犬の登録について

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【犬の登録と年に1度の予防接種は飼い主の義務】

ペットは家族同然という方は多いようです。しかし、ペットを飼うには責任を持たなければいけません。ペットを飼うことは保護者或いは親権者となるようなものなのですから 可愛いと思う気持ちだけではペットを飼う資格があるとはいえません。将来、ペットを遺棄するようなことがあってはいけませんし、その覚悟が無くてはいけません。
さて、ペットの中でも犬は飼い主に忠実で人懐こいことから人気のペットですが、「狂犬病予防法」により犬の登録と年に1度の予防接種が義務付けられているのをご存知ですか。
それでは、これから犬を飼おうという方のために必要なルールについてお話します。

【狂犬病とは】

狂犬病はラブドウイルス科リッサウイルス属の狂犬病ウイルスを病原体とするウイルス性の人獣共通感染症で、ヒトを含めたすべての哺乳類が感染するものです。 発病後の死亡率は95%で、毎年世界中では約5万人の死者を出していると言われる大変危険な病気のです。
感染は、感染した動物の咬み傷などから唾液と共にウイルスが感染するケースが一般的ですが、傷口や目・唇など粘膜部を舐められた場合も危険性が高いようです。 幸い現在(2013年)の日本は狂犬病の清浄国とされていますが、江戸時代の1732年に長崎で発症した狂犬病は全国に伝播したことや明治時代に各地で確認されていることから、 将来日本での発症の無いことが保証されているわけではないのです。

【犬の登録と鑑札】

犬の所有者は、犬を取得した日から30日以内に、その犬の所在地を管轄する市町村長に犬の登録を申請しなければならない。(狂犬病予防法第4条第1項))と定められ、 市町村長は、犬の登録の申請があったときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付する。(同法同条第2項)とされています。 また、犬の所有者は交付された鑑札はその犬に着けておかなければならない。(同法同条第3項)こととされ、 更に、犬が死亡したときや登録事項等に変更があった場合(移転した場合や所有者が変わった場合など)は30日以内に管轄する市町村長に届け出なければならない(同法同条第4〜6項)とされています。

【犬の予防注射と注射済票】

犬の所有者は、その犬について狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならない。(同法5条第1項) 市町村長は、狂犬病の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。同法5条第2項) 犬の所有者は、交付された注射済票をその犬に着けておかなければならない。(同法5条第3項)と定められています。

【登録又は予防注射を怠ると20万円以下の罰金】

狂犬病が国内で発症したら、甚大な被害となることは容易に想像ができることです。 ですから、犬の登録や毎年の予防注射を怠ると20万円以下の罰金という罰則規定も設けられています。 「狂犬病予防法」は、人間と動物が良好に共存する社会形成の為のものであるということを理解して飼い主として果たすべき義務なのです。

【ペット禁止マンションと犬の登録】

ペット飼育を禁止する賃貸借契約は貸主と借主の問題であり、犬の登録とは次元の異なる問題です。ペット禁止マンションで犬を飼うと契約違反として退去を強いられる場合もありますし、 ペット禁止マンションであるが故に犬の登録を免れるといった道理もありません。結果的には飼い主も愛犬もトラブルに巻き込まれる可能性が高いので、まずは 購入前にペットと人間の生活環境を優先的に確保することをおすすめします。

【ペットへの虐待は犯罪です】

「動物の愛護及び管理に関する法律」は、動物の虐待等を防止することや動物の適正な取扱その他を定めた法律です。 動物も命あるものです。不必要に苦しめることは慎むべきであり、人と動物の共生が望まれているからです。 違反すると下記のような罰則(同法第六章)が規程されています。
@ みだりに愛護動物を殺したり傷付けたりした者
   「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」
A 愛護動物に対し、みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者
   「50万円以下の罰金」
B 愛護動物を遺棄した者
   50万円以下の罰金

※愛護動物とは
人に飼われている「哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物」および、飼い主の有無にかかわらない全ての「牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる」

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