フライトジャケット作成講座
第1章 <ジャケットを選ぼう!!!>
すいません、かなり無理してます。(笑)
元々、皆様にこういう風に偉そうな話が出来るほど、私はエキスパートではございませんが、初心者の方に向けて、
ちょっとだけセンパイ(?)のワタクシから、こういうジャケットの作成方法は如何でしょう?というご提案です。
不定期ではありますが、段々と内容を追加するつもりですので、ご興味のある方だけ、お付き合い下さい。
フライトジャケット作りを始める
まずはなんといっても、目標となるジャケットを選びましょう。
既に、ジャケットが決まっている方は、気にせず行きましょうね。(笑)
まだ、ジャケットが決まっていない方は、どういうジャケットを選択するか、これが結構悩みどころ。
ジャケットを選ぶ際には、好みの形はどれかという選び方と、付けたいパッチがある場合には、
そのパッチに合ったジャケットを選ぶという方法があります。
フライトジャケットの代表的な物は下記のようになっています。
CWU-36/P & 45/P
米4軍の現用ノーメックス製フライトジャケットです。
特徴はなんといっても、その生地。難燃性の耐火繊維であるノーメックスの素材で作られており、
航空機乗員を短時間ではありますが、火災から守ります。
しかし、その生地の性質上、色の乗りが悪く、雨などが当たると変色したり、長い間日光に当たると茶色に変色したりします。
扱いには注意が必要です。更に、実物は価格も高いです。
CWU-36/Pは一般的に「ライトゾーン衣料」に分類されていて、春夏などの比較的気温が暖かい時期の衣料に指定されています。
特に、軍のパイロットは、通常、CWU-27/Pなどの「フライトスーツ」を着ていることが多い為、上に羽織る物としての機能を
持っているのが、このCWU-36/Pと言う事になります。(一般の人のカーディガン的な感じでしょうか。w)
ちなみに、「TOP GUN」、「TOP GUN ーマーヴェリックー」で、トム・クルーズが着てたのは、CWU-36/Pの方です。
CWU-36/P
CWU-45/Pは、「コールドウェザー衣料」になっていて、外側自体は36/Pと同様のノーメックス素材ですが、
36/Pよりも防寒機能を持たせるため、中綿が入っています。その分、内側の容積が1サイズ小さくなっているので、
36/Pのサイズよりも1サイズ上のサイズを選ぶ方が、中に着るものを含めて、着やすいと思います。
CWU-45/P
MA-1 & L-2
米空軍の60-80年代ナイロン製フライトジャケットです。
まさに、フライトジャケットの定番中の定番。知らない人の方が少ないという、超有名ジャケットですね。
他のDCブランドも、このジャケットを基本形に使っている服を出すほど、機能的かつ使いやすいジャケットと言えるでしょう。
MA-1は中綿入り、L-2Bは中綿無しですので、好みで使い分けできますね。
難点は、いわゆる”安いジャンパー”と同じ形なので、違いを出すのに苦労します。
是非パッチでの飾り付けで差別化を図りましょう!\(^O^)/
MA-1は、サブタイプが色々あり、最初期型はウールパイルの重たい衣料品です。
みっちりしたナイロンジャケットで、裏地もかなりヘヴィーです。
サブタイプがD型までは、サイドのポケットがフラップ無しで、ドットボタン付のスラッシュポケット、
サブタイプE型以降はフラップ付きのポケットになっています。
また、裏地はC型以前までは普通のライニング色で、D型からレスキューオレンジに変更されています。
(ただし、グラウンドクルー用なんてのもあって、レスキューオレンジではないE、F型も存在します。)
1970年代位まではD型、それ以降がE型ですが、所説ありますので、好みで選ぶのもアリかと思います。(笑)
MA-1 Subtype E
L-2は、ライトゾーンでの使用を目的とした、軽い衣料品です。CWU-36/Pのご先祖ですね。(笑)
L-2も時期に寄って種類と、サブタイプがありまして、種類別で言うと、
陸軍航空隊の頃の「L-2」、空軍発足当初の「L-2A」、その後の「L-2B」です。
一応、色々細かい違いはあるのですが、一番判りやすいのは「色」です。
L-2は緑の強いオリーブ・グリーンのナイロン生地で、オキシジェンタブ(胸の所の四角い物)が革製です。
L-2Aは、空軍独立時に制定されたカラーが「エアフォース・ブルー」だったため、ちょっと紫の入ったブルーです。
そして、最終期のL-2Bは、MA-1と同様のセージ・グリーンにレスキューオレンジが定番になりました。
L-2B
WEP
米海軍の60-70年代ナイロン製フライトジャケットです。
フライトジャケットのマニアになると、このWEPが大好きな方が多いですね。米海軍のみで使われ、
ベトナム戦時代のエビエーターが着ている写真がカッコ良いので、注目されました。
このジャケット、大変に丈が短いので、日本人にとっては、非常に着こなしの難しい1品。
でもカッコいい。\(^O^)/
丈が短いのは、このジャケット、本来は下のズボンとセットで使われてたからです。
その名残が、ジャケット内側に、連結用のボタンホールが用意されていることで判ります。
私もこのWEPジャケットの愛用者でして、大変にこだわりのあるジャケットです。
実物に関しては、多分、普通に着られるものを入手するのは困難だと思います。
特に、内側のライニング部分が擦り切れやすく、ヴィンテージの品では、良くボロボロになっているのを見かけます。
外側の特徴は、ナイロンという意味ではMA-1と同世代ですが、首周りのニット部分が大きくなっています。
また、大型の胸ポケットは折り返し部分にドットボタンが使われていて、大容量。中の物を落としにくい工夫がされています。
(ただし、ポケットに手を突っ込んで歩くことは出来ません。口が垂直位置になってるので。)
今ですと、BUZZRICKSON’S製や、HOUSTON製のレプリカが入手出来るでしょう。
特に、HOUSTONのは、袖口がV字ネックではない初期型もあるので、お勧めです。
WEP
A-2
米空軍の革製フライトジャケットです。
空軍の創設前から存在する、空軍定番の革製フライトジャケットです。
一時期はナイロン素材に押されて、少なくなった様ですが、現在でも米空軍の正式ジャケットになっています。
このジャケットにこだわりのある方は多いですね。特に、スティーブ・マックイーンのファンの方々とか。(笑)
革の素材も色々あって、ホースハイド、カウハイド等、使用されていた時期によって、色なども多数あります。
問題は、値段が高いかな?それと、革なので、手入れをきちんと行う必要があります。ものぐさはだめよ。(;^ω^)ノ
<すいません、所有してないので、画像ありません m(_ _)m>
G-1
米海軍の革製フライトジャケットです。
A-2が空軍伝統の革ジャケットならば、これまた海軍伝統の革ジャケットです。
これまた米海軍での正式ジャケットとして、いまだ続く歴史的なジャケットと言って良いでしょう。
もう、当然、「TOP GUN」、「TOP GUN ーマーヴェリックー」で、トム・クルーズがカッコ良く着こなしてましたね。
A-2が代襟などの襟元なのに対して、このG-1は、ボア襟になっております。素材の革も、ホースハイド、カウハイド、
ゴートスキンなど、色々使われています。
こちらもA-2と同様、結構お値段が張りますし、手入れが必要です。
<すいません、所有してないので、画像ありません m(_ _)m>
その他
上記フライトジャケット以外にも、
”空自フライトジャケットレプリカ”
航空自衛隊のパイロットが着用するフライトジャケットは、官給品の為、入手出来ませんが、
PX品とか、レプリカの品は楽天辺りに出店しているミリタリーショップ等で販売されていたりします。
空自フライトジャケットは、色がブルーとグリーンのリバーシブルになっており、ちょっと変わっています。
隊員さんは、グリーンを表にして着ている事が多いです。
空自フライトジャケットレプリカ
”ドイツ空軍フライトジャケット”
ドイツ正式のフライトジャケットは、グレーの革製で、内側にオレンジのライニングが貼ってあります。
形としては、DCブランドのブルゾンっぽい作りで、着やすい感じです。偶に古着屋さんとかで安く売られています。
<すいません、画像ありません m(_ _)m>
”米陸軍ヘリジャケット”
原型は、米陸軍の戦車兵用に作られたCVCジャケットです。そのCVCジャケットにあった、背中のエスケープタブ
(ベルクロのスリット)が無い、普通のブルゾン方式に改められた形になっています。
一応、ノーメックス・アラミド繊維が使用されています。
”イギリス空軍フライトジャケット MK.3 & MK.4”
イギリス空軍の正式フライトジャケットは、1つ前のMK.3がベンタイルという密度の濃いコトン素材のジャケット、
MK.4が現用の、ノーメックス素材のフライトジャケットです。
色は、グリーンの物と、グレーの物があり、部隊の支給時にどちらかになるようです。
形としては、かなり着丈が短くて、WEPよりもショートに見えます。
更に、襟元の後ろ側にフードが内蔵されていたり、裾が内側に折りたたまれていて、ちょっと変わった作りです。
WEPの様に、上下連結で使う事になっているので、他にはない雰囲気です。
<すいません、画像ありません m(_ _)m>
等が比較的入手しやすいです。
好みのジャケットは?
さて、初心者の方であれば、CWU-36/Pをお勧めします。
なぜかというと、パッチを選びやすい&入手しやすいという利点があるからです。
そして、45/Pよりも中の服装の幅があるというのも重要です。
45/Pは中綿が入っている為、中に着る服装は薄着にしないと、肩の辺りが窮屈になってしまいます。
軍の方々は、基本的にフライトスーツの上に直接ジャケットを着ます。
でも、民間人の我々は、中に着る服装を自由に選べるので、45/Pよりも汎用性のある36/Pをお勧めする訳です。
さて、ジャケット愛好家にとって、CWU-36/Pは”高い”というイメージがあります。
当然ですね。ノーメックス製であり、生産のコストの関係から50,000円とかの値段で販売されていたのですから。
(今でも、新品価格は50,000円位ですね。)
しかぁし!最近は良いレプリカが出回ってきました。ヒューストンやアルファ製のCWU-36/Pレプリカは、
ナイロン製ではありますが、ノーメックス独特の生地に近い織りを実現した良い出来です。
価格もかなりお買い得。MA-1を購入するのと変わらないので、価格を低く設定したいのであれば、こちらをお勧めします。
あと、中古のCWUも価格の手ごろな物が偶に出てます。オークションなどで根気よく探すと、30,000円位で、
程度の良い中古品を手に出来ると思います。