<02.4〜6に観た舞台の記録>

  ・演劇集団キャラメルボックス『アンフォゲッタブル』(2002.4)
  ・加藤健一事務所『煙が目にしみる』(2002.4)
  ・『ダブリンの鐘つきカビ人間』(2002.4)
  ・演劇集団キャラメルボックス『四月になれば彼女は』(再演)(2002.5)
  ・KOKAMI@network『幽霊はここにいる』(2002.6)
  ・演劇集団キャラメルボックスチャレンジシアターVol.1
       ハーフタイムシアター『銀河旋律』ダブルヴィジョン(2002.6)
  ・地球ゴージャス『カルテ』(2002.6)
 


 

 ・演劇集団キャラメルボックス『アンフォゲッタブル』:(7)

    大阪上本町・近鉄劇場で、4/11〜21の公演。
    4/14・4/20夜に観てきました。
    それぞれ、I列(9列目)19番(センターブロック真ん中)席と、
   C列(3列目)13番(センターブロック左端)席での観劇。
 
    物語の雰囲気はわりと好きです。
    内容というか、細かい設定にはつっこみたくなるところがいろいろ
   ありますけれど。観ていてそれほど落ち着かない気分はなりませんで
   した。前回公演の『ブリザード・ミュージック』は過去への個人的な
   思い入れが強すぎたし。……とは言え、新作でも嫌な時は嫌ですから
   ね。『エトランゼ』とか。
 
    ネタばれまじりの感想はこちら。
                            (02.4.29)
 

 ・加藤健一事務所『煙が目にしみる』:(9)

    新神戸オリエンタル劇場で、4/20〜21の公演。
    4/21に観てきました。
    O列(3列目)7番(左サイドブロック・左側寄り)席での観劇。
 
    1階席は確か満席でしたが、2階・3階の方は空席がありました。
   キャラメル以外ではあんまり珍しくない現象だとは思いますが、舞台
   の良さと比べてみると勿体無いなと感じました。……まぁ観てみない
   と良いかどうかは分かりませんから、それも仕方ないですけど。私も
   観に行こうと決めたのはキャラメルの岡田達也さんが客演してるから
   だし (^^;
 
    でも、初演(2000年上演)が評判良かったというのは分かった気が
   します。加藤健一さんのおばあちゃんが最高!(笑)お年寄り役って
   難しいだろうと思いますが、上手くいくとはまり役にもなりますね。
   他の役と比べて暗黙に反則技が許されてる面があるし(笑)
    あと「(主に)家族の絆」が話の中心に置かれているのがポイント
   大きいかも。亡くなった家族に対する思い。良く言えば共感しやすい、
   悪く言えば泣かせやすい要素なんですけどね。
 
    当初の目当て(笑)の岡田さんは……1時間半の上演時間で開演後
   40分ぐらいしないと出てこないので、その点ではちょっと物足りない
   かも。役自体はそこそこ良かったです。普通の役(大学生?)を普通
   にこなしてました。キャラメルではここ1年ほど似たような役が続い
   ていた+あんまり「普通」の役って無いので、こういうのもたまには
   観たいですね。
    余談ですが終演後、劇場が入っている建物のある飲食店で岡田さん
   を見かけました。見たところ50・60代ぐらいの女性数人とご一緒だっ
   たので、お身内かなーと思っていたら、やはりこの日はお母様が観に
   いらしていたそうです(関連サイトの日記より)。
 
    全体的に面白かったし、優しい、ほっとする舞台でした。こういう
   作品は純粋にいいなと思います。観劇後感というか、観た後の気分が
   良いものって(少なくとも私が観るものには)最近多くない気がする
   ので、なおさら。
                            (02.4.29)
 

 ・『ダブリンの鐘つきカビ人間』:(8)

    大阪梅田、シアター・ドラマシティで、4/26〜29の公演。
    4/27の夜に観てきました。
    9列33番(右サイドブロック・左側寄り)席での観劇。
 
    6年ぐらい前に遊気舎で初演があったらしいですが、私は観ていま
   せん。いまだに遊気舎本体は観てないですし (^^;
    今回観ようと思ったのは、やっぱり出演する顔ぶれがおもしろそう
   だったから。同じ後藤さんの脚本+G2さん演出でもあるし、去年の
   『天才脚本家』ぐらいには期待できるかなぁと。
    話の要素自体は案外ありがちかも、と思う部分もありました。でも
   そこからどう発想してどう構成するか、は人それぞれであって、その
   点に関してはすごいなーと思った。加えて、この舞台を表現した役者
   さんたちも。演劇関係の「現役」の人たちを羨ましく思ってしまうの
   はこういう時ですね。
    ……まーちょっと、物語本体とギャグのバランスがいまいちという
   か、ギャグの比率が多すぎる気はしましたけど(でも結構笑っちゃっ
   たのであまり文句は言えない? (^^;)
 
    水野真紀さん・遠藤久美子さんには正直あまり期待してませんでし
   たが、案外(と言っては失礼?)よかったです。役の雰囲気に合って
   いたと思うし、演技自体もそんなに下手とは感じませんでした。
    タイトルロールの「カビ人間」役の大倉孝二さん。……初演を知ら
   ないし、大倉さんを何度も観ているわけでは無いので(多分1998年の
   『唇からナイフ』と2000年の『プロパガンダ・デイドリーム』のみ)、
   初演で演じた役者さんの方が良かったとか、大倉さんの演技はいつも
   同じだとかいう意見には何とも言い様がありません。たとえ観てたと
   しても好みの違いがあるだろうし。個人的には、無垢なキャラクター
   は結構気に入りました。ちょっと「?」と思ったのは、病気になる前
   (外見が美しく心が醜かった頃)の記憶が無いらしいという点。他の
   人たちはそういうわけでもなさそうだったので……まぁ、人によって
   症状が違うという設定だし、それはそれで有りなのかも?
 
    出演の役者さん、全員名前は知ってたんですが、初見の人が数名。
    阿佐ヶ谷スパイダースの長塚圭史さんと中山祐一朗さん。ビデオは
   CSで3本ほど録ってるんですけどね (^^; 中山さんの前半・後半の
   変化にびっくりします。
    元・劇団☆新感線の橋本さとしさん。テレビの『安楽椅子探偵』シ
   リーズで一度拝見してはいますが、舞台では初めて。……最初、橋本
   さんが出ていらっしゃるのを忘れていたので、登場後しばらくは誰か
   分かりませんでした。誰だか分かった後も「全然ちがーう」とか思い
   ましたけどね(笑)かなり笑わせられましたし、迫力もありました。
   新感線時代を観てみたかったなーとも思いました。
    Studio Lifeの及川健さん。劇団公演では女性役とかが多いみたい
   なので線の細いイメージがあったので、今回の嘘つきの小狡い少年は
   ちょっと意外でした。でも上手くできていたと思います。
    若松武史さん。この方もビデオで一度観たことはありますが、10年
   前(92年)の作品なのでかなり古いし、意識して観てはいなかったの
   であんまり覚えてません(苦笑)。想像してたより小柄な方でしたが、
   演技に重みがある役者さんですね(当然かも知れませんが)。
 
    その他の皆さんは、相変わらずと言いますか(笑)やっぱり皆さん
   うまいよなぁ……考えてみたら、ビジュアル的にも特徴のある人多い
   ですね。
    ハッピーエンドではないと聞いていました。二重の意味でそうかも。
   ブラックなファンタジーというか。あるいは「童話」の面で言うなら
   王道? 古典的な童話って残酷なのが多いらしいし。
                            (02.4.29)
 
 

 ・演劇集団キャラメルボックス『四月になれば彼女は』:(6)

    新神戸オリエンタル劇場で、5/4〜12の公演。
    5/4に観てきました。
    D列(14列目)24番(右サイドブロック左側)席での観劇。
 
    ……先入観とか無しで、ごく素直に観るならばそれなりに楽しめる
   舞台であろうと思います。
    しかしながら、初演を凄く気に入っていて、且つ最近のキャラメル
   に対して様々な疑問を抱いている私個人としては、どうにも受け入れ
   られない部分ばかりが目についてしまいました。……そういう見方は
   良くないし勿体無いんですけどね。
 
    台本がだいぶ改訂されていました。
    大きな変更は、15年ぶりに帰って来た母親を姉妹が受け入れようと
   する過程……つまりストーリーの中心部分。なのでキャラクターも、
   初演と比べると違う人物が多い(役者さんが違うということだけじゃ
   なくて)。特に母親「麻子」とその姉「結子」が、個人的な印象では
   人間くさくなった感じ。初演では「母親」としての純粋な想い自体を
   前面に出していた、けど今回はその強い思いゆえの弱さや不安などを
   浮き彫りにしている、というふうにも見えました。
    姉妹のうち、妹の「あきら」が持つ「人の心が読める能力」の解釈
   も違っていました。何故そういう能力を持つようになったか、という
   点を今回は定義づけているのですが、そのためにかえって、その能力
   を彼女に持たせた意味が薄れたように思います。母親がいなくなって
   から現れた力だから、母親が帰って来たことで必要無くなった……と
   いうのは論理的には成り立つんですが、逆に論理的すぎる気がして。
   そう思うのは、能力を使うこと自体で母親と自分の気持ちを知る初演
   の過程が好きだったからかも。……あと、能力に関する「あきら」と
   「耕平」のやり取りも、恋愛(以前?)的雰囲気のあった初演の方が
   好きなので (^^;
 
    他、劇中で読まれる手紙の数(初演5通→今回1通)とか、初演で
   「カンナ」を味方していた「上田部長」が(その行動の理由として)
   分かりやすく「ファン」という設定になっていたり。
    最近のキャラメルの再演としては、かなり大幅な改訂と言えます。
   ……ですが個人的には、近頃の改訂が成功しているとは思えないので、
   なんとも。書き手はもちろん、良かれと思って変えているのでしょう
   けど、前の方が良かったと思えてしまう時が正直かなり多くて。今回
   も9割方はそうでした……目に見えて分かる変更部分は(つまり上に
   挙げた点も含め)、基本的に初演の方が好みです。
 
    ものすごく気に入らないとまでは思いませんが、心動かされた点が
   あったとも言えないのが本音です。最初から最後まで、あまり気持ち
   が盛り上がらないままでした……うーん。
    初演が大好きなのは確かです。でもそれだけが理由じゃないはず。
 
    あと一つ。ここ何年かの傾向ではありますが、ギャグが過剰になっ
   てるというか、やらなくていいところでギャグが増えてるというか。
   今回もそう感じる部分が何ケ所かありました。余分なものは入れずに
   台詞や雰囲気を大事にしたいシーン、あるいは単にギャグの不要な時
   って確実にあるんですけどね。そう思う部分が作り手側と観客(少な
   くとも私の)側では最近かなり違うみたいで……
                             (02.6.8)

 

 ・KOKAMI@network『幽霊はここにいる』:(6)

    大阪上本町・近鉄劇場で、6/7〜9の公演。
    6/9(千秋楽)に観てきました。
    D列(4列目)22番(センターブロック右寄り)席での観劇。
 
    8年ぶりに町へ舞い戻ってきた詐欺師・大庭三吉は、家への道中、
   幽霊が見えるという青年・深川啓介に出会う。深川に見えるのは一人
   だけだが、他にも周りにたくさんいるらしい。その話を聞いた大庭は、
   ある商売を思いつく。幽霊たちの身元調査に利用するという触れ込み
   で、死人の写真を買い取るのだった。大庭の妻子をはじめ、昔の知り
   合いも胡散臭がるが、いつの間にか「幽霊商売」は皆を巻き込み拡大
   し、彼らの元に大金や名声が転がり込むようになる。そして騒ぎは、
   幽霊が大庭の娘と結婚したいと言い出したことから思わぬ方向へ……
 
    原作は安部公房氏、初演が44年前だそうです。
    設定も戦後あまり経たない頃(多分)なので、いま観るとちょっと
   古っぽいのかな……と思っていました。
    が、時代設定をはっきり感じさせたのは戦争の話ぐらいで、その他
   はあまり「戦後の昭和」という雰囲気はありませんでした。舞台装置
   や演出のせいもあるのでしょうが、なんだか「別次元のもうひとつの
   日本世界」という感じさえしました。言い方がオーバーかも知れませ
   んが……数十年前の物語と言うよりは、現代と密接にリンクしている、
   でも「現代」とは微妙に違う世界の物語というふうに見えました。
 
    ネット等で感想を見る限り、気に入らない人はとことん気に入らな
   かったのが今回の公演だったようですが、私個人はそれなりに楽しめ
   ました。「大庭三吉」のキャラクターにイライラしたり(演じた池乃
   めだかさんが悪かったわけではなく……むしろ上手かったと思うので
   すが、「詐欺師」というキャラ自体がどうも嫌みたいです)、劇中歌
   の箇所が多すぎてうるさいように感じたり、ハイレグジーザスの中坪
   由起子さん演じる女性キャラがどうにも苦手だったり(これは好みの
   問題でしょうけど……この方って、どこに客演してもこういうキャラ
   なんでしょうか)「なんだかなー」って感じるところも結構あったん
   ですけどね。
 
    人間ていうのはいつの時代も変わらないんだな、と思わされます。
    情報に踊らされ風潮に踊らされ、それらを発した立場の人々でさえ、
   気がつくと騒ぎの波に飲み込まれて容易に抜け出すことができない。
    最終的に人間は、自分が信じたいと思うものだけを信じて(信じた
   と思いこんで)、生きようとする。各々によって形は違うけど、この
   作品の登場人物も、そして私たちも。
 
    ネットの某所や知人の感想でも書かれていましたが、オープニング
   シーンが良いです。雨の町の映像から始まり、スクリーンの後ろに傘
   をさした人々の集団。その雰囲気と、音楽とダンスのみのワンシーン
   の融合がかっこよかったです。鴻上さんはこういう、オープニングの
   格好良い演出が上手いなと思います(……て褒め言葉になってない?)
                            (02.6.13)

 
 ・演劇集団キャラメルボックス チャレンジシアターVol.1
    ハーフタイムシアター『銀河旋律』ダブルヴィジョン:(8)
 
    東京新宿・シアターアプルで6/10〜20の公演。
    6/15の2時(Aキャスト)・4時(Bキャスト)の回を観ました。
    2列6番(左端近く)席・22列16番(最後列センター)席での観劇。
 
    (以下、当日の日記から転載)
 
      1時間のお芝居を2時と4時の2ステージ観るというのは、
     なかなか慌ただしい。99年のハーフタイム公演の時は劇場から
     出なくてよかったから比較的のんびりしていたようだ。今回も
     ロビーからは出なくともよかったのかもしれないのだが、何せ
     人人また人で暑くって、とてもじゃないけど留まれなかった。
 
      なんやかやと複雑な気持ちが無いわけではないが、はるばる
     観に行った甲斐はあった、と思う。Aキャストは当然良かった
     し、Bキャストもそれなりに面白かった。伝統バージョンのA
     を同時に観られたから思うことかも知れないが、Bは良い意味
     で別物に見えた。極端に言えば違う劇団が『銀河旋律』を上演
     している風でもあったけれど。でも、どちらもおもしろかった
     し、観て良かったと思う。伊藤さんを初めて意識して生で観ら
     れたし(94年の『アローン・アゲイン』の時の記憶はほとんど
     無いので)、再演の使用曲が劇場で、本番で聞けたのが個人的
     には嬉しかった。
                            (02.7.5)

 

 ・地球ゴージャス『カルテ』:(5)

    大阪・フェスティバルホールで6/8〜16の公演。
    6/16の昼に観てきました。
    2階L(左)サイドB列(2列目)9番(比較的センター近く)席
   での観劇。
 
    (以下、当日の日記から転載)
 
      地球ゴージャスの『カルテ』を観に行く。
      会場のフェスティバルホールは初めての劇場(同じ建物の中
     にあるリサイタルホールには映画の試写会か何かで一度行った
     ことがあるけど)。2700人入る劇場なので、とにかくでかい。
     幅も高さも普段行き慣れているところよりずっと広くて高い。
     今日は2階席だったのだが、一番前の列だったので思ったほど
     遠い感じはしない(当然、近くもないけど)。しかし前の手摺
     がかなり低めなので、気をつけないと何のはずみで落ちそうに
     なるか分からない感じで、ちょっと怖かった。
 
      舞台は……やってる人たちが楽しそうなのは良く分かった。
     某ページにも書いてあったように、ダンスパフォーマンスもの
     として観ればたしかに腹は立たない。とはいえ、そう思わずに
     観に行く人も結構いるだろうし(ていうか、そういう人の方が
     多いんじゃないかと思うんだけど。予備知識を誰からも入れら
     れなければ)、「芝居」を期待して行った人はかなりの確率で
     腹が立つだろうとは思う。私個人も、東京公演を観た人の感想
     をある程度読んで覚悟があったからいいものの、全く何も知ら
     ずに行ってたら絶対「なんじゃこりゃ」と思っただろう。正直、
     ここまで「芝居」の割合が少ない作品だとは思わなかったから、
     観ている間もちょっと「うーん」と感じたし。地球ゴージャス
     の今までの公演を観たことがないから何とも言えないところは
     あるけれど、チラシや雑誌の公演案内を見る限り、基本的には
     お芝居が中心だと読み取ってもおかしくないし、実際そういう
     人は多かったと思うし。もちろんストーリーはあるんだけど、
     ダンスやアクションやギャグの影に隠れてしまって、お芝居の
     部分は逆に添え物という印象が強い。……そりゃまぁ、人には
     好みがあるから気に入る人と気に入らない人がいてむしろ当然
     かも知れないけど、個人的には、お芝居だかミュージカルだか
     ショーだか分からない舞台は苦手なので。
                            (02.7.5)
 

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