法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡は累計24人
北海道大学医学部附属病院 肝臓移植の40代男性
日本臓器移植ネットワークは1月18日、Data
Fileページにおいて法的脳死判定22例目ドナーからの肝臓移植手術を北海道大学医学部附属病院で受けた40歳代男性が死亡し
ていることを表示した。法的脳死判定手続下の臓器移植でレシピエントの死亡が判明したのは
24例目。
法的「脳死」移植レシピエントの死亡年月日、レシピエントの年齢(主に移植時)←提供者(年月)、臓器(移植施設名)は以下のとおり。
- 2000年11月20日 47歳女性←bP0ドナー(20001105) 肝臓(京都大)
- 2001年 5月25日 10代女性←bP4ドナー(20010319) 肝臓(京都大)
- 2001年 9月11日 7歳女児←bP2ドナー(20010121) 小腸(京都大)
- 2001年12月11日 20代女性←bP8ドナー(20011103) 肝臓(北大)
- 2002年 2月 3日 43歳男性←bP1ドナー(20010108) 右肺(東北大)
- 2002年 3月20日 46歳女性←bP6ドナー(20010726) 右肺(大阪大)
- 2002年 6月10日 38歳女性←a@5ドナー(20000329) 右肺(東北大)
- 2002年 9月10日 20代男性←bQ1ドナー(20020830) 肝臓(京都大)
- 2002年12月 5日 20代女性←bQ2ドナー(20021110) 両肺(岡山大)
- 2004年 6月頃 50代女性←bP5ドナー(20010701) 腎臓(東京女子医科大学腎臓総合医療センター)
-
2004年 6月 7日 50代男性←bR0ドナー(20040520) 両肺(東北大)
- 2005年 3月 7日 50代男性←bP2ドナー(20010121) 心臓(国立循環器病センター)
- 2005年 3月10日 50代男性←bR6ドナー(20050310) 両肺(京都大)
- 2005年 3月21日 40代男性←bR2ドナー(20041120) 心臓(大阪大)
-
2005年12月26日 50代女性←bS1ドナー(20051126) 肝臓(北海道大)
- 死亡年月日不明 50代男性←a@5ドナー(20000329) 腎臓(千葉大)
- 死亡年月日不明 30代男性←bP4ドナー(20010319) 腎臓(大阪医科大)
- 死亡年月日不明 50代男性←bP6ドナー(20010726) 腎臓(奈良県立医科大)
- 死亡年月日不明 50代男性←a@2ドナー(19990512) 腎臓(東京大学医科学研究所附属病院)
- 死亡年月日不明 20代男性←bQ9ドナー(20040205) 肝臓(大阪大)
- 死亡年月日不明
女性←bQ6ドナー(20031007) 腎臓(名古屋市立大)
- 死亡年月日不明
50代男性←bR6ドナー(20050310) 腎臓(国立病院機構千葉東病院)
- 死亡年月日不明
60代男性←bR6ドナー(20050310) 肝臓(京都大)
- 死亡年月日不明
40代男性←bQ2ドナー(20021111) 肝臓(北大)
中医協 診療報酬改定でパブリックコメント募集 27日まで
ドナー管理、「脳死」判定、移植を促進。透析医療を圧迫
「臓器提供施設における脳死判定や脳死判定後の医学管理等について診療報酬を新設」「心臓移植、脳死肺移植、脳死肝臓移植および膵臓移植を新たに保険適用とする」「透析医療の夜間および休日の加算の引き下げ」などを含む「平成18年度診療報酬改定」が、1月11日に厚生労働大臣から中央社会保険医療協議会(中医協)に諮問された。
これを受けて中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会は1月27日(金)まで、医療現場や患者等国民の意見を募集する。
肺移植患者に2年間にわたりニセ薬を投与
免疫抑制剤の用途開発 30名中14名死亡
12日付のニューイングランド ジャーナル オブ メディシンは、「肺移植を受けた患者30名に2年間プラセボ(擬薬、偽薬、ニセ薬)が投与され半数近い14名が死亡、代わりに吸入型シクロスポリンの生存期間延長効果が確認された」という論文を掲載した。
A.T. Iacono氏らによる「肺移植レシピエントにおける吸入型シクロスポリンに関する無作為化試験」http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/354/354jan/xf354-02-0141.htmによると、単一施設で肺移植患者58名を、移植後2年間にわたり、週3日のエアゾール式のシクロスポリン300mgを吸入させた患者28例と、エアゾール式のプラセボを吸入させた患者30例に無作為に割付けた。その結果、死亡したのはシクロスポリン群で3例、プラセボ群で14例だった。
世界医師会(World Medical Association:WMA)は、プラシーボ対照試験について「最大限の注意が必要であり、また一般にこの方法は既存の証明された治療法がないときに限って利用するべき。たとえ証明された治療法が存在するときであっても、以下の条件のもとでは倫理的に行ってよい。1.やむを得ず、また科学的に正しいという方法論的理由により、それを行うことが予防、診断または治療方法の効率性もしくは安全性を決定するために必要である場合。2.予防、診断、または治療方法を軽い症状に対して調査しているときで、プラシーボを受ける患者に深刻または非可逆的な損害という追加的リスクが決して生じないであろうと考えられる場合」としている。http://www.med.or.jp/wma/helsinki02_j.html
これに対して米国FDA(食品医薬品局)は、プラセボ対照試験を多くの場合に強く要求している。
法的「脳死」臓器移植レシピエントの死亡は累計23人
京都大学医学部附属病院 同一ドナーから2例目の死亡
日本臓器移植ネットワークは1月6日、Data
Fileページにおいて法的脳死判定36例目ドナーからの肝臓移植手術を京都大学医学部附属病院で受けた60歳代男性が死亡し
ていることを表示した。法的脳死判定手続下の臓器移植でレシピエントの死亡が判明したのは
23例目。
法的脳死判定
36例目ドナーからの両肺移植手術を京都大学附属病院で受けた50代男性ドナーは昨年3月10日、移植手術終了の約9時間後に死亡。同ドナーからの腎臓移植を国立病院機構千葉東病院
で受けた50代男性も死亡している。
法的「脳死」移植レシピエントの死亡年月日、レシピエントの年齢(主に移植時)←提供者(年月)、臓器(移植施設名)は以下のとおり。
- 2000年11月20日 47歳女性←bP0ドナー(20001105) 肝臓(京都大)
- 2001年 5月25日 10代女性←bP4ドナー(20010319) 肝臓(京都大)
- 2001年 9月11日 7歳女児←bP2ドナー(20010121) 小腸(京都大)
- 2001年12月11日 20代女性←bP8ドナー(20011103) 肝臓(北大)
- 2002年 2月 3日 43歳男性←bP1ドナー(20010108) 右肺(東北大)
- 2002年 3月20日 46歳女性←bP6ドナー(20010726) 右肺(大阪大)
- 2002年 6月10日 38歳女性←a@5ドナー(20000329) 右肺(東北大)
- 2002年 9月10日 20代男性←bQ1ドナー(20020830) 肝臓(京都大)
- 2002年12月 5日 20代女性←bQ2ドナー(20021110) 両肺(岡山大)
- 2004年 6月頃 50代女性←bP5ドナー(20010701) 腎臓(東京女子医科大学腎臓総合医療センター)
-
2004年 6月 7日 50代男性←bR0ドナー(20040520) 両肺(東北大)
- 2005年 3月 7日 50代男性←bP2ドナー(20010121) 心臓(国立循環器病センター)
- 2005年 3月10日 50代男性←bR6ドナー(20050310) 両肺(京都大)
- 2005年 3月21日 40代男性←bR2ドナー(20041120) 心臓(大阪大)
-
2005年12月26日 50代女性←bS1ドナー(20051126) 肝臓(北海道大)
- 死亡年月日不明 50代男性←a@5ドナー(20000329) 腎臓(千葉大)
- 死亡年月日不明 30代男性←bP4ドナー(20010319) 腎臓(大阪医科大)
- 死亡年月日不明 50代男性←bP6ドナー(20010726) 腎臓(奈良県立医科大)
- 死亡年月日不明 50代男性←a@2ドナー(19990512) 腎臓(東京大学医科学研究所附属病院)
- 死亡年月日不明 20代男性←bQ9ドナー(20040205) 肝臓(大阪大)
- 死亡年月日不明
女性←bQ6ドナー(20031007) 腎臓(名古屋市立大)
- 死亡年月日不明
50代男性←bR6ドナー(20050310) 腎臓(国立病院機構千葉東病院)
- 死亡年月日不明
60代男性←bR6ドナー(20050310) 肝臓(京都大)
東京大学組織バンク 8年間に組織ドナー89例
移植270例以上 人工血管感染症は死亡率5割
東京大学医学部心臓外科の木村 昇氏らは、日本外科学会雑誌107巻1号p40〜p46に、東京大学組織バンクの「組織移植の現状 心臓弁及び血管」を報告した。
それによると1998年から2005年11月までのドナー数は89例(98年5例、99年7例、00年14例、01年18例、02年5例、03年9例、04年14例、05年17例)。ドナー情報は日本臓器移植ネットワークと杏林大学組織移植センターから入る。提供施設は東日本の51施設。
日本では国立循環器病センターと東京大学組織バンクのみが、他施設への組織供給も行っている。東京大学組織バンクが採取した組織の使用症例数は270例以上、2002年からは生体肝移植で静脈の使用が増加し年間60例を超えている。
採取した同種組織移植の成績では、東京大学医学部心臓外科教室で感染性大動脈疾患症例に用いたところ、自己大動脈疾患症例では院内死亡はゼロだったが、人工血管感染症例11例では院内死亡率50%、特に血管周囲に膿瘍が存在した状態での院内死亡率は63%だった。木村氏らは「感染があるからとむやみに置換術に行くべきではなく、術前のドレナージの重要性が再確認された」としている。生体肝移植では、他の人工血管などにくらべると術後の開存率は良好という。
当Web注:「人工血管感染症例11例では院内死亡率50%」とは不正確な算数だが原文のママ。
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