前回以降 |
前回の診察日から2週間後、自らの判断により、服薬を完全に止めてしまう。
そして、罹患した右足の様子を窺うことにしたのである。
ついでに添えれば、これまでは禁忌とされた食物の摂取も同時に再開してみた。
そう、大好きな納豆である(笑)。
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9/11〜13 |
久々の出張。スケジュールは2泊3日。
朝から夜まで移動や歩き詰めの日々が漸く戻っては来たのであるが、やはり想像以上に脹脛のだるさと痛みが襲って来たのであった。
特にきつかったのは、階段の上り下り。いや、上りかな?
夜も近くなると、段々と階段を上がる足元が覚束なくなってくるのである。
入院生活による筋力の低下やスタミナ低下の問題もあろうが、どうもそれではなかったようであった。
脹脛に痺れや痛みが出るには参ったが、歩行が困難となるほどでもなく、列車に乗り、運良く座席を確保して暫くの間じっとしていれば収まる程度であったのが救いであった。
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9/24〜27 |
今後は、3泊4日。
しかも、結構強行軍である。
顔見世興行的な前回の出張とは異なり、いよいよ本格的な活動に入ったが為に、日々のスケジュールは昼食も摂れない程のハードなものになったのである(......とは言いつつ、出張に出れば、いつも昼食は摂らないのであるが)。
軽症だった前回とは違い、浮腫みは強くなるし、歩行移動中の痛みは酷くなってきたのである。当然、痺れのようなもののオマケ付きであった(涙)。
増して、ホテルに帰り、さて就寝......とベッドに寝転ぶと、今度は両足脹脛から下に激しい痙攣(要するに、足が攣った状態)が毎夜襲ってきたのである(泣)。
従って、碌に眠れず、毎日寝不足での仕事となり、疲れは倍増するような感じであった。
トホホ......。
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10/22〜25 |
ところが、不思議なことに、今回は何の問題もなかったのである。
スケジュールもほぼ同一であったにも関わらずである。
身体が慣れていなかったのか?......と自問してみるが、さて、如何なものだろう。
変わった点と言えば、弾力性ストッキングを新しい物にしたくらいであろうか。
新品時には、強烈な締め具合であるから、サポーターのような役割も同時に果たしていたかも知れない。
何れにせよ、まだ暫くはこのストッキングの世話にならなければいけないということであろう。
しかし、週末の休日には外しているのであるが......。
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11/6(wed) |
血管外科、診察日。
服薬を止めたことを告げれば、恐らく今日で診察も終了となるであろうことは容易に想像されるというものである。
せんせー、薬飲むの止めてるんですよ。前回の診察から2週後から、ね。
「あ、それはいいことですよー。薬を飲み続けるのは良くないですからねー。」
でもねぇ、足が攣るんです。特に、動き回る日が続いたときなんか......。
「それは良くないですねー。」
......なんやの、それ。言葉で遊んでる場合か!(笑)
早速、最後のエコー検査となるが、やはり閉ざされた血管が見えてくる。
「これは、ね。もう仕方ないですね。周囲の血管の流れに期待するしかないですね。」
ただ、これまでの服薬による肝機能の低下は見受けられず、また血液検査の結果も良好なことから、健康体であることの保証はしてくださった。これは、有難いことではある。何故なら、当然検査代金は支払うわけであるが、年に一度の健康診断に頼るよりも遥かに健康状態のチェックとなり得たからである。
数々の検査結果からは、今後新たな血栓が出現する可能性はないとのお墨付きをいただいたので、後はこの足と相談しながらの日常生活を送るだけとなった。
注意すべき点は、静脈瘤だけであろうと思われるが、念の為、紹介状を書いていただくことにする。
「何かあったら、私の診察日ではなくても来てください。」と仰っていただいたが、それには余りに遠すぎるからである(苦笑)。
さて、そんなこんなの診察も終了に近づき、懸案だったことを聞いてみることにした。
せんせー。同じような症状で病院に行った人の話では、碌に触診もせずに診断を下し、フットマッサージャーを勧めるだけと聞いてビックリしたんですけど、そんなことって実際あるんですか?
「えーっ!?......うーん、こんな症状が出ているからといって、全てが血栓症という訳じゃないんですね。でも、触診や問診も碌に取らないというのは、ちょっと......ですねぇ。まあ、医師と合う合わないという問題もありますし。」
医師という業界のことは少しは知っているつもりで、先の医師を擁護する訳ではないが、初診でははっきりせず、再来で症状がはっきりしてくることもあるそうなのである。従って、セカンドオピニオンを求められる立場の医師としては、非難・中傷することはしないようなことを聞いたことがある。しかし、それは自分が同じような立場に立ったときのことも充分に考慮した上での、ある意味、業界の馴れ合いであるかも知れないが。
ともあれ、これで診察は終りである。
椎間板ヘルニアの手術後、突然発症したこの訳も分からない疾患に恐怖した、そして絶望をも感じた深部静脈血栓症であるが、終りは実に呆気ないものであった。
そしてこれからも、こいつ(右足)と共に、私は生きていかねばならないのである。
*経過についての連載は、まだまだ続けます。
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