女性の肝臓は北海道大病院(札幌市)で原発性胆汁性肝硬変の30歳代女性に、2つの腎臓はともに慢性糸球体腎炎の、東京女子医大病院(東京都新宿区)の40歳代女性と東京大病院(東京都文京区)の50歳代男性に移植された。心臓は医学的理由から、肺と膵臓はドナーに適合する患者不在のため、小腸は登録患者不在のため移植が見送られた。
平成14年4月15日
社団法人 日本臓器移植ネットワーク
- 経緯
ドナーは関東甲信越地方の医療機関に入院中の40歳代の女性の方(原疾患はクモ膜下出血)。
(1)4月14日 00時23分 脳死判定承諾書及び臓器摘出承諾書を受領。
(2)4月14日 03時50分 第1回目の法的脳死判定を終了
(3)4月14日 11時16分 第2回目の法的脳死判定を行い、法的に脳死と判定。
ドナーは、臓器提供意思表示カードにより、脳死下での心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸の提供の意思を表示していた。
(4)ドナーの臓器摘出について
臓 器
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摘出時刻 |
その他 |
心臓
肺
肝臓
膵臓
腎臓(右・左)
小腸 |
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4月14日 22時40分
―
4月14日 22時56分
―
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医学的理由
ドナーに適合する患者不在のため
ドナーに適合する患者不在のため
登録患者不在のため |
- 移植手術の状況等(4月15日17:00現在での情報)
臓 器 |
移植施設 |
状 況 |
肝臓
腎臓(左)
腎臓(右)
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北海道大学医学部附属病院
東京女子医科大学病院
東京大学医学部附属病院
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30歳代女性 / 原発性胆汁性肝硬変
4/15 15時05分手術終了
40歳代女性 / 慢性糸球体腎炎
4/15 05時53分 手術終了
50歳代男性 / 慢性糸球体腎炎
4/15 05時45分 手術終了
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平成14年4月14日
社団法人 日本臓器移植ネットワーク
[第20例目の脳死下での臓器提供事例について]
ドナーの方は関東甲信越地方の医療機関に入院中の40歳代の女性の方。
ドナーの方は、臓器提供意思表示カードに脳死下での臓器提供の意思を表示。提供臓器として心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸に○があった(「その他」に○)ご本人の署名、ご家族の署名がある。記載時期は平成10年10月。
ドナーの方の原疾患はくも膜下出血である。
日本臓器移植ネットワーク関東甲信越ブロックセンターに提供施設より連絡があったのは、4月13日18時10分である。
日本臓器移植ネットワークのコーディネーターが説明を行った上で、4月14日0時23分にご家族から脳死判定承諾書及び臓器摘出承諾書を受領。
ご家族からは、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸の提供についてご承諾を得た。
4月14日 2時27分、第一回脳死判定を開始。
4月14日 3時50分、第一回法的脳死判定を終了。その結果、判定基準を全て満たしていると判定された。
4月14日 9時59分より第二回法的脳死判定を開始。
4月14日11時16分に第二回法的脳死判定を終了し、法的に脳死と判定された。
[臓器の摘出手術について]
[レシピエントの選択及び移植実施施設等について]
肝臓移植実施施設及びレシピエントについて
肝臓移植の第―候補者は北海道大学医学部附属病院で移植希望の30歳代の女性で、原疾患名は原発性胆汁性肝硬変である。
腎臓移植実施施設及びレシビエントについて
腎臓移植の第―候補者は東京女子医科大学病院で移植希望の40歳代の女性で、原疾患名は慢性糸球体腎炎である。
腎臓移植の第―候補者は東京大学医学部附属病院で移植希望の50歳代の男性で、原疾患名は慢性糸球体腎炎である。
臓器の搬送子定について
肝臓の搬送予定経路について
病院 → (ネットワーク緊急車両) → 羽田空港 → (チャーター機) → 丘珠空港 → (ネットワーク緊急車両) → 北海道大学医学部附属病院
腎臓の搬送予定経路について
病院 → (タクシー) → 東京女子医科大学病院
病院 → (タクシー) → 東京大学医学部附属病院
[提供臓器について]
心臓移植について 医学的理由により心臓移植を断念。
肺移植について ドナーに適合する患者不在のため、膵臓移植を断念。
小腸移植について 登録患者不在のため、小腸移植を断念。