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    Chinese Pops A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z others 
    Chinese Pops  Japanese Pops
    Alice  AREA / ARTI + MESTIERI  Franco Battiato  Lucio Battisti 
    Eugenio Bennato / NCCP / MUSICANOVA  Roberto Cacciapaglia 
    Fabrizio De Andre  FORMULA 3 / IL VOLO  P. F. M.  Mike Oldfield 
    GARMARNA / HEDNINGARNA  SAMLA MAMMAS MANNA 

     圧倒的にのめりこんだ「羅大佑」関連盤をまとめようと思うと、逆に羅大佑と無関係な作品がほとんどないので、それだけをちょぼちょぼ残しておくのもかえって不自然、加えて、アルファベット順になじまないということもあって、たったこれだけの内容でおこがましいのですが、「C-POP(羅大佑、他)」というタイトルにしました。というわけで、羅大佑とその関連盤が多いのですが、他にも幅を広げていくつもりです。。
     ところで、私に羅大佑のすごさを教えてくれた tacarin さんは、何とか都合をつけて香港のライブコンサートに出かけてしまいました。そのときのセットリストとライブの感想をBBSに書き込んでくださいましたが、tacarin さんのお許しをいただきましたので、 *ここ* にアップさせていただきました。また、tacarin さんご自身による、羅大佑についてや香港レポートは *こちら* でごらんになれます。ぜひあなたも、羅大佑の抗いがたい魅力にはまってみてください。
    羅大佑
    無法盗版的青春 03/8CD+1CDS(BOXSET)/TWN/CHN MFBJ00201
    *中国本土で発売された、羅大佑の80年代アルバムのボックスセット。3万枚限定でワタシのは04735だが、こんな豪華版が中国でそんなに売れるのか!? 改革開放恐るべし。布張りの百科事典のような装丁で、蓋を開けると2冊の厚紙のリーフレット(と言うにはあまりに厚いが)に4枚ずつCDが入っていて、さらに分厚い表紙の付いた歌詞と写真、オマケCDSが付いた60ページのブックレットが一冊が入っている。豪華版というかとにかく重量級。デザインはとても洗練されていて素晴らしいのだが、細工の詰めがいまいち、というか厚紙を貼りつけたノリでCDまで貼りついていたりするんですけど! 8枚の内訳は、「之乎者也」、「未来的主人翁」、「青春舞曲」、「家」、「愛人同志」、「衣錦還郷」、「閃亮的日子」、「告別的年代」で、これに「往時2000/[日寸]光在慢慢的消失」の2曲入りシングルが付く。しかし困った事に、「未来」M2M3,「青春」M7M10,「愛人」M7の5曲が意図的にカットされている(曲目リストの文字が薄くなっていて、CDは数秒の無音で次の曲に跳ぶ)。何か権利問題か、そうでなければ、本土で発行されているので、やはり歌詞の内容か? だとすれば改革開放にもこのあたりに限界が・・・。「未来」は持っているが結局「青春」「愛人」はオリジナルを探さなきゃ。一気に揃ったと喜んだのもつかの間でした。一枚一枚の感想は追々それぞれ別に記していきます。
    之乎者也 82/CD/TWN/TWN ROCK RD1008
    *デビューアルバム。半分は山崎稔という人が編曲していて、バックバンドも日本人が入っているのかもしれない。言葉も分からないし、歌が特にうまいという感じでもないのだが、例えば4曲目のインストパートなど、ちょっとびっくりするし、5曲目は哀愁漂うメロディが印象的で大好きだし、といった具合で、このアルバムに入っている曲が20年後のライブでも取り上げられ、歌われているというのは、その完成度の高さを物語っていると思う。
    未来的主人翁 83/CD/TWN/TWN ROCK RECORDS & TAPES RD1002
    *「戀曲2000」に感服したワタシですが、第二弾は某店の300円均一ワゴンで見つけて迷わず買ったコレ。ちょっと古いけどどうなの?という気分で聞きはじめましたが、やっぱりかっこいいんですけど。生ギター鳴らしながら、だみ声というほどではないがちょっとガサついた声で歌い始める「誕生」は彼の原点でしょうか。もちろん、サックスがむせび泣いたりピアノが切なくアルペジオを奏でたりオルガンが泣きの間奏入れたりと、展開は変幻自在。Tさんおすすめの「青春舞曲」って・・・新疆民謡なんですかこれで? 「愛的箴言」などはしっとりした曲でイタポップ好きにも抵抗なく聞けそう。タイトル曲もそうですけど、他にも「亜細亜的孤児」とか「現象七十二変」とか「稲草人」とか、何が歌われているのか興味津々。漢字の歌詞を見て勝手に想像するのも楽しいですが。
    84/CD/TWN/TWN ROCK RD1016
    *3作目。イントロからいきなりプログレッシブ。M1、M5〜M8は三枝成章編曲、バンドには難波弘之らが参加というから納得。プログレファンに羅大佑を勧めるには案外効果あるかも? もちろん歌もよし。テーマのせいもあるが、落ち着いた印象で聞ける曲が揃っている。初期作品の中ではもっとも気に入りの一枚。
    羅大佑演唱會實況精華(青春舞曲) 85/CD/TWN/TWN ROCK RD1046
    *「無法盗版的青春」では「現象」がカットされていたので、ようやく通しで聴くことができました。この曲は違ったアレンジで二回取り上げられていて、ロックンロールナンバーのM7も、ピアノがしみじみと響くM10も、このライブ版編集の要と言える。M3は好きな曲。タイトルはあなたの髪をすり抜ける私の手みたいな意味かいな? M5のリズムも楽しげだし。エレクトリックギターのソロなどライブならではの迫力もあって、最後は"戀曲'80"の大合唱。長尺の再現ライブアルバムもよいが、たまには編集ライブ一枚ものの密度の濃さにも満足。手書き文字の歌詞カードも味がある。
    愛人同志 88/CD/TWN/TWN ROCK RD1040
    *「愛人」とは「夫婦」の意味だそうだ。アメリカにわたって医者の勉強をしていた彼が、音楽に打ち込む事を決めて香港に落ち着いて、スタジオ作としては4年ぶりに発表した作品。ライブを挟んで前作までは、日本のミュージシャンが参加していたが、このアルバムは(たぶん・・・細かいクレジットがないので確かではないが)それはなくなったようで、オリジナリティを強く打ち出した、画期的な作品となった。最初88年に台湾で出た盤と、翌年香港で出た盤では、ジャケット違いで、曲も一曲入れ替わり、曲順も違っている。8枚組は台湾盤だが、「京城夜」がカットされている。香港盤の発売が天安門事件後まもなくで、事件を思わせる要素もあったとか。歌詞の問題は私には分からないが、それぞれにメリハリのある個性的な曲作り、音的にはエレクトリックなバンドと本格的なコーラス、ダイナミックな歌がこのアルバムを特徴付けている。
    閃亮的日子 89/CD/TWN/TWN ROCK RD1058
    *74年から81年、つまりアルバムデビュー前に作られた情歌集。哀愁味の濃いM1M3M6などだけでなく、軽快なポップス調のM4M5M7、定番曲のライブM8、モダンな雰囲気のM10など曲のバラエティ豊かで、聴き心地よい一枚。
    告別的年代 89/CD/TWN/TWN ROCK RD1059
    *こちらは82年から89年の情歌集。「愛人同志」や「恋曲1990」は、アルバム「愛人同志」に入っているものよりシンプルなアレンジになっている。「恋曲1990」などエレクトーン&ルンバ調で拍手が入り、結婚披露宴の余興みたいだ。かと思うと、M10などはなかなか美しく感動的だし。全体的な軽さというかまとまりのなさにちょっと違和感はあるのだが、二枚の情歌集は、彼の活動の一つの区切りなのだろうか。このあと、香港を舞台に音楽工廠モノ、『原郷』やOK男女合唱団のアルバムが出ることになる。
    衣錦還郷 89/CD/TWN/TWN ROCK RD1062
    *8枚組にも入っていたが、羅大佑が担当したサウンドトラックで、齊豫が歌う二曲目、羅大佑が歌うラスト以外はインスト。これがなかなかよい雰囲気です。故郷に錦を飾る、というタイトル。
    原郷 91/CD/TWN/TWN ROCK RD1116
    *これはすごい。「皇后大道東」をヒットさせた後、その中の曲と新曲を交え、台湾語で歌った意欲作。曲ごとの個性、演奏とアレンジの水準の高さは見事。アートワークもかっこいいです。「首都」と並んで日本でもかつてディストリビュートされたが、それももっともな名盤。
    首都 92/CD/HKG/HKG MUSIC FACTORY MFCR9202 2 (/JPN P-VINE PCD16004)
    *Pヴァインから日本ディストリビュートされていたのを、この中古盤を見つけて知りました。日本語解説と対訳つきで、羅大佑のバイオグラフィや思想がだいぶ見えてきました。この作品は、羅大佑が台湾から香港に拠点を移して設立した音楽工廠("MUSIC FACTORY")製作の広東語アルバム第二弾。羅以外にも男女の歌手が何人か歌っていますが、いずれもすばらしい。さて、まずはこのM1のかっこよさはリピートを誘います。M3は美しい女声がかつてヴァンゲリスが "CHINA" で目指したようなメロディを流麗につむぎだしています。M4やM9やM11の泣きのメロディ、M5のユーモラスな掛け合い、M6はデアンドレにもつながるような素朴でトラッドな歌、M7やM8は激しくロックンロールし、M10は都会的なポップス、そしてM13の盛り上がり・・・! スリーブの凝った?仕掛けも最高です。すごいアルバムだ!
    戀曲2000 94/CD/TWN/TWN RD1287
    *T氏に頂戴してはじめて耳にする台湾モノ。ジャケットのヘンさが音にも・・・と思ったけれど、これがまたすごい本格派の・・・いやこれは、何なんだろう? 1曲目の盛り上がりはシンフォ・ファンを泣かせる?し、2曲目なんか中国語で歌うファブリツィオ・デ・アンドレみたいだし。5曲目は大真面目なオーケストレーション、7曲目はサックスがむせび泣き、ラストのタイトル曲は流れるような美しいメロディにコーラス、といった具合。プログレ・フォーク・エスニック・演歌?・ときどきシンフォ・・・でもそのどれでもない。私が勝手に抱いていた、中華なポップスのイメージとは、まったく重なり合わない。でも不思議だがマカロニウェスタンの雰囲気がほのかに・・・パスタと麺に、シルクロードつながりはありませんか? 編曲もすばらしく、これまた何々風といったような型にはまったところがない。声や歌い方には強い癖があるのだが、これも曲想にあわせて変幻自在。しいて言えばというか、第一印象はブライアン・フェリー。歌詞は、漢字を追いかけていると面白いが、やっぱりなんだかまったくわからなくて、余計に面白い。私にとっては初物なので、比べるものもなくすごいとしか言いようがないが、よいものを聞かせてもらいました。いやーやっぱりアジアはディープ。
    羅大佑自選輯 95/3CD/TWN/TWN MAGIC STONE MSPD-01
    *これは正真正銘、正規カタログに載っている、3枚組ベスト。ナンバリングがあるが(私のは020358)限定版か? 歌詞シート、詳細なディスコグラフィの載ったカラーブックレット、6枚のイラストカード入り。2枚目の冒頭の「歌(1995年UNPLUGGED版)」は、このベスト版のためのバージョンか? なかなかイイ感じである。3枚目は色々な歌手が羅大佑の歌を歌っている。選曲といい構成といい装丁といい、楽しみと価値のある3枚組みである。
    羅大佑與OK男女合唱團 / 再會[ロ巴]!素蘭 95/CD/TWN/TWN MUSIC FACTORY - FRIENDLY DOGS KD-0020
    *羅大佑が、あえて台湾語の歌にこだわって作成したアルバムということらしい。聞いたことのある曲も装いを新たにし、とつぜん「ちょっとまって!」なんていわれちゃうし、歌も演奏も完成度が非常に高くとにかく素晴らしい。かてて加えてこのアートデザインの凄さである。ワタシも音は聞いていたのだが、どうしてもこの作品をトータルで味わいたく、ワタシにしてはけっこうな金額で(といっても、並みの日本盤の価格に毛が生えたくらいだが)何とか入手したのだ。曲が良いので、それだけでも損はしないが、何とか多くの人にこの作品を楽しんでもらいたいものだ。
    羅大佑與OK男女合唱團 / 寶島鹹酸甜 96/CD/TWN/TWN MUSIC FACTORY - EMI EDL6001
    *このアートの絢爛豪華な奇想天外さに圧倒されながら、しょっぱな「進行曲」でのけぞった後は、何が来ても怖くないぞ。コンセプトもアートも曲も何もかも、さらに突き抜けた超作。原色の水兵服に身を包み「台湾進行曲」を勇ましく歌い上げながらついに紙の軍艦に乗り込んで海に乗り出したOK男女合唱團は、りんけんバンドとも邂逅を果たし、美しくも力強く、厚みもあれば熱さもある楽曲を次々とつむぎだすのであった。さて魚釣島はどこに・・・? 
    美麗島 04/CD/TWN/TWN MUSIC FACTORY MF0401-2
    *羅大佑個人名義の新作としては実に10年ぶり、しかも収録曲中4曲で政治家を批判しているということで、自主発行という形をとった話題作。12曲入りのCDに、4曲入りのボーナスCDの二枚組み。変形紙ジャケに、同サイズの24ページの歌詞と写真のブックレットつき。黒を貴重としたアートワークの美しさも完璧な仕上がり。もちろん内容も、彼の最高傑作といって間違いないだろう。メロディアスなピアノ伴奏、ライブでもテーマ的に歌われていた、SARSの流行のころに作ったという「伴侶」で幕をあけたあとは、ぎりぎりにひずんだローファイでハードな歌もあれば、台湾の伝統を感じさせる節回しの曲もあれば、電話や時計のSEで意表を突かれたり、でも最後は明天會更好を思わせる明るく力強いコーラスで締められたときには、濃厚さを味わい尽くした充実感に満足もきわまる。ボーナスCDの4曲は、音作りやリズムに新しい試みを感じさせ、1曲目と2曲目のロック調、ラップ風の3曲目、中華メロディと音響系の融合した4曲目と、贅沢なボーナスだ。
    LIVE IN CONCERT BEIJING - HONGKONG 05/2DVD+2CD/TWN/HKN MUSICNATION MN-1029
    *tacarinさんがわざわざ香港まで飛んで見てきた、羅大佑のライブ。DVD出て欲しいなあと思ってはいたが、まさかこんなにすぐに希望がかなえられるとは。しかも、香港ライブのDVD二枚組みに加えて、北京ライブのCD二枚組みの4枚セットで24ドルと言う、超お買い得かつ内容充実の4枚組みとして登場。DVDはリージョンオールでNTSCですから普通に見られます。買うしかないでしょう。ゲストは香港では袁鳳瑛、黄耀明、伍佰、蒋志光、北京では齊豫。梅艶芳のヴォーカルを流しての追悼もあります。良い持ち歌が沢山あって、曲が良いからアコースチックにしたりエレクトリックにしたりできる。「皇后大道東」「東方之珠」とスタンダードナンバーで盛り上がり、「伴侶組曲」にはたっぷりと「明天会更好」のリフレインが盛り込まれていて感動です。なお歌詞やMCは中国語字幕が入ります。
    光輝歳月(皇后大道東・美麗新世界) 02/2CD/TWN/HKG ROCK ROD 5274-4
    *とにかくいい曲いっぱいの二枚組み。もともとは一枚ずつ別のアルバムだったのでしょうか。まあどちらもコンピレーションで、ワタシは台湾、香港、中国のポップスについてはまったく知らないので、素直に楽しんでしまえばよいということです。
     「皇后大道東」は「道」(これ・・・すごい曲ね(^^;)以外は羅大佑の作曲。歌はいろいろな人で、みなそれぞれ持ち味があってうまい! 10曲中6曲は映画の主題歌や挿入歌で、羅大佑の活躍ぶりがわかる。とにかくいえるのは、どれもまず「曲がよい!」かつ「歌がうまい!」ってこと。美しいメロディ、きれいな歌声、というやつを、あちこちで垂れ流されていやでも耳に入ってくる最近の日本のポップスのせいか、すっかり忘れていたことに気づいてしまう。
     「美麗新世界」は17曲入りで聞き応え十分。まずは羅大佑「皇后大道東」と「東方之珠」で肩慣らし。他に羅の曲は「家」と「蒲公英」、そして今や国民的愛唱歌らしい「明天會更好」。このアルバムは羅以外の曲も多いが粒ぞろいで、ここでまた曲のよさに圧倒される。サンディ・ラム「回帰」は垢抜けてて、こりゃ人気あるのが分かるわ。唐朝「國際歌」とはまさか・・・いやこれにはぶっ飛びます。アレア以来ご無沙汰でしたが、まさかこんなところで聴くことになるとは。歌詞はそのままなのでしょうか、あるいは何か仕掛けがあるのでしょうか。ギュンギュンうなるディストーティッドギターが小気味よすぎ。そしてトリを飾る「明天會更好」の盛り上がりは、感動と力を与えてくれます。
    飛車−最佳精選 02/2VCD/TWN/CHN ? IFPI-L0353
    *羅大佑のVCDというだけで感激なのだが、盤としてはかなり怪しい。滾石唱片の「版権提供」で「中青少年音像出版社」というところが出している(こういう形式のベストアルバムが沢山出ている)。スリーブはもっともらしいのだが(とはいえなぜに風車のデザイン?)レーベル印刷は激しく安っぽく、編集にもいささかずさんなところが目立つ。2枚組だが2枚目は番号もIFPI-L3374、羅大佑の写真を使ったデザインは同じまま「好歌経典(5)」というタイトルがついていて、中身は「羅賓」という別人のヴィデオだ。しかも、「周傳雄」のポスターがオマケについている。うーんカオス。閑話休題。羅大佑のビデオクリップは、なかなか面白い。初期の爆発アフロがすっかりうっすらとしたほかは、相変わらずあぶないおじさんのルックスがすばらしすぎ。「首都」の中国イメージと美女とお金の取り合わせ、「親親表哥」のラップ、「皇后大道東」のええじゃないかノリ、「台北紅[王攵]瑰」のグロテスクさなどなど、それはまあ比較すればアメリカモノには洗練や技術的な完成度では及ばないだろうが、そんな比較に意味はなく、発想の奇抜さ、表現のアクの強さは格別で、はじめて見たときの衝撃は忘れられない。ブート臭いのでおすすめマークはつけませんが、これでしか見られないとすれば残念至極。正規盤で高画質なDVDになりませんかねえ。
    20世紀羅大佑―世紀精選 03/3CD/TWN/CHN 3H-027
    *歌詞も収録、装丁も良くできてはいるが、これまた怪しげな3枚組HDCD(!)ベスト。滾石唱片の版権提供とあってトレードマークも入っているし、デザインといいタイトルといい「無法盗版的青春」の廉価版のように思わせるし、実際オマケCD「往事2000」「[日寸]光在慢慢的消失」の2曲も入っているが、反面8枚組には入っていない『首都』『原郷』『恋曲2000』などの曲も入っているし、盤起こし並みのあんまりなノイズがあちこちに入っていたり(すべてのこの商品に入っているとは断言できないわけだが、私の盤に何ヵ所か入っている以上、そういうリスクがあると断言することはできる)と、怪しさ全開。「無法盗版的青春」が入手できず、先の2曲をどうしても聞きたい場合、リコールもののノイズが入っている危険性(少なくとも私のには入っている)を承知の上で手を出すなら仕方ないが、滾石唱片やYESASIAなどの正規のカタログに載っていないこの手の商品は、あまり人にお勧めできるものではない。
    光陰的故事 03/2VCD/TWN/CHN TV165/6
    *思いっきり怪しい2枚組みVCD。ケース貼り付けの絵はちょっと見にはもっともらしいのですが、Pコートにマフラーの羅大佑はヘン。盤の印刷は急にチープになり、そして中身は・・・。「明天会更好」が入っているので、そこだけはちょっぴり期待して買っては見たが、中国のどこかの空撮と風景を流すばかりで、コーラス以外は歌なし。凄いのは歌ありと歌なしが左右に入っている場合、平気でずれているとか、他の曲の映像をつぎはぎして音を合わせてるとか、ひとつひとつとんでもなさのバリエーションが豊かだということ。もう一枚は李宗盛。羅大佑の怪しいディスクの中でもとびきりの?一枚です。


    黒名単工作室
    [手爪]狂歌 89/CD/TWN/TWN ROCK RD1052
    *プロデュース&ヴォーカル、チェロ、エンジニアの3人を核に、ブラックリスト・プロダクションを名乗るラップ集団だが、台湾語で歌うポップスの音楽的というよりむしろ思想的文化的な出発点となった作品かもしれない。日本では93年にPヴァインからディストリビュートされていた。というようなことも考えず、もちろん言葉もまったく分からずに聴いて、それですごいと思えるからすばらしい。いかにもラップ、という曲もあれば、チェロや生ギターをバックにしっとりとうたう、クラシカルな美しい曲があったりする。もちろん、私などからすればチャイナな音や節回しが絶妙の味付けになっているし、音作りにはかなりプログレッシブなところもあるので、面白いことこの上ない。薬のパッケージ?風のアートワークもすごい。効きます。というか中毒になるよこれは。
    揺籃曲 95/CD/TWN/TWN MAGIC STONE MSD013
    *6年ぶりのセカンドアルバムだが、スリーブの内側にリストアップされたブラックリストでその方向性が見えないでもない。とはいえ、言葉が分からないのは相変わらず、それでも凄い。ヴァンゲリスも真っ青というべきシンセサイザー交響曲みたいにな冒頭からして度肝を抜く。あとはもう、エレクトロニック、ラップ、無国籍だったりチャイニーズ濃い目だったり、カンペキにクラシカルだったり、それぞれの曲のセンスやテクニックが見事である以上に、アルバム丸ごとでジャンルを突き抜けてしまった感がある。これはもう、何と言ってよいか分かりません。大問題作であり、大傑作。


    F.I.R(飛兒樂團)
    THE FAIRYLAND IN REALITY 04/CD+VCD/TWN/HKN WARNER 5050467501027
    *FAYE, IAN, REAL の3人の頭文字をとったバンド名で、ギターとキーボードに女声ヴォーカルだが、バックはオーケストラがついたり、お決まりの打ち込み系がついたりで、なかなかぜいたくな音作り。垢抜けした洋風ポップスで、アレンジもよくできていて、FAYEのヴォーカルもうまいしよく通る声質で魅力的。あとはヒット狙いのメロディにどれだけ個性とヴァリエーションが出せるかというところ。
    我要飛 尋夢之途全紀録 04/CD+2VCD/TWN/HKN WARNER 5050467528659
    無限 05/CD+DVD/TWN/HKN WARNER 5050467831957
    *ロンドン録音のメイキングがDVDでついていて、FAYEがなんともチャーミングだ。アルバムのほうはガムランを入れたり、ビッグバンド風のバックだったり、効果音を交えたりと、アレンジの力でうまく飽きさせないつくりになっているが、リズムが単調なのとメロディにもややマンネリ気味の感は否めない。


    倫永亮(アンソニー・ロン)
    心田 94/CD/HKG/HKG GOLDEN PONY GPL1028-2
    *苗字が私の名前の一文字と同じというよしみ?で、バーゲンワゴンから拾ってきた一枚なんですが、これがナカナカ良いです。これはアメリカ録音で、二曲目は放送禁止になった事もあるといったエピソードがあるようですが、全体にイタポップを聞きなれた耳には自然に入ってくるタイプの甘い声とゆったりしたメロディ、豊かな音の厚み。あきさせない構成に洗練されたアレンジがすばらしいです。アメリカで音楽を学び、作曲や歌、ピアノばかりではなくプロデューサーとしても活躍しているとか。歌詞つきのブックレットや、メガネの切抜きのデザイン、紙カバー入りで装丁も凝っています。それにしても・・・曲も声もいいなあ。一流のポップス。


    蘇慧倫(ターシー・スー)
    TARCY SAYS... X-FILE 96/CD/TWN/HKN ROCK ROD5126
    *ターシーの可愛いんだけれども甘えていない歌声の魅力は申し分ない。このアルバムは3部構成になっていて、前半は台湾・香港録音、後半はロサンジェルス録音、それにボーナス風トラックが加わる。どの曲も良いのだけれど、アメリカ録音でない曲の方が凝っていて、台湾・香港の無国籍ポップスの非常に洗練されたところに成り立つ音がやはり魅力的だ。
    鴨子 96/CD/TWN/TWN ROCK RD-1384
    *これのオマケはラバーダッキーデザインの1997年スケジュール帳です。こないだ見てきたジャッキーチェンの「香港国際警察」でもトラックいっぱいのラバーダッキーが川に落ちて広がるシーンがありましたが、やはりダックには何か象徴的な意味がありますかねえ?で、この鴨子はアルバムでは二曲目で可愛い感じの曲なのですが、一曲目の "OK? OK!" が任賢齊・羅百吉との共演で威勢が良くて、四曲目はジャッキーチェンとの共演、この3曲がテレビなどの主題歌らしい。歯切れよい曲もしっとりした曲も全体にアレンジがキッチリまとまっていて、ターシーの声が引き立つ好盤では。
    鴨子原舞曲 97/CDS/TWN/TWN ROCK RD-1395
    *5曲入りシングルでもちろんジャケ買い。これ、もとが韓国の JUJU CLUB というバンドの曲らしく、韓国版も入っている。アレンジの名前に料理用語?らしきものがついているんだけど、ラストのオリジナルバージョンの「正宗原汁原味版」ってのはなんかよだれだらだらな感じですなあ。
    FOOL 97/CD/TWN/TWN ROCK RD1409
    *明るさときつさ、甘さと弱さ、やわらかさと頼りなさはそれぞれ紙一重で、明るくて甘くてやわらかい歌というのはなかなか歌えない。その点、このころからのターシースーの歌はすばらしい。まあ例によって歌詞はまったくわからないのだが、かっこいいバックの演奏になんの違和感もなく乗っている。ちょっと気分のよいときのBGMに聴くことが多いのだが、まったく素直に聞けてしまう。分厚いミニ手帳版のロンドンでの写真集と住所録用リフィルがおまけ。
    懶人日記 99/CD/TWN/TWN ROCK RD1512C
    *とにかく中国は羅大佑以外どこから聞いていけばよいのか手がかりがないので、アンソニー・ロンに続いて私の名前と同じ「倫」の字がついている人、という第二弾がこのターシー・スー。GOGOROCKのサイトで見たら可愛い感じで気に入って、最初に手に入れたのがこのアルバムなのだが、まずもって中国はボール紙が好き? イラストや写真入のブックレットは良いのだがボール紙でやたらと分厚い。まあそれはそれとして、一曲目はシンセの音でいきなりバッティアート?と思ったけどそんなことはなかった。ルックスどおりのイメージの声が可愛らしいし、曲がどれもいいねえ。ウーパイのタイトル曲など面白くて、巴格野魯って、やっぱり日本語ですか? このリフレインがいいんですよまた。とりあえずどの曲もよい出来で飽きさせないし、垢抜けてるし、気に入りました。


    ケ麗君(テレサ・テン)
    淡淡幽情 83/CD/TWN/JPN POLYGRAM TACL2400
    *ケ麗君の名盤中の名盤といわれる本作は、美しく空気感いっぱいとでもいうか膨らみのあるオーケストラの伴奏に、別れや憂愁をつづってせつない宋詞を歌う。現代の中国のあるべき姿を求めつつ、常に筋を通そうとしてきたケ麗君にとって、中国の古典を現代の歌によみがえらせた本作は、歌がすばらしいというだけではすまない、格別の意味がある作品であろう。解説や対訳つきの日本盤がありがたい。


    王菲
    DI-DAR 95/CD/HKG/JPN POLYGRAM POCP7120
    王菲 97/CD/HKG/HKG EMI 724382455625
    *日本でも人気も知名度もあるアーチストだが、中古盤で安く手に入ったので、いまさらなんですが3枚ほど聴いてみた。なんかこれ、すごくいい雰囲気のアルバムで結構はまりそうなんですけど。やっぱり歌うまいしねえ、声の質が張りがあってすごく良いし。わたしが拾った限り、中国の歌手は、まず歌がうまいので、とりあえず聞くつもりで聞き始めると、けっきょくはまりますね。あえてこのアルバムの中で絞り込めば、M3"悶"が特に気に入った曲。ほかにコクトー・ツインズの曲などもとりあげている。
    唱遊 98/2CD/HKG/HKG EMI 724349783928
    菲比尋常FAYEWONGLIVE! 04/2CD/HGK/TWN SONY IND0449


    (v/a)
    1985年度十大勁歌金曲頒奬典禮 04/2VCD/TWN/TWN TVBI VCD040040
    *年度ごとの盤があるのですが、これはレコード大賞のようなテレビ番組かなにかのようです。歌手の皆さんがなんか受賞して、最後に「明天會更好」を、児童合唱団も出てきて、出演者皆で歌ってフィナーレ、という流れです。音がいまいちなのはVCDゆえ仕方ないところでしょうか。でも、張國栄、梅艶芳も見られて、2VCDで1400円、ですから、お買い得かとは思います。ところで「日本娃娃(許冠傑)」って曲があるのですがどういう意味ですかね。
    (v/a)
    情感萬花筒滾石香港十周年演唱会 04/3CD/HKG/HKG ROCK ROD5327-4A/B/C
    *これは香港の滾石唱片(Rock Record)創立十周年記念コンサートのライブ3枚組み。写真と歌詞つきのカラーブックレットもついています。お目当てはもちろん、トリを飾る羅大佑ですが、はやる気持ちを抑えて、じっくりと一枚目から聴きます。太鼓の音で始まるオープニングメドレーには、皇后大道東も詠み込まれています。登場する歌手は任賢齊、蘇慧倫、阿牛、羽泉、五月天、黄品源、梁静茹。蘇慧倫の声はなかなか可愛くて好きです。五月天は人気バンドらしいですが、歌っている"28日後(賭神)"というタイトル、検索するとホラー映画の題名なのですが関係ありますかね? なぜかスパニッシュギターの響きとドラマチックな盛り上げがカッコイイ曲です。黄品源は伴奏もちょっとアダルトっぽかったり、さりげないラップ調も雰囲気よいです。二枚目、登場する歌手は伍佰、莫文蔚、張震嶽、李心潔、張洪量、辛暁[王其]、趙傅と、こちらもいろいろとバラエティに富んでいる。伍佰は思っていたより泥臭く、そこがかえって悪くない。張震嶽も、声が柔らかいのに渋め。趙傅もなんとなく好きかも。さていよいよ三枚目は周華健が5曲(「男と女」とか「花」とかもアリ)歌った後、張國榮の追悼メドレーで、周華健のほか小蟲、辛暁[王其]、鍾鎮濤らが歌い、また張國榮の歌も流されているようだ。このあたりは、羅大佑のコンサートに行って来られたtacarinさんによると、梅艷芳の歌を流してコーラスしたり伴奏をつけたりというのがあったということなので、同じ展開なのでしょう。張國榮の歌を聴いてこなかったので、このメドレーのメモリアルな意味をちゃんと受け止めることは出来ないのは残念ですが。で、いよいよその後が羅大佑の出番。"皇后大道東INTRO"、"愛人同志"、蒋志光との"皇后大道東"、群星合唱となる"東方之珠"という流れは想像してみて下さい。感動の大団円です。
    (v/a)
    情感萬花筒演唱会滾石[香港]十周年演唱会慶典 04/DVD/HKG/HKG ROCK ROL-5161-4
    *先にCD3枚組みで出ていたもののDVD版がついに出た。やはり映像でみると楽しさ倍増。ターシースー、ジャスミンリャン、アンジェリカリーかわいい(^^)。バイオリンの人は見た目の意外性がインパクト強い。周華健はさすがに優男。桂ざこばによく似た人がいる。お目当てはもちろん羅大佑ですが、愛人同志などけっこう動き回りますねえ。
    (v/a)
    明天會更好 03/CDS/TWN/TWN B&W 10-0001
    *かの名曲"明天會更好"のシングルCD盤です。どうやらヒット曲再発シリーズみたいなものの一環として出たようです。10000枚限定とありますが真相はいかに。とはいえ正規盤新品しか扱わない店で取り寄せていただいたものなので、ちゃんとしたものには違いないと思います。参加メンバーなど詳しいデータがようやくこれで分かりました。作詞・作曲の羅大佑は先の総統選挙でも国民党支持を明確にしていたようですが、この曲も国民党主導で台湾を元気付けるために作られたという経緯はあるらしいです。でもまあなんにせよ、実力のある歌手がこれだけ揃って、一節ずつ歌うというのだから、贅沢な楽しみです。なお、オリジナルのほかに、インスト版、児童合唱版、カラオケの4トラック構成。児童合唱がまたかわいらしくて感動。さあカラオケ版で練習だ!
    (v/a)
    世紀情歌金曲典蔵1 02/DVD/TWN/HKG ROCK KD5001
    *ミュージックビデオ集で、これは男性編。羅大佑の「鹿港小鎮」、「恋曲1980」目当てに買ってみました。今と決定的に違うのは髪の毛(^^;。歌詞がまったくわからない世界の初期作品は、ちょっときついものがあるかと思ってきましたが、こうしてライブで跳びはねている映像をみると、ぜんぜん違和感なくなりました。ほかには伍佰や五月天(メイデイというらしい)などかっこいい。李宗盛「凡人歌」は家族でウケました。このとっちゃんぼうやみたいな人はほかにも曲や詩を提供していて、かなりの大物のようですね。飛鳥涼、桑田佳佑、中島美雪と、日本の曲も出てきます(ワタシは元歌を知りません(^^;)。それと周華健、けっこう好きかもしれない。それにしてもみんな歌うまいなあ。リージョンオール、NTSCなので普通にみられます。メニューにタイムマシンというのが並んでいて、なんだろうと思うと1980年からの重大ニュースが収録されているというおまけ?つき。1992年「日本泡沫経済崩壊。」「柯林頓當選美國總統。」そうでしたねえ。

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