東京出身。本名は俣野夏男。祖父は明治生命保険株式会社監査役を務めた俣野景蔵(1860-1936.9.28 同墓)。父は俣野景彦(1891-1952.3.17 同墓)。
景彦の前妻の靖(1905-1934.2.24 同墓)との長男。後妻のナヲ(1905-1999.1.29 同墓)に育てられる。
大伯父は教育者の俣野時中(8-1-9)、時中の子は洋画家の俣野第四郎(8-1-9)。叔母は小説家の水上滝太郎(5-1-16-6)の妻。
1954(S29)京都大学中退し、劇団民芸に入り、「火山灰地」「炎の人」などに出た。同時期に映画にも進出。「慈悲心鳥」で銀幕デビュー。
「美しい人」(新東宝)、「誘惑」(日活)、「一匹狼」(日活)、「大日本スリ集団」(東宝)、「人斬り」(大映)、「涙くんさよなら」(日活)、「哀愁の夜」(日活)、「激流に生きる男」(日活)、「戦争と人間(完結編)」(日活)など日活を中心に多数の映画に出演した。
特に60年代一世を風靡した吉永小百合と共演した日活映画「父と娘の歌」「浅草の灯 踊子物語」「激流に生きる男」「俺は死なないぜ」など脇役ではあるが演技に定評があった。'76東宝映画「風立ちぬ」にも出演している。
'56頃よりテレビドラマにも出演をするようになり、「真実一路」(NTV)、「幽霊屋敷」(KR)、「密林を越えて」(NHK)、「失われた恋の始末」(MBS)、「海彦・山彦 」(NHK)、「若い刑事」(CX)、「六甲山のふもとで」(NHK)、「鞍馬天狗」(NHK)、「二人の縁」(TBS)、「太陽にほえろ!」(NTV)、「落日燃ゆ」(NET)、「特捜最前線」(ANB)、「不毛地帯」(MBS)、「冬の花火」(TBS)、「パパになりたかった犬」(NTV)など多数出演。 享年57歳。
*墓石は「俣野景蔵家墓」。右側に墓誌があり「俣野夏男 景彦長男」とともに没年月日と行年が刻む。芸名は刻まれていない。
*波多野憲が眠る墓所は祖父の俣野景蔵を筆頭とした一族が眠る墓所である。左隣りの墓所は戊辰戦争で活躍した志士の俣野景明(5-1-16-8)の一族の墓所。その左側の墓所は銀行家の阿部泰二(5-1-16-7)。明治生命創業者の阿部泰蔵と優子(共に1-1-2-11)の分家した息子たちの七か所の墓所が右から(阿部泰二墓所から)生まれた順で並ぶ。叔母の都は作家の水上瀧太郎(阿部章蔵:5-1-16-6)、富美は阿部英児(5-1-16-3)に嫁いでいるため親族。水上瀧太郎の長男で孫は歌舞伎研究家・演劇評論家の阿部優蔵(5-1-16-6)は従兄弟。阿部一族の詳細の墓所情報は水上瀧太郎の頁へ。俣野景蔵は俣野景敏(谷中霊園)の三男であり、兄で次男は教育者の俣野時中(8-1-9)であるため伯父にあたる。時中の子は洋画家の俣野第四郎(8-1-9)は従兄弟。なお墓所の右隣りは会計学者の吉田良三(5-1-16-10)の墓所。その右隣り(右端)は新墓所区画で数基の墓石が建ち並ぶ。一番右端は日和佐小学校(徳島県海部郡美波町)校歌作曲者の谷啓輔墓所。