2006年ベスト
2006年に読んだ本、見た映画のベストです。本は新刊・旧刊問わず。映画は基本的に2006年中に公開されていたものです。ではどうぞ。
●本●
《総合》
今年は突出した1冊というのがなかった気がする。もうちょっと小説以外のものを読めばよかったかな。
@『デス博士の島 その他の物語』ジーン・ウルフ
この小説を理解したとは言い難いが、何かすごくかっこよくてぞくぞくした。
A『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
著者お得意の手法だが、他作より格段に切ない。
B『移民たち 四つの長い物語』W.G.ゼーバルト
そこになにかがあるという気配。
C『アラン島』J.M.シング
素朴かつ誠実な紀行文。
D『あなたに不利な証拠として』ローリー・リン・ドラモンド
如何ともし難い人生ではあるがやめるわけにはいかない。
E『最後の注文』グレアム・スウィフト
大人の友情は渋い。
F『ラギッド・ガール 廃園の天使U』飛浩隆
異形の美しさ。
G『世界の果てのビートルズ』ミカエル・ニエミ
もうひとつの「やかまし村」。
H『今からでは遅すぎる』A.A.ミルン
「くまのプーさん」の著者による自伝。
I『トルーマン・カポーティ(上、下)』ジョージ・プリントン
正に労作。《国内ミステリ》
率直に言って大不作です。5冊選ぶのすら大変だった。
@『マルドゥック・ヴェロシティ(1,2,3)』冲方丁
ジャンルとしてはSFなんだろうが、ミステリとしてもいけた。何より勢いに乗っている感があった。
A『乱鴉の島』有栖川有栖
孤島ものキター!
B『生首に聞いてみろ』法月綸太郎
正しく本格ミステリ。
C『松浦純奈の静かな世界』浦賀和宏
記念すべき八木シリーズ第一弾。ここから全てが始まった。
D『黒いトランク』鮎川哲也
やはり名作だった。《海外ミステリ》
こちらは豊作で選ぶの大変だった。
@『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』ジョン・ル・カレ
著者の他の作品と迷ったが、やはりこれを。かっこよすぎる。
A『死の笑い話集』レジナルド・ヒル
オールスターによる大活劇(ではない)。
B『ジーヴスの事件簿』P・G・ウッドハウス
いやもう面白いです。ただそれだけです。
C『風の影(上、下)』カルロス・ルイス・サフォン
本好きに捧げるミステリ。
D『荒ぶる血』ジェイムズ・カルロス・ブレイク
変化球ウエスタン。
●映画●
今年は邦画洋画共に大豊作で、選ぶのが本当に苦しかった。泣く泣く選んだ国内海外5本づつ。《邦画》
@『ゆれる』
ヒリヒリ感に唸った。
A『時をかける少女』
細田守の逆襲。
B『鉄コン筋クリート』
沸きあがれアドレナリン。
C『かもめ食堂』
のんびり、しんみり。
D『フラガール』
ベタの勝利。《洋画》
@『麦の穂を揺らす風』
心が揺さぶられる。
A『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
世界に潜む暴力。
B『ブロークバック・マウンテン』
思い出の中にだけある幸福。
C『ブロークン・フラワーズ』
ぐだぐだだっていいじゃないか。
D『ホテル・ルワンダ』
彼の知恵と勇気。
●おまけ●
2006年に私をわくわくさせてくれたマンガ(ほぼ)10冊。なるべく今年初めて読んだタイトル、もしくは以前から連載を読み続けていたけど今年に入っていきなりテンション上がったものを挙げてみました。番号は付けてあるけど便宜上つけただけです。
@『とりぱん』とりのなんこ
冷静な観察眼と描写力を持った野鳥観察マンガ。生き物に対する愛情はあるが、対象に対して一線を引いたクールな態度が好感度高し。
A『臨死!江古田ちゃん』瀧波ユカリ
臨死ってあなた・・・。西武線沿線在住女子の生活を描いたエッセイ系四コママンガ。おかしすぎる。プチ腹黒なのに男運の悪い江古田ちゃんがかわいい。
B『カラスヤサトシ』カラスヤサトシ
これもエッセイ系4コママンガだが、更にイタイタしい。そんなのないって!いやでもあるかも!とつい思ってしまう。
C『俺と悪魔のブルーズ(3)』平本アキラ
2巻までももちろん面白かったんだが、3巻でいきなり私内のテンションが上がった!アドレナリンがガンガン出てるぜ!クラウドが動き始めたことでストーリーも大きく動いた感が。
D『デトロイト・メタル・シティ(1〜2)』若杉公徳
2006年はこれを挙げとかないと終わらないでしょう!とうとう某大型CD店までジャックしてしまったクラウザーさん。●ックとガ●ャピン並の活躍です。
E『へうげもの』山田芳裕
趣味で天下取れるかな?!出世よりも茶の湯に生きる侍が主人公の戦国時代劇。色々な物が「飛ぶ」シーンの描き方がすごくいいです。
F『迷彩都市』我孫子武丸&中山昌亮
麻雀×ミステリ。私、麻雀のことは全くわからないのですが面白かった。これは我孫子のストーリー構成が上手いのかなと思っていたのですが・・・↓
G『泣く侍』中山昌亮
この人、ピンでも相当面白いんじゃないですか!今年一番のダークホースだった。時代劇マンガなんて殆ど読まないのに、これは続きが激しく気になります。地味だが読ませる。
H『ひまわりっ 健一レジェンド(1〜2)』&『きせかえユカちゃん(1〜9)』東村アキコ
ズルして2タイトル挙げさせていただきました。(一応)東村の私マンガ的作品であろう『ひまわりっ』もキャラクターが暴走して最早立派なギャグマンガ。
I『ボーイズ・オン・ザ・ラン(1〜4)』花沢健吾
田西の情けなさ・だらしなさは全く持って私の情けなさ・だらしなさであります。あああイタい・・・。でも走れ田西!寄り道している場合じゃないぞ!・・・自分で選んでおいて何ですが、何か漢気あふるるセレクトですねこれ・・・。色気も可愛げもございません。お粗末様でした。