<00.11〜12に観た舞台の記録>

  ・演劇集団キャラメルボックス『クローズ・ユア・アイズ』(2000.11)
  ・ランニングシアターダッシュ『REBIRTH』(2000.11)
  ・カクスコ『借りたら返す!〜レンタルショップ"USHIGAMI"の師走〜』(2000.12)
  ・リバーダンス2000(2000.12)
  ・劇団赤鬼『深海2000メートルのメリークリスマス』(2000.12)
  ・演劇集団キャラメルボックス『クローズ・ユア・アイズ』
                 クローズド・サーキットin神戸(2000.12)
 
 

 ・演劇集団キャラメルボックス『クローズ・ユア・アイズ』

       こちらへどうぞ。(ネタばれ無し)(00.11.9)

       →ネタばれ有り感想を読みたい方は、こちら(00.11.25)

 
 
 

 ・ランニングシアターダッシュ『REBIRTH』

    11/12〜15、近鉄アート館での公演。
    11/14に観てきました。
    A1列(4ブロックの客席のうち、Aブロックの最前列)1番(左端)席。
 
    ……実は、開演1時間15分前まで、家で眠りこけていました。
    アート館まで約1時間かかる身の上としては、大変焦りました。
    なんとか開演数分前に滑り込めたので、よかったですが……(ふー)
 
    真ん中に舞台があり、その四方を客席が取り囲む形。
    今年4〜5月のMOTHERの公演でおなじみの配置でしたが、ダッシュ
   では初めてでした。少なくとも私は。まぁ、毎回アート館を使っているわけ
   じゃないですけどね。私が知っているのは今回と、昨年の『エイト!』だけ
   ですし。
 
    天涯孤独の少女・柊樹里は、大学入学と同時に演劇部部室の扉を叩いた。
   そこは、舞台女優だった亡き母が青春を過ごした場所。誰もいない部室で、
   樹里は一冊の台本を見つける。『ジュリエットとジュリエット』というその
   台本の作者の名前は「柊樹里」――そこに挟まっていた一枚の写真。写って
   いた人物は、夢で何度も見てきた男性とそっくりだった。時間工学の研究者・
   時渡教授の助言にしたがい、樹里は30年前へと旅立つ。
    1985年・春。大学内では2つの演劇部が存続をかけて争っていた。50年の
   歴史を持つ、男性部員のみの演劇研究部・浪慢座と、現在の座長が発足させ
   た劇団野良。クリスマスイブの日の対決に負けた方は廃部となる。テーマは
   『ロミオとジュリエット』。「新しい演劇」を模索する劇団野良に、新入生
   が二人入部する。樹里と、演劇の名門校から来た桐島マリア――樹里の母親
   となる少女だった。
    30年前と自身の関わりを探していくうちに、樹里は写真の男性と出会う。
   勢いで『ロミオとジュリエット』の台詞を交わす二人だったが、偶然それを
   見つけた浪慢座の座長が、強引に樹里の出演を決めてしまう。ロミオは樹里、
   ジュリエットは看板役者の柊……彼が桐島マリアとつき合っていて、のちに
   自分の父親となる人物と知ってからも、惹かれる気持ちを抑えられない樹里。
   柊も、樹里に好意を抱くようになっていた。マリアに頼まれた柊への手紙を
   全く渡さないままに日が過ぎていく。そんなある日、樹里は劇団野良オリジ
   ナル『ロミオとジュリエット』の台本を書くことになり……
 
    DMで予告はされていましたが、本当に、正真正銘ラブストーリーでした。
    あまり「クリスマス」という色が濃くはありませんでしたが。劇中音楽に
   そういう曲目があったり、十字架が劇中でモチーフとして使われていたりは
   しました。
 
    いつもはスポーツをテーマにして、練習風景とかもたくさんあったりする
   ので、作品に「運動部」「体育会系」な雰囲気が強いんですよね。
    まぁ、演劇もある意味「運動部」なんですけど、やっぱり少しいつもとは
   違って見えました。ラブストーリーの比重が大きいせいもあるでしょう。
 
    おもしろくて、楽しくて、でもすごくせつない。そんな物語でした。
    ダッシュってよく考えたら、人間ドラマけっこう上手いもんなぁ……
    ヒロイン「樹里」の苦しさ、嬉しさ、せつなさが、めちゃめちゃ伝わって
   きました。迷いに迷ったけど、結果的には前向きに進むことを選んだんです
   ね。後ろ向きじゃなくて。つらかっただろうけど。
    自分が誰かを好きだった時の気持ちを、追体験したような気分でした。
    また、こういう作品をいつか観たいなぁ。
 
    2時間ちょっとの時間を、かなり濃密に感じました。
    事あるごとに出てくる劇中劇のセリフや、「樹里」たち3人が太陽・月・
   地球にたとえられるあたりなどが、妙に詩的というか、ラブストーリーと
   いう物語の色づけをさらに強くしていた感じですね。個人的にはそういう
   手法は好きです。あんまり多用されすぎたり、甘くなりすぎたりすると、
   どうかなと思いますが、どちらにも偏ってない(と思った)ので私はOK。
    おおむね良かったんですけど……ラストシーンは無くてもよかったかも。
    その一つ前のシーンで終わらせた方が、余韻はすごいと思いました。
 
    ちょっと余談。
    最近、キャラメルが前と比べて「大人の芝居」になってきてると思います
   が。私が好きになった頃のキャラメルって、今のダッシュのような、ある種
   問答無用のパワーをもっと持っていたように思うんですよね。もちろん今の
   キャラメルが嫌いというわけではないですが(好きな点はまだまだたくさん
   あります)そういう、ある意味「若さ」もいくらか作用するような力強さは、
   今のキャラメルにはあんまり見られないなぁ、と。そう思うことが最近多い
   ので、ダッシュを観ると妙にほっとする気持ちが起こります。
                              (00.11.14)
   
 
 

 ・カクスコ『借りたら返す!〜レンタルショップ"USHIGAMI"の師走〜』

    12/15〜18、大阪天王寺・近鉄アート館での公演。
    本日初日(12/15)に行ってきました。
    C6列(右サイドブロック6列目)3番(ブロックの左寄り)席での観劇。
 
    カクスコは初見です。テレビでもビデオでも観たことありません。
    去年(99年)秋、キャラメルの役者さん目当てで観た某番組に、メンバー
   の岸博之さんが出ていらしたのをきっかけに(前々から評判も良かったし)
   観に行きたいなぁと思いつつ例によって月日が過ぎ……飛び込んできた来年
   (2001年)解散のお知らせ。
    こりゃ生で観ておかなきゃ後悔する、とようやく足を運ぶ段取りに。
 
    私がチケットを取った時にはまだいくぶん余っている感じだったのですが、
   当日は立ち見まで出る盛況ぶり。……でもところどころ、急用でもできたの
   か空席があって、もったいなかったです。立ち見の人に譲ってあげられれば
   いいのに。
 
    上演時間2時間17分。……2時間程度だと思っていたので、ちょっと長く
   感じてしまいました。そもそも私は、2時間以上になっちゃうのは個人的に
   少々つらかったりして。アート館は椅子も小さいしな。近鉄小劇場の固さに
   比べればまだましだけど。
 
    タイトルの通り、「レンタルショップ"USHIGAMI"」の師走の風景が、淡々
   と連なっていきます。特に大きな事件があるわけでもない……でも、最後の
   「どんでん返し」はきっちりあったりします(笑)
    そろそろ(もう)いい年?の男6人の、「あーなんかこういうのありそう
   だなー」的日常(仕事場)の風景。さりげないユーモアと相まって、観る側
   の意識を無理なく舞台の世界に引き込んで、かつ気持ちを楽に、そして楽し
   くしてくれます。
 
    劇中で数回聞くことができる、メンバー皆さんの歌。アンコールのおまけ
   でも歌ってくださいました。クリスマスソング。どの曲かは内緒にしておき
   ましょう(笑)
    さすが13年来の仲間同士、見事なハーモニーです。久しぶりに心から拍手
   したいって気持ちになりました。
 
    こういう集団が来年で解散というのは、とても残念です。
    どうしても多かれ少なかれ観る側の好みが極端になりがちな演劇の世界、
   そんな中でも、大半の人が安心して、気負わずに観ることのできる劇団だと
   思いますもの。
    いつもこういう場合に思うことだけど……もっと早くから観に行ってれば
   よかったなぁ。惜しいことをした。
    来年にやるという総集編公演、どんなのだか全然予想もつきませんけど、
   絶対観に行こうと思います。
                              (00.12.15)
 
 

 ・リバーダンス2000

    12/14〜17、大阪城ホールでの公演。
    12/16に観てきました。
    F20列(舞台を右斜めから見る位置、後ろから2列目)17番席での観劇。
 
    自分が通ってるダンス教室の発表会以外、ダンスの公演を観たことは実は
   ほとんどありません。友達のバレエとかも抜きにすると、今回が初めてかな。
    去年(99年)の初来日公演が終わった直後によかったという評判を聞いて、
   次に来たら絶対行きたいと思ってました。……たしか『RENT』もそう思って    
   いたかと思うのですが、あれは初演も再演も結局行きませんでした (^^;
    二の舞いにならずにすみました。
 
    大阪城ホールも行くのは初めて。
    漠然と「大きいんだろうな〜」と考えてましたが、きちんとホールガイド
   で見てみると、収容人数約14000人…………新神戸オリエンタル劇場の20倍
   以上、近鉄劇場の約14倍!
   私の席は舞台からかなり遠い位置でした。出演者の顔の判別もつけにくい
   くらい。……アリーナ席がうらやましい。
    こんなに遠くで良さとか分かるのかな、と思わず不安に。
 
    結論から先に言えば、よかったです。というかすごかった。
    振りの多くはステップだけで構成されていたんですが、それだけでも十分
   すごいと感じました。やはりプロの技は違いますね。あたりまえですが(笑)
    席が遠いかもな、と一応用意していった双眼鏡も、結局はほとんど使いま
   せんでした。双眼鏡のレンズで観る(多少の)アップより、遠くても自分の
   目で直に観る方がよかったんです。不思議なものですね。
    欲を言えばもっと近くで、あるいはもっと規模の小さい会場で観たかった
   ですね。初演はフェスティバルホールだったらしいので、きっと今回よりも
   濃密にあの雰囲気に浸れたんだろうなぁ。生で初演を観た人がうらやましい。
 
    ダンス音楽の演奏も全部ライブで、すごく迫力ありました。
    帰り、たまたま会った知人に借金までして (^^; CD買ってしまいました。
    私は少しばかりケルトの世界に興味を持っていまして、ケルト音楽もわり
   と好きなんです。加えて、教育実習に行った時に仲良くなった英語(外人)
   の先生がアイルランド出身で、アイルランド独自の小さなドラムみたいな物
   をちょっとだけ演奏してくださったこともありました。
    今回それと同じらしき楽器が使われているのを見て、懐かしく思いました。
                              (00.12.23)
 

 

 ・劇団赤鬼『深海2000メートルのメリークリスマス』

    12/12〜13に大阪梅田・HEP HALL、12/22〜25に六甲アイランド・神戸
   ファッションマート内イオホールでの公演。
    12/22に観てきました。
    全席自由なので、真ん中よりやや後ろの列、センター近くの席を選択。
 
    去年の3月の初見以来、全然観に行ってませんでした (^^;
    機会があれば……とはずっと思っていましたが、タイミングが合わなくて。
    というより、公演会場が少し遠いことと、予算の都合ですな、やはり(爆)
    今回も決して近くはなかった(乗り換えが4回もあった)のに、なにゆえ
   行ったかと言いますと。「当たりが出たらただになる」折り込みチラシで、
   数少ない(らしい)当たりに巡り会ったからです。先日のキャラメルの公演
   パンフに挟まっていました。
    どちらかと言えば予算が捻出できなくて行かないことが多いので、無料で
   観られるチャンスがせっかくあるのなら、と決心。
    乗り換えが多いわりには短時間で(約1時間)到着。駅を出てからの行き
   方がちょっとわかりにくかったかな……
 
    お客さんは、開演15分前の時点では比較的まばらでしたが、直前の頃には
   9割ほど席が埋まってたように思いました。席数は250ほどでしょうけど、
   もっと小さい会場だったとしても、客席がお客さんで埋まっている光景は、
   実際の人数に関わらず嬉しいんじゃないかと思います(公演やる側が)
 
    さて本編ですが。
    全体的に上手くはなかったです。きつく言っちゃうと、下手だなーと思う
   人も結構いました。あきらかに棒読みに近い人もいたし。
    物語の構成もバランスがいいとは言えない。特に前半部分は(その後続く
   辛い展開の反動だとしても)騒ぎすぎという感じがしました。うるさかった。
    前回多いと思ったダンスシーン、今回はオープニング1回だけでしたけど、
   次のシーンに移るまでが少々長すぎて、ダンスも時代背景の説明も中途半端
   になっていなかったかな、という印象。
    おおまかに言えばこんな感じで、不満の方が多かったですね。
    あ、そうだ。音響も大きすぎた。セリフが聞こえなくなる音響は意味なし。
 
    でも、それなのに。
    めったに泣かないこの私が、ぼろぼろ泣いてしまいました。
    なんでだか分かりませんが、涙腺固いんですよね〜。感動はしても何故か
   涙は出てこない。目が潤むこともあんまりない。
    なのに今回は、主人公の子供がらみのシーンでめちゃめちゃ泣きました。
   舞台を観て、こめかみが痛くなるほど泣いたのは初めて。
    子供役の役者さん(女優さん)の演技が、辛くて痛くて悲しくて。
    はっきり言って、この役をこの女優さんが演じているのではなかったら、
   こんなに涙が出ることもなかったどころか、「よかった」と思えるところが
   全然ないまま帰っていたかも知れない。それぐらい、インパクトが強かった。
   この作品はこの女優さんの演技で価値を高めていると思えたぐらいに。
                              (00.12.26)
 

 
 ・演劇集団キャラメルボックス『クローズ・ユア・アイズ』
                クローズド・サーキットin神戸
 
    12/25、新神戸オリエンタル劇場で。
    I列(9列目)25番(右サイドだけどほぼセンター)席での観劇。
 
    …………観てからすでに1ヶ月以上。
    こんなに長く感想書かなかったのっていつぶりだろう……なんてどうでも
   いい回想はおいといて。
 
    これまで『キャンドルは燃えているか』『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』
   でクローズド・サーキットが行われてきましたが、予定上どちらの時も会場
   に行けなかったので、参加は今回が初めて。なんとなくどんな感じかは話に
   聞いていましたが、初めてのイベントはやはりドキドキ。『カレッジ』以来
   出演なさっていない西川さんと近江谷さんが司会でいらっしゃるというのも、
   たのしみでした。
 
    平日の昼間だからか、前売段階ではどうもチケットの売れ行きが悪かった
   ようですが、当日は1階席はほぼ満席。2階・3階席はちらほらでしたが、
   クローズド・サーキットの時は1階席以外はあまり客席として使われないと
   いう話もあるので、結果的にどれだけ売れたことになるかは定かではありま
   せん。
 
    まずは西川さん&近江谷さんが登場。サンタ姿が大変よかったです(笑)
    中継が始まった時に備えて、東京からの呼び掛けへの応え方をいろいろと
   練習させられたのですが、どうやら途中から盗み見されていた模様……意味
   がないー(苦笑)
 
    開演前とカーテンコールはテレビ電話での中継でしたが、開演前はどうし
   た具合か、音声が画面より4秒ほど遅れて聞こえてくるという状態。
    はっきり言って、うっとうしかったですね。というより、まどろっこしす
   ぎる……あの時のイライラ感は体験してみなきゃ実感できないかも (^_^;;;
    カーテンコール時には正常だったのが幸いでした。
 
    さて肝心の本編。
    この手の作品は、回を重ねるごとに深みが出てきそうな感じがしますが、
   あんまりそういった意味での成長は感じられなかったかなぁ……どうもこの
   頃のキャラメルは、初日〜千秋楽までの間に「良くなったな」と思える公演
   に出会えない……うーん。
 
    明確な不満もあったし。
    千秋楽用だか生中継用だか知りませんが、神戸公演よりもギャグがやたら
   と増えていて、それらがことごとく余計なものにしか聞こえなくて、とても
   残念でした。この作品の、良い意味でのシリアス感が薄れてしまったように
   思えて。
 
    中継(公演)中、とある役者さん(って隠すことないか。篠田さんです)
   が予定のないシーンで見事にすっ転んでしまわれました……かなり痛そうで
   した。2000年の篠田さんは骨折したり病気になったり、少々受難の年?
 
    この公演を最後に、南塚さんと成瀬さんが退団なさいました。
    (発表は今年の年明けにありました)
    成瀬さんに関しては年末に話をちらっと聞いたのですが、南塚さんはまさ
   に青天の霹靂でした……あの時期(95年入団)の方々が退団するとは思って
   なかったので。……というか、南塚さんはもう6年目で、結構いろんな役を
   やってきて、『また逢おうと竜馬は言った(再々演)』では主役もやって、
   「キャラメルの役者さん」というイメージをこちらがかなりしっかり持って
   いましたので。そういう人が辞めてしまうと、開いた穴がとても大きい気が
   して、ショックも大きいです。成瀬さんのことはショックではなかった、と
   いうわけではないのですが、様々な事情で2公演しか出演なさらなかったの
   で、南塚さんほど「キャラメルの役者さん」としての存在感が強くなかった
   のは確かです(すみません)
    ……すごく残念ではありますが、ご本人が決められたことです。お二人の
   これからが幸多きものであるように、応援したいと思います。
                               (01.2.3)
 
 

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