなった時に病理解剖をとる時のことを考えますと、私、遺族の承諾をとる自信があるんですよ。まず99%とれると思ぃます。脳死下の時の臓器提供も、私、承諾をとろうと思えばですね、たぶん99%、9割以上はとる自信あります。でもやりません、積極的には。どうしてかと言うと、なんで病理解剖の承諾がとれるかというと、一生懸命しているからなんですよ。鹿野先生もそうされている。承諾をとるためには、病理解剖の時もそうでしたけれども、一生懸命やったふりをするんですよ。下心あれば人間やさしくなるというのはどこの世界でも同じで、オプション提示で承諾をとろうと思ったら人間やさしくなって接するんですよ。そういうことを考えると、自分が嫌になるんです。だからできない。だから、鹿野先生のスタイル、すなわち、“善人”のスタイルでは、たぶん進まないだろうと私は思います。ですから、“悪人”の私を川まで連れていって渡してくれるような方法、コーディネーターの方が言われたそういう仕組みが必要だと考えています。
それから、有賀先生が美しくまとめられたように、脳死、脳死って脳死の局面だけ考えても無理です。だって脳死が人の死かどうかなんて議論を今しても、絶対に国民の意識は変わらない。まずその終末期、人間誰でも迎えるわけですが、その時にどうするかということをまず考えてもらうというか、みんなに問題提起することが第ニ段階だと思います。よく言われることは、脳死になった患者の家族のグリーフケアが大事と言いますけれども、病院ではいっぱいいろんな人が亡くなっているわけです。いろんな人が傷害を負っている。脳死の患者の家族のグリーフケアだけ、そこだけ切り取って言っても仕方がないんですよ。病院におぃては、広く終末期医療、そういうものを含めた中で我々の意識改革、国民の意識改革があってはじめて動くもので、そこをしてこなかったというツケが大きいと思います。
北原:ご家族に脳死らしい、あるいは脳死だということをお話しするのは、これはよくわかります。そういった場合に、次にこういうような状況になりますよというお話をする、あるいは臓器提供というような選択肢がありますよということを主治医がするかどうか。先ほど有賀先生のお話にもあったように、組織も含め全体としてそういう問題に取り組んでいくような体制作りをしていかないと。やるほうの人間としてもなかなか物凄く苦しいと言いますかね。鹿野先生はうまくやってらっしやるのかもしれませんけれども。このへんどうでしょうか?
鹿野:誤解のないように申し上げますが、よく言われます、鹿野先生の承諾率はなんで高いんだとか、どうやって患者さんの家族を落としでるんだとか。よく言われますけど、ほんとに僕、提供を勧めたことは1回もないです。たとえカードがあったとしても、その家族の意見が分かれれば提供に至っていないケースもいくらでもあります。
確かに堤先生がおっしゃったように優しい顔にはなる。救命救急医療をやっている時はすごく真剣な顔をしてますけれども、脳死となってもうこれから亡くなりゆく時は、僕の顔はもしかしたら優しい顔になってます。臓器提供をお話しする時に優しくなっでいるのではなくで、これから亡くなっでゆくという時には、もしかしたら僕の顔は緩んでくるかもしれない。まあ、でも、最終的には同じことです。そういったことを看取る、救急医療っていうのは人を助けることが当然本分なんですけれども、そこにだけ目をやってたりしてしまったので、これだけ多く、我々の施設で年間300人以上亡くなっているんですけれども、そういった部分に目を向けていなかったというのはやはり反省しなきゃいけない。癌だとかそういうターミナルケアだとか、そういったものと同じように、救急医療というのは非常に時間が短いので多忙ですから、そこに目が向けられてなかったんですけど、そういう状況だからこそ、これからは亡くなりゆくところにきちっと目を向ける。目を向けているだけで、実は臓器提供という意思があったりとか、それは二の次に出てくることであって。大前提をまずきちっとしていかないと世の中が変わっていかないと僕は思っています。
芦刈:岩田さんどうぞ。
岩田:すみません。;先ほど先生のほうからもオプション提示のダイミングの実例みたいなお話があったと思いますが、現実的に、では普及を、となった時に、なかなかそこまで目がいかなかったりというような問題は、どうしてもあると思ううんですね。そうなった時に、どうやって広めていこうかというところで、福岡で取り組んでいる病院があります。よろしかったら山田先生、ご自身の病院でされているオプション提示のルールを、ちょっとご紹介いただけたらと思うんですが。
山田:飯塚病院の山田です。当院では、オプション提示をどのようにするかというと、先ほど紹介がありました
「福岡県からのお知らせ」というのを渡していますが、基本的には主治医が渡すようにしています。もう治療を続けていても救命できない、もう助からないですよという話をして、そのあとにオプション提示としてそれを渡します。鹿野先生も言われているように、何日も経ってから渡すのではなく、そういう説明をしたあと、その日とかその次の日ぐらいにだいたい渡しております。それに対してさらに詳しい説明をするとかはもうしていなくて、パンフレットを渡して、あとは家族がそれを見てどう考えるか、家族の返事を待ちます。返事が何もなければ、そのまま看取っていく。家族が何かを、話を聞きたいということを言っ
てきた時には、主治医がいろいろ話をするのではなくて、コーディネーターに連絡をし、コーディネーターがどういうことができるかという説明をする、というようにしています。
第56回日本透析医学会学術集会・総会
日本移植学会:心停止下腎臓提供は「蘇生不能で終末期にあると判断」にて選択肢提示
腎不全総合対策委員会:腎移植療法の末期腎不全治療への貢献度が明らかでなかった
琉球大学:透析再導入後、早期死亡患者に腎移植関連死亡が含まれている可能性あり
日本透析医学会統計調査委員会:透析人口は2015年〜2016年に増加が停止と推測
東邦大学腎臓学教室:腎不全患者の希望は腹膜透析33%、血液透析50%、腎移植26%
国立病院機構水戸医療センター:10例中3例から献腎移植への知識不足による言動あり
東海中央病院腎臓内科:透析中断後の余命は中央値5日、QODAは平均6.0(0点ー12点)
亀田総合病院:腹膜透析から3症例が離脱
第二富田クリニック:有床診療所で血液透析中止、4日後に死亡
神奈川県立汐見台病院:透析導入回避24名、極めて不明瞭な要因で代諾者の決定が優先
堀江病院腎センター:透析導入4年目にて塩酸ベニジピン投与により尿量が増加
第56回日本透析医学会学術集会・総会が、2011年6月17日から19日までパシフィコ横浜(横浜市)で開催される。以下は日本透析医学会雑誌44巻Supplement1から注目される発表の要旨(タイトルに続くp・・・は掲載
ページ)。
6月17日 ワークショップ2 透析医療と腎移植−改正臓器移植法案は何をもたらすか−
*寺岡 慧(国際医療福祉大学熱海病院):臓器移植法改正の要点と今後の課題、p308
心臓が停止した死後(心停止下)の腎臓提供については、旧臓器移植法制定時に角腎法は廃止され、その趣旨に準拠した経過措置が規定されていたが、法改正に伴ってこれは削除された。また指針における「標準的手順」では、脳死下臓器提供について規定されたのみであり、心停止腎提供についてはなんらの規定もない。すなわち心停止下腎臓提供が行なわれるタイミングとして、「脳死とされうる状態」を「蘇生不能で終末期にあると判断」と読み替えて選択肢の提示を行なうこと以外に解決策はない。被虐待者からの腎臓提供に関しては旧指針第12条第5項(検視等)、旧臓器移植法第7条などにより、従来から防止しえてきたと考えられ、今回の新しい規定は虐待の有無の確認に第一義的責任を提供施設に課すものであると同時に、ドナー家族の権利を侵害することにもなりかねないと危惧される。
当Web注:臓器移植法改訂後の被虐待児対策では、第三者の目撃者のいない小児外傷患者は臓器ドナーにされないと見込まれるが、旧臓器移植法下における北里大学の9ヵ月男児ドナーでは、頭部外傷の受傷場面に
ついて目撃者がいないにもかかわらず、北里大学内の被虐待児対策チーム等が虐待ではないとして臓器ドナーとした。
北里大学の、この9ヵ月男児ドナー以外では、臓器提供にあたり被虐待児対策チームが実働した報告は、当Web作成者が読んだ資料の範囲では1件もない。寺岡の「被虐待者からの腎臓提供に関しては・・・従来から防止しえてきたと考えられ・・・ドナー家族の権利を侵害」は、宣伝と見込まれる。
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6月18日 学会・委員会企画4 腎不全総合対策委員会 「我が国の
CKD
ステージ5の実情と今後の対策」
*秋葉 隆(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科):我が国のCKD
ステージ5
の実情と今後の対策、p342
最近、医療側、患者側の治療法選択に役立てるため、日本移植学会、臨床腎移植学会に協力し、腎移植統計の詳細な公開を支援した。これは年間新規腎移植数の統計は従来から有ったものの、機能している移植腎での生存患者数が明らかでなくアメリカ合衆国の腎臓病臨床統計USRDS
Annual Reportの国際統計においても我が国の年末ESRD患者数が空白となる状態が続いていた。この結果、腎移植療法の末期腎不全治療への貢献度が明らかでないなど、行政や医療関係者、医療行政担当者への情報不足が目立っていたが、この公開によりわが国での腎移植療法の貢献度が明らかになった。
当Web注:腎移植臨床登録集計報告(2010)−3 2009年経過追跡調査結果では、依然として腎移植患者の消息は半数以上が不明だった。
*井関 邦敏(琉球大学医学部付属病院血液浄化療法部):CKD
ステージ5実態、p342
日本透析医学会では腎移植関連の調査は2001年度より開始されている。過去9年間で腎移植後再導入患者数は108〜262人、透析導入患者全体に占める割合は0.3〜0.7%となっている。透析再導入後、早期に死亡した患者では免疫抑制剤、その他の腎移植に関連する死亡が含まれている可能性がある。また腎移植施設による経過観察からの脱落例では移植後再導入が記録されていない可能性も否定できない。CKDステージ5の有病率を求めるには移植腎にて生存している患者(CKDステージ5T)の調査も欠かせない。移植後に透析に至る前に死亡した例については日本透析医学会に資料がないので、今後関連する学会の連携による調査が必要である。
*中井 滋(日本透析医学会統計調査委員会):今後の慢性透析患者数の動向、p343
わが国の透析人口の年間増加率は年々減少している。1984年1年間に透析人口は12.8%増加していたが、この10年後の1994年1年間の増加率は7.0%であり、さらに10年後の2004年1年間の増加率は4.4%、そして2009年1年間の増加率は2.6%と、透析人口の年間増加率は年を追う毎に直線的に減少(減速)している。この傾向が今後も変わらないと仮定すると、わが国の透析人口の年間増加率(増加速度)は2015年〜2016年に0%、すなわち透析人口の増加が停止すると推測される。
過去26年間の傾向からは、年間導入数の増加率も2011年前後に0%になると推測される。年間死亡患者数の年間増加率は、わずかに増加傾向にある(しかもやや加速的に増加し続ける)と推測されるのである。導入数の減少傾向に対して死亡数は増加すると推測されることからも、透析人口がいずれ減少に転ずることが支持される。
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*酒井 謙、相川 厚(東邦大学医学部腎臓学教室):治療選択(HD、PD、腎移植)のタイミングと方法論、p282
2009年5月より、看護師による療法選択外来を開始した。週1回、1人1時間をかけて、PD/HD/移植の話を平等に行なっている。最終希望はPD(腹膜透析)33%、HD(血液透析)50%、腎移植26%であった。
*小川 直子(国立病院機構水戸医療センター看護部):献腎移植後の透析離脱までの関わり、p483
当院では2006年5月に腎移植開始以来、10例の献腎移植を行なった。献腎移植では術後創痛・安静保持に加え1ヵ月程度の血液透析を要することが多く、患者に苦痛を強いることが多い。実際に3名の患者から「痛くて辛いのに、移植後も透析をしなくてはならないのなら移植しなければよかった」「透析のほうが楽だった」という献腎移植への知識不足による言動が聞かれた。
術後透析がしばしば必要となる献腎移植は、入院後直ちに移植となることが多く、術前に医師からインフォームフォムド・コンセントが行なわれているとはいえ、これまで看護師による理解度の確認・術後経過の説明は行なっていなかった。透析離脱後に改めて患者にインタビューしたところ「毎年の献腎登録更新では書類のみで、面接等はなく、何も知識がないままに移植に望んだ」「今は移植して良かったと思う」との言葉が聞かれている。
*石川 英昭、筑紫さおり(公立学校共済組合東海中央病院腎臓内科):市中病院における終末期透析患者医療の現況、p426
【目的】自経験例を通じて透析患者の尊厳死に関して考察する。
【方法】106名の維持透析患者の2年間の観察、透析患者の尊厳死の評価のための尺度であるQODA(Dialysis Quality of Dying
Apgar score)にて終末期医療の質を評価した。
【結果】平均年齢69.9±12.4、男77/女29、透析継続年6.1±4.9年、HD92/PD14、生存86例/死亡20例。最多の死因は感染症で35%を占めた。死亡群(男16/女4)に関して、観察開始時と透析中断を判断した時点で比較を行なった。結果、Hb,alb,DW,CRP,Crの項目で有意差を持って低下を認めた。なお透析中断後の余命は11.4±16.8日(中央値5日)との結果を得た。QODAは6.0±1.2点(0点ー12点)であった。
【考察】終末期透析医療では、透析中断の是非に関する議論が必要である。
【結論】QODAにて終末期医療を定量化する事は、透析患者の尊厳死を考える際に有用である。
当Web注:東海中央病院が採用したQODAは不明だが、例えばhttp://www.promotingexcellence.org/downloads/grantee_tools/bmc1.pdfをみると、全項目で0点になるのは以下の、苦痛に満ちた、自己決定の無い、不穏で尊厳に欠けた、長期間苦しんだ後の死亡となる。
1. Pain (during the last week of life)ではsevere & distressing pain
2. Non-Pain symptoms (last week of life)ではsevere & distressing symptom
3. Advance care planningでは、formal health care proxy or living will had not
been completed, documented, or communicated to staff who managed the terminal
care.
4. Peace/Dignityでは、mostly not peaceful/dignified
5. Duration dimensionでは、prolonged - in that the dying period lasted 6 months
or more. If dialysis was discontinued, then death occurred 3 weeks or more
after the last dialysis treatment.
*渋井 香織(亀田総合病院腎臓高血圧内科):腹膜透析を離脱した3症例の検討、p473
50歳代女性、脳出血、Cushing病、慢性糸球体腎炎にて透析導入(導入時尿量800ml/日)し12ヵ月後離脱。60歳代女性、うっ血性心不全、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群にて透析導入(導入時尿量400ml/日)し5ヵ月後に離脱。50歳代女性、脳出血、肥大型心筋症、急速進行性糸球体腎炎にて透析導入(導入時尿量700ml/日)し5ヵ月後に離脱、36ヵ月後に再導入。
導入時、比較的休息に進行したCKDで尿量がある程度温存されており、CKDの他に全身性合併がある症例が多い。合併症の改善とともに腎不全も改善した症例があり、腹膜透析における緩徐な徐水、溶質除去が有効であったと考えられた。
*尾宦@博美(第二富田クリニック):有床診療所における終末期透析患者の看取りを考える、p482
透析患者に「終末期を見据えた療養の場」を提供したいとの想いから病棟を開設し、今回、初めて終末期透析患者の看取りを経験した。
60代女性、DM腎症、HD歴5年、慢性関節リウマチ、胆嚢癌・肝転移。摂食困難による衰弱、血糖コントロール不全による昏睡等で入退院を繰り返すなか、重症感染症から昏睡状態に陥り全身痙攣出現、家族の意向確認の上、HD中止と苦痛除去を優先する看取りを決定、最終HD4日後、安らかに永眠。今回、家族が当院を看取りの場に臨みHD中止をスムーズに受容できたのは日頃から患者・家族の想いを尊重した関わりがあったためと考える。
*緒方 文子(神奈川県立汐見台病院地域医療連携室):透析導入を回避した末期腎不全、p614
【目的】透析回避患者の身体上、家族関係、社会的背景を明らかにする。
【結果】2008年〜2010年度に透析適応患者87名、そのうち透析導入を回避した患者24名、ADがあった患者は14名。回避患者は本人が自己決定を行い、家族もその判断を尊重したケース(58%)と家族のみによって判断したケース(42%)があり代諾の場合、超高齢もしくは認知症があり家族の介護力がないという背景が明らかになった。
【考察】本人の意思表示が不可能な場合、極めて不明瞭な要因によって代諾者の決定が優先される事が大きな問題として浮上した。
【結論】患者の自己決定権を守るためには早期からチームで対応し、それぞれの立場から情報を提供し事前支持書(AD)を作成できるように関わっていく必要がある。
【まとめ】ADの有効性を社会に啓発し法的整備を訴えていく必要性がある。
*石山 康宏(堀江病院腎センター):透析導入4年目にて塩酸ベニジピン投与により尿量が増加した一例、p810
塩酸ベニジピンはCa拮抗薬のなかでも糸球体の輸出・輸入細動脈を拡張させる作用があり腎保護作用を有する。透析導入後4年目にベニジピンを投与して尿量が増加した症例を経験した。
70歳男性は透析導入後1年目で降圧薬が中止となり以降、降圧薬は投与されていなかった。透析間の体重増加は2〜3kg、4年後8月頃より血圧増加がみられアゼルニジピンを投与されたがあまり改善無く、塩酸ベニジピンを投与。投与前の尿量は300ml位であったが投与後700mlに増加した。また体重増加も投与前では2.3±0.5kgであったが、投与後には1.5±kg0.5kgと有意に減少した。一般に透析導入後2年目で乏尿・無尿になることが多く、本症例は透析導入後4年目でベニジピン投与後尿量が増加した極めて稀な症例と思われた。
第14回日本臨床救急医学会総会・学術総会
国立成育医療センター:小児「脳死」症例の発生は極めて少ない
名古屋第二赤十字病院:子どもの臓器提供に賛成の医師13%
埼玉医科大学:脳ヘルニア、脳幹反応を頼りに治療を継続し救命
第14回日本臨床救急医学会総会・学術総会が6月3、4日の2日間、札幌コンベンションセンター(札幌市)で開催された。以下は日本
臨床救急医学会雑誌14巻2号から注目される発表の要旨(タイトルに続くp・・・は掲載
ページ)。
*問田 千晶(国立成育医療センター病院):小児脳死判定の現状、p208
【対象】2002年から2010年の当センター小児集中治療室(PICU)における死亡症例
【方法】脳死症例数および施行された脳死判定の内容を、診療録より後方視的に検証した。
【結果】期間中の入室7027症例中死亡は166例、そのうち経過中に深昏睡および瞳孔散大を認めた52例につき検討した。脳波を43例に施行した。脳波活動および脳幹反射を認めなかった症例は35例。そのうち全身状態不良により施行不可9例と、その他の未施行15例を除く11例で無呼吸テストが陽性であった。脳死と判断されうる症例は35例であったが、うち17例が被虐待の疑い・知的障害等の除外項目に該当し、法的脳死判定の対象となり得る症例は18例、全死亡例の11%であった。
【考察】新生児を除く小児死亡数は国内全死亡の0.3%と少数である。
【結語】現況からは小児「脳死」症例の発生頻度は極めて少ないことが示唆される。
当Web注
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無呼吸テストは、脳死と判断されうる35例中9例で施行不可だったため、法的脳死判定の対象となりうる症例は問田氏記載の11%(18例/166例)よりも、本当は少ないと見込まれる。
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国立成育医療研究センター脳神経外科の荒木 尚氏らは、日本臨床救急医学会雑誌13巻2号p154(2010年)で「8歳女児、無呼吸テストを除いた脳死判定を1回施行、深昏睡、全脳幹反射消失、平坦脳波、ABR消失の所見を得た。時期を異にして脳血流3D-CTAおよび脳血流シンチを施行、脳血流停止所見を認めた。事後無呼吸テストを2回行った結果2回とも自発呼吸を認め脳死は否定された」と報告している。上記の問田氏らの報告に、この自発呼吸=無呼吸テスト陰性で脳死が否定された8歳女児が含まれていない理由は不明(PICU入室患者と脳外科患者の区別か?)。
*花木 奈央(名古屋第二赤十字病院救急部):脳死下臓器提供に関する職種間格差と院内勉強会の影響 厚生省科学研究費補助金病院意識調査を元に、p208
厚生省科学研究費補助金 病院意識調査を当院の全職員1547名を対象に行なった。回収率82%、脳死下臓器提供に賛成する割合は医師83%、看護師77%、その他67%。自身の臓器提供の意思がある割合は医師46%、看護師45%、その他36%。家族(成人)の臓器提供に賛成する割合は医師67%、看護師65%、その他54%。家族(小児)の臓器提供に賛成する割合は医師13%、看護師11%、その他14%であった。1ヵ月後に脳死下臓器提供に関する勉強会を開催し、約1ヵ月後に再度意識調査をおこなった。発表当日には第2回の意識調査結果をもとに、勉強会の影響・効果を考察し、今後の院内での脳死下臓器提供の啓蒙活動への提言も示したい。
当Web注:臓器提供意思表示カードの携帯状況、カード等の個人的書類に記載した臓器提供・拒否意思の割合および内容と、アンケートに回答した割合・内容の異なるケースも想定されるが、この点についての記載は無い。花木氏らは日本救急医学会雑誌21巻8号p399において、2010年3月に医師231名にアンケートし「臓器提供に関して何らかの意思表示をしている者37%(2008年内閣府世論調査では8.8%)。自分自身について臓器提供の意思がある者は42%(世論調査43.5%)」と報告していた。
*熊井戸 邦佳(埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター):両側瞳孔散大・対光反射消失が継続した急性硬膜下血腫の1救命例、p274
27歳男性、約4mの高さからの転落事故で頭部を主体に受傷、搬入時JCS300、GCS3、両側対光反射消失し、両側瞳孔径6mm/6mm。CTscanにて急性硬膜下血腫を認めた。顕著な正中偏位と脳槽の消失等、脳ヘルニア兆候を示し四肢麻庫の状態。搬送時間が短かったことと年齢が若いということに一縷の望みを賭け、緊急開頭血腫除去術・開頭減圧術を行った。脳圧モニターは術後も40−50mmHgと異常高値を示していたが聴性脳幹反応を確認したところ、ほぼ正常であった。高浸透圧利尿剤に加えプロポフォールを大量使用、低体温や一時過換気も併用した。約1ヶ月昏睡状態は継続しその後改善傾向を示した。さらに術後3ヶ月で右片麻庫と失語を残すも意識はJCS1桁となった。この時点においても瞳孔は散大し対光反射は消失したままであった。頭部外傷において、対光反射消失・両側瞳孔散大の状態は脳ヘルニア状態を意味している。こうした症例に対し我々は緊急手術を行ない、その後も継続する深昏睡と脳腫脹に苦慮しつつも、脳幹反応を頼りに治療を継続し救命しえたため、ここに報告する。
当Web注:無呼吸テスト2回実施の脳死判定例では、広島大学において脳死判定から12日後に聴性脳幹反応が再開している(黒木 一彦:6歳未満の小児11例に対する脳死判定の試み、日本救急医学会雑誌、8(6)、231−236、1997)原文はhttp://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jjaam1990&cdvol=8&noissue=6&startpage=231&lang=ja&from=jnltocで公開されている。
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