フライトジャケット作成講座
    第7章 <パッチの基本を覚えよう!(海上自衛隊編)>

 我が国の、海の守りに就く、海上自衛隊。その航空部隊は、アジア圏でも有数の海上封鎖戦力を誇っており、
 P-3Cや、US-1A、US-2等の大型機から、SH-60J/K等の哨戒ヘリコプターまでを運用しております。

海上自衛隊のパッチフォーマット

 その海上自衛隊パイロットのジャケットは、実はCWUシリーズではありません。
 海上自衛隊独自の官給品フライトジャケットが存在し、そちらを使用しております。
 残念ながら、その官給品フライトジャケットは、一般販売はされていないので、民間の我々では、まず手に入れることは難しいです。

 しかし、パッチ自体は、各地の基地祭等で手に入れられたり、一部は通販等をしている店等も存在します。これを使わない手は無い。(笑)

 ジャケットは、実際の海自パイロットの方も、私物でCWU等を買って着ている方がいらっしゃるので、
 ここは、なりきりという事で、CWUで再現しちゃいましょう。(実は、CWUの実物の方が値段は高いそうです。)

 海自の規定では、フライトスーツは右の肘部分に部隊パッチが付きますが、フライトジャケットの場合は規定が緩いようです。
 ここでは、基本を押さえるような形で、解説させて頂くこととします。

(1)右胸に付くパッチ

 航空部隊のメインパッチが付きます。各部隊のパッチは、ハイビジ・ロービジ等がありますが、このメインパッチの色がどちらになるかで、
 他のパッチも合わせる様にすると、統一感が出て良いと思います。一例としては、下記の通り。(2008年に改編された海自航空隊部隊です。)

P-3C部隊

・第1航空隊 鹿屋基地

・第2航空隊 八戸基地

・第3航空隊 厚木基地

・第5航空隊 那覇基地

 これらの部隊は、各地域の海域での哨戒任務、流氷観測や、流域測定などの任務をこなしている航空隊となります。
 以前の編成では、各基地2航空隊配備だったのですが、再編で2つを1航空隊へと統合されました。

US-1A、US-2部隊

・第71航空隊 岩国基地

 世界でも珍しい、救難任務の為の飛行艇を運用する部隊です。離島や経済水域内での救難活動を行っています。

UH-60J部隊

・第72航空隊 大湊基地 他

・第73航空隊 徳島基地 他

 UH-60J、通称”レッドホーク”の部隊は、基本的に陸上基地を使用して、救難、輸送任務を行う部隊です。
 以前は各基地の航空隊として編成されていましたが、改変で東日本の基地部隊を72航空隊、西日本の基地部隊を73航空隊として組織編成されました。
 最新では、この部隊も、縮小されています。

SH-60J/K部隊

・第21航空隊 館山基地

・第22航空隊 大村基地

・第23航空隊 舞鶴基地

・第24航空隊 小松島基地

・第25航空隊 大湊基地

 SH-60J/Kシーホークを運用する部隊で、対潜哨戒・不審船臨検などを主任務にする部隊編成になりました。
 各部隊から護衛艦に分遣隊として派遣されます。

(2)左胸に付くパッチ

 左胸には、ウイングマークを含むネームタグが付きます。

 海自のウイングは、パイロットが金色、その他のクルーが銀色で作られており、革のネームタグの場合には、それぞれの色で箔押しされています。
 また、布製の場合には、黄色・白色で縫い取られている事が多く、それぞれの職種に合わせて着用されています。

(3)右腕に付くパッチ

 特に規定はありませんが、大抵は記念パッチ等や、部隊で合わせて作ったパッチ等を付けていらっしゃいますね。
 リムパックや、各種演習等に参加した際の記念パッチなどは、ここに付ける事が多いです。

(4)左腕に付くパッチ

 海自の場合は、こちらには職種パッチが付く事が多いです。”PILOT”や、”SENSOR-E”等の記入されたP-3Cパッチ等が付きます。
 職の名前というのは、海自では任務中の呼び名でもあります。

 ”センサー”とか、”TACCO”等と機内で呼び合っている所が、DVD等で良く見られますが、海軍特有のコミュニケート・ネームとでも言いましょうか。

 それ以外にも、勤務時には階級章が付きますが、一般人は付けない方が良いでしょう。
 あらぬ誤解を生む可能性がありますし、そもそも、ジャケットに階級章を付けてもデザイン的にはあまり寄与しないと思います。
 コスプレだとしても、これは避けた方が良いと思っております。

(5)その他に付くパッチ

 実は、特に規定はありません。
 ですから、結構色々付けている方もいらっしゃいまして、不審船の追跡を行った時のパッチであるとか、
 ”SUBHUNTER”(潜水艦ハンター)なんてパッチを付けていらっしゃる方も居ます。
 この辺りは、米海軍に近い感覚かなと思います。

 これは、新編成前のVP-6(第6航空隊)のTACCO仕様のCWU-36/Pです。

写真

VP-6のジャケット例

 また、こんなのもアリ。
 新編成の第71航空隊US-2パイロット ASEAN災害救難フォーラム参加仕様。

写真

71RESのジャケット例

 ベルクロで留めると、かなりバリエーションが楽しめます。

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