○『クローズ・ユア・アイズ』

  <キャスト>
    (ダブルキャストはREDチーム/GREENチームの順)
   香取武三(画家)        :岡田達也
   プロキオン(天使)       :菅野良一
   正岡寛治(武三の従兄・開業医) :久松信美
   正岡由紀子(寛治の妻)     :坂口理恵
   長塚仁太郎(武三の友人)    :大内厚雄
   長塚操(仁太郎の姉・国語教師) :岡田さつき
   長塚礼次郎(仁太郎の弟・軍人) :南塚康弘
   長塚謹吾(仁太郎の父・法律学者):篠田剛
   長塚米子(仁太郎の母)     :大森美紀子/中村恵子
   森山典彦(実業家)       :成瀬優和/佐藤仁志
   森山翠子(典彦の妻)      :前田綾
   島木茜(操の教え子・女学生)  :藤岡宏美/中村亮子
   太田瑞穂(操の教え子・女学生) :青山千洋/温井摩耶
   石原琴江(仁太郎の婚約者)   :岡内美喜子
   芥川龍之介(武三の知人・作家) :細見大輔
   シリウス(天使)        :小川江利子
   武三の母            :中村恵子/大森美紀子
   船医              :佐藤仁志/成瀬優和
   幸代の妹・雅美         :中村亮子/藤岡宏美
   幸代の友人           :温井摩耶/青山千洋
 
 
    1923年12月22日――その日の朝、マルセイユから横浜に向かう船の一室で、
   香取武三は息を引き取った。日本への旅費を稼ぐために無理をして働き、体を
   壊して肺炎になったのだった。ベッドの傍らに立つのは、彼を迎えにきた天使・
   プロキオン。魂を抜き取ろうとしたその時……武三が何事もなかったかのよう
   に起き上がる! だが、プロキオンの声が聞こえ、姿が見えるということは、
   間違いなく死んでいる。そのことを分からせようとするプロキオンだが、武三
   は不審に思いながらも信じない。
 
    数時間後、船は横浜港に到着。友人の長塚仁太郎、船の中で知り合った森山
   夫婦とともに埠頭に降り立つ武三。港には、武三の従兄で開業医の正岡寛治・
   由紀子夫婦や仁太郎の弟・礼次郎が迎えに来ていた。看病疲れで倒れてしまっ
   た仁太郎を、寛治の家まで連れていくことになる。
    船内での話を聞いた寛治は、念のためにと武三の診察もする。しかし、寛治
   が調べた武三の体は、冷たく心音も全くなく、どう見ても死体だった。今日は
   とにかく家にいろという寛治の制止を振り切り、武三は外出する。
 
    武三が無理をしてまで日本に帰ってきたのは、4ヶ月前の震災で行方不明に
   なった恋人・幸代を探すためだった。途中で立ち寄った長塚家では、仁太郎が
   勝手にロンドンの大学を辞めて作家を志したことから、父・謹吾が勘当を言い
   渡す騒ぎに。家を飛び出した仁太郎は、森山家へと転がり込む。ようやく幸代
   の家があった両国へ向かうが、彼女の古い友人からも大した手がかりは得られ
   ない。そして、時間が経つごとに武三は、自分が本当は死んでいることを認め
   るしかなくなっていく……体は死体だから、少しずつ腐敗が進んでいるのだ。
 
    その夜、歓迎会のために一度家に戻った仁太郎につき合い、再び武三は長塚
   家へ。仁太郎に頼まれたせいもあるが、気になることもあった。昼間訪れた時、
   自分以外には見えない女がいたのだ。その女・シリウスはやはり天使だった。
   しかし誰を迎えに来たのかと聞いても答えない。しばらくして仁太郎の婚約者・
   琴江がやって来た。その場で礼次郎が重大な発言をする。年明けにロンドンに
   赴任する際、琴江と一緒に行くつもりだと。逆上し礼次郎に殴りかかる仁太郎。
   止めようとした謹吾が、胸を押さえて倒れる。慌てて寛治のところへ運び込む
   が、特別な異常はないようだった。だがシリウスの存在のため、武三は素直に
   信じられない。
    皆が帰った後、寛治たちは、武三に田舎へ帰ることを勧める。しかし、武三
   はその勧めを断わる。両親よりも幸代に会いたいからと。その言葉に寛治は、
   自分の命は自分だけのものではないと怒る。プロキオンも同じことを言うが、
   武三は諦めない。……翌日、武三は最初に長塚家へ向かう。家人とシリウスの
   様子を見るために。その結果、シリウスが本当に迎えに来た人物は、母・米子
   だと分かった。すぐ家へ帰るよう仁太郎に勧めるが、早く作家になりたい彼は、
   武三に芥川龍之介の家に連れていってくれと頼む。仕方なく一緒に行き、芥川
   に仁太郎の小説を読んでもらうように計らう。
 
    その後、仁太郎と別れた武三は、夜遅くまで寛治の家へ戻らなかった。何も
   飲み食いすべきでないのを承知で酒まで飲んでいた。由紀子が理由を尋ねると、
   幸代の行方が分かったという。……幸代は震災の当日、勤め先が火事になり、
   逃げ遅れて亡くなっていた。生き残った幸代の妹に会うことができ、そのこと
   を教えてもらえたのだった。大事な時にそばにいなかった自分を武三は責める。
   武三を慰めながら、寛治はこれからどうするのかと問う。武三が外を歩けるの
   は、体の腐敗の進行からいって明日が最後。何をするべきか、よく考えろと。
    翌朝、田舎へ帰る決心をした武三だが、出発直前に米子のことを思い出す。
   米子のために、家族みんなのために、仁太郎を家へ帰らせようとする武三だっ
   たが…………
 
 
 
 

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