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小児脳死判定後の脳死否定例(6歳児)

脳死否定例の定義は小児脳死判定後の脳死否定例(概要および自然治癒例)を参照


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臨床的脳死例

 

枚方市立枚方市民病院:体動が頻繁、293日間生存

 田辺 卓也:小児の長期脳死自験例5例とわが国における小児脳死判定の問題点、日本小児科学会雑誌、113(3)、508−514、2009
 原 啓太:小児脳死判定基準に合致した5症例の臨床経過、脳と発達、36(Suppl)、S193、2004

 6歳7ヵ月男児、脳動静脈奇形に伴う脳出血。開頭術後脳浮腫進行し、2病日に尿崩症、散瞳固定、呼吸停止し、4病日に脳幹反射消失、17病日に平坦脳波 を確認。体動を頻繁に確認。積極的治療を行うも腎不全の悪化から309病日死亡。

 保護者の気持ちの変化は、命をつなぎ奇跡を信じたい(1ヵ月)→昇圧剤も含めた積極的な治療の継続を希望(120病日)→臨終に際しては静かに看取ってやりたい。苦痛を感じるような治療はしてほしくないし、不要な薬は使ってほしくない(213病日)。

 他の症例は4歳11ヶ月男児1歳11ヵ月女児1歳2ヵ月男児6ヵ月男児


 

 

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 臨床的脳死例

岡山赤十字病院:19日間生存、腎臓を摘出

後藤 振一郎:窒息死後に死体腎移植をした1例、日本小児科学会雑誌、103(5)、610−611、1999

 6歳男児は1998年8月30日、気管支喘息重積状態となり心肺停止、40分後に蘇生した。9月1日、脳死に近い状態となった。同日、母より「この子が亡くなっても、一部でも他の子の体の中で 生き続けてくれれば、この子もどこかで生きていてくれるような気がする」という話があり、9月4日、患児の臓器摘出承諾書を受理した。9月19日心肺停止し両腎摘出、同日中に2名に移植された。

 

 

 

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脳死判定例

総合病院社会保険徳山中央病院:一般病棟転棟後、9日間生存

宮内 善豊:家族との対応に問題のあった小児脳死例、日本救急医学会雑誌、4、440、1993

 6歳男児は溺水で約60分後に心拍再開した。ICUで治療を続けたが、脳死と診断した。3日目に一般病棟に転棟した。家族は脳死の認識に乏しく、積極的治療を望み、治療や看護体制に不満であった。患者は11日目に死亡した。

 

 

 

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脳死判定例

兵庫県立こども病院: CT等により脳死状態と判断後に除脳硬直、73日間生存

伊予 朝子:脳腫瘍の術後脳死状態に陥った患児の両親への援助、死の臨床、13(2)、84−85、1990

 6歳女児は、1989年10月17日の脳腫瘍部分摘出術後はほとんど傾民状態。脳梗塞のため徐々に反応無くなり、呼吸状態悪化し21日人工呼吸器装着、23日CT等により脳死状態であると判断される。 間代性痙攣を起こしたり、除脳硬直がみられたりするも徐々に全身状態は安定してくる。12月末より血圧が低下、尿量も減少し1月4日急性腎不全で死亡。

 


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