SPOR 91/CD/NOR/NOR KIRKELIG KULTURVERKSTED FXCD110 *これはとても聴き心地のよい作品。もうずいぶんたくさんのアルバムを発表しているベテラン歌手だと思うが、ジャンル的にはジャズ風というかクロスオーヴァー風の趣で、バックの演奏はなかなか渋い。声質はやわらかくあたたかく、無理なくほどよく声量もある。
KATE BUSH
CLOUDBUSTING (THE ORGANON REMIX) / BURNING BRIDGE / MY LAGAN LOVE 85/12EP/GBR/GBR EMI 12KB2 *私はじつは隠れケイトブッシュファン(^^;。デビューの頃は正直なところ、憧れました。結局アルバムは一枚も持っていないのだが、クラウドバスティングのヴィデオクリップは宝物だった(が、ベータのデッキが壊れて以来見られない)。米大統領選に刺激されたわけでもないが、安売りのダンボールの中にみつけたこの12インチ、ついつい買ってしまった。でもヴィデオクリップのヴァージョンのほうが良かったように感じるのは聴き慣れていたせいか。B面も名曲で感動的。
KEBNEKAISE
ELECTRIC MOUNTAIN 73-77,90/CD/SWE/SWE RESOURCE RESCD503 *セカンドから5曲、サードから4曲に、未発表曲2曲を加えてのベストアルバム。この頃の作品が彼らの傑作とされていて、哀愁のトラッドロックはすばらしい。後の "ELEFANTEN" にけっこうはまっている私としては、過渡期の作品と聞こえないでもないが。
LJUS FRÅN AFRIKA 76/LP/SWE/SWE SILENCE SRS4636 *なぜアフリカンエスニックかと呆れていると、次第に無国籍エスノアヴァンギャルドに圧倒されていくでしょう。バイオリンの響きも魅力的。とはいえ全体には飄々とした軽味があって、凝った構成のわりにさらっと聴けてしまう不思議な音楽。
SPELAR SPRINGLEKAR OCH GANGLATAR 78/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD3620 *ケブネカイゼのギタリストのソロ。ギターだけで主にトラッドをアレンジして演奏しているのだが、たとえばギターシンセを使うとかいったギミックは一切なく、エレクトリックギターの表現力の限界に挑戦したような作品になっている。メロディーと音の響きだけで、これほど深い情感が出るものかと思わせる傑作である。ヴァージン時代のマイク・オールドフィールドの、ちょっとしたギターものの小品が好きな人なら、きっと気に入ると思う。
BENO'S BEN 81/LP/SWE/SWE SILENCE SRS4675 *毛むくじゃらの男のナマ足の間から男のピエロ顔がのぞいているモノクロ写真という、絶対にジャケ買いしたくないジャケットなのだが、中味は充実。ちょっとひねくれたプログレだが、ノリは良く、後半はロックンロールになっちゃうすごさ。
2117 M. ABOVE SEA LEVEL 95/CD/SWE/SWE SILENCE SRSCD4731 *ドラムスと時折のゲスト以外、ハードでありながら繊細そのもののギターサウンドだけで作り上げる、エレクトリックでトラッドな独自の世界。切れ味の良いマイクオールドフィールドのような感じでもある。
SYNCHRO SYSTEM LP/NIGERIA(or GBR)/JPN POLYSTAR 25S172 *ロンドン録音だからイギリス的な洗練は免れないが、サニー・アデはナイジェリアのジュジュ・ミュージックのトップスター。ジュジュのように、地域の音楽が異文化の音楽と混淆して生まれてきた新しいジャンルは、民族音楽のダイナミズムを感じさせてくれる。
KING CRIMSON
IN THE COURT OF THE CRIMSON KING 69(99)/CD/GBR/JPN PONY CANYON PCCY-01421 *紙ジャケ衝動買い。レビューは他人任せということで、何も言いません。メロディはどれも詩情を感じさせるし、迫力ある曲で最初と最後を飾り、間に叙情と実験を繰り込む構成も完璧。ライナーにあるように、これを聞くと「ロックはこの30年間、いったい何をやってきたのか?」というのは確かに最初の正直な感想です。でも後々よく考えてみると、ロックに限らずクラシックだってジャズだって、真にプログレッシブな音楽は、いつになっても音楽として存続し得るという、ごく当たり前のことに過ぎないのでしょう。何も言わないといいつつ言ってしまいました。ところでCFソングに使われるようになったほかにも、ジャケの顔真似のコントを見ました。父の形見のこのアルバムを聞くと21世紀のことがすべてわかるという、だるまさんがころんだが上手な30歳の「くりむぞう」、・・・いやーすごかったです(^^;。
LARK'S TONGUES IN ASPIC 73/LP/GBR/JPN ATRANTIC P8330A, 73(00)/CD/GBR/JPN PONYCANYON PCCY01425 *気がついてみると、「持っている」クリムゾンのアルバムは、長い間この一枚だけだった。ちょっと自分でもびっくり(でも一番好きな曲は "Red" だったりする)。わりと好きな(初期の)ジェネシス、ジェスロ・タルなんかも一枚も持っていない。クリムゾンやジェネシスの好きな友人から借りて聴いて済ませていたからだ。今となってみると集めておきたい気もするが。あと EL&P やピンクフロイド持ってないのは、それほど好きじゃなかったからだけど。で、この作品ですが・・・とにかく凄いですね。ビルのドラミングがもともとあまりにも好きなので、これにバイオリンやらパーカッションがつるむクリムゾンという存在は、畏怖の対象以外の何ものでもありません。かつてヘッドホンで聴く「パート2」がどれだけストレス解消に役立ったか。 P. S. 結局買ってしまいました、デジタルリマスター。音は良いのだろうけど、LPで聴いていた時とくらべて特段に変わったという感じはしません。むしろ、攻撃的でありながら繊細な音作りは、もとからしっかりと表現されていたのだと認識も新た。そういえば、宮殿だってLPの音は十分に衝撃的でしたしね。やはりしばらくは繰り返し聴いてしまいました。
STARLESS AND BIBLE BLACK 74/CD/GBR/JPN PONYCANYON PCCY01426 *「太陽と戦慄」と「レッド」の狭間にあって、8曲中6曲はライブから構成されたトラックということだが、内容的には全くのオリジナルアルバム。特に際立った個性が感じられないのは、両作を先にかなり聴き込んでしまってから聴いた私の不幸かも。今回、改めて聴いてみると、タイトルどおりの暗黒の力を感じさせる迫力も十分。それにしても・・・もうちょっとこれ以上、このころのクリムゾンについて何か言うのは私には無理だわ(^^;。
U. S. A. 75/LP/GBR/USA ATLANTIC SD18136 *権利関係か何か理由があるのだろうが、再発される機会が他に比べて少ないライブ盤。クレジットを見ると、エディ・ジョブソンが後からバイオリンのパートを補完している? 今ではたくさんのライブ音源が発表されているので、有り難味も以前に比べればだいぶ落ちたようだが(私も数百円だったのでついに購入(^^;)、太陽と戦慄パート2や21世紀を楽しむのには良いアルバム。
1514 79/LP/HUN/FRA WEA 883017 *激しいバイオリンのプレイもあるし、トラッドの醍醐味「地声のコーラス」ももちろん聴きものであるし、幻想的な演奏もあるし、といった具合で、きわめて変化に富んだ、飽きさせない工夫が凝らされている。総じて力強い雰囲気も魅力である。また、MALICORNE, LA CHIFONNIE などと同様に、HEXAGONE レーベルのジャケットは実に美しい。
MAKAM ES KOLINDA CD/HUN/JPN KING 280E52063 *キングの「ユーロピアン・トラディショナル・コレクション」の一枚として、国内盤が出た、マカームとコリンダの連名で発表されたアルバムだが、ダバシ・ペーテルのプロジェクトとして事実上はコリンダのアルバムと考えてよいだろう。オリジナル志向を強め、マジャールのみならずスラブとの交わりを深めてもいるということだが、やはり哀愁漂う中にも芯の強い情熱が込められた音楽性は相変わらずの魅力である。
MAKAM ES KOLINDA - UTON 84/LP/HUN/NDL MUNICH MU 7496 *マカームとコリンダの合名で出されたアルバムは私の知る限りでは3枚あるようで、その最初の作品がかつてキングから日本版が出たものだが、その中にはオリジナルアルバムジャケットの裏の写真が出ていて、MU7466というレコード番号が見える。この作品は、おそらく合名の最後の作品だと思う。間に一枚、フンガロトンから出ているようなのであるが、詳細不明。もし枚数が正しければ合名以前に3枚、合名で3枚出しているから、この作品の後コリンダ名で出したアルバムのタイトルが、単純に通し番号なら"7"だろうになぜ"6"なのか、その数え方が分からなくて気になるので、どなたかご存知でしたらお教え下さい。それはさておき、アルバムですが、素晴らしい。素晴らしい、というのはことばとして貧しいが、私が素晴らしいと書くのは、聴き始めてまもなく身震いしてしまって思わず「うーん素晴らしい」と誰かがそばにいてもいなくてもつい声に出していってしまうような、そういう場合である。演奏もヴォーカルも深く気品がある。民族性や歴史をじっくりと発酵させた音色であり、フレーズであり、歌である。
6 88/LP/HUN/NLD PAN 128 *おそらくこのアルバムあたりから、コリンダにグループ名を戻している。緩急自在、静と動、美しさと激しさを兼ね備え、伝統と革新が最先端で溶融しあったような作品である。言葉がまったくわからないのに感情が揺さぶられる。
TRANSIT 91/CD/HUN/NLD PAN 138CD *90年ベルギーと89年カナダでのライブに、スタジオ録音の小品を加えて構成されている、72分超の聴き応え十分のアルバム。ライブといっても演奏の緻密さはスタジオ録音と比べてもまったく遜色ないので、コリンダが初めてという人にも勧められる。
KONTRABURGER 02/CD/POL/POL ARS MUNDI AMS032R *アヴァン・ジャズ・ロックを思わせる7拍子の一曲目から意表を突かれる。トラッドそのものの雰囲気の曲もあれば、生ギターが初期クラウディオロッキばりのサイケだったり古楽風だったり。フルートやバイオリンも叙情的であったり攻撃的であったり。やや太目というか低目というか、重みのある女声ボーカルや地声のコーラスも素晴らしい。発想も音も重層的でありながらしっかりとしたまとまりと個性をもつこのバンドは凄い。
KORAI ÖRÖM
KORAI ÖRÖM 95/CD/HUN/AUT PB 078 *よく知らないのですが、ハンガリーのプログレでしょうか。何枚かアルバムが出ているようです。ミニマル風の繰り返しにサックスなども乗って、これはなかなかのめりこませます。深みのある音です。上品な太陽と戦慄パート2と言った感じ。
SOUND AND VISION 01/CD/HUN/HUN periferic KORA0006 *まずはいきなりアヴァンポップを期待させるような出だしなのだが、あとの展開が物足りない。ミニマルがユーロビートになってしまったかのようだ(というほどユーロビートなわけではないです、あくまでたとえとして)。ちょっとおちゃらけたダンスみたいで、どうもいただけません。
KORMORAN
FOLK & ROCK - LIVE IN HOLLAND 86/LP/HUN/NLD PAN120 *このタイトル、このジャケットで、中味を予測することはとても難しい。ハンガリーのトラッドバンドのオランダでのライブで、バイオリンが活躍する曲、エレクトリックギター弾きまくりの曲、トラッドの香りが強い曲、ロック寄りの雰囲気の曲など、いずれにしても確かに文句ナシの"FOLK & ROCK"なのであった! 案外、コリンダあたりよりも聴きやすく感じる人も多いかもしれない。ところでコルモランで検索したらミサイル愛好家?のページに一番多くヒットした。そういうミサイルがあるのですね。もともとは「カワウ」のことのようだ。