RAGNAROCK 73/CD/NOR/NOR PAN PACD023 *実は RAGNAROK の見たことないアルバムだぞ?と思って買ったら間違いで、UNDERTAKERS CIRCUS がバンド名だったのでした。アルバムタイトルのつづりもちょっと違うし。中身はまるごとノリノリのブラスロックでした。こういうバンドが70年代ノルウェイにもあったんですねえ、という、まあそういうものでした。いやはや。
UNIVERS ZERO
CEUX DU DEHORS 81/CD/BEL/USA CUNEIFORM RUNE39 *言わずと知れたチェンバーロックの超大物、ウニヴェル・ゼロ。このアルバムではベースやドラムスが気張っていてけっこうヘヴィだから、バスーンやオーボエがokな人なら(笑)ジュルヴェルヌが苦手でもいけるかも。でもいわゆるロックとはだいぶ味わいが違うが。
UNO 74/CD/ITA/ITA FONIT CETRA CDLP428, (04)/CD/ITA/JPN WARNER WAS1001(WCCP200) *オザンナ分裂後、ダニーロ・ルスティチとエリオ・ダンナが結成したウーノの、唯一のアルバム。もうひとつの片割れのチッタ・フロンターレがどこかひょうひょうとしたジャズロックを聴かせるのに対して、こちらはメランコリックな歌ものロックになっていて、やはりこれらが巧く合わさっていたパレポリの頃のオザンナの個性はひときわ強烈だったと思い出される。とはいえいずれのグループも確かに、味わい深いアルバムを残した。
L'UOVO DI COLOMBO 73/CD/ITA/ITA EMI/BTF VMCD072 *長らく入手困難だったがVM2000シリーズで復活、ようやく聴けた。コテコテのヴォーカルに、オルガンやシンセがギリギリうなるという、典型的なイタプログバンドなのだが、メンバーの技量がみな優れている。リズム隊がなかなか堅実で、これが歌メロやキーボードをしっかり支えている。テクニカルかつメロディアスということでは、当時のイタプログとしては出色の安定感がある。音質も良好。
UPPSALA
UPPSALA 83/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4370AR *フレンチ・アヴァン・ジャズロックの快作。COSTE APETREA と JUKKA TOLONEN に会ったことにちなんでつけられたバンド名、また "Coste and Jukka" という曲まであるのも面白い。北欧ジャズロックやカンタベリーとセンス的に通底しつつも、ヴォーカルの個性や曲の展開は同じフランスのマグマに呼応していて、総体としては軽さと厚さを兼ね備えた、聴きやすさと聴き応えの両立した音になっている。
VAINICA DOBLE
CONTRACORRIENTE 97/CD/SPA/SPA WARNER 5046658002 *ワーナースペインからリマスターデジパック再発が続いていてどれもこれも買うわけには行かないので悩ましいが、たぶんそのおかげで旧規格盤を売却する人もいるので案外安く買えたりする。これなんか525円だ。微妙なタッチのイラストで引いてしまうかもしれないが、中身はとてもよい。女性コーラスを聞かせるグループなのだと思うが、トラッドでいてクラシカルな響きを聞かせてみたり、軽めのポップロックからジャズロック調のバンドサウンドだったりで、それでいてまとまりがあるという、聞きなれない個性だ。聞き心地はすこぶるよい。
EARTH 73/LP/GRC/USA VERTIGO VEL1019, (96)/CD/GRC/GRC POLYGRAM 532 783-2 *初期のソロアルバムとして、彼の原点を示す作品。キーボードよりもパーカッションが目立つ。ギリシアのミュージシャンをバックに、呪術的な曲が展開される。"He-o"の単純な不気味さはすごい。今でも地中海音楽の傑作として聴け、ぜんぜん古くなっていない。 P. S. リマスターCDを見つけて久しぶりに聴いたが、やはりこれは大傑作。He-Oは・・・「彼はやってきた。ドアを激しくたたいた。振り向いて行ってしまった。それきり見ていない。」って歌詞・・・怖くないですか? 私はこれほど怖い歌を知りません。My face in the rain はポルタメントピロピロの後の大甘の楽曲群のさきがけを感じさせますが、アルバム全体の、聴けば聴くほど異郷の地に取り残され彷徨うかのごとき不安と解離感に巻き込む仕上がりは、ワタシにとってヴァンゲリス最高の一枚であるというだけでなく、個性において無二の一枚です。
L'APOCALYPSE DES ANIMAUX 73/LP/GRC/FRA POLYDOR 2489113 *サントラ。
HEAVEN AND HELL 75/LP/GRC/GBR RCA RS1025 *クラシカルなアレンジにコーラス付きの、トータルコンセプトアルバム。私はかなり気に入っています。彼の特徴と言える、メロディの美しさとアレンジの素っ頓狂なところ(っていったい・・・)がよく出ている。
MYTHODEA music for the NASA mission: 2001 mars odyssey 01/CD/GRC/USA SONY CLASSICAL SK89191 *NASA の火星探査計画か何かのテーマらしい。シングルエディットのボーナス入り。暗く重いリズム、ウルトラゴージャスな白玉系ハーモニーはヴァンゲリスの原点ともいえるが、EARTH のような呪術性はほとんど感じられない。Kathleen Battle と Jessye Norman のソプラノ、オーケストラにコーラスがついて、予想通りの重厚長大な作品。もう少し変化があったほうが楽しめるのだが。
DON GIOVANNI 91/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4056.AR *哀愁のメロディーに思い入れたっぷりのフランス語のボーカル、オルガンやメロトロン、ギターの音やフレーズが、いかにもアンジュ風。初期のアンジュの好きな人には、後期?のアンジュのアルバムよりも楽しめるのではないか(^^;。ムゼアのカタログによるとこれはセカンドで、後さらに2枚出ている。
COLPO DI LUNA 02/CD/ITA/ITA TARGET/BTF VMCD075 *いつ頃の作品なのか、あるいは新作なのか、まったく年号表示も解説もないので分からないが、PFMのミス・ベイカーなどにも参加していたキーボードプレイヤー(同名の別人だったらゴメン)。マウロ・パガーニやエウジェニオ・フィナルディも参加しているが、基本的にはピアノ・アルバム風。イタリアの最近の映画のサントラのような、ほのぼのとした温かみにどこかほろりとさせるはかなさを感じさせる曲が多い。パーカッションを強調した曲とか、M14のような短いけれどもバイオリンの響きが絶妙に美しい曲などもあって、それなりに飽きさせないが、あくまでも地味、それでいて心に染み入る一枚。
LA STORIA DEI NEW TROLLS - CONCERTO GROSSO LIVE 01/CD/ITA/ITA GROOVE IT (no number) *15人ほどの編成の管絃を従えてのコンチェルトグロッソのライブだが・・・驚くべきことに、何一つと言ってよいほど、30-25年前のスタジオ盤と変わっていないのである。当時のメンバーはデ・スカルツィとマウリツィオ・サルヴィで、サルヴィがオーケストラの指揮をとっているから、この二人で当時の音を再現したということになろうか。私は何かしらの新解釈なりアレンジなりを期待していたので、もろに肩透かしを食らった感じだ。あらためて聞き比べても、やはり「1」より「2」のほうが格段によく作られた曲であることが分かる。また、SIGNORE, IO SONO IRISH はさすが名曲である。あのコンチェルトグロッソを、あのアレンジで、高音質で臨場感のあるライブで聴きたいという人にはすばらしい贈り物であろう。廉価である(私は1800円で購入)がもともとは通常の流通品ではないらしいので、聴きたい人は早めに入手したほうがよいかもしれない。 P. S. なんて書きましたが、ボーナス入りの日本盤まで出ちゃいました。やっぱり売れるんでしょう。
LE FEU DU TIGRE 95/CD/FRA/USA CUNEIFORM RUNE74 *ジャケット画からはなんとなく邪悪な音を期待させるが、実際はむしろエスプリの効いたチェンバー・アヴァンギャルド。チェロ、ドラムス、クラリネットのトリオという構成も面白いが、案外聴きやすいのはドラマーがいるせいかリズムがはっきりしているからだろうか。
PÜKAPÖK 99/CD/FRA/POL RETORT MEDIA REM001-2 *98年のポーランド・ツアーの音源。インプロビゼーションらしい曲もあって、このバンドの得体の知れなさがいっそう際立つ。
HARD N' HORNY / TOMBSTONE VALENTINE 69,70(90)/CD/FIN/FIN LOVE LRCD9/19 *これは初期二枚のアルバムの2in1。まず一枚目、ハードンホーニーとはすごいタイトルだが、アルバムは一曲目がベーシストの曲で、その後グスタフソンの曲が並び、おそらくLPではB面が丸ごと、オーケストラも入るペンブロークによる組曲。69年という年を考えるとこれはものすごい先進的な構成であり音である。ビートルズ的と言えば言えないこともない。続く二枚目だが、私はなぜかこの「トゥームストーン・ヴァレンタイン」というコトバの響きがずっと気に入っていてふとしたはずみに思い出すことがある。ここからはいよいよペッカポホヨラが加わり、ユッカトローネンもゲスト参加、ウィグワムの黄金期が始まる。ポップなテーマに洒落たハーモニー、ひねった歌詞にタイトな演奏、ジャズっぽさ時々実験と、まあみごとな取り合わせである。一枚ずつでもいずれも良いアルバムだが、二枚まとまって76分超というお買い得感もあって推薦。
FAIRYPORT 71/2LP/FIN/FIN LOVE 2LRLP44/45 *前作の延長上にある2枚組の大作。
BEING 73/LP/FIN/FIN LOVE LRLP92 *最高作といわれるコンセプトアルバム。乾いた演奏に切ないヴォーカルが載る様は、プログレッシブでありながら歌心豊かで、このメンバーの組み合わせの絶妙さを思い知らされる。
NUCLEAR NIGHTCLUB 75/LP/FIN/FIN LOVE LRLP129
THE LUCKY GOLDEN STRIPES AND STARPOSE 76/CD/FIN/NDL LOVE LRCD166 *このころの作品になると、独特のポップ感覚のアルバムという印象。歌詞もポイントだろう。
ROCK FANTASIA OPUS 9 80/CD/FRA/FRA MUSEA FGBG4401.AR *もっとトラッドよりかと思っていたのだが、案外、ロックだったのは、聴く前にやや不安を感じさせたいかにものタイトルどおりかもしれない。メロディラインにはもちろんトラッドが生かされていて、最初のうちはなかなかよい感じで聴き始めるのだが、テクニカルで音も厚い分息苦しく、きっちりと作りこみすぎて包容力というか要するに余裕が感じられない。手が込んでいるのに、ロックとしては安易。ボーナスのバッハやベートーベンにかえってほっとさせられる。