臓器移植法施行後、2例目のレシピエント死亡
生体肝移植後の「脳死」肝移植・京大付属病院
2001年3月19日、法的脳死判定14例目ドナーからの肝臓移植手術を京都大学医学部付属病院で受けた10歳代の女性患者が2001年5月25日、呼吸不全のため死亡した。これは臓器移植法施行後、脳死臓器移植を受けたレシピエントとしては2番目の死亡例。
この女性は生体肝移植の後に「脳死」肝移植を受けた患者で、移植前の症状は二次性胆汁性肝硬変。腸の癒着が激しかったため、移植手術は12時間を超えた。手術後、小腸から肝臓に栄養を送る門脈が血栓で詰まる合併症を起こしたため、3月25日夜から26日未明にかけて血栓除去手術を実施。その後、小腸穿孔(せんこう)による腹膜炎も併発して、一進一退を繰り返し、気道出血による呼吸不全に至った。
臓器移植法施行後の死亡第1例目も、京都大学医学部付属病院で生体肝移植を受けた後に、「脳死」肝移植を受けた50歳代の女性患者で敗血症のため死亡している。この時のドナーは「脳死」臓器提供者としては最高齢の60歳代女性で、提供された肝臓に脂肪が沈着していたなど、移植可能か否か判断が難しいケースだった。
今回の死亡第2例目に臓器を提供したドナーは20歳代男性。京大は「提供された肝臓の検査値に若干の異常が見られたが、肉眼的にも病理的にも問題なく、移植に支障はないと判断した。移植された肝臓の機能は良好だった」としている。