・『怪傑三太丸』初見感想。

    初日(9/18)に観てきました。
    L列(6列目)22番(センターブロック右端)での観劇。
 
    北極のどこかにあるサンタランドも夏休みの季節。日本担当のサンタクロース
   ・大原松太郎(田尻茂一)は、10年ぶりに家族のいる家に帰ってきた。10年も何
   をしていたのかと息子・竹雄(久松信美)に問いつめられ、思わずサンタをして
   いたと言ってしまう松太郎。しかし当然、竹雄も妻・杉恵(中村恵子)も、その
   話を信じない。孫のみずき(前田綾)も疑っていたが、彼女には松太郎と一緒に
   いる妖精のトント(石川寛美)が見えた。
    数日暮らすうちに、松太郎はみずきに友達がいないことを知る。サンタの力
   でプレゼントを出そうとする松太郎に、みずきは大好きな本の主人公・渚姫を
   出してほしいと言う。その途端、サンタの袋の中から本当に渚姫(岡内美喜子)
   が現れた! 宿題のレポートのために渚姫を学校に連れていくみずき。しかし
   その後、渚姫を追う吹雪御前(津田匠子)の一味も袋の中から現れて……
 
    ………………う〜ん。
 
    いろんな人が「よかった〜」と盛り上がっているところに水を差すようです
   けど、私はなんだか消化不良な気持ちで帰ってきました…………
 
    観終わった後、「あれ〜?」って思っちゃったんです。
    キャラメルの舞台でそんなふうに思うのは、私としては珍しいです。
    で、考えてみたんですが……
    ……歌とか踊りとかアクションとかの、言ってみれば「見せるもの」が過剰
   だったのではないかな……と。
 
    歌も踊りもアクションも好きなんですよ。
    今回の歌や音楽はZABADAKのもので、私はZABADAKの音楽は好きですし、歌は
   いろいろ歌詞を変えてあったりもするんですけど、それでもいいと思えるもの
   が多かったし。
    踊りはもともと観るのも自分でやるのも好き。キャラメルのダンスシーンも
   好き。観てると自分も踊りたくなるくらいで。
    アクションも観てるとどきどきします。あんなふうに動けるのすごいなぁ、
   と思います。憧れます。
 
    ただ、「ストーリー」との配分のバランスが、良いとは言えない気がしたん
   です。……「見せるもの」、言ってみれば「ショー的要素」に時間を取り過ぎ
   て、肝心の「ストーリー」にいろんな「不足」……掘り下げの足りなさをなん
   だか感じてしまいました。
 
    こういう芝居もありかも知れません。
    観ていて楽しいのは確かです。
 
    でも、そういう点が勝ってほしくはなかった……というか。
    私はストーリーに重きを置いている方が好みなので、こういうふうに思って
   しまうんでしょうね。
    確かに「ファンタジック」ではあるけれど……
    サンタクロースや忍者は誰にでも分かりやすい対象だし、「見せるもの」が
   多い方がこどもでも馴染みやすいかも知れません。
 
    でもなんだか……成井さんが書いたものらしくない。こういう言い方は失礼
   かもしれないですが、成井さんが書いたものにしては「大雑把」な感が拭えま
   せん……
    もっとお話や人物を書き込んでほしかったな……と思うんです。
    人物ひとりひとりの「内面的なもの」がもうひとつ見え辛くて……
    ストーリーが心の中にスムーズに入ってこないように感じたんです。
    どちらもどことなくポイントに欠けるというか……焦点がぼやけているとい
   うか。たとえば『TRUTH』でしたら、メインの人たちがものすごく「濃かった」
   と思うんですね。でも『怪傑三太丸』は、そういう意味での「濃さ」がどこに
   あるのか分かりにくい感じで……
 
    この作品はこの作品なりの楽しさがあるとは思うんですけど(実際、楽しめ
   るものであったと思うのですけど)、少なくとも今のところ、まだ観ていない
   人に対してはあまりコメントしない方がよいかな、という気持ちです。
 
    まぁ初見なので、作品の流れを追うのに精一杯、かつ、ドライアイスに酔っ
   ちゃって頭痛も少ししていたので、あらためて観たらまた違う点を発見できる
   かも、です。次はもうちょっと落ち着いて観られるでしょう。
    新しく感じたことがあったら、あらためて書きます。
 
    新作グッズはやっぱり(爆)全部買いました。
    上演台本、サウンドトラックCD、オリジナルTシャツ、そして今回初登場
   のポストカード24種類。
    サントラCDは聴きながら帰りました。いや〜いいですね。
    書き下ろしのインストゥルメンタル、最高です。ZABADAKは歌ももちろんいい
   けれど、インストゥルメンタルもすばらしいと常々思ってます。
                                 (99.9.19)
 
 


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