フライトジャケット作成講座
第8章 <パッチの基本を覚えよう!(航空自衛隊編)>
我が国で、空の守りといえば、当然、航空自衛隊。その組織の作り自体は、米空軍を規範としておりますが、
ジャケットとしては、オリジナルにデザインされたものを使用しております。
アラミド・テトロン繊維を使用したMA-1に似たニットが特徴のリバーシブル・ジャケットとなっております。
航空自衛隊のパッチフォーマット
本来のデザインは、表がブルー、裏がグリーンのカラーなのですが、大抵の航空隊員はグリーンを表にして着てます。
(まあ、フライト・スーツがグリーンですので、こちらの方が表の方が良いのでしょうな。)
当然と言いますか、このジャケットの実物は、一般販売されていません。
官給品については、自衛隊の慣習上、払い下げも行われ無いので、手に入る事は、まずありません。
一応、このジャケットのレプリカ品が販売されており、オークション等で手に入れることは可能です。
また、かつて、若き日の青島刑事・・・じゃなくて織田裕二氏が主演で出ていた映画、「ベストガイ」では、
第201飛行隊の面々が着ていたジャケットにCWU-36/Pが使われていました。
その事もあって、36/Pでも違和感は無いと思います。
個人的には、コスプレを重視する方には”レプリカ・ジャケット”を、
パッチ本来のデザインを楽しみたい方にはCWU系ジャケットをお勧めしています。
どちらも、パッチが映えるデザインですので、お好きな方を選ばれると良いと思います。
空自のジャケットは、全てベルクロで留めるタイプですので、後から付け替え等も、自由に出来ます。
そういう意味では、4箇所のベルクロの土台さえ縫い付けてあれば、色々楽しめます。
(1)右胸に付くパッチ
他の組織同様、この右胸に付くのは、所属飛行隊のメインパッチになります。
航空自衛隊は、多数の飛行隊がありますので、それだけ選択肢も多くなりますね。
戦闘機部隊、輸送機部隊、救難航空隊、更には支援組織まで、多岐に渡ります。
F-15J部隊
・第201飛行隊 千歳基地
・第203飛行隊 千歳基地
・第204飛行隊 那覇基地
・第303飛行隊 小松基地
・第304飛行隊 那覇基地
・第305飛行隊 新田原基地
・第306飛行隊 小松基地
F-35A部隊
・第301飛行隊 三沢基地
・第302飛行隊 三沢基地
F-2部隊
・第3飛行隊 百里基地
・第6飛行隊 築城基地
・第8飛行隊 築城基地
C-130H部隊
・第401飛行隊 小牧基地
C-1&C-2部隊
・第402飛行隊 入間基地
・第403飛行隊 美保基地
KC-767部隊
・第404飛行隊 小牧基地
E-2C部隊
・警戒航空団 警戒監視隊 三沢基地&那覇基地
E-767部隊
・警戒航空団 警戒管制隊 小牧基地
RF-4E/EJ部隊
・偵察航空団 第501飛行隊 百里基地
その他、救難航空団の各救難隊もここにパッチが付きます。
(2)左胸に付くパッチ
左胸には、ウイングマークを含むネームタグが付きます。革のネームタグもありますが、
基本的には布製のウイングマーク付きタグを使用する事が多いです。
各部隊毎に、部隊マークが入った物もありますし、空自ウイングとネームのみの物もあります。
部隊マーク入りは、入手が難しく、名前の刺繍を入れてもらう事を考えると、かなり難易度の高い品物になります。
逆に、ウイングマークとネーム刺繍の物は、通販などでも入手しやすいので、初心者の方には、こちらをお勧めします。
(3)右腕に付くパッチ
救難航空団の所属隊員の方は、この位置に救難航空団のパッチを付けます。
その他の部隊には、特に規定はありませんが、大抵は記念パッチ等や、部隊で合わせて作ったパッチ等を付けていらっしゃいます。
各種演習参加(コープノース・グアムや、コープサンダー、戦競パッチ等)を記念した物を付けている方とか、
飛行時間1000時間とかもいらっしゃいますね。
個人的な記念ものという感じでしょうか。
(4)左腕に付くパッチ
こちらには、少々前までは、搭乗資格のある機体の航空機パッチが付いていました。
最近では、服務規程が変わったらしく、日の丸と部隊名が入ったパッチをしている事が多いです。
パッチの時期によって使い分けると良いかと思います。
上記の部隊リストで、乗っている航空機がありますが、F-15Jのパイロットの場合は”イーグルドライバー”パッチが付けられたりします。
また、救難航空団の隊員の方は、職に合わせたパッチを付けている事もあります。(エアレスキュー等)
(5)その他に付くパッチ
航空自衛隊の場合、これ以外に付ける位置が無いので、全て上記の4箇所のみとなります。
ベルクロ留めになるので、色々な組み合わせを楽しむのが良いでしょう。
ただ、1セットをまず作るのを考えた方が良いです。というのも、左右の腕に付けるパッチが一対で揃うというのは、かなりの努力を必要とします。
メインパッチのみとか、メインと右腕パッチがあっても、全部をトータルで揃えるのは、時間を要するかも知れません。
なので、気長に揃えるのが、航空自衛隊ジャケットを作るコツと言えるかも知れません。
航空自衛隊のレプリカジャケットを使用した、第203飛行隊のイーグルドライバー仕様です。
203SQのジャケット例
CWU-36/Pを使用すると、こういう感じです。
航空救難団千歳救難隊U-125Aパイロット仕様例