法的「脳死」臓器移植患者の死亡は累計57名
心臓移植患者1名が死亡
日本臓器移植ネットワークは、2月3日更新の移植に関するデータページhttp://www.jotnw.or.jp/datafile/offer_brain.htmlで、法的脳死判定手続にもとづき臓器移植を受けた後に死亡した患者数が、累計57名に達したことを表示した。心臓移植後の死亡患者が1名増加した。
心臓移植患者の死亡は累計4名になった。
*中谷 武嗣(国立循環器病センター):心臓移植の現状と展望、内科、108(1)、91−94、2011によると、心臓移植患者の死因は感染症3名、悪性腫瘍1名。2010年1月26日に死亡と表示された患者が、悪性腫瘍による死亡と見込まれるため、今回の患者の死因は感染症と見込まれる。
日本心臓移植研究会:本邦心臓登録報告、移植、46(4)、537−541、2011は、110例のレシピエントのうち「死亡例は5例で、死因は多臓器不全、誤嚥性肺炎、感染症、胃癌、腎不全であった」とし、「図13 心臓移植の累積生存率」は、移植後1年前後で2名が死亡、4年超で1名死亡、11年前後で2名が死亡したことを記載した。
澤 芳樹(大阪大学):重症心不全に対する集学的治療、人工臓器、41(1)、31−36、2012(http://www.jsao.org/image/custom/pdf/41_1PDF/41_31.pdf)は、「当大学においてはこれまで1999年の第1例目より30例の脳死心臓移植を施行した」「30例中2例を3ヵ月目と4ヵ月目に感染症で、1例目を11年目に腎不全で、1例を11年目に悪性腫瘍で失った」としており、今回の死亡例は大阪大学医学部付属病院で心臓移植を受けた患者と見込まれる。
これまでの臓器別の法的「脳死」移植レシピエントの死亡情報は、臓器移植死ページに掲載。
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