<99.8〜9に観た舞台の記録>

  ・ランニングシアターダッシュ『新・ぼくの先生』(1999.8)
  ・G2プロデュース第4弾『いつわりとクロワッサン』(1999.8)
  ・演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』東京公演(1999.8)
  ・演劇集団キャラメルボックス『怪傑三太丸』(1999.9)
  ・ランニングシアターダッシュ『エイト!』(1999.9)
 

 

 ・ランニングシアターダッシュ『新・ぼくの先生』

    兵庫・伊丹AI・HALL(アイホール)で、7/30〜8/1の公演。
    尾道演劇祭への出品作品だったのですが、早くから伊丹での上演も決まって
   いました。
    また、「ランニングシアターダッシュ増刊号―アンコール・シアター―」と
   銘打たれての公演でもありました。「過去のレパートリーを期間限定・低価格
   にて完全再演」する新企画が「アンコール・シアター」だそうです。
 
    8/1のマチネ(昼の回)を観てきました。
    指定席A列(最前列。といっても前に自由(桟敷)席があります)0番(左
   端で、ちょっと舞台下手(左)側が隠れる位置)での観劇。
 
    日曜日なためか、当日券のお客さんも多かったようです。
    かく言う私も、前日までは迷っていて、別の用でこの日は出かけて、歩いて
   いるうちに「……やっぱり観たい!」と駆けつけてしまいました(爆)
 
       今回の主人公であるジャージ公三さんは初めて観たのですが、なんだかのん
   びりした、優しい印象の役者さんでした。今回の「天野先生」役にはよく合っ
   ていると思いました。
 
    ラグビーが全体のモチーフであること、劇中にスーパーカーが使われている
   あたりは、『BRIDGE』を思い出してしまう私。作・演出も同じ大塚さんですし。
    ……大塚さんといえば。
    私の右隣の席がず〜っと空いていまして、もし開演しても誰も来なかったら、
   詰めて観ちゃおうかな(笑)〜なんてことを考えていましたら、いきなり大塚
   さんがいらっしゃいまして、その席に座られたのです。わぁびっくり。
    頷きながら観ていらっしゃる姿が「あぁ演出家さんだな」という感じでした。
    そしてラストシーン……泣いていらっしゃいました (;_;)
 
       不満な点から先に言いますと……背景の設定がいまいち分かりにくかった、
   不十分な感じがしました。
    ラストが原爆投下の日、という設定がなんだかいきなりすぎる気がして……
   もうちょっと自然に、劇中の時代が分かるようにできてたらよかったかな〜と。
 
    「天野先生」が生徒たちをなんとか前へ進ませよう、未来への希望を持たせ
   ようとする姿には心打たれるものがあったし、生徒たちの会話にもいろいろと
   考えさせられました。生徒役の一人、岡部尚子さんはめちゃめちゃ面白かった
   です〜 (^o^)
    (カーテンコールでいきなり話をふられて、戸惑ってらっしゃる様子の岡部
   さんも可愛かったです)
    教師を(いちおう)めざしてる者としても、生徒を見守ろう、彼らができる
   ことから手助けしてあげようとする「天野先生」と、規則をひたすら重視する
   「黒川先生」の対比など、考えさせられるところもありました。
 
    ラグビーを人生に例えているところなども「なるほど〜」と思いました。
    どちらも予測不可能、どう転がっていくか分からない。
    先が見えないからこそ、前進するしかない。障害があってもそれを避けるの
   ではなく打ち壊していく。それでこそ希望が見える。
 
    ひとりひとりの人生は短い。いつかは終わってしまうもの。いつ、終わって
   しまうか分からないもの。
    ひとりひとりが持っている希望や未来も、人生が終われば消えてしまう……
   かに見える。でもそんなことはない。きっと別の誰かが、その希望を未来へと
   つないでくれる。人生に終わりはあっても、希望や未来はずっと先まで続いて
   いく。
    ほとんどの場合、私たちが忘れてしまっているだろうこと。
    理想的で夢みたいなことかも知れない。でもそれもきっとひとつの真実。
 
    いつもはヒロインの佐久間さんが「悪役」っていうのもめずらしかったです
   ね(……というか私が初めてなだけかな?)
       ああいう役も佐久間さん似合うんですね。別のところでも観てみたい。
    ただ8/1の時点では声が出しにくそうでかすれていらっしゃいました。
                                 (99.8.3)
 
 

 ・G2プロデュース第4弾『いつわりとクロワッサン』

    大阪上本町・近鉄小劇場で8/12〜19の公演。
    8/18に観てきました。
    E列(5列目・でも実質3列目)22番(右サイドブロック)での観劇。
 
    キャラメルの近江谷さんが客演するということで、行きました。
    G2プロデュースにも前から興味はあったのですが、なんとなく行く機会が
   取れずでして。
    この公演も直前まで迷っていましたが、98年1月『SWAP』以来の近江谷さん
   の客演姿が観られる機会だし、と思い切って行くことに決めました。
 
    当日4日前にチケット取ったのに5列目だったので、嬉しい反面「チケット
   売れてるのかな……?」と心配になりました。案の定、初日がガラガラだとか
   いう話があったりして…………う〜む。
 
    結局、私が行った日は公演の終盤だったこともあってか、満員とまではいき
   ませんでしたけれど、わりと客席は埋まっていました。よかった。
 
    泥棒たちが、自分の本当の職業を知られないために作ったバーチャル会社。
    ある日ひとりの若い男が事務員としてやってくる。
    元・賽銭泥棒だというその男は、頭がよく回り口が上手い。
    これでアリバイづくりに悩まされずに本業に励むことができると喜ぶ彼ら。
    そして念願の、チームを組んでの盗みを計画するのだが……
 
    近江谷さんは泥棒のひとり。
    結構出番が多いです。まぁ泥棒役の人たちは皆そうなんですけれど、パンフ
   レットによれば、この作品は「近江谷さんが主役のつもり」らしいです。
    わりと二枚目……のはずなんだけど、不器用で、何をやってもどうも上手く
   いかない。大学時代にやっていた絵も、泥棒も……そのうちアリバイづくりの
   ためについていた嘘が奥さんにばれて、浮気が発覚しそうになって……
    奥さんが会社に乗り込んでくるシーンはハラハラします。
    奥さん役の水島かおりさんが、嫉妬深い奥さんを上手く演じてらして、いよ
   いよ……というくだりではもう……すごいです (^o^;
    ひとつの嘘を隠すためにさらに嘘をついて、それが綻んでいく様を観ている
   のは、すごいドキドキしますね…………まるで自分のことのように。
 
    上演時間は2時間10分。
    なかなか笑わせてもらえるお芝居なのですが、近鉄小劇場の固い座席をその
   時間分耐えるには、ちょっと力不足だったかな……と思わなくもないです。
 
    しかし私の不満はパンフレットにあります。
    上川さんの、近江谷さんへの文章が読みたくて開演前に買ったんですけど。
    作品のあらすじが載ってました。……でもまだこれはまし。
    登場人物紹介で、ある人物が怪しい、と分かるような書き方がされてました。
    …………これはいくらなんでもあんまりでは???
    おかげで私、その人物のことを最初から色眼鏡つきで観てましたよ……
    つまんな〜い!
 
    さて、カーテンコールのネタが2つほどあります。
    2回目の方で、演出・出演の山西惇さんによる役者さん紹介があったんです
   けど、ずいぶん緊張なさっていたのでしょうか……近江谷さんの時に、「演劇
   集団キャラメルボックス」を「演劇ボックス」って………………(わー)
    その瞬間近江谷さん、死にました(笑)
    舞台の上でそのままぐらっと倒れてしまったのです。そりゃもう見事なほど
   にタイミングよく「ばたり」と。しかもしばらく生き返りませんでした。
    さ、さすが近江谷さん。場内大爆笑でした。(*^o^*)
 
    それと。カーテンコールで皆さんがお辞儀なさるのを見てたら、近江谷さん
   がいちばん深〜くお辞儀なさっていたんですね。キャラメルでの癖かな。それ
   もちょっと印象的でした。
                                (99.8.20)
 

 ・演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』東京公演

     →こちらへどうぞ。(ネタばれあります)
                                (99.8.23)
 

 ・演劇集団キャラメルボックス『怪傑三太丸』

     →こちらへどうぞ。(神戸公演初日、初見の印象です)
     →神戸千秋楽「役者さん一言挨拶」の
                内容が知りたい方は、こちらへ。
                              (99.9.23)
 

 ・ランニングシアターダッシュ『エイト!』

    大阪天王寺・近鉄アート館で、9/19〜26の公演。
    9/25のソワレ(夜の回)を観てきました。
    D5列(前から5列目)20番(右サイドブロックセンター寄り)での観劇。
 
    ……直前まで(まさに当日の昼まで!)行くの迷ってました。
    ダッシュは結構好きなので行けたら行くつもりでした。で、行くとしたらこの
   日の夜しか予定が空いてなかったのですが、何となく不安で……「いい、いい」
   という意見がかなり多くて、かえって不安だったのです (^^;
    でも思い切って行くことにしました。
 
    当日券販売開始の15分くらい前に着いて、列の6番目くらいに並びました。
    「売れてない」という話の通りか、公演の終わりの方だというのに、当日券の
   数がわりと多かったですね。それともあれくらいが普通なのだろうか……キャラ
   メルなんかだと、公演終わりの頃には指定席の当日券なんて少ないですからね〜。
    上述のように、わりと前の方の席を確保。
    余談ですが、当日券の列の、私より12・3人ほど後ろに、高校の部活の同期生
   がいました。私の学年の代に部長だったH嬢です(ちなみに私は会計でした)。
   彼女も元・演劇科生ですが、現在は演劇は観る専門だと言ってました。観ること
   自体も最近は多くないらしいですけど、ダッシュはかなり好きなようで毎回来て
   いるみたいです。その日もすでに2回目か3回目か……(「大きな声では言えな
   い券」を持っていたので(笑))
 
    今回の主役は宮腰さん。2月の『うしろから2番目のウィザード』でも主役で
   した。
    あの頃、およびCucina Milano Vol.1では脱色(?)していた髪が今は黒になっ
      ていて、ちょっと印象が違いました。今回は高校生役ですからね。私は黒い髪の
   方がいいかな〜と思いました。なんか可愛らしくて(笑)
    オープニングからモノローグが多かったですね。自分と兄の子供時代のバック
   に、BGMのように……
 
    今回のテーマスポーツは「レガッタ」。8人乗りのボートですね。
    とある高校の漕艇部、そこで一番の漕ぎ手だった主人公の兄・リュウスケが、
   突然ライバル校へと転校してしまう。入れ代わるようにしてそこへ入部する、
   主人公リュウタ。
    リュウスケを失って意気消沈する部員たちをリュウタは励まし、ようやくライ
   バル校との対抗試合を復活させる。川での優先練習権を賭けた苛酷な条件の試合
   に向けて、個々奮闘する部員たち……そして試合は雨の中で始まった。誰が見て
   も勝敗は明らかなこの試合の行方は…………?
 
    兄・リュウスケを演じたのが、今回客演のTEAM・発砲B-ZINの平野くんじさん。
    リュウスケ・リュウタの兄弟関係って、好きなんですよね。二人の後ろにある
   「風景」の懐かしさや優しさが見えてくるみたいで。大きくなっても子供の頃の
   ように付き合える兄弟って、いいなぁ。私は一人っ子なので、「兄弟」の関係に
   憧れることが時々あります。
    子供時代の回想もいいんですけど、特に好きなのは、試合前日(?)の魚釣り
   のシーン。明日になれば敵なんだけど、一緒にいる時はほんとに「兄弟」で。仲
   がいいと言っても、ベタベタしているわけでは決してなくて、気持ちの奥で強い
   繋がりがあって、その繋がりによる深い信頼の中に一緒にいる……みたいな感じ。
   だから言葉もそんなに多くなくていい。それでも「分かる」ものがある。
 
    リュウスケ自体もなんかいいですね。最初は勝手に辞めちゃって昔の仲間の事
   バカにして嫌な奴、という感じだったんですけど。彼は昔の仲間を「切り捨てた」
   わけではないんですね。むしろ大切だからこそ……ああやってバカにするような
   ことも言って、奮い立たせようとしたのだろうと。
    彼がいきなり転校した理由もそのへんにあるのでしょうか。
    なぜ転校しちゃったのか、はっきり答えは劇中では出てこないんですけど……
   ライバル校の漕艇部が強いのは前から分かっていたはずですから、そちらが良け
   れば最初からそっちに行けば良かったんですし。
    もしかすると、自分の実力ばかりが当てにされるのが嫌だったのかな……
    もっと、彼ら自身に頑張ってほしいと思ったのかも。
    あと、弟と対決したいって思いもあったかも知れません。子供の頃から、川で
   対抗試合を見るたびに、自分はこっちの高校に入るからおまえはあっちに入れ、
   という話をしてましたし。だからリュウタが高校入学したのを機に、転校したの
   かも……
 
    いつものダッシュらしい「元気さ」「熱さ」に加えて、優しいような懐かしい
   ような「風景」の見えてくる舞台でした。川の表現も多様で、ほんとに水が見え
   てくるようでした。
 
    さて、前回の『新・ぼくの先生』でなんか好きだった、岡部尚子さんと佐久間
   京子さん。
    岡部さんは漕艇部の部員の一人……男役。他の男優さんたちよりも「男らしい」
   のは何故?(笑)
    佐久間さんは兄弟の子供時代に登場する、川でボートを守るおばあさん。前回
   に引き続き「ヒロイン系」ではないですね。でも「重み」のある役で、芝居の中
   にポイントをきっちり残していらっしゃいました。
                                 (99.9.29)
   
 
 

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