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    GARMARNA / HEDNINGARNA A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
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    Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
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    GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 

     どちらが先だったのか忘れてしまいましたが、私が北欧トラッドを聴き始めたのは、この二つのバンドのアルバムに出会ったからでした。バンド名も、なんとなく不思議な響きの重なりがあって、つながりはないのですがなんとなくセットにして考えてしまうので、スペシャルとしてもセットにしてしまいました。共通性といえば、重厚でありながら鋭利な、呪術的な響き演奏に貫通力の強い女声の組み合わせだろうか。
     彼らは、コンテンポラリー・トラッドとか、ラジカル・トラッドとか言われるようですが、いずれにせよヘンな言葉ではあります。トラッド自体が伝統音楽なのですから、それが同時代的だとか急進的だとか言うのはおかしいといえばおかしい。しかしその自己破壊的というか自己矛盾的というか、そういうあり方がラジカルであることは確かでしょう。いずれにせよ、外国の人間である私にとっては、トラッドといってももともと聴きなれていないわけで、異国情緒が漂いながらもロックスピリットがあふれているだけで感動してしまうのですが。
     ところで、ガルマルナがなんと来日しました! 例によってセットリストも何もない、ただの印象記ですが、それでよろしければこちらをどうぞ。
    GARMARNA 
    GARMARNA 93/CD/SWE/SWE MASS CDS54
    *ヘドニンガルナと並び称されるスウェーデンのラジカルトラッドバンド、ガルマルナの、初期シングルから7曲、21分あまりを収録したマキシシングル。素朴で哀愁ただよう曲が多い。
    VITTRAD 94/CD/SWE/SWE MASS CD61
    *ガルマルナのフルアルバムとしては1枚目。はじめて聴いたとき、マリコルヌやコリンダあたりに近い音だと思ったのだが、非常に重厚で、かつある種の重さというか暗さのある演奏を聴いているうちに、北欧のトラッドの陰影を強く感じるようになった。
    GUDS SPELEMÄN 96/CD/SWE/JPN BELLE ANTIQUE 96260
    *セカンド。邦題「主なるバイオリン弾き」。最後の曲はボーナストラック、ブックレットにも解説と対訳がついている。重厚で呪術的な音に淡々とした女声ヴォーカルが流れる。1枚目と比べるとさらに個性が際立つ傑作。しかし私は本当にこういう音が好きだ(笑)。
    SIR HOLGER 96/CDS/SWE/SWE MASSPRODUKTION 4247-2
    *"GUDS SPELEMAN" からのシングルカットで、"VANNER OCH FRANDER" と "VARULVEN" もリミックスで入っている。アルバムとそれほど違いはないが、 "VARULVEN" の長いインストのイントロは聴く価値あり。もともと好きな歌だし。ガルマルナのエッセンスのような3曲だから、お試しには絶好だろう。
    EN GÅNG SKA HAN GRÅTA 97/CDS/SWE/SWE SONET 573 704-2
    *このシングル盤はユーロビジョンコンテストのために作られた、MATS WESTER と PY BACKMAN という人の曲で、彼らに言わせると「嫌いなわけではないが、ライブに向かない」ので、もう演奏しないとか(^^;。でもそれほど彼らのイメージを壊すような曲でもない。2曲目はジャケットにはインストルメンタルとあるがアコースティックバージョンの間違い。
    VEDERGÄLLNINGEN 99/CD/SWE/SWE MNW CD337
    *3枚目のフルアルバム。シングルカットもした1曲目はかなりハードで、いかにもヒット狙いという感じがするし、これまたシングルになった2曲目は妙に洗練されたジャズヴォーカル風だしで、すこし心配になってしまうが、聴き進むにつれてバンドの個性を大事にしながら新境地に挑む姿勢が分かる。たとえば7曲目あたりの重いけれどもしっとりとした味わいはやはり絶品。
    GAMEN 99/CDS/SWE/SWE MNW CDS274
    *3枚目からのシングルカット。アルバム未収録曲とライブ場面風のクイックタイムムーヴィートラック付で、なかなか楽しめる内容。
    EUCHARI 99/CDS/SWE/SWE MNW CDS278
    *これもサードアルバムからのシングル盤。一曲目はシングルバージョン、二曲目はライブ。抑制の効いた美しい歌声と、重厚で広がりのある演奏。
    GARMARNA (reissue) 93(01)/CD/SWE/USA NORTHSIDE NSD6056
    *処女作の7曲に未発表のデモトラックを6曲加えての再発。デモトラックといってもできばえに遜色はなく、初期の哀愁というよりは寂寥という言葉がふさわしいような響きが冴えて美しい。バンドの魅力としてはこのころの音は捨てがたいものがある。
    HILDEGARD VON BINGEN 01/CD/SWE/SWE MNW MNWCD365
    *"EUCHARI"は前作にも入っていてシングルカットもされたが、私はそのアレンジから「ジャズヴォーカルっぽい」と言ったのだが、作者はなんと12世紀の女子修道院長で、名前の残っている最初の女性作曲家だというのである。本作はその HILDEGARD VON BINGEN の作品だけを取り上げたもの。"EUCHARI" はまったく別のアレンジになっていて、また新鮮。ERIC S といういかにもそれらしい名前のプロデューサーの基調はトランス風、ガルマルナのラジカルトラッドな持ち味、それにこの原曲が三位一体となって、一曲一曲丁寧なつくりで飽きさせない。カラーがはっきりしていて、私は前作より好感が持てる。


    EMMA HÄRDELIN
    INNAN GRYNINGEN 99/CDS/SWE SWE MONO MUSIC MMCD-S 124
    *トリアケルのメンバーらがバック、元アバの BENNY ANDERSSON の作曲・プロデュースによる、エンマのソロ名義のシングル盤。何かの企画なのだろうか。エンマの素朴で清澄なイメージに合った良い曲なのだが、3分余りのこの一曲のみというのがちょっと物足りないといえば物足りない。
    TRIAKEL 
    TRIAKEL 98/CD/SWE/SWE XOURCE XOUCD121
    *ガルマルナのエンマにホーヴェンドローヴェンからフィドルとハーモニウムの二人を加えた3人組。それぞれ本拠のバンドがハードでダンサブルな作品で人気を博しているわけだが、ここではアコースティックな音で、原点に帰ったような素朴な演奏。最近のガルマルナがちょっと・・・という人、そしてもちろん北欧トラッドを何か聞いてみたいという人にも、お勧めの作品。"GAMEN" のヴィデオクリップで見るよりも、このジャケット写真に写っている笑顔の方が、エンマらしい気がする。
    VINTERVISOR 01/CD/SWE/CHF WESTPARK 87079
    *「冬の歌」と題された、クリスマスを歌うこのアルバムも、前作と同様トラッドらしさに徹することでかえってトリアケルらしさが滲み出すような作品。エンマの歌の素朴な響きといったら喩えようがない。デジパックのジャケットも美しい。
    SÅNGER FRÅN 63 N 04/CD/SWE/SWE MASS WP87104
    *北緯63度からの音楽。ガルマルナ+ホヴェンドロヴェンのアコースチックバージョンは、メンバーの出身地であるイェムトランドの歌を、ハーモニウムとフィドルとヴォーカルというこの上なくシンプルな構成で、"quiet but intense" な音楽として聞かせてくれる。
    TEN YEARS OF TRIAKEL 06/CD/SWE/SWE TRIAKEL RECORDS TRI004
    *活動十周年記念のナンバー入り2000枚限定版。NORDIC NOTES から買えました。ワタシのは1839。ホームレコーディングやライブトラックの寄せ集めだが、ほとんどが未発表曲で録音クオリティも高いので、実質的にニューアルバムとして楽しめます。エンマの声がいくらかリラックスして聞こえるような。副題が From Jämtland to Japan なのもうれしい。


    HEDNINGARNA 
    HEDNINGARNA 89/CD/SWE/SWE ALICE ALCD009
    *まだ女性ヴォーカルが入らない、ヘドニンガルナのデビュー作。トラッドバンドとしてすばらしい演奏を聴かせるのみならず、オリジナル曲には独特の呪術的な神秘性があるし、音の厚さ、深みはずば抜けている。十分に名作の名に値するが、この実力がさらにセカンド以降の傑作を生み出していくのだから恐るべし!
    KAKSI! 92/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD4717
    *鋭く力強くも美しく繊細という、絶妙なヘドニンガルナのスタイルがここに確立したと言える超名盤。ファーストアルバムで見せた圧倒的な演奏力はさらに磨きあげられ、二人の女性シンガーの歌が加わって、呪術的な雰囲気の曲も軽快な曲も、実に活き活きしたものになっている。北欧トラッドをまだ聴いたことのない人、特にトラッドなんて退屈そうで・・・と思う人は、だまされたと思ってぜひ聴くべし! めちゃくちゃかっこいいぞ!
    TRÄ 94/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD4721
    *これもすごい! ジャケ写のイメージ通り、素手で触るとけがしそうな音です。スウェーデンの呪術的トラッドロックとでも申しましょうか、骨太の演奏に、これまたクセのある女性ヴォーカルの掛け合い。迫力とテクニックとあまりにも強烈なクセの強さで大推薦。北欧モノで案外一番のお気に入りになるかもしれない。公式サイトに英語の解説や訳詞がある。
    HIPPJOKK 97/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCDD4737
    *4枚目。デジパックのジャケットは一見美しい風景・・・かと思うと、二人の人影は白衣とヘルメットと防毒マスクをまとって、何やら水質検査をしているふう。本作は女声ヴォーカルなしというところが、良くも悪くも特徴になっていて、過激さは相変わらずだが、クールな印象が強い。このアルバムからのリミックスものも出している。ロック寄りの曲はファン層を広げそう。
    REMIX PROJECT 97/maxiCDS/SWE/SWE SILENCE CDZING17
    *もともとが踊るための音楽としての要素を含んでいるのだから、ダンス・リミックスに向いているとも言えるし、わざわざリミックスすることもないとも言える。DJの発想も技術もヘドニンガルナよりけた違いに貧困なので、ヘドニンガルナの作品としてはまったく納得のいかないモノである。結果的に、次のアルバムのスタイルは元の方向性を取り戻しているから、まあちょっとした余興だったということで。それにしても、5曲通して聴くとさすがに飽きる。聴くための音楽ではないのだから仕方ないが。
    KARELIA VISA 99/CD/SWE/USA NORTHSIDE NSD6025
    *5作目にあたるこれはカレリア地方に取材し、解釈し、演じた作品。再び女声ヴォーカルが加わり、3作目のころのポリシーに帰った(ダンス路線は別プロジェクトでやっているようだ)。ジャケット通り全体の色調はやや渋めの印象ながら、音やメロディの力強さは以前にも増した感がある。深い味わいと情念に満ちた、美しく厳しい作品になっている。ぜひ今後もこの方向で行って欲しいが。風景や人々の姿を写したブックレットも素晴らしい。
    1989-2003 03/CD/SWE/USA NORTHSIDE NSD6075
    *新曲二曲入りのコンピレーションで、一曲目が "TRA" の "TULLI" というのはズバリ正解! この曲にピンときたあなたは「目指せコンプリート(某T氏風)」! リミックスはともかく、全体的にはなかなか納得の選曲では? 新曲ではなんと TELLU が LIISA MATVAINEN を連れて帰ってきた! SANNA は抜けちゃったけど・・・。この2曲が露払いでニューアルバムがまもなく出たらいうことなし。期待しています。日本盤も出たようで入手しやすく、またアメリカ盤なら安い(アマゾンで1426円)ですし、ヘドニンガルナ最初の一枚にお勧めです。


    TELLU
    SUDEN AIKA 96/CD/FIN/FIN KANSANMUSIIKKI-INSTITUUTIN KICD43
    *もとヘドニンガルナのヴォーカリストのソロアルバム。シベリウス・アカデミーでフィドルを学んでいたが、ヘドニンガルナで歌い、カレワラに触れるうちに、トラッドを歌うということに目覚め、このソロアルバムの構想が固まったと言う。打楽器が少々使われるだけの伴奏なのに、仲間のヴォーカリストとともに歌い上げるカレワラの世界は豊かで躍動感にあふれている。美麗残響系の女声トラッドとはまるで違う血の通った歌で、それでいて怜悧とも枯淡とも清澄とも言い得る雰囲気を持つ。ガルマルナやかつてのヘドニンガルナがちょっとヘヴィかも、という方には特におすすめします。傑作です。
    TELLU & LEIPURIORKESTERI
    PÄHKINÄNSYDÄN 99/CD/FIN/FIN SEITA CD004
    *これは子供のための歌を集めた物らしいのだが、実にすばらしい。歌の躍動感、声の美しさ、アレンジの愉快さなどが相俟って、ことばのわからない異邦の人間にとっても理屈抜きに楽しめる作品になっている。
    SANNA KURKI-SUONIO
    MUSTA 98/CD/FIN/USA NORTHSIDE NSD6021
    *ヘドニンガルナのヴォーカリストのソロアルバム。TELLU のソロアルバムとともに傑作である。TELLU がヘドニンガルナとは雰囲気の違う、より伝統的なフォーク志向を示していたのに対し、この SANNA の方は、ヘドニンガルナのアルバムの発展型しても聴ける、伝統の精神を現代の技法で表現しようとする意欲作。彼女達の声が聞けなかった "HIPPJOKK" の味気なさを埋める、うれしい作品。

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