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1999年1月10日、逝去。享年58歳。死因はガンのようです。前年、バッティスティが逝ったばかりで、偉大な二人のカンタウトーレが立て続けに失われました。私はこの二人が大好きであったので、かなりショックでした。
私がデ・アンドレを聴くようになったきっかけは、やはりPFMあるいはマウロ・パガーニとの繋がりからです。初めて聴いた "CREUZA DE MA" (邦題『地中海への道程』)は、まさに衝撃的でした。マウロ・パガーニの最初のソロアルバムと並んで、地中海音楽の魅力、すなわち伝統の豊かさに現代の優れたミュージシャンたちが吹き込む清新さが加わった、美しさと楽しさを兼ね備えた奥行きと広がりを伝える、すばらしい作品でした。続く "LE NUVOLE" (『雲』)、"ANIME SALVE" も、その傾向が深められ、まさに至高の円熟味を醸し出していたのです。デ・アンドレのデビューシングルは、私の生まれた年に出ていて、初期はフォーク調やメッセージソングが多いというものの、やはり晩年の音に非常に近いものもあって、彼の個性に納得がいきます。
彼の妻ドーリ・ゲッツィ、息子クリスチャーノ、娘ルーヴィはいずれもミュージシャンです。息子のクリスチャーノの作品は、さすがに父親に似た声で、また味わい深いものです。
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- FABRIZIO DE ANDRE
- VOLUME 1 68(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321974572
*バッティスティのときもそうだったが、初期のアルバムを聴くのが結局最後になった。リマスター盤でファーストとセカンドを買って、これでようやくレギュラー盤が揃った。ファーストアルバムといっても、シングルデビューからは10年経っていて、すっかり落ち着いた作品になっている。この盤はさすがに音質も良く、デアンドレの深い歌声にじっくりと耳を傾けることができる。名曲 "Bocca di rosa" のアレンジも素朴。
- TUTTI MORIMMO A STENTO 69(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321974562
*2作目にして堂々のコンセプトアルバム。タイトルからすればテーマは暗そう。オーケストラに生ギター、子どものコーラスやデアンドレの語りもあって、深い歌声でつづられる物語と言うところだろうか。とはいえ、ファーストもそうだが、後の作品を知らずにこのあたりだけを聞いていたら、この良さに気づいたかどうかというのが正直なところ。決して地味なだけではないのだが。いずれにしても、今こうして聴くとしんみりと味わい深い作品と言える。
- VOLUME 3 70(00)/CD/ITA/ITA BMG 74321 795862
*初期のシングル曲を中心に編集されたアルバム。「マリネッラの歌」をはじめとする、哀愁たっぷりの名曲ぞろい。シングル発表時より手直しされたものもあるらしく、またさらにこれはデジタルリマスター盤なので、音質的にも満足(シングル・ベスト盤の "PECCATI DI GIOVENTU" と聞き比べても、こちらは音の輪郭がくっきりしていながら響きも自然)。
- LA BUONA NOVELLA 70/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6498
*バックをPFMのメンバーが固めていることで知られているアルバムで、下手にその先入観があると出だしのコーラスで「甦る世界」を思い出してしまいそうだが、わたしはライブ盤にこのアルバムの曲が取り上げられていて、とても気に入っていた。アルバムタイトル("The Good News" の意)からも曲タイトルからも、イエス・キリストの誕生をめぐるストーリーのようだが、内容は言葉がわからないのでなんとも言えない。しかし曲も演奏も歌も実に美しくせつなく、30年経った今聴いても感動を誘うすばらしい作品である。
- NON AL DENARO NON ALL'AMORE NE AL CIELO 71(01)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974442
*この作品がインスパイアされたという EDGAR LEE MASTERS "SPOON RIVER ANTHOROGY" っておもしろそうですね。アメリカ文学史上最初のベストセラー詩集なのだそうです。注文してしまったので、いずれ読書のページに感想書くかもしれません。ブックレットには歌詞の他にデ・アンドレのインタビューが載っていて、おそらく作品解説になっているのだと思うのですが、イタリア語のわかる方で何が書いてあるかちらっと教えてくださる方は・・・(ちゃんと読めよ>自分)。まあとりあえず聴くだけでも、オルガン、ギター、フルート、オーケストラに女声コーラスなどなど、厚く温かみのある演奏に、語り部風の渋いヴォーカルと、デ・アンドレの味がよく出た歌ばかりです。リマスターのせいか音も良く、とても30年以上前の作品とは思えません。
- STORIA DI UN IMPIEGATO 73(02)/CD/ITA/ITA BMG 74321 974242
*BMGからのこれはレギュラーケースのリマスター再発。デジパックゴールドも出たようだが、この作品も解説や写真が8ページ分、歌詞が2ページ分あるので、入手できたらこちらがお勧め。解説は当然イタリア語ですが。「ある労働者の物語」というタイトルそのままの内容らしいです。ということはここまでの都合3作はトータルコンセプトものということになるわけで、70年代前半という時代を感じさせると言えるかも。どれもよい曲だとは思うが、こういう内容となるとさすがに詞がわからないのはつらく(これはもちろん私のせい)、またリマスターのせいかバックのオーケストラの音が大仰で、不機嫌に語りかけるようなデアンドレの歌から浮いているような気がすることも。
- CANZONI 74(01)/CD/ITA/ITA BMG 74231 860012
*廉価版リマスターで再発。7枚目のアルバムで、オリジナルのほかボブ・ディラン、ジョルジュ・ブラッサンス、レナード・コーエンなどの曲が取り上げられている。といっても、イタリア語で歌われているので、まったく違和感なくデ・アンドレの歌として聴けてしまう。フォークタッチの曲がほとんどだが、ジャンピエロ・レベルベッリのオーケストラアレンジも入って暖かな雰囲気が漂い、おなじみM7など一聴の価値のある仕上がり。
- VOLUME 8 75(02)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974592
*24ビットデジタルリマスターで勢ぞろいのデアンドレの旧譜、めぼしいものはこの機会に揃えたくなる。スリーブも多分レギュラー盤と同じと思われ、12ページで歌詞付はうれしい。リマスターの効果が出ているのかどうか、とにかく歌声の艶もざらつきも生々しく、オーケストラの音の粒立ちもよく、四半世紀前の音源とは思えない。"Amico Fragile" はじめ、全般的にしっとりとした名曲ぞろい。
- RIMINI 78/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL 6492
*全体に華やかでメリハリがあって聴き心地よく、もろにカントリー・テイストな曲も、アルバムの流れの中にごく当たり前のように納まっている。それにしてものりのよさにも地中海がほのかに香るような "VOLTA LA CARTA" や "ANDREA" 、しみじみと美しく悲しい "SALLY" などの名曲の数々は、ライブアルバムでもおなじみだが、申し分なし。
- IN CONCERTO ARRANGIAMENTI PFM 79/LP/ITA/JPN KING K22P308, (02)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974172
*PFMがバックを勤める、というかPFMがデ・アンドレを引っ張り出して成功させたライブアルバム。"CREUZA DE MA" の印象が強いので、遡ってこのアルバムを聴いたときの印象は、最初薄かった。しかし、聴きこんでみると、初期の曲にも地中海の風が吹いていることに気づく。"BOCCA DI ROSA", "IL PESCATORE" などなど、何ともいい味がある。もちろん、バックの演奏もすばらしい。
P. S. LPでしか持っていなかったこの盤、デジパックリマスターをなんとなく見送ってしまっていたら、24ビットリマスターでプラケース入りの廉価盤で出たので、今度は買った。ちゃんと12ページのブックレット付いています(歌詞はなし)。
- IN CONCERTO ARRANGIAMENTI PFM VOL.2o 80/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6490, (02)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974182
*一枚目が好評だったので発売されたらしい。"SALLY"、"RIMINI" といった名曲や、"LA BUONA NOVELLA" からの佳曲もあって、PFMのバックアップもあいまって一枚目同様に聴き応えのあるライブになっている。
P. S. こちらもリマスター盤買いなおし。スリーブは4ページペラですが、これはもともとそうだった様な気もする(表紙も色が違うだけだしね)。
- FABRIZIO DE ANDRÈ ["l'indiano"] 81/CD/ITA/ITA RICORDI CDMRL6281
*クリスチャーノにドーリ・ゲッツィをはじめ、参加メンバーも華やか。とにかくもうこの語り掛けるような渋い声にはそれだけでまいるのだが、一曲一曲、さりげなくも個性的な工夫が凝らされていて、生ギターで軽快なリズムを刻むかと思えば、ピアノとパーカッションでぐいぐい盛り上げる曲があったりという具合で、深みと色彩が実にゆたかな作品。もうこれ以上どうするのだ、というところまで来ていて、この次が "CRAUZA DE MA" だったわけだから凄すぎ。
- CREUZA DE MA 84/LP/ITA/JPN KING K28P479, (02)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974202
*マウロ・パガーニのソロと並んで、圧倒的な存在感で地中海音楽というジャンルを確立したといえる歴史的名盤。ジェノヴァ方言で歌っているという、深く渋い歌声、バックには民族楽器もふんだんに使われ、ランゴバルドともラテンともイスラムとも特定不可能な地中海への旅愁をかき立てられる逸品です。
P. S. *LPでしか持っていなかったので、デジタルリマスター再発盤を購入。力強くも繊細、完璧な音がさらに楽しめる。
- LE NUVOLE 90/CD/ITA/JPN KING KICP115, (02)/CD/ITA/ITA RICORDI 74321 974462
*老女?の語りにはじまり、何ともとぼけた物語の歌で終わる、前作以上に臨場感あふれる傑作です。もう地中海音楽というジャンルも超越してしまっていて、デ・アンドレとその仲間たちが、目の前で音楽劇を演じてくれているのを、泣き笑いしながら見物しているような気にさせてくれるのです。愛聴盤。
P. S. これはすでにCDを持っているのだが、一番好きなアルバムなので、リマスター盤を購入。
- 1991 CONCERTI 91/2CD/ITA/ITA RICORDI ACDMRL26478
*タイトル通りの91年のイタリアツアーの録音。マウロ・パガーニ参加、共同プロデュース、2枚組の超豪華な作品。"CREUZA DE MA", "LE NUVOLE" がほぼまるまる、ライブで聴けます。
- LA CANZONE DI MARINELLA 95/CD/ITA/ITA REPLAY RMCD4082
*REPLAY MUSIC から出ていて、いかにもやっつけ仕事のスリーブの「過去の名曲集」なのだが、"PECCATI DI GIOVENTU" と比べると、同じ16曲入りだが、2曲入れ替わっていて、こっちだけに入っているM7"E FU LA NOTTE" とM15"NUVOLE BAROCCHE" が、おそらくデビュー・シングルで、今のところこの二曲を聴くためには、このアルバムがもっとも入手しやすいのではないかと思う。特に聴かなくてはというほどの曲ではないとは思うが、何となく全部聴かないと気持ち悪いという場合はこの盤をどうぞ。リマスター盤ではないが、音はそんなに悪くない。
- ANIME SALVE 96/CD/ITA/ITA RICORDI TCDMRL392352
*96年発表の新作。ますます感動の絶品(「逸品」「傑作」「絶品」ときてそろそろネタ切れ・・・)。残念なことに国内盤が出ず、歌の意味がほとんどわからないのが難点なのですが、にもかかわらず感動を誘われます。曲と歌声だけで十分名曲ばかりです。あまり趣味を人に押し付けるのはよくないと分かってはいますが、とにかく聴いて欲しい!と言いたくなるアーチストです。
- MI INNAMORAVO DI TUTTO 97/CD/ITA/ITA RICORDI 74321533042
*ベスト盤だがリマスターされていて、どの歌も輪郭のはっきりしたものに仕上がっている。最も古いものが名曲 "BOCCA DI ROSA" だが、70年代後半からの曲が多い。そして極めつけの一曲、ミーナによって大ヒットした「マリネッラの歌」をミーナとデュエットした、おそらくスタジオ盤の公式の録音としては最後のものが収められている。こうして聴くと、彼が民族性に深く根付きながらも民族を超えた詩人であることに改めて気づかされる。
- IN CONCERTO 99/CD/ITA/ITA RICORDI 74321656992
*追悼記念のライブ盤で、97年から98年にかけての、ジェノヴァ、ミラノ、ローマでの音源。最近の作品だけではなく、"LA BUONA NOVELLA" からの5曲など幅広い選曲で、初期作品に疎い私のようなリスナーにも発見があって、お勧め。ほんとにどの歌もいい歌です。息子のクリスチャーノ、娘のルヴィをはじめとして、息のあったバックも充実。すばらしい。涙なしには聴けません。
- DA GENOVA 99/CD/ITA/ITA BMG 74321728992
*いちおう全曲知っているので後回しにしていたベスト盤。それにしても選曲の幅が広く、いったいどういう基準で選ばれたのか不思議。何かジェノヴァに関係あるとか? リマスターで音は良いし、インナーは広げると全曲歌詞が載っていて、デザインも良いから、まあ悪くないのだが。
- PECCATI DI GIOVENTU' 00/CD/ITA/EU UNIVERSAL 542 927-2
「青春の過ち」と題されたこのアルバム、66年と68年の作品集だが、単なるベスト盤ではなく、初期シングル曲集。以前に出ていたシングル集と比べると、本盤は2曲少なく、どうやらデビューシングルを除いた(オリジナルテープがなかった?)16曲をデジタルリマスターのうえ収めてあるということのようだ。歌詞付きだし、アルバムとバージョン違いや未収録曲もあるから、通常のアルバムを一通りそろえている人でも、若き日のファブリツィオを偲びつつ聴いてほしい一枚。
- IN CONCERTO VOLUME 2 01/CD/ITA/ITA BMG-RICORDI 74321867622
*97-98年のツアーライブからの2枚目。91年のライブからの2曲が含まれているのは、トラック構成と音源の兼ね合いからだろうか、ナゾではある。パーソネルはそれぞれのライブ盤と同じ。これで、78年、91年、98年それぞれが二枚ずつのライブとして聴けることになったわけで、感慨深いものがある。この渋い声、あたたかい雰囲気、珠玉の名曲に完璧な演奏、観客の反応をわりと強調するミックスになっているせいもあろうか、軽妙な「脱げねぇ、脱げねぇ、足抜けねぇ〜♪」(分かります?(^^;)から "BOCCA DI ROSA" に流れて大きな拍手が沸きあがるともう、目頭が・・・。そして密やかに幕を下ろすラストは、喪失の大きさをいまさらながらに、しかし厳粛に受け止めさせるにふさわしいものになっている。なぜ間をおいて二枚に分けてリリースされたのか、最後まで聴いたところで腑に落ちる。
- IN CONCERTO 04/DVD/ITA/EU BMG 82876573849
*98年2月13・14日、ローマのブランカッチョ劇場。CDの2枚はツアーからの編集だが、なぜか91年ツアーから入っていた2曲の代わりに、DVDではクリスチァーノの曲が中間に2曲入っている。後は曲目が同じ(曲順はかなり異なる)なので、もしかするとCDでは本来はクリスチァーノの2曲を入れる予定だったのを、契約か何かの絡みで入れ替えたのかもしれない。まあそんなことはどうでもよい。バックステージやMC、メンバー紹介などの映像も楽しめる。言葉が分からないのはどうにもならないが、とにかく在りし日のファブリツィオにクリスチァーノとルヴィの息の合ったところを見れば見るほど、もうこれは泣けて泣けて・・・。必見です。PALなのでPCの小さな画面で見るしかないのはもどかしいが。
- ED AVEVAMO GLI OCCHI TROPPO BELLI 03/CD+BOOK/ITA/ITA EDA001
*ちゃんと調べないから分からないのだが、どうやらデアンドレのコンサートの合間の語りの録音と、評論家?の解説をまとめたものだろうか。ブックレットには写真も多数。コンサートのチラシにマウロパガーニやテンピドゥリの名があったり。ロマに関するものが多いようにも思う。タイトルや表紙から推測しても、社会的なコメントを集めたものかもしれない。CDは17分あまり、ブックレットは72ページ。語りは文字でも起こしてあるので、本気になればイタリア語の勉強にいかがかと。歌も "Se ti tagliassero a pezzetti" と "I Carbonari" の2曲収録。ただし後者は1分あまりのオーディエンス録音のような音質。
- IN DIREZIONE OSTINATA E CONTRARIA 05/3CD/ITA/ITA SONY 82876752322(3)
*これは選曲のよい3枚組みのベスト盤だが、ドーリの要望で、デジタルリマスターされた最近のミキシングではなく、たとえば60年代なら60年代の香りが流れるように、細心の注意で「デマスター」されているということのようである。こういう話は聞いたことがないので、聴き比べてみたいところだが、それほど耳に自信はないので、とりあえずはこの充実したベストセレクションを楽しむならば、ほぼ年代ごとにまとめた3枚がそれぞれにその時期の特徴がよくにじむ構成になっていて、なるほどこれは、愛情と深い理解によって組み立てられた「作品」なのだなあと感動する。何を、どう聞くか、ということで「作品」たらしむるところに、彼の偉大さをあらためて噛締めることになる。最高のベスト盤として絶対に薦めたい。
- UNA MUSICA PER I DANNATI 04/BOOK+CD/ITA/ITA RICORDI ISBN8887018278
*Giorgio Olmoti という人の著書で、どん底の人のための音楽、というような意味だろうか。100ページあまりの論考で8ページのモノクロ写真ページあり。イタリア語が読めない私には残念ながら宝の持ち腐れ。付録のCDは、本文に対応した独自のコンピレーションで、ちゃんと聞き比べたわけではないので断言はできないが、珍しい音源が含まれているわけではなさそうだ。ただこういう選曲で聞くことが新鮮な体験だと感じられたのは収穫。
- TUTTE LE CANZONI 06/BOOK+DVD/ITA/ITA MONDADORI ISBN8804554266
*300ページ超の歌詞集。オマケのDVDは、"IN CONCERTO" と同じものなので、オリジナルをもっている人はDVD狙いなら買う必要はない。ただ上製箱入のハードカバー本だから、歌詞集として持っていたい人にはおすすめ。
- CRISTIANO DE ANDRE
- L'ALBERO DELLA CUCCAGNA 90/CD/ITA/JPN KING KICP116
*FABRIZIO の息子さんだそうです。これはアルバムとしては2枚目。地中海音楽の、ちょっとロックよりの辺りで、かなりいい雰囲気を出しています。バックのメンバーはタヴォラッツィのベース、ヴィンチェ・テンペラのキーボード(共同プロデュース)など超強力、パガーニとの共作曲も。
- CANZONI CON IL NASO LUNGO 92/CD/ITA/ITA WEA 4509 90059 2
- CRISTIANO DE ANDRE 93/CD/ITA/ITA WEA 4509 92092 2
*3枚目のアルバム "CANZONI CON IL NASO LUNGO" に "DIETRO LA PORTA" を加えて再発したものが "CRISTIANO DE ANDRE'"。前者はちょっと面白いデザインになっているが、後者はノータイトルでジャケットもきわめてシンプルなのは示唆的だ。いずれにせよ、、中身はとても充実している。ルチオ・ファブリとヴィットリオ・コスマによる "DIETRO LA PORTA" を除いて、あとはファブリツィオでも馴染みのマッシモ・ブボラによる製作。前作が若々しい個性を打ち出した楽しさに魅力があったとすれば、ここではファブリツィオの息子であることに「だからどうした?」と居直ったというか悟ったような魅力があって、メロディアスな曲になるとファブリツィオに通じる深い味わいを堂々と醸し出している。
- SUL CONFINE 95/CD/ITA/ITA WEA 0630 10044-2
*打ち込みリズムなんかも使っているんだけど、生ギター弾き語り風もあったりするから、全体に非常に落ち着いた、しっとりした印象のアルバムになっている。地味なんだけど、ただの地味に終わっていない、これまでの作品の落ち着きどころのような渋さ。ラストのサンロレンツォの夜なんか、泣けてきます。
- SCARAMANTE 01/CD/ITA/DEU TARGET 01 3449 2ERE
*5枚目のアルバム。曲のよさと声のよさは当然の前提、それにしてもアレンジが決まりすぎです。ボサなM1でまずつかみは万全、M2のいきなり裏返ったビートや途中の短いギターソロのエフェクターのかかり具合で一気にきます。M3の管楽器としゃがれた早口の掛け合い、バッティアートのような詩情漂うM7などなど、怒涛のキメの嵐。コーラスやストリングスの使い方も、決してベタで白玉が入るようなことはなく、おっとここでこうきますか! という絶妙の巧さ。クリスチャーノの実力を相乗効果で思い知らせる、プログラミングと共同プロデュースの STEFANO MELONE が本作のキーパースンのようです。必聴!
- UN GIORNO NUOVO 03/CD/ITA/ITA TARGET ERE144572
*6作目は新旧とりまぜてのスタジオ・ライブ。共同プロデュースやバックの主だったメンバーは前作と共通している。タイトル曲はオーケストラつき。作りこみが凝っていた前作の曲など新しいアレンジになって、また違った味わいがあるが、かといって極端にシンプルなわけでもないし、オーディエンスの反応があるわけでもないから、新録音のベスト盤としてもおおいに楽しむことができる。あの渋い声、いい曲いっぱい、聴けば聴くほどに味が滲み出るお勧め盤。
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- TEMPIDURI
- TEMPIDURI 83(03)/CD/ITA/ITA MBO 300343 2
*クリスチャーノのソロデビュー以前のバンドということになるのだろうか。彼のほか CARLO FACCHINI, LOBY C. PIMAZZONI, MARCO BISOTTO という4人組で、クリスチャーノはヴォーカル、ギター、バイオリンを担当。クリスチャーノと4曲の共作のほかはファッキーニ単独の作詞作曲で、ファッキーニがリーダーであろう。プロデュースにはMARK HARRIS, MAURO PAGANI, ALLAN GOLDBERG とこれは豪華。どの曲もよく練られた叙情味の濃いフォークロックで、ときおりのバイオリンのパートもしっとりとしていて、デアンドレ父子の歌が好きな人なら、かなり気に入るのではないだろうか。
- LUVI DE ANDRE'
- IO NON SONO INNOCENTE 06/CD/ITA/ITA UNIVERSAL 9856533
*インコンサートにも出ていたファブリツィオの娘ルーヴィのアルバム。ソロデビューなのかもしれないが、血筋から期待に逸るのは仕方がない。インコンサートのビデオではなんとなくあどけない印象だったのだが、このアルバムでは予想以上に個性の強い声で驚いた。しっとりとしたというよりはナンニーニほどではないにせよ力強い、硬質なタイプ。選曲も声に合ったものだが、やや変化には乏しいかもしれない。
- artisti vari
- CANTI RANDAGI 95/CD/ITA/ITA RICORDI TCDMRL6509
*これはたいへん面白い作品。ファブリツィオ・デ・アンドレの『地中海への道程』をたたえて、彼の名曲の数々を、さまざまな地域のトラッド・グループが独自の解釈で取り上げたという、ユニークなカバー集。BARABAN 以外私にとってはまったく知らない人たちばかりなのだが、かえって新鮮で楽しい。それにしてもとにかくどのグループの演奏も、個性的で、厚く深みがあって、実にすばらしい。その土地ごとのトラッドが単に愛され続けているというだけでなく、演奏家たちによって様々に工夫され高められていく風土が感じられる。日本にも各地に根付いた歌や芸能があるのだから、民謡を保存するというような視点は捨てて、このような企画があれば、私などもぜひ聴いてみたいものだと思うのだが。
- artisti vari
- TRIBUTO A FABRIZIO DE ANDRE' FABER AMICO FRAGILE... GENOVA 12 MARZO 2000 03/2CD/ITA/ITA BMG 82876561802
*あまりの素晴しさに言葉もありません・・・という決まり文句が、実は一番ふさわしい。どんなアーチストが、どんな歌を歌っているか、そのリストだけでも感動モノ。盤ごとに写真満載、歌詞付きのブックレットがつく。まず白盤("CD BIANCHI")から。パガーニのバイオリンをバックにチェレンターノが歌う "La guerra di Piero" がまずいきなりの絶品。ズッケロも、こんなに渋くて良いとは。PFMは "Il pescatore" 、バッティアートはアルバム "FLEURs" で取り上げていた "Amore che vieni amore che vai"、ヴァノーニやデシオはあまり声が出ていないが、それでもこの企画に参加することに大きな意味があったのだろう。CECILIA CHAILLY という人は知らなかったがハープの弾き語りの "Inverno" がまた何とも美しい(バイオリンはファブリ)。MERCANTI DI LIQUORE と言う人たちも知らなかったが、ギターとアコーディオン伴奏で "Giordie" をカントリー風ともロマ風とも、何ともいい味で歌う。フィナルディもヴェッキオーニもリガブエ(バイオリンはパガーニ)も力強い歌声を聞かせる。さて黒盤("CD NERO")はロッシの "Amico fragile" に始まる。マンノイアやジョヴァノッティは、うまく自分の持ち味に合う曲を選んだ感じだ。注目のデスカルツィ "Signore, io sono Irish" は、初期トロルズとはまた違った、起伏に富んだアレンジと歌で、期待を裏切らない。バッチーニの "La ballata dell'amore cieco" がうまい。ブボラの "Andrea" 、こういう声をしていたのですね。さていよいよ大団円、新作でヴォーカルのよさを聞かせたパガーニがブズーキの弾き語りで "Sidun"、そしてクリスチャーノ・デ・アンドレとパガーニの "Creuza de ma"... この二曲については、本当に何か言うのはやめましょう。
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ADRIANO CELENTANO,
CECILIA CHAILLY,
ZUCCHERO,
FRANCO BATTIATO,
P. F. M.,
LUCIO FABBRI,
ORNELLA VANNONI,
TERESA DE SIO,
EUGENIO FINARDI,
ROBERTO VECCHINONI,
FIORELLA MANNOIA,
JOVANOTTI,
VITTORIO DE SCALZI,
LOREDANA BERTE',
EDOARDO BENNATO,
MAURO PAGANI,
CRISTIANO DE ANDRE'
- artisti vari
- MILLE PAPAVERI ROSSI 04/2CD/ITA/ITA EDA004
*「1000の赤い芥子」と題されたこの2枚組みだが・・・さて困った。これはファブリツィオ・デ・アンドレのトリビュートアルバムなのだが、37曲も入っていて、歌は皆それぞれうまくて味があって、それでいてこの中の誰一人として私は知らないのだ。70ページのブックレット(というか、これまたISSNが付いているので、本来は本なのだと思うが)には、びっしりと文章(評論?)が。(イタリア語が読めれば)この読み応えも十分だと思う。それにしても、どれもこれもアコースチックな響きを大切にした、しみじみしたいい演奏だ。元歌が好きなせいもあるが、軽快さの中にしみじみした叙情を失わない MERCANTI DI LIQUORE (酒屋?)の "BOCCA DI ROSA" 、BEVANO EST のチェンバーな "SIDUN" 、など特に印象に残っているが、これだけあってダメダメなアレンジの演奏は一つもないというのはなかなかすごいことだ。さてそれで・・・このアルバムもしくは本の趣旨は・・・どなたか耳打ちしてくださいませ。
- artisti vari
- OMAGGIO A FABRIZIO DE ANDRE' Cagliari Anfiteatro Romano 10 luglio 2005 06/DVD+BOOK/ITA/ITA BUR ISBN8817012963
*これは2005年に行なわれた追悼コンサートの模様を収録したDVDと、歌詞・解説の本のセットだが、基本的にDVDがメインとして十分楽しめる。参加メンバーがすごい。アントネッラ・ルッジェーロ、マッシモ・ラニエリ、フランチェスコ・ディ・ジャコモ、バレンテス、マリオ・ヴェヌーティ、ドルチェネラ、エレーナ・レッダなどなど。よく知らない人も何人かいるのだがみな巧い。コンダクターはロベルト・コロンボ。詳しくはトラックリストを見てください。これだけの歌手がそろって、デ・アンドレの名曲の数々を披露するのだから、悪かろうはずはない。「雲」の語りに始まるコンサートは魔法のようなひと時だ。でも「地中海への道程」はアントネッラではなくマッシモ・ラニエリで聞きたかったなあ。普通のちょっと太った人くらいの感じになったジャコモおじさんがドルチェネラとダンスしちゃうのとか(二人によるドルチェネラは最大の聴きモノかも)、想像をはるかに超えてイイ!!!(コーラスのことですよもちろん・・・といいつつバックステージのビデオも目が離せません!)バレンテスの3人のお姉さんなど見所もいっぱいです。
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ANDHIRA,
PREMIATA FORNERIA MARCONI (P. F. M.),
RICKY GIANCO,
LI TROUBAIRES DE COUMBOSCURO,
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