建設業許可取得のメリットとデメリット
建設業許可は2つの一式工事と26の専門工事に分類され営む建設業の業種ごとに許可を受けなければいけません。ただし、軽微な工事のみを請負うのであれば建設業の許可は必ずしも必要ではありません。
【軽微な工事とは】
建築一式工事以外の工事 | 請負代金の額が税込500万円に満たない工事 |
建築一式工事 | 税込1,500万円に満たない工事又は延面積が150uに満たない木造住宅工事 |
しかし、軽微な工事のみを請負う建設業者であっても建設業の許可を受けることに意味が無いという訳ではありません。建設業許可を受けることによる主なメリットとデメリットを下記に記しますのでご参考にしてください。
<< メリット >>
1. 業務獲得の機会が得やすくなります。
建設業の許可を受けているということは経営管理者や専任技術者、資金調達能力などの許可要件を満たしていることを客観的に知らせることができます。また、請負額に制限がないので元受業者等の継続的な取引先からの信頼も向上します。
2. 資金調達に有利です。
企業にとって金融機関との取引は不可欠です。融資を受ける際に許可を受けているかどうかは企業の信用に大きく影響する傾向にあります。
3. 公共工事の入札参加の為の条件です。
原則、公共工事を受注するには建設業許可を受けて毎年経営審査を受審した建設業者でなければ入札に参加することができません。建設業許可は公共工事の入札に参加する為の前提条件となります。
<< デメリット >>
1. 新たな事務経費が発生します。
知事許可の一般建設業のみの新規許可申請での申請手数料は9万円です。また、許可の有効期限は5年です。引続き建設業を営む場合は許可の更新が必要で更新の申請手数料は5万円です。行政書士等へ依頼する場合は、別途行政書士報酬が発生します。
1. 新たな事務が発生します。
許可申請や更新申請の他に毎事業年度終了後4ヶ月以内に事業年度終了届けの提出が義務となります。また、申請事項に変更を生じた場合は、所定の期限内に変更届の提出も必要です。
1. 申請内容は一般に公開されます。
許可申請書類は公開が原則となりますので提出した財務諸表や個人情報は一般に閲覧が可能です。また、変更届等を提出していない場合などは行政その他からの信用を失う可能性も否定はできません。
★ワンポイントアドバイス★
事業を展開する場合、先行投資は不可欠です。継続して建設業を営むのであれば建設業の許可は企業にとって大きな武器となることは間違いありません。