フライトジャケット作成講座
    第6章 <パッチの基本を覚えよう!(米陸軍編)>

米陸軍は、固定翼運用が少なく、パイロット職の多くはヘリコプター部隊に配属されています。
しかし、実は米陸軍は、 航空機の部隊であっても、機甲科の戦車部隊隊員と変わらないような服装規定があります。

米陸軍のパッチフォーマット

航空機(ヘリコプター)に乗務する際には、フライトスーツを着るのですが、地上に居る際には、
全て通常のBDUを着用することが義務付けられているのです。その為、航空部隊独自の装備以外は、陸軍共通の装備となります。

乗機から降りた後は、フリッツ・ヘルメットを被りますし、地上で作業する際は迷彩のBDUを着てます。

フライトジャケットのパッチに関しても、この規定と関連して、独自の設定ではなく、陸軍の他の部隊に準じて付けられます。

(1)右胸に付くパッチ

米陸軍のフライトジャケットでは、右胸に付くパッチが直接所属する飛行隊のメインパッチになりますが、
付いていない場合も多く見られます。

というのは、陸軍の部隊パッチは、肩に付けるようになっており、
胸には、BDUと同様、”U.S.ARMY”のテープを付ける程度というのが常だからです。

部隊によっては、独自のパッチを設定しており、それを付ける所もあるようですが、
この着用には、部隊指揮官(司令官クラス)の許可が必要となっていて、自前のジャケットはともかく、
官給品にはそのようなパッチが付いていない事の方が多いです。

(2)左胸に付くパッチ

左胸には、ネームタグを付ける訳ですが、ネームテープ(タグよりも、テープ状の細い布製ネーム)を縫い付けている方が居たりします。

これについては、CWU-36/PもしくはCWU-45/Pでは、タグが多いですが、
CWU系の採用前に使われていた陸軍ヘリパイロット用ジャケット(CVCジャケットと同様の形状)に関しては、テープの方が多いです。
これは、陸軍の文化的な物と言えるかも知れません。

そして、ネームテープの上に陸軍パイロット徽章、ヘリアサルト章などが付けられている事が多いです。

陸軍では、各種資格を持っている方も多いので、それらの資格章が並べられているわけですな。

(3)右腕に付くパッチ

現在所属している部隊章を付けます。

第1騎兵師団ヘリ部隊所属の場合は、こちらにお馴染みの1騎兵パッチをデカデカと付ける訳ですね。それ以外にも、
航空騎兵連隊等のパッチも付けられます。

(4)左腕に付くパッチ

実戦経験をした隊員の場合、こちらに実戦参加時に所属していた部隊の部隊章を付けます。

例えば、湾岸戦争や、アフガニスタン作戦の際に、実戦に参加していた場合は、
その際の所属部隊パッチをこちら側に付けることになります。

(5)その他に付くパッチ

基本的には、付けるものとして、階級章を付けることになります。士官・準士官の場合は、襟の部分に布製の階級章を縫いつけしています。

また、軍曹などの場合は、腕の部分に大きな階級章を縫いつけしていたのですが、最近では、士官等と同様に、
襟用に小さな布製階級章が作られているので、それが付けられている事が多いです。

残念ながら、米陸軍で航空機を使う部隊が、日本で見られるのは、”キャンプ座間”の陸軍ヘリ部隊のみですので、
参考になる物がほとんどありません。また、航空機パッチ自体が、本国アメリカの部隊の物を手に入れるタイミングが、
なかなかありませんので、非常にハードルが高いジャケット作成となります。

初心者の方には、あまりお勧め出来ないのが、ちょっと残念です。

私も、米陸軍のジャケットは、未だ出来上がっておりませんので、参考写真も掲載できないです。すいません。

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