ーキャラメルな思い出・その4ー1997年7月〜10月ー

 ○『嵐になるまで待って』再演(97.7.観劇/98.3.ビデオ)

    駆け出しの声優・ユーリは、やっと大きな役をもらえたばかり。
    ……しかし不思議な力を持つ作曲家・波多野と出会ったことから、何よりも大事な声を
   奪われてしまう。
    一番信じてほしい幸吉にさえ、本当のことを信じてもらえないユーリは……
 
    93年初演作品の、再演。
    生の方が断然迫力ありましたね、やはり。
    セットも、初演のものが結構シンプルだったのに対して、再演のはかなり
   こだわりを感じられる造りでした。特に、クライマックスでのガラスを割る
   シーンは、本当に割ってしまう仕掛けにしてましたし(初演ではマイムのみ
   でした)。
    オープニングのダンスシーンも非常に美しい。しかしビデオでは照明全体
   が暗いためにあまりよく映っていなくて、とても残念……絶対にここは生で
   観てもらいたい、と思うシーンの一つでした。
    『風を継ぐ者』と並んで、現在(98年5月現在)の私のナンバーワン作品
   です。「舞台の記録」ページにも感想を書いてあります。
                               (98.5.15) 
 
 

 ○『キャンドルは燃えているか』初演(97.7.ビデオ)

    一年間で五千万、の仕事を大手会社から依頼された男女3人。
    仕事が終わって約束通りの報酬をもらったのはなぜか一人だけ。あとの二人には、訳の
   分からないガラクタとしか思えない物ばかりが入った袋。
    自分たちがしていた仕事はいったい何だったのか。そして会社の目的とは……?
    消された記憶を取り戻すために、3人はクリスマスイブの東京を走る。
                 *詳しいあらすじはこちら。(ラストまでは書いていません)
    93年クリスマス公演作品。ラストシーンが初日の5日前にできたという、
   いわくつき(?)の作品です。
    夏の公演を観に行った時、まっ先に買いました。雑誌「演劇ぶっく」の
   「えんぶちゃ〜と`93」で目にした時から、ず〜っと観たかったんですよ。
    これは、ちょっとミステリー風に始まります。大手家電メーカーから、
   一年間の期限付き・報酬5千万・仕事の一年間の記憶は消すという条件で
   雇われた3人の男女。しかし一年が過ぎて、約束通り5千万を貰ったのは
   1人だけ。後の2人の報酬は、何の役にも立たないような妙な品物ばかり。
   おまけに会社を出た途端、刑事に連行されそうになって……という展開。
    でもいつの間にかラブストーリーになってるんですよね。結構いきなり
   ではあるけど。「ミステリー風」の部分が長いから。
    ラストシーンはいい感じ……みたいなのに、暗くてわからない!
    最後に2人(近江谷さんと坂口さん)が、キャンドルを一緒に吹き消す
   らしいんですが、それも見えない。くやしいなぁ……
    この中で個人的に好きなのは、西川さん演じる「神戸」さんの家族たち
   (津田さん・真柴さん・酒井いずみさん)ですね。実際にいたらうるさい
   かも知れないけど、退屈しなさそうな人たち。
                              (98.5.15) 
 
 

 ○『レインディア・エクスプレス』(97.7.ビデオ)

    明治元年、五稜郭からの脱出の際に竜巻に遭い、年を取らなくなった3人の男。
    そのうちの一人・雷太は、第二次大戦直後に、ナオという女性と一つの約束をした。
    「何かあったら、必ず助けに来る」と。
    50年の時を経て、ある事件の渦中にいるナオの孫たちが雷太と出会う。
 
    95年クリスマス公演作品。
    クリスマス公演の作品の中では、ダントツに好きなものです。
   (『不思議なクリスマスのつくりかた』は、別枠で一番好きですが)
    98年春現在、活躍中の若手男優さん方3名(南塚さん・細見さん・大内
   さん)の初舞台でもあって、なんかお三方とも初々しいな〜って感じです。
    特に南塚さんと細見さんは、初舞台なのに結構ストーリーの中での配分
   が大きく難しい役をなさっていて、でもそれがとてもはまっていて、おぉ
   すごい、と思わされます。大内さんは……なんかかなりの部分でギャグに
   走らざるを得ない役と言いますか。うーん、いまだに(98年春現在)3名
   のうち大内さんだけが「おいしい役」を演じられてない気がしてるのです
   が、もしかして最初が悪かったのか……?
   (あ、大内さんファンの方もいますよね。ごめんなさい……)
 
    どの役もいいと思いますが、特に好きなのは西川さん演じる「雷太」と、
   坂口さん演じる「ナオ」おばあちゃんですね。
    西川さんはとにかくかっこいい!!! ファンの方なら必見です。私は
   これで西川さんに惚れましたから(笑)(でも、キャラメルの役者さんで
   一番好き、というわけでもない。皆さんそれぞれに、一位だと思っている
   優柔不断な私)
    「ナオ」おばあちゃんは、なんと言うか……80歳とは思えないほど元気
   で、なおかつ、若い頃の気持ちを良い意味で新鮮なまま持ち続けてるよう
   な……とにかく、いい感じの「おばあちゃん」なんですよー。坂口さんの
   当たり役の一つだと思います、私は。
 
    これは生で観たかったなーっ、と特に思うものの一つでもあります。
    再演してくれないかなぁ…………
                              (98.5.15)
 
    *2003年冬、タイトルと一部設定・ストーリーを変更しての「再演」が
     ありました。感想はこちらです。
 

 ○『TWO』(97.7.ビデオ)

    英会話教師・トオルには、手で触れるだけで怪我や病気を治す力があった。
    その力を使うたびに騒ぎになり、引っ越しをくり返してきたが、半年前にトオルを慕う
   マリとその家族に出会ってからは、力を使わない穏やかな毎日を送っていた。
    しかしある日、トオルの力を知った新聞記者が訪ねてきて……
 
    96年春・ハーフタイムシアター2本立て公演の作品のひとつ。
    これを買おうと思った理由は……実はあんまり定かではありません。
    当時「キャラメル用」と決めてた予算がすこし余っていたので、なにか
   もう一本、安いやつを買おうかなぁと思っていた覚えはあります。
    キャラメルのビデオで安いのというと、¥4800ものか¥5600もの。
    ¥5000越えたらちょっときつい? と思ったので、¥4800ものを選択。
   もう一つの96年ハーフタイムシアターものである『ハックルベリーにさよ
   ならを』という作品は、以前に友人のために台本買った際、渡す前に読ん
   でみて、だから内容知ってるしな〜とか考えて、こっちにした……って、
   理由ちゃんと覚えてるじゃないか。>私
 
    こういうストーリー、すごく好みです。今井さん演じる「トオル」と、
   岡田さつきさん演じる「マリ」の関係、そしてそれぞれの家族の関係。
    一時間の中に、物語の要素がぎゅっとつまってるって感じかな。普段の
   2時間ものは、観る側としては時間的に辛い場合があったりするんですが、
   一時間だと、ちょっと時間が空いた時に観やすい。2時間も間がない、と
   いう場合でもOK。
    まさに短編小説を読む感覚で観られて、後味もよくって、GOODです。
    惜しむらくは、ビデオで観た場合、ちょっと照明が暗いことでしょうか。
                              (98.5.15)
 

 ○『ディアーフレンズ、ジェントルハーツ』再演(97.10.ビデオ)

    引退した野球選手・景浦のもとに、息子だと言う少年・しんごがやって来る。
   景浦が江川からホームランを打つところを見に来たというのだが、彼は現役時代、
   一度も一軍に上がれないままだった。無謀とも思える挑戦を試みる、景浦たち。
    ソフト部の練習に出ようとしない女子高生・ナツメ。教育実習生の水原は、彼女
   をなんとか練習に参加させようとするのだが……
 
    94年サマーツアー作品。
    『アローン・アゲイン』直後の公演で、音楽も『アローン……』と同じく、
   全曲SPIRAL LIFE。
    『アローン……』でSPIRAL LIFEを好きになってしまったので、観に行こう
   かな?と思いはしたのですが、結局行かずじまい。で、その後ビデオで観ま
   したら「やっぱり行けばよかった……」と思ったのでした。ちゃんちゃん。
   (って、終わってどうする!)
 
    私の好きなタイプである「ギャグとシリアスのはっきりした」ストーリー。
    舞台の全体的なコントラストもきれいです。
    最後のシーンなんか、奥から一気にシャボン玉が出てきて、それが照明を
   反射してキラキラ光るのが、とてもうつくしいです。
 
    97年頃まで続く、今井さんと岡田さつきさんの「コンビ」が確立してきた
   のって、この公演のあたりからかなぁと思います。これ以前(『キャンドル
   は燃えているか』など)でも、すでに二人でのシーンはありましたが。
                               (98.6.21)
 
 

 ○『また逢おうと竜馬は言った』再演(97.10.ビデオ)

    ジェットコースターにも飛行機にも乗れない男・オカモトは、坂本竜馬に憧れている。
    同僚・本郷夫妻の離婚に危機に直面した彼は、自分の空想の竜馬とともに、二人の仲を
   とりもとうとするのだが、なかなか上手くいかない。
    しかも、思わぬところから絵画の密売事件に巻き込まれてしまって……
 
    95年サマーツアー作品。
    これを観てから「サマーツアー作品は好みのものが多い」と思いました。
    実際、92年〜98年のサマーツアー作品を見てみたら全部、かなり好きな
   タイプの内容なんですよね。うーむ。
 
    初演もビデオで観ましたけど、私個人は再演の方が好きだなぁ。
    今井さん演じる「オカモト」が、すごくその役本人らしくて。
    まぁ、再演を先に観ちゃったせいもあるかも知れませんが。
 
    あと、西川さん・菅野さんの悪役コンビも好きなんですね、実は。
    普段、悪役なんか演じそうにないお二人が「悪い奴」やってるのって、
   結構興味深いです。友人によれば「漫才コンビみたい」とのことですが
   (笑)
                              (98.6.21) 
 
 

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