透析で18年間生存の47歳男性、移植後5ヶ月で死亡
アスベスト暴露歴のない患者が悪性中皮腫 琉球大学
透析療法で18年間生活し、アスベストに暴露された既往の確認できない47歳男性が、献腎移植を受けてから約5ヵ月後の2008年12月26日に悪性中皮腫で死亡した。
琉球大学医学部泌尿器科・玉城 光由氏らの報告(献腎移植後に悪性中皮腫を発症した1例、移植、44(5)、469、2009)によると、47歳男性は慢性糸球体腎炎で透析導入され、透析歴18年。2008年7月22日に献腎移植、移植後21日目で透析離脱、経過良好で49日目に退院した。
2008年10月初旬より吸気時の右側腹部痛を自覚、CTで右胸膜に肥厚を認め、開胸的胸膜生検で悪性中皮腫と診断。PET検査で傍大動脈リンパ節・多発性骨転移を認め、その後、急速に全身状態が増悪して12月26日に死亡した。職歴および生活歴でアスベストに暴露された既往は確認できなかった。
当Web注:悪性中皮腫の発生の仕組みからは、この47歳男性は約40年前にアスベストが存在する環境にいたことがあり、腎臓移植を受ける前の検査において見落としがあった可能性が高い
。
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