HOME >MUSIC >NEW/INDEX >"AREA / ARTI + MESTIERI"
HOME
MUSIC
  • NEW
  • INDEX
  • VIDEO
  • BOOKS
  • NEW
  • INDEX
  • diary
    link
    history
    policy
    profile
    email
    mobile

    AREA / ARTI + MESTIERI A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
    Chinese Pops  Japanese Pops
    Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
    Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
    Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
    GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 

     どういう経緯だったのか、イタリアの前衛レーベル、クランプスの作品の日本盤が発売されたときは驚きました。アレア、アルティ・エ・メスティエリ、エウジェニオ・フィナルディの作品が出されたのでしたが、正直なところフィナルディはそれほど入れ込まなかったのですが、アレアとアルティに関しては、当時完全にハマってしまいました。そこで、相互には意外なほどつながりはないのですが、ここでは一まとめに特別ページにしてみました。
     アレアは、政治的な主張も強いようだけれども、それについてまったく知らなくても(言葉がまったく分からなくても!)、圧倒的に革命的でした。全員がバカテクなのは当然として、デメトリオの声はヴォーカルとしても特殊効果?としても、もう比べる対象がみつからない鮮烈さでした。バンド活動以外にも、ホーミーをマスターするなど人声の可能性を追究し続けていた矢先、1979年にわずか34歳で急逝したことは、いくら惜しんでも惜しみきれません。
     アルティは、フリオ・キリコの手数の異常に多いドラミングが有名ですが、それにしても全体のテクニック、作曲力、アレンジとアンサンブルが、どこをとっても完璧でした。アレアのような破壊力や政治的攻撃性はありませんが、少なくともセカンドアルバムまでの、研ぎ澄まされた音の鋭利な貫通力は壮絶でした。
     確かこのころにはクロスオーバーなどというジャンル用語が使われるようになっていて、ジャズともロックともつかないあたりでヘラヘラした感じの曲がよく巷に流れていたと思うのですが、それらとは正反対の、それぞれの仕方でジャズもロックも究めたところにようやく成立するジャズロックの極致が、アレアやアルティの音楽だと思います。少しでもジャズロックに興味があって、アレアやアルティを聞き逃していたとしたら、それはたいへんもったいない話です。ぜひ聴いてみてください。
    AREA 
    ARBEIT MACHT FREI 73/LP/ITA/JPN WARNER P10286C, 73(02)/CD/ITA/DEU EDEL 0136472CRA
    *最初に聴いたときから、もう跳び上がってしまいました。基本的にはジャズロックなのでしょうが、演奏の力強さと、デメトリオ・ストラトスのアラブ風唱法がすごい。彼の存命中のアルバムは、すべて傑作です。クランプス・レーベルのシンボル的存在。一貫してジャンニ・サッシのアートディレクションによるジャケットデザインもすばらしい。
    P. S. アレアはCDで持っていなかったので、解説のブックレットつきのデジタルリマスター盤が出たので買ってみた。LPで聴いていたのとそんなに違いを感じるわけでもないのだが。この衝撃のファーストアルバム、あらためて以後の作品と聴き比べると、どのアルバムも重厚には違いないのだが、その重さがさらに特徴的に感じる。スピード感のある曲でも重いのである。というか、重いままスピードを出している。そのあまりの慣性モーメントに、眩暈を覚えさせられるのである。
    CAUTION RADIATION AREA 74/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5102, 74(02)/CD/ITA/DEU EDEL0136482CRA
    *名曲 "COMETA ROSSA" で幕を開けるこれの印象も強烈でした。前衛的な曲想も目立ち始めた2作目。
    P. S.デジタルリマスター盤で聴きなおし。ベースがジヴァスからタヴォラッツィに入れ替わったものの、ラジカルなパワーにはなんら変更なし。曲作りはさらに奔放になったとともに、スピードアップとカオスの交互プレイが鮮烈。
    CRAC! 75/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5103, 75(02)/CD/ITA/DEU EDEL 0136492CRA
    *アレアの最高作といわれることも多い3作目。私も確かにこればっかり聴いていた時期がある。超名曲 "L'ELEFANTE BIANCO", "LA MELA DI ODESSA (1920)" の2曲でまあ普通はKOされるでしょう。どれか一枚と言われればやはりこれかな。
    P. S. デジタルリマスター盤であらためてそのすごさを確認。これはやはり20世紀の音楽的遺産だ。"LA MELA DI ODESSA" は、はるかに後からやってくるラップのポリシーや技法を、たぶんすでに超えてしまっている。
    ARE(A)ZIONE 75/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5104, 75(02)/CD/ITA/DEU EDEL 0136502CRA
    *ライブ。「インターナショナル」なんかやっているところが、時代と場所を感じさせる。しかし、このころから彼らは左翼政党とは距離を置き始め、そのことによって却ってアレアのキャッチフレーズ "international POPular group" に本当の意味で近づき始める。
    P. S. デジタルリマスター盤で改めて楽しむライブ。代表曲3曲をコッテリ聴かせたあとでインプロヴィゼーションで煙に巻き、インターナショナルでシメるという構成は・・・あまりにもあざとい(^^;。うーん、生で聴きたかったですね。
    MALEDETTI 76/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP 5105, 76(01)/CE/ITS/GER EDEL 0136512CRA
    *前衛色が強いと言われるがちゃんと "GIRO, GIRO, TONDO" みたいに破壊的なスピード感のある曲もあるし、別に難解なわけではない。
    P. S. デジタルリマスター盤ではじめてCDを買ったのだが、カオスの後に入っている会話はいったい何? それはそうと、カオスはやはりすごい。こういう曲?は、最初に聴いたときはどうしようもないのだが、何回か聴くと覚えてくる。覚えてきてしまうと、フツーの曲?を聴くのとそんなに違いなく楽しめるようになってくるので、音楽鑑賞の楽しみと「記憶」の関係について興味が出てくる。ただまあ、本人は聴きなれているから良いが、初めて聞く人はやはりびっくりするだろう。アフロディテズ・チャイルドの無限大と並んで、ご家庭のオーディオで大音量で鳴らすのはおやめください的作品ではある。
    ANTO/LOGICAMENTE 77/CD/ITA/ITA CRAMPS CRSCD006
    *アレアのいわゆるベストモノなのだが、「アンソロジー」と「論理的」をかけたタイトルからも想像できる通り、一筋縄では行かない。「アレアのベスト」といわれれば、"LUGLIO, AGOSTO, SETTEMBRE(NERO)"、"LA MELA DI ODESSA" あたりの、パワー全開的な曲がまず浮かぶと思うが、これらは入っていない。いわば「アレアの論理」をたどるためのアルバムになっているのだろう。もちろん、どの曲もインプロ風ゴリゴリ押し捲りの凄い曲ばかりだから、ライブアルバムの "ARE(A)ZIONE" (ちなみに先に書いた2曲もしっかり収められている)とセットで聴くと、クランプスレーベル時代のアレアの全体像がつかめるという趣向なのかもしれない。
    1978 GLI DEI SE NE VANNO, GLI ARRABBIATI RESTANO! 78/LP/ITA/JPN KING GXF2053, (04)/CD/ITA/JPN ARC-7065(WQCP167)
    *アスコルトに移籍。"VODKA-COLA" の曲名で分かるとおり、はっきりと党派的な意味での革新と決別したことで、真にラジカルなグループになったと言える。しかし、本作では多くを作曲し、唯一無二の歌い手であった天才音楽家、デメトリオ・ストラトスが急逝・・・。何とも残念なことでした。
    P. S. *CD持っていなかったので、買ってしまいました紙ジャケリマスター。アレアはもともとLPの音は良かったから、これもリマスターだからどうこうというものではない。しかしこれで、デメトリオの盤は一通りリマスターが出揃ったことになるのかな。特にこの作品は、デメトリオのリーダーシップを感じさせる作品だけに感無量。初期作品のような破天荒さは薄れたとはいえ、過激にポジティブなアレアの個性は健在だ。
    EVENT '76 79/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205107
    *デメトリオの急逝後に発売されたライブ。アレアのアルバムとして聴くにはちとつらいが、長尺のカオスがデメトリオの才能を偲ばせる。
    TIC & TAC 80/LP/ITA/JPN KING K22P116
    *デメトリオのいなくなったアレアの新作。管のゲストを除けばカピオッツォ、タヴォラッツィ、ファリセッリがメンバーだから、ピアノ・トリオなのである。そしていかにもピアノ・トリオ、という曲もあるから、それでがっかりしてしまうと、この3人のパワーを聞きもらす事になってしまう。改めて聴いてみると、変化に富み、味のあるいいアルバムである。
    LIVE CONCERTS BOX 02/3CDbox/ITA/ITA AKARMA AK1030
    *中身は "CONCERTO TEATRO UOMO" と "PARIGI - LISBONA" だが、写真やディスコグラフィ、歌詞のついた16ページのブックレットがつき、それぞれ独立した紙ジャケットに入ったセットになっている。AKARMA盤なので細工は今ひとつ雑ではあるし、音のほうも多少手直ししてもいいのになあという気もするが、かえって臨場感があると言えないこともないのだろうし、スタジオ盤になんら引けを取らないテクニカルな演奏にインプロビゼーションのかっこよさが加わって、音質云々を忘れさせる興奮度。たまたま買いもらしていた私のような人には、便利でお得なセットです。
    LIVE IN TORINO 1977 03/2CD/ITA/ITA AKARMA AK1042/2
    *全盛期のライブ2枚組み。1枚目後半から2枚目の盛り上がりは壮絶で、すばらしい演奏だったことは分かるが、それでもこの音質はかなりひどい。最近のアルティ系で高音質の発掘ライブが続いているのでつい比べてしまうのかもしれないが、テアトロウオモやパリリスボン同様、これで正規盤というのはいささか疑問。まあブートだとかえって高値になるのかもしれないが。


    AREA II
    AREA II 86/LP/ITA/ITA GALA GLLP91005
    *カピオッツォのバンド。このバンド名で2枚出ていたうちの一枚目かと思う。ジャケットのデザインがなんだか強烈に粗末なんで想像がつかないが、中身はむしろ格調の高いジャズ寄りのジャズロック。アレアを期待するとまったく違うが、ティックタックよりもプログレッシブな感じ。
    CITY SOUND 87(02)/CD/ITA/ITA DUCK PLCD021
    *AREA2の二枚が廉価盤で再発、未聴だったこの盤もようやく聴くことができた。メンバーがカピオッツォ以外総入れ替え、中身はタイトルどおりのかなり洒落たものになっていて、心地よく聴かせる。アルバムとしては前作よりもまとまりがあるように思う。トロンボーンのメンバーがいることが音の決め手になっている。


    AREA
    CHERNOBYL 7991 96/CD/ITA/ITA SONY NIK486862
    *デメトリオ存命時のライブはいろいろと出ていたが、ついに「今の」アレアが復活した。チェルノブイリのタイトルは、かつてデビューアルバムのタイトルがアウシュビッツを物語っていたことに呼応するように思われる。カピオッツォ、ファリセッリに、ベースはパオロダッラポルタという人で、あとゲストが何人か。軽いボーカルが入る曲もあるが、そろそろデメトリオとはまた違った個性の強い歌を入れてみたらどうだろうと思わないでもない。しかし、これはこれでかなりアヴァンギャルドしていて、地中海風メロディーもそここに出てきて、派手で元気、間違いなく傑作。


    PATRIZIO FARISELLI PROJECT
    LUPI SINTETICI E STRUMENTI A GAS 01/CD/ITA/ITA CURVED LIGHT CD001
    *1978ごろのアレアの音だ! とまず激しく感動、しかし女声ヴォーカル? 意外だったが、これがかなりの迫力。チェエルノブイリを聴いてそろそろヴォーカルを入れたら、なんて感じていたのだが、デメトリオに代わるヴォーカリストなんてそうそういないのだ。このアレアを名乗らないファリセッリのプロジェクトは、なんとこのすばらしい女声ヴォーカルによって、確かにアレアの正統な後継となった。M5などこの声をじっくりと聴かせる曲も新しい魅力。またサックスのバンドには Stefano Fariselli とか Carlo Fabbri という人がいるが、それぞれ二代目だったら感無量ですね(違うかもしれないけど)。往年のアレアファンは、M10を聴けば涙と笑いが止まらないでしょう!? 快作!
    PATRIZIO FARISELLI
    AREA VARIAZIONI PER PIANOFORTE 05/CD+DVD/ITA/ITA EDEL 0161252ERE
    *ファリセッリがアレアの名曲をピアノ曲にアレンジ。アレアのコアなファンにはもちろんこのアレンジだけでも十分に楽しめるが、見ものはむしろDVDであろう。まずはメイキング映像。巨大なスタインウェイを古い町並みの中運び込むところから始まって、運び出すところで終わる演出がなかなか気が利いている。ファリセッリ・プロジェクトのプロモクリップもはじめてみた。またジャケット撮影の映像もなかなか面白い。CLEO FARISELLI とはお子さんであろうか。


    DEMETRIO STRATOS
    METRODORA 76/LP/ITA/ITA CRAMPS 5206 205
    *DIVerso N.5 という、シリーズのひとつとして発表された衝撃作。デメトリオの恐るべき「声」が充満。実験的な作品、といってもアイデア一発勝負のようなものではなく、人声でもってなぜこのようなことが可能なのかと驚愕させずにはおかない、修練の賜物。楽曲として楽しめるかどうかは別次元の問題であって、まずはこの文字通り前代未聞の音に向き合うほかはない。しかもこれは、まだほんの入り口に過ぎなかったのだ。
    CANTARE LA VOCE 78/CD/ITA/ITA CRAMPS 7243 8 57442 2 8
    *クランプスの nova musicha n.19 はデメトリオ・ストラトスのパフォーマンス。人間の生の声の極限的すごさ「だけ」が詰まっている、空前絶後の作品。もちろんいきなりこれをデメトリオ初心者に勧めるわけにはいかないだろうが、アレアのインプロビゼーションに叩きのめされながらも、どうにか這い上がってきた猛者ならば、たった一人、素手で立ちはだかるデメトリオが仕掛ける約40分の挑戦を受けてたたずにはおられまい。合掌、ひたすら合掌。
    LE MILLEUNA 90/CD/ITA/DEU/EDEL 0136572CRA
    *EDELというドイツのレーベルからの再発盤。このレーベル、アレアやアルティをデジタルリマスター、くわしいブックレットつきのデジパックで出していて、好感が持てる。いっぽうどこかの国ではアレアを紙ジャケット再現で発売予定とか。お国柄ですかな。さてこの作品は、VALERIA MAGLI という人の舞踏のための音楽?ということだ。"S" で始まる単語を、デメトリオが延々と60分にわたって読み上げていくという、いったいこれでどうやって踊るのか良くわからない作品。録音には嫌われ者の歯擦音"S"にこだわるあたりがさすがというか・・・まあ前衛ですから・・・。
    CONCERTO ALL'ELFO 98/CD/ITA/ITA EMI 7243 8 57443 2 7
    *解説に記載がなく、LPで発売されたこともない?ようで、ライブの日付が解らないのだが、"CANTARE ..." のホーミーが聴けるから78年あたりであろう。やはり初心者には勧めないが、凄いアルバムである。
    SUONARE LA VOCE 89(06)/DVD/ITA/ITA EDEL 0176958CRA
    *ドキュメンタリー仕立てのデメトリオの映像、待望のDVD再発。言葉が分からないのがもどかしいが、声の求道者である彼の姿が見られる。まとまったパフォーマンスが見られるわけではないので、彼の一連のソロ作品を補完する映像といえる。
    DEMETRIO STRATOS + LUCIO FABBRI
    RECITARCANTANDO "CREMONA 21 SETTEMBRE 1978" 78?/CD/ITA/DEU EDEL CRA0138642
    *デメトリオの作品のなかでは、本作はバイオリンが入ることで、ずいぶん聴きやすい気がする。アレアのコメタロッサもやっているし、内容はみっちりと詰まっている。あくまでも主役はデメトリオであるし、いきなりメトロドラあたりを聴いて引きつってしまうよりは、このアルバムで耳慣らしをしておいたほうがよいだろう。
    DEMETRIO STRATOS / MAURO PAGANI / PAOLO TOFANI
    ROCK AND ROLL EXIBITION 79/CD/ITA/ITA MERCURY 522562-2
    *今は亡きデメトリオ・ストラトスが、「ハウンド・ドッグ」やら「のっぽのサリー」やらロックン・ロールの(たぶん)スタンダード・ナンバーを(もちろん例の「いななき」ありで)歌いまくり、エレクトリック・ギターのソロ・パートをパガーニがバイオリンで弾いちゃったりもするという、ちょっととんでもないライブ作品。クレジットは他にワルテル・カローニがドラム、あとベースが二人(クレジットがLPジャケットのコピーしかついていないので、字がつぶれていてよく読めない(^^;)。録音はあまり良くないし、演奏も結構ワイルドだが、歴史的意味のある一枚。


    ELECTRIC FRANKENSTEIN
    WHAT ME WORRY? 76/CD/ITA/ITA AKARMA AK1005
    *パオロ・トファーニが変名で出した、英語で歌われる、サイケデリック・フォーク・ロックな仕上がりがなんとも不可思議なアルバム。
    (v/a)
    1979 IL CONCERTO 2CD/ITA/ITA CRAMPS CRSCD008/009, CD/ITA/ITA AKARMA AK1026
    *デメトリオ・ストラトスの追悼コンサート。アレア、アンジェロ・ブランデュアルディ、バンコ、エウジェニオ・フィナルディ、ヴェネゴーニなどなど、すごいラインナップ。中でもカルナシャリア(と、おそらくはマウロ・パガーニ)による「地中海の曙」(パガーニのファースト・ソロの名曲)は圧巻。
    P. S.*エーデルからのデジパック・リマスター盤も気になりますが、こちらはおなじみアカルマ盤の紙ジャケ、8面見開きで内袋も再現という趣向でしょうが、厚紙で正直かさばります。しかし何と言っても、ボーナストラックのカルナシャリアのインストは圧巻です。もともと2in1で買い得なので、安く落ちていたらこの一曲で拾う価値あります。
    AREA STUDIO LIVE 1975+1978 & 1979 IL CONCERTO PER DEMETRIO VC/ITA/? IL MATANGO LMV.01
    *いわゆるブートビデオ。RAIの文字が入っているからイタリア国営放送のテレビ録画や、動かないタイムコード?らしき物がでかでかと映っていたり、編集のつなぎがシロウトの録画だったり。最初の白黒のテレビショーなんかは口パクだ(笑)。でもアレアの口パクってこと自体が自己矛盾っぽくて最高かも。インタビューは*イタリア語が分かれば*きっと充実しているのだろう。追悼コンサートはいろいろなミュージシャンが見られる。圧巻はレコードでは聴けないPFM。まあブートだから買っておいてあれこれ文句を言っても始まらないだろう。動くアレアが見られて感激。
    ALLA RICERCA DELLA VOCE-MUSICA 99/BOOK+CD/ITA/ITA AUDITORIUM ISBN8886784155
    *JANETE EL HADULI 著の、デメトリオ・ストラトスについての研究書らしい。全部イタリア語なのと、付属のCDに特にレアトラックがないので、手に入れるつもりはなかったのだが、半額セールのワゴンに埋もれているのを発見したので購入。本のほうは、文章はもちろんさっぱりだが、写真や手書きの文書など図版もけっこうあるし、CDはジョン・ケイジのクランプスから出たアルバム所収の曲が一曲あって、毎度おなじみ発声の博覧会の一人舞台だが、これは未聴だったのでラッキー。
    AREA: MUSICA E RIVOLUZIONE 05/BOOK+CD/ITA/ITA STAMPA ALTERNATIVA 9766672268537
    *CD付の本で、イタリア語だから読めないのだが、このおまけが超レアとなっていた76年のミラノの労働者フェスティヴァルの録音で、たぶん初CD化。アレアの "GERONTOCRAZIA" もさることながら、Ricky Gianco, E. Finardi, Agora, Canzoniere del Lazio, Sensations' Fix, T. Esposito などのライブ音源が楽しめる。Agora や Sensations' Fix が今までの印象以上によかったり、知らなかった Taberna Mylaensis という民族系のバンドがかなりよかったりで、価格を考えれば本が読めなくても超お買い得。


    ARTI + MESTIERI
    TILT 74/LP/ITA/JPN WARNER P10303C, 74(02)CD/ITA/DEU EDEL 0136542CRA
    *アレアと同じように、このアルティのファーストアルバムも、驚愕の一枚でした。フリオ・キリコのドラミングも超絶ですが、とにかくすべての楽器の技がすごい。バイオリンもかっこいい。アレアとはまた別の個性において、ジャズロックというジャンルの意味を納得させられた一枚でした。
    P. S. LPしか持っていなかったので、デジタルリマスター版CDが出たので買ってみました。3面見開きのデジパックで、解説の類は一切ありませんが造作は丁寧です。中身はいまさらいうまでもありません。ドラムスはもちろんですが、バイオリンの切れ味も堪能できます。
    GIRO DI VALZER PER DOMANI 75/LP/ITA/ITA CRAMPS CRSLP5502, 75(02)/CD/ITA/DEU EDEL 0136552CRA
    *インストルメンタルに重点を置くことでより余裕を感じさせる造りで、フリオ・キリコの手数の多いドラムスはあいかわらず圧倒的ですが、曲の良さが光っています。
    P. S. こちらもデジパック。見開きでブックレットつきだが、アレアのとは違ってジャケットや中袋のコピーで解説はなし。もともとメリハリのあるサウンドが小気味よいです。
    QUINTO STATO 79/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205 505
    *いきなりのヴォーカルの突拍子のなさ、まるでアレアのパロディのような曲想に最初驚くが、全体としてはバイオリンが抜けたフリオキリコのバンドとして、ひとつの方向を選択したのだと思わせる。前2作の構成美と比較してしまうと、さすがにとりとめのない感じはするが、純粋にジャズロックとして聴く限り、非常に個性的な作品であることは確かだ。
    ACQUARIO 83/LP/ITA/JPN KING K22P412
    *斬新?なジャケット写真には LIVE とあるがコンサートではなくスタジオライブでの録音ということらしい。驚愕の再結成?アルバム。というか3枚目以降はいずれも相当間があいているから、グループとしての継続性を認めるかどうかは微妙なところ。要は「フリオキリコがいる」というだけか。このアルバムも、オリジナルメンバーはキリコだけで、ヴェネゴーニが録音を手伝っているらしい。アルティは2枚目までで終わっている、というのも妥当な見方だが、まあアレアにおける "TIC TAC" のようなつもりで、ジャズロックのアルバムとして聴けば、ブラスも華やかで、悪くない作品である。
    CHILDREN'S BLUES 86(04)/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC TJRS1962
    *まず手に入るまいとあきらめていたところが、2004年になって "ACQUARIO" ともどもエレクトロマンティックからまさかの再発。キーボードにブラス入りのジャズロックでかっこいいや。これは "ACQUARIO" もLP引っ張り出して聞きなおしたほうが良いかなあ・・・。
    LIVE 90/CD/ITA/ITA VINYL MAGIC VM018
    *CDの発売に合わせてここに置いたが、収録は1974年のライブ。ほとんどが "TILT" からで、一曲だけがこれまでアルバム未収録だったが、"ARTICOLLEZIONE" に収録された。音が悪いと言われるが、昔の海賊盤ほどひどいわけではなく、バンドの熱気あふれる演奏を十分に楽しめる。
    MURALES 00/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ART401
    *15年ぶりですか? ベッペもジジも帰ってきて、初期の要がそろったのは伊達じゃない。初期2作の次に付ける傑作ではないでしょうか。すっかりごついおじさんバンドですが、フリオの筋肉と、さすがの熟達があいまってこその音です。出だしのスリルは初期作品を思い出させてくれて、身震いしてしまいますが、途中はわりと聴きやすい、メロディアスな作品が並びます。バイオリンもかっこいいし、フリオのロールは打数が多いし(そう聞こえるだけ?)、飽きさせない作品に仕上がっています。
    ARTICOLLEZIONE 01/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ART403
    *なかなか楽しめるアルバム。72年から75年、フリオキリコの加入前後のアーカイブ音源で、"TILT" に顕著だった叙情性が最初のうちは強いコンセプトだったことが分かる。生ギターの音がさわやか。
    LIVE 1974 - 2000 03/2CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ART4078
    *ヴィニルマジックからの74年ライブのリマスター+ボーナスと、2000年ライブの二枚組みで、これはもう聴き応え十分。とりわけ新録ライブは完全復活と言ってよい出来で、古い曲も新しい音に見事に蘇っている。あらためて思うのは、キリコのドラミングについ気をとられてしまうが、とにかく根本的にメロディがよい!ということである。さすがハモンドマニア、クロヴェッラのオルガンの音も最高。
    PROGDAY SPECIAL 03/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ART4101
    *もとはプログデイの会場販売用に作られたという4曲いりミニアルバム。スタジオライブとあるから、基本的に一発録りのはずだが、これがすばらしい。キリコとクロヴェッラ、他のメンバーも息がピッタリで、怒涛のアンサンブルは感動的。"ARTICOLAZIONI" は今まで聞いた中では最良のヴァージョンかもしれない。わずか4曲だが聴き応えは十分。
    ESTRAZIONI 04/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC AEM95251
    *来日が楽しみなアルティの新作。キリコ、クロヴェッラにヴェネゴーニも二曲参加し、バイオリンもサックスも加わった総勢7人で、キリコのドラミングと曲の叙情性のバランスがたくみにとられた、初期アルティのイメージも漂わせながら(メロトロンも聞けますよ!)、今の音を聞かせる。グラヴィタはまたまた新バージョン。
    FIRST LIVE IN JAPAN 06/CD/ITA/JPN PROGCITTA PCCD1001
    *いつかまたとの思いを込めてのタイトル、ようやくのリリースである。演奏クオリティはもともと非常に高かったが、丁寧にミックスされた貴重なライブアルバムになった。会場の熱気がどこまでこれで伝わるかは分からないが、できれば映像もほしかったすばらしさだ。キリコのたくましさにヴォーカルの妖しさとバイオリンの若さが、ルックス的にも面白かったからだが。


    FURIO CHIRICO
    FURIOSAMENTE 01/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ARTS9004
    *うーんあいかわらず凄い筋肉です。一体いくつになったんだろう? キリコのドラミングはいまだに健在で、十分にやかましい。とはいえアルティの初期のかっちりした構成とはまた違った味わいもある。私はシンプルながら弦のシンコペーションが素朴にうれしいM2など大好きです。


    VENEGONI E CO.
    RUMORE ROSSO 77/CD/ITA/ITA CRAMPS 522 563 2
    *アルティのギタリスト、ジジ・ヴェネゴーニのバンド。わりとゆったりとした出だしは全体を貫く雰囲気でもあるが、地中海の香り漂うエキゾチックなメロディーや音もあれば、テクニカルなジャズロックながら明るく輝く粒立ちの良い音や、アルティの変奏もあったりで、楽しく飽きないつくりの作品。
    SARABANDA 79/LP/ITA/ITA CRAMPS 5205504
    *これはセカンドアルバムだったと思う。全4曲の大作志向で、パーカッションを多用してエスニックでテクニカルなジャズロックに仕立てている。
    NOCTURNE 88/CD/ITA/ITA DYNAMO DYN8801
    *ドラムとベースはシーケンサ、ヴェネゴーニもミディギターというわけで、構成上はエレクトロニックなのだが、そうは思えないような不思議な清涼感、肩の力が抜けた感じがある。コード進行はスリリングだし、ジャズロックなテクニックもすごいが、余裕のある音作りと演奏である。
    MOSAICO 01/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ARTS9003
    *ELECTROMANTICっていうのはカッコイイレーベル名。これは未発表音源なのか再録なのか分からないが、フリオ・キリコと並ぶアルティ・エ・メスティエリ系列の作品として聴く限り、キリコのソロがバランスよりは個性を打ち出した作品なのに対して、こちらはとても聞き心地の良い、バランスの良いジャズロックサウンドになっている。
    RUMORE ROSSO VIVO 02/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ARTS9012
    *78年と79年、ともにトリノでのライブテイクだが、面子はヴェネゴニとベース以外は入れ替わる。"SARABANDA" の4曲中3曲も入っていたり、アルティのフレーズが出てきたり、なかなかうれしい構成。音質はまあまあという程度だが、演奏はさすがに上手い。
    LIVE...SOMEWHERE IN THE SEVENTIES... 03/CD/ITA/ECC EDEL 0151792ERE
    *70年代のどこかでのライブとはずいぶんとぼけたタイトルだが、演奏・録音ともにすばらしい。地中海のほのかな風にタイトでありながら軽やかな演奏がたなびいて、スタジオ盤以上に充実した一枚になっているのではないかと、このバンドに対する認識を新たにさせる好盤。


    ESAGONO
    VICOLO 02/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC ARTS9011
    *これはかっこいい。アルティ人脈の発掘モノとはいえ、演奏も音質も完璧。チェロやサックスも踊り、リズムも決めまくり。アルティ直系の叙情味もたっぷり。ジャズロックファンはぜひ。こんな音源がまだまだあるのだろうか。


    MASS MEDIA
    OPACITA SCURA LIVE 06/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC TJRS1963
    *これはすごい。78年のライブ発掘音源。とにかくテクニカルでうるさい、アルティ級のジャズロックなバンドだ。クラシックのバックグラウンドをもつキーボードとギターの二人が中心で、他のメンバーは入れ替えが続いたようだ。バンドとして安定していたら、さぞかし名演奏を聴かせ続け、名盤を残していたはずだ。レーベルで予想が付くと思うが、アルティが好きな人ならかなりの高率でツボだと思う。


    PAOLO RICCA
    BATIK 06/CD/ITA/ITA ELECTROMANTIC TJRS1964
    *アルティ周辺で活躍するキーボーディストのアルバム。ドラムス、アルティのベーシストのほか、アコースティックな管弦がかわるがわる参加して、リッカのピアノを主としたジャズロックを盛り上げる。凄腕揃いの演奏の聴き応えが、さわやかなメロディを彩る。キリコのソロアルバムで気に入っていた "ZETA" ここにあったか。


    COMBOJAZZ
    NO SPEED 06/CD?ITA/ITA ELECTROMANTIC TJRS1965
    *これもエレクトロマンティックの発掘モノか新録か? 6人編成で3人が管楽器。ゲストにヴェネゴーニがギター弾いていたりする。フレットレスベースやエレピの音が70年代イタリアのジャズロックを彷彿とさせる。

    ページの先頭へ

    関連盤
    ALBERTO RADIUS, MAURO PAGANI, "THE DIFFERENT YOU", TRIP, "POP VILLA PAMPHILI", "SETTE VELI INTORNO AL RE"
    copyright 1996-2007 rim-mei