カルネージハートは、ソフトメーカー『アートディンク』が世に送り出したマニアックな思考型シミュレーションゲームです。初代カルネージハートはプレイステーションのゲームとして発売され、買ってみたものの、やりかたがわからずゲームが進まないため挫折した人もいれば、そのマニアックさからどっぷりはまった人までさまざまです。カルネージハートはシリーズ化され、初代カルネージハートをはじめ、カルネージハートEZ、ゼウス、ゼウス2と発売されました。ゼウスとゼウス2の間に、パソコン版のゼウスも発売されました。ゼウス2以降、長く沈黙が続いていましたが、アートディンクのカルネージハートスタッフが『GENKI』として、カルネージハートポータブルが発売されました。カルネージハートシリーズの中では、カルネージハートポータブルが最新作です。
カルネージハートシリーズにおける特徴は、そのプレイ方法というか内容というか、うまくいえませんが、自分が操作してゲームをといていくことは間違いないのですが、プレイ時間の大半はゲームの進行ではなく、ゲーム進行をさせるための仮想ロボット(オーバーキルエンジン)作りに当てられます。内容は、木星の衛星で行われている戦闘の司令官となり、与えられた資金の中をやりくりし、オーバーキルエンジンの設計図や武器の購入、オーバーキルエンジンのプログラムを組み、自ら設計したオーバーキルエンジンを生産、出撃させ、敵基地を占領させます。オーバーキルエンジンは最大3機編成の部隊を組むことができます。敵部隊との戦闘は、自動化されており、プレイヤーはその戦闘時においては、戦闘画面を眺めることだけしかできず、参加してオーバーキルエンジンを操作することはできません。これが、他のゲームとの圧倒的な違いです。ZEUSになって、仮想プレイヤーの代理である主人公が搭乗するキャリアー(オーバーキルエンジンを戦闘場所へ運搬するための機体)をコントロールできるようになりましたが、オーバーキルエンジン自体はコントロールすることはできません。
カルネージハートの攻略はいかに強いオーバーキルエンジンを作れるかにかかっています。ゲームプレイ中のシナリオ攻略はカルネージハート攻略に詳細が書かれています。ハードウェアはある程度目的により似たような選択となってきますが、ソフトウェア、すなわちプログラムは、選択肢の幅が無限に近いため、人によりさまざまに違います。ハードウェアが似かよると、プログラムの良し悪しによって行動や、勝率などが変わっていきますが、プログラムの違いだけで、ハードウェアの差をひっくり返すほど強さが変わってしまうため、効率のよいあらゆる状況に対応できるプログラムを組むことは非常に重要です。シナリオ攻略においては、どれだけ強いオーバーキルエンジン(OKE)を作れるかであり、強いOKEを作るためには優秀なプログラムを製作する必要があります。強いOKEさえできれば、適当にでも進めていくことができます。資金を豊富に得るために15ターン目のボーナスと30ターン目のボーナスをもらった時点で、すぐにクリアし、特別ボーナスを得ることができますが、こういった攻略は強いOKEがあれば、どうにでもなることなのです。強いプログラムで、強いOKEをつくり、戦闘に勝利し、敵基地を早期に占領することによって豊富な資金を得、次のシナリオもしっかりとした設備投資を行い強いOKEを早期に大量に生産し敵基地を侵攻していく。これが、基本になります。そいうった、カルネージハートのシナリオの攻略のために、練習シナリオ、エウロパ、ガニメデ、カリストとそれぞれのマップの詳細と攻略レポートが詳細に記述されています。
初代カルネージハートでは、登場するクラッベ、クーゲル、ワイルドボアといった車両型OKE、ファイアインセクト、塵界、ゾルダードといった多脚歩行型、月影、ジュジュマン、火影といった二脚歩行型、リヒター、プロキュルール、サンダーラプターといった飛行型のオーバーキルエンジンが登場しますが、それらの特徴や性能の違いについてもそれぞれのページで詳細に述べられています。
またプログラムもオーバーキルエンジンごとにその詳細を載せ、チップの組み方の参考になるよう、また、同じプログラムにするだけで容易にシナリオがクリアできるほどの強いOKEを組むことができます。
カルネージハートシリーズでは、メーカーが開く公式の大会が今までにいくつか開かれていました。公式大会は、ゲーム雑誌に応募要領が記載され、オーバーキルエンジンのデータが入ったメモリーカードをメーカーに送っていました。上位に勝ち抜くまでは、メーカーによってOKE同士の戦いが行われ、上位まで勝ち上がったOKEは東京のゲームショウにて、公開の戦闘が行われました。それら、公式大会の結果の詳細が記されています。
(参照・引用 - カルネージハートをとことんやりこむCarnage-Fan♪)