[戻る] [上へ] [進む]

20080328

透析療法で15年間生存、腎移植7日目に死亡 九大病院

 透析療法で15年間生活してきた65歳男性が、九州大学病院で腎臓移植を受けてから7日目に肝不全で死亡した。

 この患者は2008年3月20日、献腎移植レシピエント候補として九州大学病院臨床・腫瘍外科に緊急入院した。61歳時に両側大腿動脈高度狭窄に対するバイパス術が施行されており、人工血管周囲に高度癒着があり5時間32分かかって手術は終了。初尿が確認されICUに入ったが、術後数時間で循環動態が不安定となり、翌日にショック肝と診断、血漿交換・CHDFなどの集中治療を行うも、術後7日目に死亡した。

 レシピエントの術前の肝機能は正常、ウイルス肝炎もなかった。ドナーはクモ膜下出血の58歳男性で、発症後1ヶ月間入院していた。ドナーの血液培養でMSSAが、術後1日目のレシピエントの血液・尿培養で緑膿菌が検出された。

 

出典=北田 秀久、井上 重隆、土井 篤、錦 建宏、西岡 泰信、田中 雅夫(九州大学病院臨床・腫瘍外科):献腎移植術直後、肝不全となった1例、移植、43(4)、319、2008

 


20080321

法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡は累計40人

 日本臓器移植ネットワークは3月21日更新の脳死 臓器移植Data Fileにおいて、心臓移植を受けた患者がさらに1名死亡したこと、そして肝臓移植を受けた患者もさらに2名死亡したこと 、そして膵腎同時移植患者もさらに1名死亡したこと、合計で4名の臓器移植患者が死亡が4名増えたことを表示した。一方、腎臓移植患者は死亡患者数が従来よりも1名少なくなったことを表示した。法的脳死判定手続下の臓器移植でレシピエントの死亡が判明したのは累計で 40例目。

注:同ネットワークは4月からホームページを更新し、脳死臓器移植患者の移植数・生存数を表示するページはhttp://www.jotnw.or.jp/datafile/offer_brain.htmlに変更された。脳死 臓器移植Data Fileをクリックしても表示されない。

 今回の脳死臓器移植患者の死亡4例追加、そして腎臓移植患者の復活の原因は、「膵腎同時移植患者の死亡例を、誤って腎臓移植患者の死亡例と記載していたこと」「臓器移植施設の秘匿が、誤った情報を長期間、訂正されないことにつながった」など考えられる。

 厚生労働省も法的「脳死」移植レシピエントの死亡については誤記の前例があり、2002年4月14日現在でまとめた「脳死下での臓器提供事例について」資料では、2001年1月8日に大阪大学で膵腎同時移植を受けた30代男性患者は死亡と記載していた。しかし、11月11日付発行のICUとCCUで大阪大学第一外科の伊藤 壽樹氏が「術後1週目にグラフト門脈血栓症にて移植膵の摘出を余儀なくされた。なお、患者は完全社会復帰し・・・」と生存が確認された。この時は、厚生労働省は移植した膵臓の摘出をもって「死亡」と誤記したと見られる。

 臓器別の法的「脳死」移植レシピエントの死亡年月日、レシピエントの年齢(主に移植時)←提供者(年月)、臓器(移植施設名)は以下のとおり。 腎臓移植患者の死亡例のうち、腎臓の移植を受けた施設が不明な患者は2006年9月30日の表示から発生している。下記では、この移植施設不明患者を削除してある。

  1. 2005年 3月 7日 50代男性←bP2ドナー(20010121)  心臓(国立循環器病センター)

  2. 2005年 3月21日 40代男性←bR2ドナー(20041120)  心臓(大阪大)

  3. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明      心臓(施設名不明)
     

  4. 2002年 2月 3日 43歳男性←bP1ドナー(20010108)  右肺(東北大)

  5. 2002年 3月20日 46歳女性←bP6ドナー(20010726)  右肺(大阪大)

  6. 2002年 6月10日 38歳女性←a@5ドナー(20000329)  右肺(東北大)

  7. 2002年12月 5日 20代女性←bQ2ドナー(20021110)  両肺(岡山大)

  8. 2004年 6月 7日 50代男性←bR0ドナー(20040520)  両肺(東北大)

  9. 2005年 3月10日 50代男性←bR6ドナー(20050310)  両肺(京都大)

  10. 2006年 5月初旬  40代男性←bP9ドナー(20040102)  右肺(岡山大)

  11. 2006年 5月27日 40代女性←bS6ドナー(20060526)  両肺(岡山大)

  12. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明       肺(施設名不明)

  13. 2006年10月24日 30代女性←bS3ドナー(20060321)  両肺(京都大)

  14. 2007年 7月?   32歳男性←bS9ドナー(20061027)  左肺(福岡大)

  15. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明       肺(施設名不明)

  16. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明       肺(施設名不明)
     

  17. 2000年11月20日 47歳女性←bP0ドナー(20001105)  肝臓(京都大)

  18. 2001年 5月25日 10代女性←bP4ドナー(20010319)  肝臓(京都大)

  19. 2001年12月11日 20代女性←bP8ドナー(20011103)  肝臓(北大)

  20. 2002年 9月10日 20代男性←bQ1ドナー(20020830)  肝臓(京都大)

  21. 2005年12月26日 50代女性←bS1ドナー(20051126)  肝臓(北海道大)

  22. 死亡年月日不明   20代男性←bQ9ドナー(20040205)  肝臓(大阪大)

  23. 死亡年月日不明   60代男性←bR6ドナー(20050310)  肝臓(京都大)

  24. 死亡年月日不明   40代男性←bQ2ドナー(20021111)  肝臓(北大)

  25. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)

  26. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)

  27. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)

  28. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)

  29. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)

  30. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     肝臓(施設名不明)
     

  31. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     膵臓・腎臓(施設名不明)

  32. 死亡年月日不明   レシピエント不明←ドナー不明     膵臓・腎臓(施設名不明)
     

  33. 2004年 6月頃   50代女性←bP5ドナー(20010701)  腎臓(東京女子医科大学腎臓総合医療センター)

  34. 死亡年月日不明   50代男性←a@5ドナー(20000329)  腎臓(千葉大)

  35. 死亡年月日不明   30代男性←bP4ドナー(20010319)  腎臓(大阪医科大)

  36. 死亡年月日不明   50代男性←bP6ドナー(20010726)  腎臓(奈良県立医科大)

  37. 死亡年月日不明   50代男性←a@2ドナー(19990512)  腎臓(東京大学医科学研究所附属病院)

  38. 死亡年月日不明      女性←bQ6ドナー(20031007)  腎臓(名古屋市立大)

  39. 死亡年月日不明   50代男性←bR6ドナー(20050310)  腎臓(国立病院機構千葉東病院)
     

  40. 2001年9月11日   7歳女児←bP2ドナー(20010121)  小腸(京都大)

 


このページの上へ

2015-03 ] 2014-12 ] 2014-10 ] 2014-9 ] 2014-8 ] 2014-7 ] 2014-6 ] 2014-5 ] 2014-4 ] 2014-3 ] 2014-2 ] 2013-12 ] 2013-11 ] 2013-10 ] 2013-9 ] 2013-8 ] 2013-7 ] 2013-6 ] 2013-5 ] 2013-4 ] 2013-3 ] 2013-2 ] 2013-1 ] 2012-12 ] 2012-11 ] 2012-10 ] 2012-9 ] 2012-6 ] 2012-5 ] 2012-3 ] 2012-2 ] 2012-1 ] 2011-12 ] 2011-11 ] 2011-10 ] 2011-9 ] 2011-8 ] 2011-7 ] 2011-6 ] 2011-5 ] 2011-3 ] 2011-2 ] 2011-1 ] 2010-12 ] 2010-11 ] 2010-10 ] 2010-9 ] 2010-8 ] 2010-7 ] 2010-6 ] 2010-5 ] 2010-4 ] 2010-3 ] 2010-2 ] 2010-1 ] 2009-12 ] 2009-11 ] 2009-10 ] 2009-9 ] 2009-7 ] 2009-4 ] 2009-2 ] 2009-1 ] 2008-12 ] 2008-11 ] 2008-10 ] 2008-9 ] 2008-8 ] 2008-7 ] 2008-6 ] 2008-5 ] 2008-4 ] [ 2008-3 ] 2008-2 ] 2008-1 ] 2007-12 ] 2007-11 ] 2007-10 ] 2007-9 ] 2007-8 ] 2007-7 ] 2007-6 ] 2007-5 ] 2007-4 ] 2007-3 ] 2007-2 ] 2007-1 ] 2006-12 ] 2006-11 ] 2006-10 ] 2006-9 ] 2006-7 ] 2006-6 ] 2006-5 ] 2006-4 ] 2006-3 ] 2006-2 ] 2006-1 ] 2005-12 ] 2005-11 ] 2005-10 ] 2005-9 ] 2005-8 ] 2005-7 ] 2005-6 ] 2005-5 ] 2005-4 ] 2005-3 ] 2005-2 ] 2005-1 ] 2004-12 ] 2004-11 ] 2004-10 ] 2004-9 ] 2004-8 ] 2004-7 ] 2004-6 ] 2004-5 ] 2004-4 ] 2004-3 ] 2004-2 ] 2004-1 ] 2003-12 ] 2003-11 ] 2003-10 ] 2003-9 ] 2003-7 ] 2003-6 ] 2003-5 ] 2003-4 ] 2003-3 ] 2003-2 ] 2003-1 ] 2002-12 ] 2002-11 ] 2002-10 ] 2002-9 ] 2002-8 ] 2002-7 ] 2002-6 ] 2002-5 ] 2002-4 ] 2002-3 ] 2002-2 ] 2002-1 ] 2001-12 ] 2001-11 ] 2001-10 ] 2001-9 ] 2001-8 ] 2001-7 ] 2001-5 ] 2001-3 ] 2001-2 ] 2001-1 ] 2000-12 ] 2000-11 ] 2000-10 ] 2000-9 ] 2000-6 ] 2000-4 ] 1999 ] 1998 ] 1997 ] 1996 ] 1994 ] 1993 ] 1992 ] 1991 ] 1990 ] 1989 ] 1988 ] 1986 ] 1985 ] 1984 ] 1983 ] 1982 ] 1981 ] 1969 ] 1968 ] 1967 ] 1966 ] 1964 ]


ホーム ] 総目次 ] 脳死判定廃止論 ] 臓器摘出時に脳死ではないことが判ったケース ] 臓器摘出時の麻酔管理例 ] 人工呼吸の停止後に脳死ではないことが判ったケース ] 小児脳死判定後の脳死否定例 ] 脊髄反射?それとも脳死ではない? ] 脊髄反射でも問題は解決しない ] 視床下部機能例を脳死とする危険 ] 間脳を検査しない脳死判定、ヒトの死は理論的に誤り ] 脳死判定5日後に鼻腔脳波 ] 頭皮上脳波は判定に役立たない ] 「脳死」例の剖検所見 ] 脳死判定をしてはいけない患者 ] 炭酸ガス刺激だけの無呼吸テスト ] 脳死作成法としての無呼吸テスト ] 補助検査のウソ、ホント ] 自殺企図ドナー ] 生命維持装置停止時の断末魔、死ななかった患者たち ] 脳死になる前から始められたドナー管理 ] 脳死前提の人体実験 ] 脳波がある脳幹死、重症脳幹障害患者 ] 脳波がある無脳児ドナー ] 遷延性脳死・社会的脳死 ] 死者の出産!死人が生まれる? ] 医師・医療スタッフの脳死・移植に対する態度 ] 有権者の脳死認識、臓器移植法の基盤が崩壊した ] 「脳死概念の崩壊」に替わる、「社会の規律として強要される与死(よし)」の登場 ] 「脳死」小児からの臓器摘出例 ] 「心停止後」と偽った「脳死」臓器摘出(成人例) ] 「心停止後臓器提供」の終焉 ] 臓器移植を推進する医学的根拠は少ない ] 組織摘出も法的規制が必要 ] レシピエント指定移植 ] 非血縁生体間移植 倫理無き「倫理指針」改定 ] 医療経済と脳死・臓器移植 ] 遷延性意識障害からの回復例(2010年代) ] 意識不明とされていた時期に意識があったケース ] 安楽死or尊厳死or医療放棄死 ] 終末期医療費 ] 救急医療における終末期医療のあり方に関するガイドライン(案)への意見 ] 死体・臨死患者の各種利用 ] News ] 「季刊 福祉労働」 127号参考文献 ] 「世界」・2004年12月号参考文献 ]