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小児脳死判定後の脳死否定例(9歳児)

脳死否定例の定義は小児脳死判定後の脳死否定例(概要および自然治癒例)を参照


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臨床的脳死例

札幌医科大学医学部付属病院:122日間生存

 高山 留美子:長期臨床的脳死の4小児例、日本小児科学会雑誌、113(9)、1418−1421、2009

  9歳2ヵ月男児はインフルエンザ脳症、第5病日に小児脳死判定基準にもとづき脳死判定(無呼吸テストは実施せず、前庭反射は数週間後に実施)。両親は、両親、兄弟が自由に面会できることを希望された。受診の遅れに対し両親の自責の念が強かった。脳機能の回復を見込めないことを理解しつつも、延命治療を希望された。昇圧剤を使用、経口挿管による人工呼吸器管理を継続。急性腎不全により第126病日に死亡。

 2003年〜2005年札幌医科大学医学部付属病院小児科において4例(1歳6ヶ月男児10歳男児、本例、9歳女児《下の症例》)の長期脳死症例を経験した。全症例の両親は臨床的脳死を死とは考えておらず、臨床的脳死診断後も延命治療の継続を希望し、わが子の存在をできるだけこの世で感じていたいと考えていた。

 

 

 

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臨床的脳死例

札幌医科大学医学部付属病院:164日間生存

 高山 留美子:長期臨床的脳死の4小児例、日本小児科学会雑誌、113(9)、1418−1421、2009

  9歳女児は急性脳症、第9病日に小児脳死判定基準にもとづき脳死判定(無呼吸テストを実施、前庭反射は実施せず)。両親は、突然の事態に戸惑いが大きく、臨床的脳死への理解に時間を要した。脳機能の回復を見込めないことを理解しつつも、延命治療を希望された。気管切開、急性腎不全により第172病日に死亡。

 2003年〜2005年札幌医科大学医学部付属病院小児科において4例(1歳6ヶ月男児10歳男児、9歳2ヵ月男児《上の症例》、本例)の長期脳死症例を経験した。全症例の両親は臨床的脳死を死とは考えておらず、臨床的脳死診断後も延命治療の継続を希望し、わが子の存在をできるだけこの世で感じていたいと考えていた。

 

 

 

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臨床的脳死例

東京女子医科大学小児科:52日間生存

 竹下暁子:小児の脳死、小児科、50(2)、199−203、2009

 死亡時9歳女児は、生後6ヵ月時に症候性West症候群の診断、精神運動発達遅滞、症候性てんかんの診断にて経過観察されていた。最近は運動障害のため支え座位のみであったが、食事も経口摂取可能、感情表現も豊かであった。前日まで全身状態良好に経過していたが、深夜むせるような症状とともに嘔吐を繰り返し、救急外来受診時に呼吸停止、微弱心拍、心拍停止にいたった。頭部CTで右小脳出血と出血の脳室内穿破、大脳実質の著明な浮腫を認めた。
 第5病日に臨床的脳死と診断、第11病日に第2回判定。前庭反射、咽頭反射と無呼吸テストは血圧、心拍の変動が安定せず、気管挿管下では施行が困難であったため確認できなかった。臓器移植を前提としていないため経過中、無呼吸テストは施行していない。

 その後、血圧などバイタルサインが安定したため第36病日に気管切開、その後一般病棟にて介護、第57病日から茶褐色水様便を多量、頻回に認め偽膜性腸炎が疑われた。水分バランスの維持に苦慮し循環不全に陥った。第61病日夜から心拍低下、血圧低下傾向著明、急激な徐脈から心停止を数回経て、第62病日に永眠された。

 

 

 

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臨床的脳死例

加古川市民病院:スタッフの協力で学校へ外出、1ヵ月以上生存

 片山 以登、竹一 順子(加古川市民病院小児科看護部):インフルエンザ脳症に陥った患児とその家族への看護、小児科臨床、55(3)、422、2002

 臨床的脳死に陥った患児で、両親が“学校へ連れて行きたい”という希望をもち、これを実現するためにスタッフ全体で準備し実行した1例を経験した。

 症例は9歳男児、著明な発達発育遅滞があった。2000年2月、インフルエンザ脳症にて入院。短期間で臨床的脳死となった。1ヵ月の準備を経て学校へ外出した。外出後、短期間で永眠したが、両親は“精一杯のことができた”との言葉があった。

 

 

 

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脳死判定例

熊本大学医学部附属病院:11人中8人は死亡まで1週間以上、1人約3ヶ月生存

濱口 正道:小児の脳死の経験例−成人の脳死との比較を含めて−、小児科臨床、54(3)、422,2001

 9歳までの11人に脳死判定基準(6歳未満の小児は除外)に準じて判定作業(無呼吸テストは1例のみに施行)が行なわれ、全症例が無呼吸検査以外の項目を満たしており、11人中8人は1週間以上を経過して心停止に至った。1998年2月入室の1人は1998年5月現在生存。

 

 

 

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臨床的脳死例

北九州市立八幡病院:37日間生存

市川 光太郎:脳死と思われた小児10例の検討、小児科診療、62(3)、428−432、1999

 難治性てんかん、けいれん重積の9歳10ヵ月女児は、自発呼吸・対光反射・角膜反射・人形の眼現象がなく、脳波測定・聴性脳幹反応での無反応所見(48時間以上の間隔で5度施行)による脳死症例。脊髄反射と思われる体動が周期的にみられた。死亡まで37日間。

 同院かかりつけの患者で、家族の現状に対する受容態度は「良好」。「可能性を求めて積極的に加療してほしい」との意思表示がみられた。(当サイト注:最終的には?)「最初からよくしてもらっていたから、これはこの子の運命でしょう。お世話になりました。心の整理はつきました」。

 

 

 

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臨床的脳死例

北九州市立八幡病院:消極的治療により死亡まで23日間

市川 光太郎:脳死と思われた小児10例の検討、 小児科診療、62(3)、428−432、1999

 半側けいれんで発症、AVMの脳出血の9歳11ヵ月女児は、自発呼吸・対光反射・角膜反射・人形の眼現象がなく、脳波測定・聴性脳幹反応での無反応所見(48時間以上の間隔で2度施行)による脳死症例。脊髄反射と思われる体動が周期的にみられた。死亡まで23日間。

 家族の現状に対する受容態度は「諦め」。(当サイト注:最終的には?)「植物状態で生きながらえさせるのは止めてください。無理しなくてよいですから、できることだけお願いいたします」と呼吸器条件と強心剤の据え置きを意思表示した。

当サイト注:「据え置き」とは、「治療水準切り下げ」の意味で使用していると見込まれる。家族側が自発的に「据え置き」を申し出たのか、それとも医師の提案後に同意したのかは不明。

 

 

 

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臨床的脳死例

北九州市立八幡病院死亡まで295日間

市川 光太郎:脳死と思われた小児10例の検討、小児科診療、62(3)、428−432、1999

 動脈瘤破裂後SAHの9歳7ヵ月女児は、自発呼吸・対光反射・角膜反射・人形の眼現象がなく、脳波測定・聴性脳幹反応での無反応所見(48時間以上の間隔で5度施行)による脳死症例。脊髄反射と思われる体動が周期的にみられた。死亡まで295日間。

 家族からは「可能性を求めて積極的に加療してほしい」との意思表示がみられた。現状に対する受容態度は「受容不可」。「何度も生き延びました、今度も・・・」と脳死はなかなか認めたがらなかった。「搬入後すぐのOpeなら、こんなにならなかったのでは?」。

 

 

 

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脳死判定例

福岡大学筑紫病院:厚生省基準と米STF基準で1日差、11日間生存

 大府 正治:小児の脳死における電気生理学的検討 脳波および聴覚誘発電位の経時的変化、日本小児科学会雑誌、98(1)、39−45、1994

 厚生省研究班(1985年)およびSTF基準(米国小児脳死判定特別専門委員会1987年)の脳死判定基準を用い脳死と判定した9歳男児(風疹脳炎)。第7病日に厚生省基準を満たした。第8病日にSTF基準を満たした。第17病日に心停止した(厚生省基準で脳死判定後11日)。

 

 

 

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脳死判定例

杏林大学医学部附属病院:12日間生存

塩貝 敏之:脳神経外科における脳死の実態−過去11年間121例の検討、脳と神経、36(8)、781−787、1984

 日本脳波学会脳死委員会の判定基準を満たした10歳未満児(年齢の詳細記載なし)は、心停止まで12日間。

 


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