臓器移植コーディネーターが、臓器移植費用を賭け事に
日本臓器移植ネットワークは2000年12月4日、「北海道ブロックセンター(札幌市)の西垣チーフコーディネーター(43歳)が運営費1162万円を着服していた」として懲戒解雇するとともに、警視庁愛宕署に被害届を出した。厚生省も同日、業務上横領容疑で告発した。
同コーディネーターは着服を認めており、11月24日までに全額返済したという。日本臓器移植ネットワークの森 達郎専務理事は資金の使途について「賭け事などをしていたとの話がある」と説明した。会見した同ネット幹部は「これまで築いた信頼が失墜した。移植を待ち望む人に大変申し訳ない」と謝罪、森専務理事の減俸処分を明らかにした。
着服したのは、腎臓移植を行う際に治療点数に応じて移植施設から、腎臓の提供施設へ支払われる費用。臓器移植ネットワークの全国に7つある各ブロックセンターの特別会計を経由して提供施設に送金される費用だが、西垣コーディネーターはその一部を着服していた。臓器移植ネットワーク本部に対しては1996年度以降、「移植施設からの入金の一部が未収」と虚偽の報告もしていた。特別会計、銀行口座は同チーフコーディネーターが管理しており、過去2年間、腎臓提供病院への支払いが全く行われなかったり、遅れたりしたケースが数件あったという。
北海道ブロックセンターは「会計処理に不明朗な点がある」との外部からの指摘を受け、日本臓器移植ネットワーク本部(東京)に監査を依頼。11月下旬から同ブロックセンターの内部監査が行われていた。
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