・『クローズ・ユア・アイズ』神戸公演の感想。

    11/8〜19、12日間14ステージ。
    そのうち、11/8(初日)、11/9、11/16、11/18夜の回。
    結局4回観てしまいました。回数控えようと思っていたのになぁ。
    でも(言い訳かも知れませんが)うち半分は当日券で行きました。
 
    こちら、あらすじです。というより、ストーリーそのものだな。
    クライマックスの手前まで書いています。
    書いてみてあらためて、この物語のエピソードの多さに気づかされました。
   どこまで書いたらいいか、区切りに悩みました (^_^;
 
   (文中、いくつかの作品感想へのリンクがありますが、特に指定のないもの
   は、基本的に初演の感想にリンクさせています)
 
    オープニング、ダンスシーン。
    天使たちというモチーフと、オリジナルの曲がとてもよく合っていました。
    まさに、空から光が降ってくる、そんな感じで。
    今回はダンスというよりは、アートって雰囲気。
    いや、ダンスもアート(芸術)の一種と言えるでしょうけど、どちらかと
   いうと、もっと「絵」的なアート。一枚の絵、そのものができ上がっていく
   様を見ているような、不思議な気分になりました。
    ……実は最初に観た時は、人の入れ替わりが激しくて(総勢20名ですから)
   ちょっと把握しきれなかったんですけど。
    あらためて観ると、張りつめた空気が透き通るようで、美しかったです。
 
    今回の劇中使用曲は、99年夏の『TRUTH』に続き2度目の全曲オリジナル。
    作品に合った美しい曲、せつない曲がもりだくさんです。
    早くサウンドトラックCDがほしい。でも(11/18現在)まだ発売されて
   いないし、予約した分も届いていません……早く聞きたいです。
 
    第1弾の感想にも書きましたけど、この『クローズ・ユア・アイズ』は、
   本当に「悲しくて優しい」物語だと思います。
    はっきり言って内容自体は、ものすごく辛いですよね……
    まず主人公「武三」が、物語が始まった直後に亡くなってしまうわけで。
   体は動かせるけど、いつまでもそうやって「生きていく」ことはできない。
   遠からず本当に「死ぬ」べき時はやって来る。
    そして、関東大震災。震災というものは、殊に関西(神戸やその周辺)の
   人間にとっては、まだまだ記憶に新しいこと。震災によるいろいろな傷は、
   決して癒されてはいない。人によっては、もしかしたらずっと、その傷口は
   生々しいままかも知れない。
    そういった傷を抱える人物が、物語の中にも出てきます。「琴江」もそう
   だし、「幸代」の友人や妹も。大切な家族を亡くした心の傷。
    さらに、「幸代」を探すために「武三」は必死で帰ってきたのに、彼女は
   震災の当日に亡くなっていたという残酷な事実。
 
    実際には辛いことをこれだけ扱っているのに、観終わった後は心がとても
   暖かくなるのです。
    それが、キャラメルたる所以、成井さんの世界なのでしょうね。
    辛いこと苦しいことを、隠しすぎない程度に、優しさや笑いのオブラート
   に包みこんでいる。
    誰かを想うこと、想われること、思いやること……「人が人を思う気持ち」
   のすばらしさが、人が死ぬことを題材にしながらも、物語の基盤にしっかり
   と根ざしている。
    だから、極端に辛すぎたり苦しすぎたりはせず、心の奥がほっとできる。
 
    ラストも、やはり成井さんだからこその展開でしょう。
    他の人が書いたら、おそらく「武三」が従兄の「寛治」夫婦に別れを告げ、
   「プロキオン」に魂を抜き取られるところで終わりになるんじゃないかな。
    でも成井さんは、そこで「武三」とお母さんを会わせるんですよね……
    最後の最後、もう「死にゆく」時に、10年会わずにいた母親との再会。
    人の原点は、やっぱり家族だということでしょうか。
 
 
    主人公「武三」の岡田達也さん。
    『俺たちは志士じゃない』(再演)から数えると、4度目の主役かな。
    この方の場合、メインの役どころだとフェミニスト系か少しガラ悪い系の
   どちらかですね(苦笑)
    今回は前者ですね。私はそちらの方が好きですが。
 
    自分が死んでゆく(正しくは、体が腐っていく)というのは、どんな気分
   なのでしょう。ためしに想像してみました。………………すごく嫌ですね。
    考えてみるだけでも嫌なのに、本当にそうなってしまったら。
    それこそ、想像を絶するものがあるでしょう。
    今まで、動くこと、体温があることが当たり前だった自分の体。
    それが、どんどん動かなくなっていく。冷たくなっていく。
    自分が確実に、生きている人間ではない「もの」になっていく。
    そんなこと言われたとしても、にわかには信じられませんよね。でも実感
   せざるを得なくなった時、どれだけ自分の体が大事に思えるでしょう。かけ
   がえのないものだったのだと感じられるでしょう。自分の体が腐っていくと
   言われて、思わず体のあちこちに手をやる「武三」の心情を思うと、苦しい
   ですね。あと、「寛治」に「出歩けるのは明日が最後」と言われるシーン、
   「武三」が自分の手をじっと見つめる表情も。
    ラスト直前、後はもう絵のことを託すだけになったあたりからの「武三」
   の笑顔は、全てを吹っ切ってしまった、執着も未練もなくなった者の表情と
   いう感じで……生きている人間にはそうそうできない表情に見えて、笑顔の
   爽やかさを感じられるだけに、それがとても淋しい。
 
    ごまかしながらも「生きていく」ことができるのは三日間。
    「武三」はその時間内で、会うために帰ってきた「幸代」を探した。
    でも彼女の行方が分かった後、「武三」がするべきことだと思ったのは、
   家族に会うこと。実際には「米子」のことがあったから、「仁太郎」を家に
   戻すために故郷に帰るのをやめたけれど。たぶん帰れなくなってしまっても、
   会えるものなら会いたいと思っていただろうな。……家を出ていった10年前
   からずっと、あるいは、無意識にそう思うことはあったかも知れない。
    最後に会えて、ほんとによかった。
 
    会えるといえば……
    「幸代」が亡くなっていたことは確かに残念でしたけど。
    でも、こんな言い方は良くないけれど、ある意味それでよかったのかもな、
   とも思う。
    だって、「幸代」が生きていたとしても、「武三」はすぐにいなくなって
   しまうわけですから……また、置いていかなければいけない。一人にならな
   ければいけない。
    二人のためには、そうならなくてよかったと言えるかも知れない。
    天で再会して、ちゃんと謝れたかな。手紙の内容も聞けたかな。
 
    少し余談になりますが。
    おっかーさんの役が「画家」という設定は、今回が3回目ですね。
    『風を継ぐ者』『あなたが地球にいた頃』に続いて。
    だからどうってこともないのですが、ふと思いましたので (^^ゞ
 
 
    天使「プロキオン」の菅野さん。キャラメルは1年3ヶ月ぶりですね。
    キャラメルでよくある役どころ、ストーリーテラーの役目を今回は担って
   います。一部で「影の主役」と言われる所以でしょう(笑)
 
    出るたびにおいしい役になってると言われますが、さて今回は……
    とりあえず出番は多いですね。「武三」のそばにいるわけですから、台詞
   がなくても舞台にいる時が結構あります。台詞無しで出ている方が難しいん
   じゃないでしょうか。演技上「遊べる」という面もありますが、それは本人
   にそれなりの「余裕」がないとかえって苦しいし。
    そういえば、一人台詞のシーンも多いし。ストーリーテラーですからね。
   でもただ語ればいいってものではないし。おまけに菅野さん、滑舌があまり
   良いとは言えないし(……あっ。)
    結構、大変ですよね、この役って。
    (しかし、どんな役をやっても何故か可愛さがある……ほんとに何故?)
 
    『グッドナイト将軍』でも天使が出てきましたが。
    性格とかは大きく違うけど、役割は同じですね。死んだ人を迎えに来る。
    天使(特にクリスマスで)というと、もっとハッピーなイメージで想像し
   がちだろうと思いますが、(今までのところ)キャラメルにおける天使は、
   わりと辛いイメージをしょっていると言えるでしょうか。
 
    『クローズ・ユア・アイズ』における天使は、その辛さというか、役割を
   もっとシリアスに表現していますね。
    「プロキオン」やもう一人の天使「シリウス」の、人の死に対する冷静さ。
    冷たすぎるくらいの冷静さは、確かに「天の使い」としての天使には必要
   なのでしょう。情に流されてたら、天へ連れていくという務めは果たせない。
   人間の視点から見れば、あまりにも情を解さないという場合もあるけれど。
 
    300年以上、おそらくそんなふうに天使を続けてきた「プロキオン」は、
   「武三」の担当になったことで少し変わるわけですね。そうでなかったら、
   最後にお母さんを東京へ来させたりしないでしょう。
    この時「プロキオン」は違う意味の、でも私たちが持つイメージの「天使」
   に近づいたのかも知れません。
    人の優しさや想いをわかることのできる「天使」に。
 
    ひとりの人間にひとりずつ天使がいる、って考えるのはいいですね。
    たとえ生きている間に独りだったとしても、命を終えた時は、独りになら
   ずにすむということですから。
 
    1シーンだけ、菅野さんが違う役をするところがあります。
    「武三」が「幸代」の妹と会って会話するシーン。「武三」の台詞を本人
   に代わってしゃべります。
    冷静すぎる天使もよかったけど、こういう、感情が見せられる役柄の方が、
   やっぱりいいかも。「幸代」が書いた手紙を「読んでみたかったな」と言う
   時のかすかな笑顔が、せつなかったです。
 
    ただ、とっても気になるのは。
    「クローズ・ユア・アイズ」って、わざわざ英語で言わなくちゃいけない
   の???
    セリフを用いる意味は分かりますけどね。でも、英語で言う必然性はどこ
   にもないと思うのは、私だけ? 大正時代の人間が英語に馴染みがあるとは
   思えないし(そりゃ「武三」はパリに行くくらいだから外国語の勉強もした
   のでしょうけど、だからって……)第一なんかすごく不自然。現代を舞台に
   していたとしてもきっと同じ。日本人に言うなら日本語が一番自然なのでは?
    タイトルを、いかにも無理矢理使ってるみたいでした。
    思えば『My Belle』の時もそうだったよなぁ……別に、タイトルそのまま
   をセリフに入れる必要はないんじゃないかなぁ。入れていなくても良い作品
   が、現にいくつもあるんだし。たとえば『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』
   とか、『風を継ぐ者』とか。
 
 
    その他の役と役者さんたち。
    ……18名も出演されてるので、あんまり長々書かないようにしないと (^^;
 
    「武三」の従兄「寛治」の久松さん。客演2回目、本公演は初めてですね。
    前回の出演時からわりといいなーと思ってたんですが、今回でかなり好き
   な役者さんになりました。前回は役どころが脇の方だったこともあり、持ち
   味を発揮しきれなかったかな、という印象なんですけど。今回は要となる役
   のひとつでしたし、その重みがしっかり出ていたと思います。ちょっとした
   言葉(相槌とか呼びかけとか)の発し方もとても上手いなぁと感じました。
 
    その奥さん「由紀子」が坂口さん。『TRUTH』以降、奥さん役が続いてい
   ますね。今回までの出演6公演中、4回か。
    やっぱり私は、ヒロインの坂口さんより、脇の坂口さんの方が好きですね。
   そっちの方が、キャラクターにすごくいい味が出てることが多い(と思う)
   んです。今回の「由紀子」も、辛いシチュエーションにおいて、時に笑いで、
   時に優しくあたたかく、観る側はもちろん、劇中の人物の気持ちも癒してく
   れる女性になっています。
    彼女が「武三」に故郷へ帰ることを勧めるシーンが好きな人、結構多いと
   思いますが。私はそのシーンで特に、「一晩じっくり考えてみて」と言いな
   がら「由紀子」が「武三」の手を握るところ……そこで彼女が自分の手元を、
   「武三」の手をはっ、と見つめるところが、せつないと感じます。今、こう
   やって話していて、普通に動いている相手が、本当は「生きていない」のだ
   と、理屈では分かってもやっぱり信じられない。なのに、なにげなく触れた
   手はこんなにも冷たい……そんな思いが伝わってくるようで。
 
    友人「仁太郎」の大内さん。
    パリで知り合って親友になったという設定ですが……一年だけでずいぶん
   仲良くなったものですね。苦楽を共にすると自然そうなるのかな。「親友」
   という言葉をあんまりあっさり使ってほしくないと思うのは個人的感覚?
    最初に観た時、なんか情けないやつだなぁと思ってしまいました(ファン
   の方々ごめんなさい)……ちょっと、潔くないといいますか。
    いや、確かに彼は彼なりに辛い状況に置かれてるんですけど。婚約者には
   振られちゃうし、必死で書いた小説も全部は読んでもらえなかったし、すぐ
   に作家になりたいのに十年勉強しろと言われるし。2回目観た時は、そりゃ
   同じ立場になったら、多かれ少なかれ自棄にはなるかなぁと思いました。
    ……でも同時に、やっぱり、甘えてると言われても仕方ないかも。
    婚約者「琴江」の一件も、彼女に対する「仁太郎」の甘えがなかったとは
   言えないような気がします。
 
    「琴江」にとって、「仁太郎」はお兄さんみたいな存在だったのかも。
    お父さん同士が友人ですから、昔から何度も会う機会はあったのではない
   でしょうか。そういう付き合いで、子供同士を結婚させるというのは、この
   時代ならなおさら珍しくはないのだろうと思います。
    「仁太郎」は「琴江」が好きだったようですが、「琴江」の方は、兄妹と
   しての感情以上のものは、持てていなかったのかも知れない。とは言っても、
   父親同士が決めたことでもあるし、結婚したくないほど嫌いではなかったで
   しょうから、拒否まではしなかった。震災が起きなければきっと、「仁太郎」
   が帰ってくる日を穏やかに待っていたでしょう。
    「仁太郎」は、「琴江」のそういう「素直さ」に甘えていた部分があった
   んじゃないかな。待っていてくれるということに。
 
    さて、その「琴江」は岡内さんでした。
    岡内さんはキレイな方だし、こういう役柄も雰囲気はとても良く合うんで
   すけど……少々、セリフ回しが気になるかな。時折、「立て板に水」みたい
   な調子に聞こえてしまうことがあって。それは実はこの役だけに限らないの
   ですが。
 
    「仁太郎」の弟「礼次郎」の、南塚さん。
    去る9月にはずいぶんと頑張られました。ご苦労さまでした。
    今回は、兄の婚約者を結果的に奪ってしまうという、ちょっと混みいった
   立場に置かれるわけですが。……うーん、真面目な軍人さんという雰囲気は
   あるんですけど、「礼次郎」本人の葛藤というか、苦しさがあまり見えてこ
   ない。本来、もっと大変なんじゃないのかな、この時代のこういう事態って。
   2時間の中であんまりリアルにしすぎちゃっても無理があるでしょうけど、
   それにしても、周りがあっさり「礼次郎」と「琴江」のことを容認しすぎて
   いる感じが。まぁ「謹吾」はいちおう反対の立場だけど。だけど、「礼次郎」
   だって相当悩んだはずなのに、そういうのが見えてこないんだよなぁ……
 
    兄弟二人の姉「操」の、岡田さつきさん。
    兄弟のみならず、その時その場にいる全員のお姉さん的存在という感じ。
    わりと、普段のさつきさんと近いものがあるのかも知れません。
    安定したセリフと演技が、登場シーンの空気を引き締めています。
    途中、女学生(正確には女学校の先生)スタイルに何度か着替えるのです
   が、それが大変可愛らしいですね。
    あ、これも余談ですけど、さつきさんと南塚さんの姉弟役も今回で4回目
   になりますね。『TWO』『広くてすてきな宇宙じゃないか(再々演)』・
   『TRUTH』ときて。
 
    三兄弟の父親「謹吾」の、篠田さん。
    公演前の情報では老人役とか言われていましたが……老人というほどでも
   ありませんよね、たぶん50代半ばから後半。まぁこの時代だと、現代の認識
   よりもその年代は「年寄り」なのかもしれませんが。
    ……なんていうか、「頑固なお父さん」の典型をいってるという感じです。
    厳しくて頑固なんだけど、可愛いところがあるという(笑)
    「米子」には弱味を見せたがらない点とか、「琴江」の手編みのセーター
   に屈しちゃうところとか。
    それに、とても家族を大事にしようとしてますね。普段は表に出さないけ
   れど。クリスマスを家族の日にしよう、と言った人ですもの。
 
    そして、「米子」も素敵な奥さんで、お母さんですね。
    家族のことをとても愛している。夫のことをよく分かっていて、子供たち
   のためをいつも考えていて。
    すてきな夫婦だな、と思います。
 
    「米子」は大森さんと中村恵子さんのダブルキャスト。
    私は大森さんの方を多く観たので、中村恵子さんの方は印象が薄いのです
   が……そうですね、大森さんは上品な感じ、中村恵子さんは日本的な感じと
   言えるでしょうか。
 
 
    「武三」と「仁太郎」が船の中で知り合った「森山」夫妻。
    奥さんの「翠子」が前田さん。
    夫の「典彦」は佐藤さんと成瀬さんのダブルキャスト。
 
    「翠子」はいい人なんだけど、少し極端なくらいお節介。
    そういうキャラクターが大変分かりやすかったです(笑)
    前田さんはこういう、特徴的な脇役が似合うようになってきましたね。
 
    佐藤さんと成瀬さんは……うーん、役柄自体が、はっきり言って影が薄い
   方なんだよなぁ。出てくる時はいつも「翠子」と一緒だし。しかも佐藤さん
   は1回しか観てないからほとんど覚えていないし……あえて比べてみれば、
   成瀬さんの方が、二代目実業家って雰囲気があったかも。
 
    クライマックス近くで、夫婦の間が一歩前進する展開なんですけど。
    一回観ただけだと、ほとんどの人にはいきなりに見えてしまうんじゃない
   でしょうか。それまでの「典彦」と「翠子」から、そういうものを読み取る
   のは少し難しいと思うので……展開を知った上で「典彦」を追ってみると、
   微妙に分からなくもないのですが。
 
    あ、少し違う話だけど、そのクライマックス近くのシーン、音楽はいらな
   いように感じました。音楽無しの方が、もう少しセリフとセリフの「行間」
   を感じられるのではないかなと思いました。逆に音楽があると、ただでさえ
   いきなりに見えやすいシーンが、押し流されるように感じてしまう……あの
   シーンの曲自体はいいと思うんですけど、使いどころを間違えたような……
 
 
    「芥川龍之介」の、細見さん。
    ある意味、この作品のキーポイントを握る人物ですね。
    出番は2シーンだけなんですけど、印象は強いです。……いえ、登場時の
   ギャグのせいだけではなくて(笑)
    『また逢おうと竜馬は言った』(再々演)の時は、キャラ的にいまいちで
   残念だったのですが、今回で少し復活したかな、という感じです。ちょっと
   安心。細見さんにはがんばっていただきたいといつも思っているので。
    ただ……ちょっと悲壮感が足りないかな。良くも悪くも。
    天使が見えるということは「その時」が遠くないわけで、実際、彼は3年
   半後に自殺するわけですけど。でも、そんなふうには見えないんですよね。
   確かに執筆のことで悩んでいる節はあるけど……というのが少し分かる程度
   で。あるいは、あの悲壮感のなさは意図的なのかな?
 
    もう一人の天使「シリウス」の、小川さん。
    「プロキオン」と同じく、セリフ数のわりには出番が多いんですよね。
    長塚家のシーンではほとんど出ている。
    セリフがない時の動きや表情を追っていると、おもしろいですよ(笑)
    まだまだ落ち着きがなくて、おっちょこちょいで、でも天使特有の死への
   冷静さはしっかり持っていて……新米天使としてのそういう性格がよく分か
   りました。白いワンピースとシンプルな髪型が可愛らしいです。
 
    女学生コンビの藤岡さん&青山さんと中村亮子さん&温井さん。
    温井さんは今年入団の新人さんで、今回初舞台です。
    女学生役の時には一度しか観ていませんが、「幸代」の友人役にもついて
   いるので、一応毎回観たことにはなります。……まぁ、まだどうこう評価が
   できる段階ではないですね。特に悪いとも感じなかったので、これからです。
    ダブルを比べてみると……個人的には藤岡さん&青山さんの方がいいかな。
   中村亮子さん&温井さんだと、バランスが悪い感じがしまして……中村亮子
   さんだけが目立っちゃう感じがしたんですね。青山さんと温井さんを入れ替
   えたキャストの方が、まだ釣り合いが取りやすくてよかったかも。
 
 
    ……あとのダブルキャストは、みんな1シーンだけの出演ですね〜。
    最初のシーンで「武三」を診察する「船医」の、佐藤さんと成瀬さん。
    「幸代」の友人役の青山さんと温井さん。
    同じく妹役の、藤岡さんと中村亮子さん。
    「武三」のお母さん役の、大森さんと中村恵子さん。
 
    こういう、1シーンだけの「エキストラ」に近い役を出すのって、キャラ
   メルの作品では珍しいですよね。少なくとも私が観た中では、『キャンドル
   は燃えているか』のウェイトレス役くらいかなぁ?(千秋楽での企画として
   出てくる役は除いて)
 
    特に、どっちがどうという感想はないのですが。それぞれに必要な役だと
   思いますし。
    どれか比べるとすれば、「武三」のお母さんかな。
    大森さんも中村恵子さんも良いのですが、個人的には「田舎のお母さん」
   の雰囲気がより出ている(と感じる)中村恵子さんの方が好きです。
 
 
    …………いや〜長くなっちゃいましたね、やっぱり。
    これでもかなり、書きすぎないように努力したんですけど(え、ぜんぜん
   信じられない? ……すみません)
 
    あ、またまた余談……ていうか、カーテンコールの話。
    今回は担当の役者さんが結構変わりましたね。私が知ってる限りで、初日
   と2回目(11/9)は岡田達也さん+篠田さん、3回目(11/16)は大内さん
   +坂口さん、4回目(11/18夜)は菅野さん+岡田さつきさん。大内さんは
   『竜馬』(再々演)の時にも一度観ましたが、一部で「実は天然ボケ?」と
   言われていますね。確かにそう思える時がなくもなかったです (^^; 菅野
   さんはたぶん、カーテンコールは初めてかな。なんか、慌ててしまってか、
   余計に口が回らないようでしたが(苦笑)
 
    今回は東京へ行く予定はないので、生ではすでに見納めですが。
    東京千秋楽(12/25)のステージが新神戸オリエンタル劇場にライブ中継
   されるので、それを観に行こうと思います。当然チケット確保済みです(笑)
    願わくば、無事に中継が行えますように……途中で切れたりせずに。
                               (00.11.25)
 
 
 


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