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小児脳死判定後の脳死否定例(7歳児)

脳死否定例の定義は小児脳死判定後の脳死否定例(概要および自然治癒例)を参照


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脳死判定例

新潟市民病院:ミオクローヌスあり家族は心停止後の心肺蘇生術を希望、10日間 生存

吉川 秀人:小児長期脳死症例における体動について、新潟市民病院医誌、24(1)、25−28、2003

 敗血症の7歳女児は、脳死に至るまで7日間。小児脳死判定暫定基準案(1999年)により脳死判定してから、ミオクローヌスが認められ、家族は心停止後の心肺蘇生術を希望した。心停止に至るまで10日間。

 

 

 

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臨床的脳死例

 

奈良県立医科大学脳神経外科:臨床的脳死の35日後に脳波、45日間生存

星田 徹:小児頭部外傷、小児内科、33(増刊号)、814−815、2001
星田 徹:小児頭部外傷後の脳死脳波の判定、神経外傷、26(2)、103−108、2003

 4階から転落した7歳男児は、受傷1時間後のCT検査で、両側大脳実質の低吸収域化と強度の脳幹圧迫所見を呈していた。入院2日目に臨床的脳死状態となったが、受傷36日目の高感度脳波記録(2μV/mm)で、4〜10μVの脳波活動を認め、臨床的脳死判定は困難であった。受傷46日目に死亡した。

注:「小児内科」と「神経外傷」では、受傷6日目、20日目、38日目の脳波検査で「同様に明瞭な脳活動が認められた」としている。

 

 

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脳死判定例

京都第一赤十字病院:呼吸停止・対光反射消失から死亡まで89日間、脳死判定から41日間生存

 光藤 伸人:【熱性けいれんを中心に】 抗生物質中止18日後に電撃型で再燃した肺炎球菌髄膜炎の1例、小児科臨床、50(11)、2381−2384、1997

 肺炎球菌髄膜炎の7歳7ヶ月女児は、抗生物質中止18日後に40℃の発熱とともに全身性強直間代性痙攣が出現し、その2時間後に呼吸停止に至った。瞳孔散大、対光反射消失、頭部CTでは脳浮腫を認めたが、硬膜下膿瘍や脳膿瘍は認めなかった。翌日の聴性脳幹反応は無反応、脳波は平坦。

 第49病日まで施行した聴性脳幹反応すべて無反応、5回の脳波はすべて平坦、第49病日の局所脳血流シンチでは頭蓋内に集積を認めず、脳死と判定した。その後も家族の希望で呼吸管理を続けたが、第89病日に死亡した。

 

 

 

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脳死判定例

佐賀医科大学:10日間生存

瀧 健治:脳死患者家族の意識調査 脳死判定と臓器移植の受け入れ、蘇生、14(3)、89−94、1996

 脳挫傷、急性脳浮腫の7歳男児は入院後脳死判定まで15日、脳死から死亡まで10日。

 

 

 

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臨床的脳死例

奈良県救命救急センター:脳底部に血流あり

今西 正巳:脳死に至った小児例、日本救急医学会雑誌、2(4)、743−744、1991

 溺水によって脳死状態となった7歳女児は、造影CTではウイリス動脈輪が造影されて、その造影剤の長時間残存が認められた。これは脳血流の停止状態とは考えにくく、血流遅延、血管外漏出などが考えられた。瞳孔散大、対光反射消失時には体温の低下が認められた。

 

 

 

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脳死判定例

千葉大学医学部附属病院:脳死確定後にミオクローヌス、35日間生存

佐野 裕美:ウィルス性脳炎から脳死に至った患児の看護、小児看護、13(7)、801−806、1990

 7歳女児は風邪症状から発熱し、約10日後に痙攣、意識障害を来たして緊急入院となり9月26日脳死と診断。ミオブロックの持続投与により抑制されていたミオクローヌス(筋間代痙攣)は、10月4日以降ミオブロックを中止した結果、四肢や全身をピクピクさせるミオクローヌスが再び出現した。10月24日ころよりミオクローヌスは弱まり、10月26日には消失し弛緩状態となった。尿量は1000〜1800ml/日みられていたが、10月27日ころより減少、10月29日には血圧が時々下降、10月30日心停止となり永眠。

 

 

 

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臨床的脳死例

関西医科大学病院・救命救急センター:治療水準を無断で落とし続けたが、死亡まで17日間、
「脳死が蘇生した例があるのか」と医師に聞いた日に抗生剤・ドパミン中止

 池田 佳代、谷渕 真理、榊 治子:脳死患児をもつ両親への対応、第20回日本看護学会集録−小児看護−、81−84、1989

 一旦画像を保存し、次に写真画像として開くと鮮明に読めます。

 (左記枠内が経過表)1988年9月19日、自転車でワゴン車に衝突、タイヤにひかれた7歳男児は、第2病日に意識レベル300点、対光反射消失、瞳孔散大。第3病日に医師は「BSR・脳波フラット。脳機能停止し、よびかけても本人には全くわからず、いずれ心停止きたす。個人差ありどのくらいの間心臓もつかは不明」と説明した。第9病日、抗生剤・ドパミン中止後も血圧60代低値で安定し、第19病日(1988年10月7日)に死亡。

 

 

 当サイト注:問題点

  1. 無呼吸テストを実施していないのに脳死宣告したとみられる。
     
  2. 第3病日、頭皮上脳波がフラットになり大脳から脳幹部に向かって障害が進行していたであろう最も救命治療のポイントとなる段階で、人工呼吸器を自動制御のサーボ900Cから旧型CV2000に変更した。
     
  3. 家族が昇圧剤の増量を要求し延命希望した第6病日に、ステロイド・脳圧降下剤を中止した。さらに同時期入院脳死患児の両親から「脳死が蘇生した例がある」と聞き、その事を医師に問うた第9病日に、抗生剤・ドパミンを中止し維持輸液のみに変更、人工呼吸器のO2濃度を60%から21%へ落とすなど、一連の治療撤退は家族の承諾を得て実施したのか。

 

 

 

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臨床的脳死例

 

国立療養所香川小児病院:自発呼吸停止から16日間生存

 合田 友子:脳幹反射の消失と平坦脳波を呈した7症例、脳と発達、20(総会号)、S204、1988
 橋本俊顕:発育期脳障害による人工呼吸管理を要する児の中枢神経機能及び発生要因  平坦脳波を呈し人工呼吸管理を要した5例、厚生省精神・神経疾患研究62年度研究報告書 発育期脳障害の発生予防と成因に関する研究、57−61、1988

 脳幹反射の消失と平坦脳波をきたした溺水の7歳3ヶ月?児は、自発呼吸停止から16日で心停止となった。

 

当サイト注:「脳と発達」に、この溺水児童の年齢と死亡までの日数を特定できる記載はないが、溺水2症例のうち1症例は心停止までの日数を50日と記載しているため、残り1名の心停止までの日数は16日となる。年齢については、「脳と発達」は1歳4ヵ月から7歳3ヶ月の小児7例を報告しているのみだが、「厚生省精神・神経疾患研究62年度研究報告書」に、1歳4ヵ月〜5歳3ヶ月までの5症例の記載があるため、ここでは「7歳3ヶ月?児」とした。

 


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