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2012年2月28日 Whetstine氏:生死の境界線を不明瞭、信頼損なう可能性ある循環死後臓器提供
千葉県救急医療センター:骨折に脂肪塞栓症候群を合併し臨床的脳死
福山市民病院:4DCTで脳血流途絶、脳死とされうる状態を説明、臓器提供
大阪大学医学部付属病院:28歳男性、脳死肺移植術後58日で死亡
第39回日本集中治療医学会学術集会
2012年2月23日 法的「脳死」臓器移植患者の死亡は累計79名
肝臓移植患者1名、小腸移植患者1名が死亡
2012年2月12日 家族の後悔を最小限にするために必要な“お別れの時間”
呼吸停止直後と死亡宣告後に各60分程度 謝花氏が報告
2012年2月 6日 ドイツで2010年5月から待機、心臓移植手術2011年9月に完了
「日本人の渡航移植受入れは米国とカナダだけ」は虚偽の宣伝?
2012年2月 3日 新潟大学医歯学総合病院:63歳女性、搬入12時間で心停止後腎・角膜摘出
クモ膜下出血患者にヘパリン静注、死亡宣告後も人工換気と心マッサージ継続
北里大学・日本医学館 ハイリスク待機患者の氏名と電話番号を単行本に記載
   

20120228

Whetstine氏:生死の境界線を不明瞭、信頼損なう可能性ある循環死後臓器提供
千葉県救急医療センター:骨折に脂肪塞栓症候群を合併し臨床的脳死
福山市民病院:4DCTで脳血流途絶、脳死とされうる状態を説明、臓器提供
大阪大学医学部付属病院:28歳男性、脳死肺移植術後58日で死亡
第39回日本集中治療医学会学術集会

 2012年2月28日から3月1日まで、第39回日本集中治療医学会学術集会が幕張メッセで開催される。以下はプログラム・抄録集より注目される発表の部分(タイトルに続くp・・・は掲載ページ)。

*Leslie M. Whetstine(Bioethicist, Assistant Professor of Philosophy,Walsh University, North Canton, OH, USA):招請講演 Pioneering or Predatory: Ethical Controversies in Donation After Circulatory Death(先進的か略奪か:循環死後臓器提供における倫理的な論争)、p120

 全国的な移植臓器の不足を解消するため、米国では循環死後臓器提供(Donation After Circulatory Death, DCD)患者の取り扱いについて再考が行われた。当初は一定規制下におかれたDCDに限定、すなわち死が予想されかつ一定のコントロール下に臓器提供を進めうる場合にのみ生命維持の中止が行われていたのだが、これが救急室において規制に縛られないDCDにまで拡大してきている。本講演では、このような臓器確保を取り巻く状況を急速臓器摘出救急車(Rapid Organ Recovery Ambulances)といった新しい提案も交えて、倫埋的側面から分析したい。さらに、抗凝固薬、血管拡張薬、ECMO等を使った臓器保護手段について倫理面から論評したい。また全米臓器分配機関(United Network for Organ Sharing, UNOS)から出された最新のガイドラインについて、特に臓器摘出時における臓器提供者死亡ルールど、DCD患者が本当に死亡しているのかどうかについて検討を加える。本議論はとりわけ急ぐ必要があろう。なぜならこのような新しい臓器確保の戦略は、すでにしてぼんやりと霞んだ生と死の境界線をさらに不明瞭なものにし、公共の信頼と臓器移植の将来を損なう可能性があるからである。

解説
 Donation After Circulatory Death,DCDは本来、心停止後の臓器提供(donation after cardiac death) と呼ばれていたもので、判定基準上の問題から心停止後臓器摘出まで数分の遅れが生じていた。米国ではUNOSが新しいガイドラインを作成しているが、これにより従来の基準を緩和して早期に臓器摘出を計る方向に転換する動きが生じつつある。反対派からは「まだ死んでいない人から臓器を摘出されることに目をつぶろうという動きだ」と強い反発もあるがすでに一部の地域で施行されている。

当Web注:日本の「心停止後の臓器提供」においては、既に
1、臓器保護手段としての抗血液凝固剤、抗血栓剤ヘパリン投与の致死的作用について、日本臓器移植ネットワークの文書そのものが、ドナー候補者家族に説明をしていない
2、凍死殺害後の臓器摘出温阻血時間0分の臓器冷却
など多数行なわれてきた。

 

稲田 梓(千葉県救急医療センター麻酔科):下肢開放骨折に脂肪塞栓症候群を合併し、臨床的脳死状態に至った一例、p257

 20代男性、交通外傷にて来院時、多弁・興奮あるもバイタルサインは安定していた。左大腿骨・下腿骨の開放骨折の他は大きな外傷なく、来院後80分ほどで全身麻酔下に洗浄・デブリートメント、創外固定術が施行された。術後、覚醒が得られずICU管理、追加の脳CTでも特に異常所見はなかった。術後1日目に両眼瞼に点状出血・尿中脂肪滴の出現が見られ、中枢神経症状を含め脂肪塞栓症候群の合併と診断。術後2日目に頻拍・瞳孔不同出現し、脳CTでびまん性の著明な脳腫脹が見られた。マニトール・高張食塩水の投与を行なうも、同日夕に臨床的脳死状態に至り術後9日目に死亡された。
 外傷症例における脂肪塞栓症候群の合併では、死亡原因は通常は呼吸器症状・ショック・多臓器不全が主体であり、中枢神経症状が強く臨床的脳死に至った報告はほとんどない。今後、脂肪塞栓症候群の合併により注意する必要がある。

当Web注:上記発表は、脂肪塞栓症候群で脳死になったことに異論のある法的脳死判定88例目と見込まれる。

 

*宮庄 浩司(福山市民病院救命救急センター):4DCT-angioにて脳血流途絶を可視化し“脳死とされうる状態”を説明した2例、p257

 50歳代女性、低酸素脳症で緊急搬送され人工呼吸を開始。脳死とされうる状態確認のため、各種検査とともに320列CTを用い4DCTを撮影。臓器提供の希望があり脳死判定後、臓器提供していただいた。施行に際しては移動時、血圧の変動などに注意を払う必要がある。

当Web注:脳血流停止「所見」がありながら、脳死ではなかったケースは別のページに掲載。

 

*滝本 浩平(大阪大学医学部付属病院集中治療部):脳死肺移植術後にChaetomium属による膿胸を発症した症例の検討、p271

 28歳男性、慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対して脳死両側肺移植術を施行。術後、Chaetomium属による左膿胸を発症した。外科的に開窓術を行い、抗真菌薬を投与。しかし開窓術後14日目(肺移植後58日目)に肺動脈から大量出血し止血がコントロールできずに死亡した。

 


20120223

法的「脳死」臓器移植患者の死亡は累計79名
肝臓移植患者1名、小腸移植患者1名が死亡

 日本臓器移植ネットワークは、2月23日に更新した移植に関するデータページhttp://www.jotnw.or.jp/datafile/offer_brain.htmlにおいて、法的 「脳死」臓器提供にもとづき肝臓移植を受けた患者の死亡が1名増加 し、小腸移植を受けた患者の死亡も1名増加し、法的「脳死」臓器移植患者の死亡は、心臓4名、肺26名、肝臓28名、膵腎同時6名、腎臓12名、小腸2名の累計78名に達したことを表示した。

 日本移植学会は、2011年12月10日付で発行した日本移植学会雑誌「移植」46巻4号において、心臓移植を受けた患者の死亡は累計5名であることを掲載しており、実際の死亡した移植患者数は累計79名と見込まれる。

 これまでの臓器別の法的「脳死」移植レシピエントの死亡情報は、臓器移植死ページに掲載。

 


20120212

家族の後悔を最小限にするために必要な“お別れの時間”
呼吸停止直後と死亡宣告後に各60分程度 謝花氏が報告

 第26回日本がん看護学会学術集会が2012年2月11日、12日の2日間、くにびきメッセ(島根県松江市)で開催され、沖縄県立看護大学大学院の謝花 小百合氏、同大学の神里 みどり氏は、緩和ケア病棟で終末期がん患者の死に際して、呼吸停止直後と死亡宣告後に家族が必要としている別れの時間は、それぞれ60分程度であったとの観察結果を発表した。

 謝花氏らは、O県内の2施設の緩和ケア病棟で7ヵ月間の参与観察を行なった。研究参加者は、看護師19名、終末期がん患者19名とその家族49名。

  1. 「呼吸停止直後」:看護師は、患者の呼吸停止後、直ぐに医師に連絡するのではなく、患者と家族だけで過ごす別れの時間の確保を行なっていた。家族が必要としていた時間(1回目)は、46.3±19.6分であった。その後、医学的な死亡時間ではなく、家族が患者の死を受け入れた時間が患者の死亡時間として、ホスピス医より死亡宣告が行なわれていた。
     

  2. 「死亡宣告後」:看護師は、再度、亡くなった患者と家族だけの最後の別れの時間の確保していた。家族が必要とした時間(2回目)は、41.4±11.7分であった。

 謝花氏らは、「家族は患者と時間を過ごすことで、患者の死の事実を受け止め、患者に労いや感謝の言葉をかけていた。遺された家族の後悔を最小限にするために、死亡直後の家族ケアとして、患者と家族だけの十分な別れの時間を取り持つ支援が実践されていた。呼吸直後と死亡宣告後に家族が必要としていた別れの時間は、それぞれ60分程度であった。しかし、死別後の別れの時間は、患者との関係性などによっても異なるため、今後、家族にとって必要な時間やその取り方については、検証が必要である」と報告した。

出典=謝花 小百合(沖縄県立看護大学大学院)、神里 みどり(沖縄県立看護大学大学院):死亡直後の終末期がん患者の家族にとって必要なお別れの時間、日本がん看護学会誌、26(Suppl)、139、2012

 

当Web注:長期療養後に死亡することが多い緩和ケア病棟の患者とは異なり、心停止および「脳死」臓器提供では、急激な経過でドナーとされている。「脳死」臓器摘出では病室または臓器摘出を行なう手術室の前で家族との別れが行なわれ、心停止臓器提供においても、福島県立医科大学方式(生前に人工心肺を接続して死戦期から稼動させる)を採用しないかぎり呼吸停止直後と死亡宣告後に別れの時間を設けることは不可能だ。

 


20120206

ドイツで2010年5月から待機、心臓移植手術2011年9月に完了
「日本人の渡航移植受入れは米国とカナダだけ」は虚偽の宣伝?

 2010年5月にドイツへ心臓移植目的で渡航した日本人が、2011年9月にドイツで心臓移植を受け、2012年2月6日に帰国した。日本移植学会のファクトブック2010http://www.asas.or.jp/jst/pdf/fact2010.pdfがp15で

8.海外渡航心臓移植の問題点
●2008 年5 月にイスタンブールで移植医療に関する国際移植学会と世界保健機構(WHO)の共同声明が出されましたが、臓器移植は自国内で行うように指針が出されました。
●そのため、2009 年10 月の時点でヨーロッパ全土、オーストラリアは日本人の移植を引き受けないことを決めています。現在、日本人を受け入れてくれている国は、米国とカナダだけです。

としていることとは、異なる事態が進行した。

 美紗都ちゃんを救う会のホームページ内の設立趣旨http://misato-chan.net/pc/shushi.htmlによると「心機能、心不全の改善が見られず(陳旧性心筋梗塞、慢性心不全)、心臓移植の適応」と判断されたのは2009年7月以降。2010年2月11日付の設立趣旨は「美紗都ちゃんが助かるには、早めにドイツに渡航し、移植待機登録をしておくしかありません」としており、2010年2月11日時点で移植待機登録はできていない。活動報告http://misato-chan.net/pc/houkoku.htmlによると、ドイツ・バードユーンハウゼン心臓病センターへのデポジット(入院保証金)30万ユーロの送金は2010年3月27日。ドイツ到着は2010年5月18日。ドイツにて(2010年5月〜)http://misato-chan.net/pc/germany.htmlによるとドナー登録は5月27日、移植手術は2011年9月24日。

 毎日新聞の2月8日付記事http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20120208ddlk43040530000c.htmlによると、帰国後の記者会見で田中 美紗都さんは“早期に移植手術を受けるためには渡航しなければならない現状を踏まえ「日本でも移植ができる環境にしてほしい」と呼びかけた”という。

 

当Web注: 日本臓器移植ネットワーク資料「小児の腎臓移植に関する詳細データ」http://www.jotnw.or.jp/file_lib/pc/datafile_offer_pdf/syouni.pdfによると、1995年4月から2009年末までの小児「心停止後」腎臓提供は38件だ。小児法的脳死ドナーの発生は年間1例前後と予測され、現実もその水準で推移している。1997年臓器移植法を改悪しても、小児「脳死」ドナーが極めて少ないこと(小児臓器不全患者の治療に、臓器移植が役立つ機会は少ないこと)を移植医自身も認識していた。
 それにもかかわらず、移植医らは「イスタンブール宣言を受けて、ヨーロッパ全土とオーストラリアは日本人の移植を引き受けないことを決めた。日本人の渡航移植を受け容れてくれる国は米国とカナダだけになった」と、臓器移植法改悪を勧めるために事実にもとづかない宣伝を行なっている可能性がある。

 


20120203

新潟大学医歯学総合病院:63歳女性、搬入12時間で心停止後腎・角膜摘出
クモ膜下出血患者にヘパリン静注、死亡宣告後も人工換気と心マッサージ継続
北里大学・日本医学館 ハイリスク待機患者の氏名と電話番号を単行本に記載

 2012年2月1日から2月3日まで、軽井沢プリンスホテルにおいて第45回日本臨床腎移植学会が開催された。以下は日本医学館発行の「腎移植症例集2012」より、注目される発表の要旨(各タイトル末尾のp・・・は掲載ページ)。

 

*齋藤 和英(新潟大学医歯学総合病院):搬入12時間で心停止後腎・角膜提供に至った症例、p119〜p122

 63歳女性は、親族の集まりで過ごしている最中、21:30トイレに入ったが、5分経っても戻らないため家族が確認に行くと、意識はなく、うつぶせに倒れていた。

21:50 救急要請、電話指示で家族による心肺蘇生開始

21:56 救急現地到着、心肺停止確認し心肺蘇生継続

22:17 救急車収容

22:43 当院救命センター外来到着、JCS300、瞳孔散大固定、対光反射なし

22:56 自己心拍再開

22:58 気管挿管施行

23:29 救命救急センターICU入室。この時点で、救急主治医から家族に対して現時点での回復はきわめて困難と考えられる旨を説明したところ、家族から以下のような申し出があった。

 「家族は本人、夫、長男、次男で、次男は幼少時から両側腎結石症を繰り返し慢性腎不全となり、6年前から透析療法中で以前に生体腎移植も考えたことがあった。もしこのまま回復の見込みがないのなら、次男に腎提供して腎移植を行ってもらいたい(親族優先提供希望の申し出)」

 2:30 救急主治医による中心静脈確保、輸液ボリューム負荷、カテコラミン投与による循環動態維持治療を継続した。このときの収縮期血圧は50−70mmHg。ドナー評価:心肺停止後自己心拍再開まで1時間を超えているが、搬入時SCr、カラードプラエコーで両腎の血流を認めることができ、わずかだが利尿みられており、循環動態と死戦期次第でマージナルドナーではあるが、この時点では提供可能と判断した。

 5:00 救急主治医、院内コーディネーター立ち会いのもと、県コーディネーターより臓器提供に関する一般的な説明を行った。現状では循環動態が法的脳死判定には耐えられない状態と判断されるため、心停止後腎・角膜提供の可能性のみがあること、循環動態急変により提供ができなくなる可能性の説明後に、あらためて全身CTを実施することになった。その結果、
@次男は日本臓器移植ネットワークに献腎移植希望登録していないことが判明(みずからの意思で、いままでは他人の腎臓をもらってまで移植を受けたいとは思っていなかった)
A心停止後の警察の検死→腎・角膜摘出手術は警察・手術室との連携で可能であること
B病因を特定するため可能な範囲での検査結果と臨床的診断をあらためて確認すること

 心臓超音波検査と全身CTスキャンにより、脳動脈瘤破裂による重症クモ膜下出血、それに伴う心肺停止として矛盾レない、との最終診断となった。

 9:00 救急主治医・移植コーディネーターよりご家族に対して上記の結果も含めて最終説明が行われた。
@改正臓器移植法により「1親等の親族優先提供」が可能になりましたが、レシピエントが事前に日本臓器移植ネットワークに登録していることが条件であり、残念ながら今回は該当せず、ご次男様への腎提供はできません。
A発見時すでに心肺停止状態であったので、死亡時には警察の検死を受ける必要があります。
B心肺停止の原因検索を進めたところ、重症クモ膜下出血が明らかとなりました。急激に起こった重症クモ膜下出血により心肺停止に至った可能性が最も考えられます。

コーディネーター:「ご次男への腎提供は法律、制度上不可能ですが、それでも心臓停止後の腎臓・角膜提供をご希望なさいますか?」

夫:「次男への移植ができなくても、ほかの人のお役に立てるならお願いします」

0:17 心停止、死亡宣告、ヘパリン5万単位静注。警察による検死を実施し並行して人工換気と心マッサージ継続した。

0:30 出棟

0:31 摘出手術開始

0:37 体内大動静脈カニュレーション、体内冷却濯流開始(温阻血時間20分)

0:53 両腎摘出、HLA検査・レシピエント選定は摘出後となった。

摘出翌日の夕刻(摘出約30時間後):両レシピエントとも術前検査、術前透析の後に、並列で献腎移植手術となった。62歳男性レシピエントは、36年の超長期透析症例で術中〜周術期に重症低血圧症、循環不全を併発し、結局、移植腎機能は十分に発現しなかった。52歳男性レシピエントは、透析療法を離脱できたが急性拒絶反応を発症し移植腎機能が低下し、最終的には透析療法に再導入されている。

 齋藤氏らは「次男に対する腎移植が迅速に実現できていれば阻血時間が短縮され、移植腎機能が発現し長期に維持できる可能性はあったのではないかと考える。公平・公正なルールの運用に努めるのは当然であるが、同時に柔軟な対応により貴重なドナーならびにドナー家族の提供意思を極力叶えるとともに、移植成績自体のさらなる向上の可能性をできるかぎり追求するべく努めなければならない」と書いた。

当Web注:上記報告は心停止後の臓器提供と称するが、心停止の死亡宣告後に人工換気と心マッサージを継続し、死の三徴候は継続しておらず生体に維持した。人工換気と心マッサージにより、ドナーは心臓の拍動が再開して死亡宣告の根拠が無くなったり、あるいは臓器摘出時まで意識が維持され絶望や恐怖を感じたり、痛みを感じる生体に維持されていた可能性がある。脳内出血患者に原則禁忌の抗血液凝固剤ヘパリンを投与しており、再出血を引き起こしてドナーは激痛を感じていたかもしれない。

 

*池田 成江(北里大学医学部泌尿器科学):献腎移植希望長期待機患者の再診外来受診へのRTCの役割 その1、p314〜p317

 p315掲載の「図2患者受診割付表」には、北里大学病院がハイリスクの腎臓移植待機患者と分類した24名の氏名と電話番号、診療カード番号まで、伏字や黒塗りもなく記載されている。

 


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