だぶる厄MAN 椎間板ヘルニアと深部静脈血栓症の闘病記+α
治療記録

1. 発症
2. プロローグ
3. MRI検査
4. 診断結果
5. 改造計画
6. 予定は未定
7. 検査入院
8. 検査結果
9. 自己血貯血
10. 麻酔科対診
11. 入院!
12. 第2日目
13. 第3日目
14. 第4日目
15. 手術
16. 第1週目
17. 第2週目
18. 第3週目
19. 第4週目
20. 第5週目
21. 退院
22. 退院時診断書
23. 2002.3.20.現在
24. 2002.7.10.現在
25. 2002.10.現在
26. 2002.11.6.診察
27. 2003.2.現在
28. 2003.6.現在
29. 2003.8.現在
30. 2003.11.5.診察
2001.8.31(金)

京都にある某総合病院に着いたのは、午前9時過ぎ。

初診外来手続きを済ませると、係りの方が親切に手順等を教えてくださいました。
公立で、しかも大きな病院だから素っ気無くあしらわれる事を覚悟していた私には、
ちょっとした驚きでした。
病院のホームページに書いてある内容に嘘はなかったなと、取り敢えずは笑顔でスタートです(笑)。

この日の診察に合わせて、分厚い文庫本を2冊持参。
どうせ半日掛かるだろうと決め込んでいるので、気楽なものです。

さて、漸く診察室に通されたのが午前10時30分。
しっかり時計で確認している冷静な自分に笑ってしまいました。

先生の名前はよく確認しませんでしたが、眼鏡をかけた30歳位の男性医師。
問診の間も患者の目を見ないし、表情のひとつも変えない冷静なエリートタイプです。
お得意のお馬鹿な発言で場を和まそうにも、気が憚られます(苦笑)。
担当ナースもピリピリと張り詰めた雰囲気ですし、何か嫌な感じでした。
このまま治療を受けるには気が進まない......そんな感じでしたね。

数項目の確認の後、直にレントゲン撮影の指示が下されました。

さて。
レントゲンルームは在り来たりの装置があるだけ。
だけど、脱衣籠と椅子がある一角にはきちんとカーテンが張られて気配りは上々です。
私は男性ですが、こういう配慮は嬉しいものですね。

撮影に支障があるからと、トランクスを摺り下げるにはビックリ(パンツのゴムが写るといけない)しましたが、
姿勢を変えるたびに丁寧にシャツの乱れを直してくださるのには、流石に嬉しかったですね。
寝転んで左右に身体を傾けたり、或いは立ち上がって屈んだり、背を反らしたり。
その度に労う言葉をかけて下さるのには、またまたびっくり!

そして、全ての撮影が終了し、やれやれと思っていたら、
「ブレずに撮れているか確認させていただきます。少しお待ちいただけますか?」と、
椅子に座る私の身体に毛布をかけて部屋を出ていかれました。
プロですねぇ..........(感服)。

感心すること一頻りです。
毛布をかけてくださるなんて思いもよらなかったし、
ここってスタッフの教育がしっかりしてるんだなぁと思いました。
そう言えば、入院する方には玄関からナースがひとり付いてきちんと説明していたし、
また、患者の不安を取るようにいろいろと話し掛けたりしておられるのも見たし。

レントゲン終了が午前11時頃。
さあ、ここからがまた長期戦の開始です。

午後1時頃、文庫本1冊目読破。
そろそろ喫煙タイムをば(笑)。
口臭予防のタブレットも噛み尽くして口寂しくなったところに、緊張の所為か、妙に空腹感を感じてくるのです。

腹減ったなぁ........。

そして、午後2時過ぎ。
ついに診察室へ。
意外と早いなとほくそえみながら部屋に入ると、予想は外れてしまいました。
「ズボンと靴下脱いで、これに着替えて、名前を呼ばれるまでここで待っててくださいね。」
ナースが指差す方向には、木綿製のガウン。
仕切りのカーテンをささっと引くと、独りぼっち状態となりました。
待つこと20分位でしょうか?

そこには、午前に診察していただいた方とは違う眼鏡をかけた紳士がいたのです。
非常に柔和な感じの方で、語り口も穏やかでした。

で、開口一番。
「こ、これは、痛いでしょー?(絶句)」........思いっきり痛いですよぉ〜(涙)。
「そやろなぁ.......。ううむ、これは手術した方がええなぁ.....。」

しゅ、しゅっ.......(がああああああああん)。
そ、それはどのくらい時間がかかるのでしょうか?

「慌てんでもええよ。じっくりやりましょ(笑)。」

要するに、歳を取れば誰しも椎間板が退化してくるのは避けられないのですが、
私のように、まだ若いなら痛みを取って元気に働く方がいいでしょう、とのことです。
それに、椎間板がひとつだけ跡形も無く潰れているのは、私の年代では非常に稀に見るケース。
且つ、第4腰椎がグラグラと安定を欠いている為に、
第5腰椎と杵とすり鉢のようになってそれぞれ骨が横に迫り出し、
それらが神経を圧迫してしまっている状態なのです。

「しかし、よう我慢したなぁ。」
「これは、あなたが言うように1年位の間になったんと違うよ。
 ここまで酷くなるんには、3〜4年はかかっとるなぁ。」

それって、私が現在のように全国を飛び回るかのごとく、旅芸人の暮らしを始めるに照合するではないですかっ!
嗚呼........。
せ、せめて診断書を!(これだけ申し上げるのが精一杯)

こうしたノンビリとした時間が経過する中にも、先生の携帯電話が鳴り続けます(おいおい、いーのか?)。
ピッチを利用した内線で、病棟との連絡を取り合っているのでしょう。
でも、全てナースが応答し、先生は指示を出すだけに止め、ずっと私に向き合ってくださいました。
有り難いことです(感謝)。

そして、手術の手順や今後の診療方針についてご説明くださる内に、ふと一言。
「細菌の感染によることも想定しておいた方がよいでしょう。血液検査をしとこか。」

うっ.....。
こんなに丁寧に診察してくださるとは思っていなかったので、
「いえ、つい最近、会社の健康診断で血液検査は受診済みです。異常はありませんでした。」
なんて言えないよね、これじゃぁ。トホホ。

「じゃぁ、次はMRIで検査をしょーか。いつ来れる?」
「それから、私の診察日は水曜と金曜。私が主治医になります(きっぱり)。」

あ、ありがとうございますだ(涙)。
もうこうなったらどこまでも付いて行きますぜ、先生っ!(笑)

医師と言うからには、皆様、優秀なのは十二分に承知しておりますが、
こうして患者の不安を取り去るように、にこやかにゆっくりと分かりやすい説明をしてくださり、
そしてナースまでも丁寧に応対してくださると安心感が増します。
また、100%は痛みが取れるわけではないときっぱり言い放つのも、絶妙のタイミングだったり(笑)。

若き頃、左手中指第3間接の骨腫で神戸中央市民病院に入院した時も同じだったなぁ。
いざとなった時、ツキが私にはあるみたいですね。
それはそれで、嬉しいような哀しいような........。

血液採取を終え、最後に精算。

その後、バスに乗ってJR京都駅に。
伊勢丹で、惣菜2品とお漬物3品を購入しました。


ふぅ〜、疲れた。



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