ここではわたしが傑作、もしくは価値ありと判断を下し、ビデオテープに残している回を紹介しています。わたしが傑作といっても他の人にはどうだかわかりませんが、そんな時は昔こんな企画があったのか、ってくらいに思ってください。放送日、順番は失念しておりますので一応放送順に近いかたち(下が古く上が新しい)になってますが諸般の事情により一部順番を変えています。そのところはご了承ください。本当に松尾貴史がよく出る。こんなにキッチュの出たネタをとっといてるんだなあと思いました。あと、渡辺祐の出演回数の多さといったら。最近はあまりでないのですけれど。
ゲスト:ken、松尾貴史(進行)、加藤明日美、竹村公太郎(解説) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラルク・アン・シエルのkenは知る人ぞ知るダムマニアで、入れ込みようは業界屈指。今回の企画はそんな彼の持ち込みであるらしい(真偽のほどはわからない)。なんでもダムは男の建造物であり、その中でも放水がもっとも男らしさを感じさせるのだとか。そこで、放水という観点から優れたダムをカウントダウン形式で紹介する。 カウントダウンの前になぜkenがダムを好きなのか聞くところからはじまるが、「トンネルやビルと違って中まで充填された最大の構造物であるところがいい」などと早速熱弁をふるいはじめるken。それに呼応するように竹村も語り出し、ダム好き2名はあっという間に意気投合した。そして「ダム好きにあらずんば男にあらず」というフレーズが入ったくす玉を割ってスタート。 トップテンは以下の通り。
基本的には淡々とダムを見て放水を見て、というだけだが、温井のコンジットゲートやクレストゲートから放水される様にkenはもちろんのこと他の面々も食いついてきたため、和やかに進んでいった。加藤ですら、放水になぜか大笑いしたり「(アーチダムの)他に形があるんですか?」と質問したり(あれ、もしかして台本か?)、「侮れない」と悟ったりしていい食いつき。放水シーンの隅にはそれを見ているメンバーの表情も映るのだが、思わず「おー」「すごい」と声をあげたり口を半開きにしたまま見たりと、最後まで興味深く見ていた模様。 加藤の質問を受けて初級ダム講座も開かれた。ダムは大別してアーチダムとロックフィルダム(フリップはロックフィルムダムと書いてたがまちがい)、重力式コンクリートダムの3種類である、というはなし。また、kenがいままで訪れたダムの話や、「たまに行くならこんなダム」として神奈川県の沼本ダムが紹介された。 第1位の黒部ダムは映画「ホワイトアウト」の撮影にも使われたらしいが、タモリのコネで?機動隊の役をもらったkenの出演シーンがカットされてしまったというこぼれ話で締め。 こんなご時世にあって流れに逆行するかのような完全なダム礼賛企画になってるのが素晴らしい。で、ダムといえばもろに学生時代にやってたことであり、いまもそれに遠からぬことをやっていて、さらには微妙に絡んでる第3回世界水フォーラムに竹村が噛んでおり、と他人事じゃないので贔屓目に見てしまうのは致し方なく。良かったです。kenがダムマニアなんてすっかり忘れていたけど、まだ興味が持続しているようで何より。迫力を出すためか、わざわざプロジェクターを使ってるのがいい感じ。こういう企画になると得てしてつまらながりがちな女性ゲストも加藤が健闘。ていうか、加藤明日美ってわりと好きかも。あの甲高くひどい笑い声がいい。 安齋、大島に行ったときに波に乗っていたら大波に巻き込まれて1回転したらしい。
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ゲスト:真鍋かをり、勝田和宏(進行)、中島らも | |||||||||
人間悩みごとはつきもの。タモリにとってはこれからの季節、収録時にどんどん寒くなるのが悩みであるし、真鍋にとっては周囲がどんどん就職を決める中、自分はこのままでいいのかというのが悩ましいらしい(ポーズだけのようにも思えるけど)。しかし勝田に言わせれば、こんな悩みは小さいものらしい。大正時代の人々はもっと大きな悩みを抱えていたというのだ。今回は大正時代の新聞投稿欄に掲載された悩みを見て、出演者がそれに対する回答を考える。 基本的な流れとしては、お悩み→タモリ・真鍋の解決策→らもの解決策→新聞紙上での実際の回答、といった感じ。新聞紙上の回答は担当記者が行っている。出てきた悩みは「理髪店で耳を切られるのが怖い」、「夕刊売りの少女の声の解釈に自信がない」、「異性に対する欲望を振り払いたい」、「ケツがでかい」、「声楽家になりたい」。かなりどうでもいい内容も含んでいるが、らも以外は熱心に考えている。 タモリや真鍋の回答は言ってしまえばありきたり・無難なものだが、らもは流石の回答。スタッフ含め爆笑の連続。後半はタモリも巻き込んで下ネタのオンパレードで真鍋はひとり取り残されるばかり。記者回答は、新聞という場である関係か要領を得ないものが多かった。 最後は真鍋がOPで語った悩みをらもに聞いてもらうが、これも見事なきわどい回答。タモリに「尊敬します」と言わしめた。 どこかで見たことあるなぁ…と思ってたら、ほとんど同じタイトルの本が出ていたっけ。その焼き直し? そんなことも考えられるので企画としては誉められたものではないが、らもが出てるのが非常に大きい。だってらもだよ! 画面に映り込んだ瞬間に大笑いさ。名古屋なんかに住んでいてはなかなか聞けない本物のらもの喋りに一安心さ。とくにここ2年ほどはキッチュの物真似でしか聞いていなかっただけに、やはり本物は違う、ということを実感。そしてその発想の奇抜さには感嘆。で、結局はらもの独壇場ですよ。真鍋嬢は戸惑いの表情を見せることしかできないわけですよ。もっとらもを出してくれー。 タモリ、後方パネルの落下に気を取られて1本目を見逃す。
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ゲスト:石田靖(進行)、みうらじゅん(講師)、真矢、乾貴美子 | |||||||||
核家族化の時代にあって親と子が疎遠になることもしばしば。そのようなぎこちない関係を解消する手段として親孝行、「親孝行プレイ」を提案しているのはご存知みうらじゅん。今回は彼を迎え、さまざまなシチュエーションの下での彼の親孝行哲学を学ぶ。 まず大前提としてあるのは、親を喜ばせることらしい。そういう点では真矢・乾はわりと意識しないまでも親孝行的なことをしているようだが、石田は親子の会話がなくなっており、ちょっと親孝行とは遠いよう。以降、寸劇を交えて親孝行プレイの何たるかを学んでゆく。基本設定は自分・父・母・妻・子ども、だ。 ひとつめは親孝行旅行。行き先は自分たちの希望を入れず、親の希望にすること、また、部屋は2部屋とって別々に寝ることが基本らしい。ほかに実践的な例としてホテトルプレイ(妻・子どもと共に一旦自室に戻って、ひとり両親の部屋に戻って話をする)を紹介。仕事について聞かれたときは思い切り大きく出つつ、居眠りをする(いつまでも子供っぽいところを見せる)のが高等テクニックなんだとか。 続いて帰省の場面。子供にお年玉の額の価値をわからせておく(例としてこち亀が何冊買えるかを示しておく)こと、母親とふたりの会話の時は母親と思わず女と思うこと、母親との会話キーワードは「ゆに〜く」、「ゆに〜く」地雷をしっかり踏むといったきわめて実用的なポイントが多数示された。 父親との会話シチュエーション例としては寿司屋のシーンを。最初の話題はやっぱり野球、親の懐は気にせず高いものを頼む、あえて父親に反抗して大将に仲裁させて父親をたてる、愛人の話を聞くといったプレイ内容が披瀝された。 ところでみうらもまだ体験したことのない親孝行プレイがあるらしい。それは何かといえば、刑務所の接見シーン! 妻も子も離れた中、「お前の気持ちを分かってるのは私たちだ」と言わせるのが究極のプレイだそうだが、さすがにそれは無理だろう。 「使えないっす」と真矢には一言で片付けられてしまうし、随分前からみうらがアピールしていることを思えば今更感漂う親孝行プレイだが、披露されたプレイ内容は地味に使えるものが多いと思う。さすがみうらは場慣れしているというか、こういう場での喋りが巧いと思う。また、久しぶりに進行を行わない、普通のゲストの立場になった乾が心なしか生き生きした感じに見えてたのしい。身も蓋もないツッコミも進行してないおかげか。特筆すべきは空耳役者鈴木氏が寿司屋大将役で台詞入り(!)で出てきたことか。なんでそんなことになったのかよくわからんけど、とにかくすごい。 久しぶりにジャンパー。絵コンテ入りのはがきでもあったらしい。それに対して2本目は対照的にするために敢えて選んだのでは、というほどひどい内容でタモリは「ナメんなおまえ」「これ(手ぬぐい)やるから帰れ帰れ」とおかんむり。
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ゲスト:中川家、アリtoキリギリス、蔵野孝洋、乾貴美子(進行)、岩永嘉弘(解説) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
風俗店名は世相を映す(この番組も世相を映しているが)。流行モノを取り込む素早さはピカ一で、「うただヌケる」(漢字不明)のような店名もすぐに登場する。基本的には一般的な名前から駄洒落によるネーミングがほとんどだが、今回は数ある風俗店ネーミングの中からグランプリを決める。といっても店は数限りないので、事前に選ばれた20店から合議制で選定。 岩永によるネーミングのコツは「駄洒落は一文字替えにとどめておく」「元ネタが真面目なほど面白い」「5文字はいい」「文字を足して違う意味を持たせる」。そういったあたりも含めてランキングを選んでいったが、最終的には時代に流されなさそうな名前が多く並んだ。上位はなぜか現在ないものが多かったが…。結果は下の通り。放尿の瀧は、出た瞬間皆感嘆の声をあげるほどで納得の一位だった。
最後に優勝した放尿の瀧に電話をかけてネーミングの逸話(といっても店長がつけたってだけだが)をかけてぼんやり終了。 風俗ネーミングといえばホンコン、エロも務められる女性といえば乾(史上初かもしれない中一週での再登場)、ということでいいコンビを手に入れた今回はネタも相俟っていい出来となった。顔色変えず店名を読み上げる乾、そしてタモリの提案する「サッペロ一番 塩ザーメン」に顔を輝かせて「上手ーい」と喜ぶ乾。素晴らしい。中川家・アリキリもバカキャラの石塚、喋らない剛と本人の意図とは違うとはいえそれぞれキャラが立っていい感じだった。中川家もこういうのに出ると重用されてる感じがしていい。岩永はなぜかタメ語で生意気! 時代の先端を走るギョーカイのヒットメーカーさまにはタモリ倶楽部なんてどうでもいいんですか? 蔵野・中川家・アリキリの絡みをみて「入りにくいね〜」とかいってんじゃねえよ! まあそれを除けば丁々発止のやりとりが展開されて弛緩することもなく、いい回だった。 安齋、サッカーワールドカップのために36回ローンでテレビを買ったらしい。
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ゲスト:安齋肇、YOU、クリス・ペプラー(進行)、大森庸雄(解説) | ||||||
相変わらず不景気の世の中だが、大物ロックスターの羽振りはこれまた相も変わらず衰える気配がない。大物かどうかはさておき、ジャミロクワイ(ジェイ・ケイのことと思われる)も何台目かのフェラーリを買ったとか。今回はそんなロックの大物たちの豪快なエピソードをカウントダウン形式で紹介する企画。 紹介されるのはザ・フー、ガンズ&ローゼス、ジーン・シモンズ(KISS)、ウータン・クラン、プリンス、エアロスミス、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、セリーヌ・ディオン、マイケル・ジャクソン(以上10位から順)、テッド・ニュージェント、エルビス・プレスリー、マドンナ(以上ランク外だが紹介された人)。ウータンクランはカテゴリ内の知名度はともかくとしてちょっと格が落ちる気もするが、何はともあれ大物揃いである。 そしてエピソードとしては車で突っ込んだ物件や出入り禁止になった物件を即買いした話、プールに高級車を沈めた話、観客の鼓膜を破った話(以上フゥー)、ボンジョヴィに似ている人を殴った話(ガンズ)、4600人と寝た(うち3000人とは6年で寝た)話(シモンズ)、脱獄してステージに出た話(ウータン)、飼っているチンパンジーを肝硬変で死なせた話(エルビス)、芝生にミネラルウォーターを撒く話(マドンナ)、風車が気に入って即買いした話(以上プリンス)、教会を買って屋上からマシンガンを乱射した話、チェーンソーを持ち歩き、新しいものは所構わず試し切りする話(以上エアロ)、英国に居ながらニューヨークのピザ屋に出前を頼んだ話(ポール)、1日で1億円以上の買いものをした話(エルトン)、ゴルフクラブ購入のついでにゴルフ場を買った話(セリーヌ)、あらゆる場所を貸し切る話、寝室ではピーターパンのコスプレをする話(以上マイケル)等々、いずれも「豪快」「伝説」の名にふさわしい珍エピソード連発。 解説なのにほとんど語らないと思っていた大森は、セリーヌに対してYOUが「嫌な女ですね」と言ったとたん熱弁を振るいだし、その姿は単なるファンであった。そんなもので、YOUには「ずっと抱いていたイメージと違う」などと言われてしまう。カウントダウン形式だったので最後に豪快王などを決めることもなく、スタッフから大森にセリーヌのフリップをプレゼントして締め。 企画自体はちょっと前から耳にしていて、保存版前提で接した今回。ロケ地は過去何度か使われている新宿の「ローリングストーン」、小道具としてこれまた何回か使われた、「ロック」にかけた岩と、お決まりのパターンが安心する。これで萩原健太が出演すれば完璧だったが、そういうエピソードには詳しくないのだろうか? それとも、今回出てきたような大物ロッカーは専門外と見たほうがいいんだろうか? YOUは、エルトン・ジョンを指して「おばさんは(重い荷物を)持たないですからね」と思っても誰も言わないようなことを堂々と電波に乗せて発言。よく言った!とも言えるが、ちょっと危険。順位付けはアド街ック天国以上に恣意的なものだからいいのだが、10位のフーの時がいちばん盛り上がったというのは企画としてどうか。いろいろな意味で1位にマイケルを据えたかったのだろうけど、うーん。期待に応えるほどのものではなかったけれど、中途半端に知っている人たちばかりだったこともあって楽しめたことは楽しめた。
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ゲスト:高井正憲、松尾貴史(司会)、勝田和宏、富川悠太、木下智佳子、武内絵美、石井希和、龍円愛梨、下平さやか | ||||||||||||
テレビ朝日のアナウンサー連で今度朗読劇「voice2」をやるらしいが、みんな台詞の量に不満らしい。実はこの量は各人の愛社精神によって決まっているらしく、それを局に関連するクイズによって測り、局アナたちがどれだけテレ朝を愛しているかを明らかにする。タモリと高井が解説となり、高井以外のアナウンサーが解答者としてクイズに参加。基本的には早い者勝ちで解答権が得られる。 第1問は「テレビ朝日の正式名称を英語で答えなさい」だがみんな首をかしげ、石井が大体答えられるくらいと早速暗雲立ち込め。さらに「現在のテレビ朝日社長名をフルネームで書け」は、書けないアナが二人もいるし、「朝日系列のシンボルマークを描け」に至っては誰一人正しく描けないという体たらく(シンボルマークは苦しい気もするが)。高井も、社長を似顔でごまかした龍円に「退場!」といったり、さっぱり答えの出てこない解答陣に「アナウンサーはまず聞くことから」と半ば呆れながら説教しきり。 最終問題を前にして、下平が5点でリード、武内が3点で追う低レベルな展開。最後は当然ジャンプアップクイズで、富川が正解。優勝をかっさらった。賞品はテレビ朝日社史。副賞としてタモリが「この人はテレビ朝日を一番愛しています」と自ら記した名刺入れが贈られた。副賞のほうがレアだ。 今回は久しぶりに当たりらしい当たり。もちろん、わたしがキッチュ好きであり彼が生き生きしていたから贔屓目に見ているところが大きいけれど、久しぶりにキッチュが企画に恵まれたように思われる。いじりやすいキャラを複数得たことにより小ネタは至る所で展開されたし、タモリとのコンビネーションもしっかりしていた。やっぱりBSデジタルで司会をやったり赤恥青恥に出たりするより、こういう場のほうがいいんじゃないかしら。まさか出るとは思わなかった高井も、発言に重みがあっていい味。アナウンサー連の無学っぷりも気持ちいい。アナウンサーのみなさんはこれで放送後大丈夫なのかと要らぬ心配をしてしまうくらい。フジ系でこれをやったらもっとひどいんじゃないかと思われるが。ただ、こういう半素人くらいの層が一番面白いというのはちょっと問題ではあるような。 安齋、この前の空耳SPまで下平アナのことを本気で「しもだいら」だと思っていたらしい。
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空耳アワード2001 名作100連発 | |||||||||||||||||||||||||||||||
ゲスト:矢口真里、石川梨華、安齋肇、下平さやか(進行)、セイン・カミュ(解説)、キャイ〜ン、坂下千里子、佐野史郎、CHAGE、PUFFY、上島竜兵(以上出演)、ウルフルズ(以上VTR出演) | |||||||||||||||||||||||||||||||
空耳アワードスペシャルである。通常のアワードと違って過去に放送された全ての空耳が審査対象となり(さよなら20世紀スペシャルもそうだったような気はするが)、タモリ曰く16年ぶりのスタジオ収録、審査員多数出演、セットもボキャブラ天国シリーズやアド街ック天国風のいかにもハウフルス的なもの、オープニングも久しぶりに生尻登場(ただし、CGの気持ち悪い尻も混入)、オープニングSEも泡に効果音「ドーン」で「アワード」というベタさで、かなり気合の入った仕上がりとなっている。一部で記載されていた「20周年記念」の冠ははずされていた。 スタジオの座席配置が下手から順に上島、坂下、PUFFY吉村、PUFFY大貫、佐野(以上下手側)、下平、安齋、タモリ、セイン(以上中央)、CHAGE、石川、矢口、キャイ〜ンウド、キャイ〜ン天野(以上上手側)となって審査スタート。大賞受賞ミュージシャンにはゴールデン空耳ジャンパーが贈られる。 空耳鑑賞は「空耳貢献アーティスト」と題されたミュージシャン別や「家庭シリーズ」「食べ物シリーズ」「ご長寿シリーズ」のような映像のシチュエーション別のテーマで行う。モーニング娘。出演によって扱いが懸念された下ネタものも、彼女らが一時退席(結局そのまま退場)することで解決。 さらには途中ウルフルズのサンコンJr.が投稿した空耳を紹介する「ウルフルズ空耳アワーに挑戦!!」、新作・リメイク空耳、出演者の名前が出てくる空耳、逆空耳として世界各国に存在する空耳アワーのパクリ番組も挿入された。特に、新作コーナーでは奥田民生が計3本VTRに登場、パフィーらを唖然とさせた。パクリ番組はイギリス、ドイツ、中国、ロシアにあるらしいが、番組タイトルは全て「空耳アワー」の直訳、ホスト名もタモリ、安齋の名に直結している。明らかに日本語を喋っていたりするし。 全部見終わった後、グランプリ候補を10作に絞り込んだのちにグランプリを発表。結果、アット・ザ・ドライヴイン「スリープウォーク・カプセル」に決定。ゴールデン空耳ジャンパーが贈られることになった。タモリ曰く「理由も言わずに送る」とのこと。 前回のスペシャルでは新しいめのもの中心で古いものは超有名作くらいしか流れていたような気がするが、今回は絶対数が多いだけに見たことのないものも多く、年代的なバランスは取れていたように思う。下ネタの扱いも、モーニング娘。組途中退場というウルトラCで乗り切って、昨年よりはずっとよかったのではなかろうか。もちろん、あれがない、これがない、というのは誰にでもあるわけで当然わたしにもあるが、ある程度は仕方ないとして十分健闘したというべきであろう。逆空耳のコーナーをもう少し減らすなりなくすなりすればもっと見られたのでは、という思いもあるけれど。大賞は今年オンエアのTシャツどまりのネタになったが、いつまでも旧作に大賞を与えていても、という気はするから評価したい。 ただ、テロップのひどいことといったら。「矢口真理」「上島竜平」って何だよ! せっかく出てもらってて失礼極まりない仕打ち。こういうところが杜撰なら豪華なセットなんて要らねえよ。あ、それとも阿藤快みたいに改名したのかしら。 オンエアされた空耳は下記の通り。
…全然「100連発」じゃねえし! ウルフルズもの・新作・リメイク・逆空耳を除いても100をちょっと超える。 空耳アワーの結果 上記リストとだぶるが、賞品が贈られたウルフルズ・新作・リメイクについて。
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リストラをぶっ飛ばせ! 文化人貢献度アピール祭り | |||||||||||||||
ゲスト:井筒和幸、杉作J太郎、パラダイス山元、みうらじゅん、蛭子能収、山田五郎(以上VTR出演) | |||||||||||||||
冬である。寒さの厳しさはもちろんのこと、この不景気の中で雇用関係でも厳しい状況となっている。タモリ倶楽部常連でありながら最近は出演ご無沙汰の文化人もこの流れを肌で感じているようで、結託してリストラ反対の狼煙をあげてタモリにビデオテープを送りつけた。今回は文化人たちがいかに番組に貢献してきたかという訴えを収めたビデオを、併録された彼らの最近の活躍映像とともに見る。要はダイジェスト版放送である。一応は出演者の中から誰を残すのか決めることになっているらしい。2週連続で放送された。 最初のアピールは漫画家・雑文家・俳優の杉J。見られる活躍は「Jとタモリの爆笑グルメ」「空振り本大反省会」「なぜ男はパンチラを見るのか」の3本。新録パートのアピールタイムでは事務所所属による連絡の取りやすさを売りにしていた。 続いてミュージシャン・公認サンタクロースのパラダイス山元。「梅垣義明の新ネタプレゼン大会」での活躍が見られた。守備範囲の広さ・公認サンタになるほどの人格をアピール。そして映画監督・井筒。「宣伝マン映画PR合戦」「業界人怒り王決定戦」 「相席恋愛術」での奮闘ぶりを放送。映画監督中超一流のエンターテイナーであることをアピールした。通常トークでは互いに足の引っ張り合いで団結力のないところをモロに露呈していた。(以上前編) 次がイラストレーターなど・みうらで、「エロスクラップ全30巻完成記念パーティー」「パンスト・オブ・ジ・イヤー」(これの第1弾)が流れた。心なしか扱う時間が長かったような。アピールでは故郷の両親を喜ばせるために、と最近の親コーラーブームに乗った発言を。雑誌編集者・山田は代表作「今週の五ツ星り」に「業界関係のゲーハー50人に聞いてみました!」を持ち込み、日本の将来のためにいつでも馳せ参じる覚悟をアピール。そして漫画家・蛭子。「ズールーダンスを習おう」「新・くノ一忍法帖 イメクラ七変化」「文化人が芸能界で成功する方法」を放送。「心ある人なら呼んでください」とアピールらしくないアピールをした。 以上、出揃ったところでタモリが生き残る文化人を決めるということだが、誰でもいいうえに責任を負いたくないタモリのこと、そのへんはうやむやなままで終わった。まあ、はなっから絞り込む予定などなかっただろうし。(以上後編) 今回はタモリの事故を受けての企画なので内容は薄いが、ダイジェスト版は今までほとんどなかった(はじめて?)のでそういう意味では貴重。事件後ご無沙汰だった蛭子も本当に久しぶりの番組出演で貴重。ダイジェスト部分は選択が上手く、良かった部類に入る企画をみな選んでいるため、面白さではここしばらくより上かもしれない。前編は杉Jの偉大さが浮き彫りになっただけのような気も。また、前編は見たことのある回しか流れなかったが、後編は見たことのない企画も見られ、特に一度見てみたかった「五ツ星り」が見られたのは大きい。教授の髪の多いこと! 他、実家滞在中に流れて録画できなかったエロスクラップ企画がまた見られたのも大きい。事故さまさまとは言い過ぎか。このように、過去の映像に新録部分を挟む手法は「タモリ倶楽部・裏ビデオ」ともイメージがかぶる。個人的には好き。面白さ云々を抜きにしても2本あわせて資料的価値があると見た。もちろん、今回の事故のようなことなくしてこんなことをやったらひどい話だけど。それにしても今回の企画、おそらく急遽企画変更して作り上げたものと思われるが、それでいてこの豪華な顔触れ…みんな本当に文化人生活の危機なのかも。 ちなみに前編のOPでちらっと映ったタモリ宛の手紙は筆跡から杉作筆と思われる。 空耳アワーの結果 前編で2本、後編で2本。安齋、みうらじゅん・いとうせいこうの「ザ・スライドショー」DVDの装丁、奥田民生のツアーパンフを手がけたらしい。
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プロジェクトSEX 性の挑戦者たち | |||||||||
ゲスト:乾貴美子(進行)、崔洋一、パトリック・ハーラン(以上出演)、坂井雅己、神長眞史(以上VTR出演) | |||||||||
平成10年8月、シリコンでダッチワイフを作った男たちがいた。しかも彼らは、業界の新参者であった。こんなつかみから始まる今回は、「シリコンの女神を創った男達−ダッチワイフの革命−」と題してシリコン製ダッチワイフができるまでをドキュメンタリータッチで追う。もちろん、評判の高いNHK「プロジェクトX
挑戦者たち」のパロディ。 本編はダッチワイフの歴史を簡単にたどってから、再現映像を交えながら開発者の視点でダッチワイフができるまでを順に見てゆく趣向。途中開発者をゲストに、などと言いながら崔とパックンが登場。再現映像の合間にコメントを残す。 本編ほとんどが再現映像で終わるので完成までの道のりを簡単に。 株式会社チェスナットはシリコンを中心とした医療器具メーカー。開発部長坂井は新製品としてシリコン製ダッチワイフの開発を提案するが周囲の猛反発に遭う。しかし「究極の人形を作りたい」という熱い思いが実って制作がスタート。試作の4分の1モデルフィギュアは評判となり、いよいよ実物大モデルの制作へ。人間らしい体型の維持に苦慮しつつ、試行錯誤の繰り返しでついに完成。ただ、局部まで細密に作ったために猥褻物陳列罪にあたる可能性が出てしまい、やむなく局部を分離させることで対処。そして平成11年3月、従来品との差をつけた命名、RARE-BORGが発売。高額にもかかわらず注文殺到でハッピーエンディング。現在は更に改良を加えた二人目を世に送り出したところである。 似たようなつくりで最近「イッてるつもり!?」があったが、今回は元ネタのせいもあってかそれよりずっと硬派な、番組らしさが存分に出た気合の入りようであった。「地上の星」は流れなかった(代わりに「時代」が流れた)けど、オープニングや再現映像とスタジオとのつなぎ、開発者インタヴューの原稿を読んでるのか談話なのかよくわからないぎこちなさなど、ほぼ元ネタと一緒なのがたいしたもの。もともと語感も似てるからか。元ネタとの整合性で言うならば、ナレーションにもう少し重みを持たせてもよかったかもしれない。元ネタのNAは田口トモロヲだから、交渉すれば出そうな気もした。しかし天下の公共放送の番組をいじるということは、パロディ企画の時は関係者に連絡を入れてるわけではないようだ。ほか、序盤の乾の台本通りというわけではないんだろうけでも強引な進行が中野安子っぽくてよかった。あとパックンの身も蓋もないコメントも素敵。笑う場面はほとんどないが、ただただ感心の非常に高尚な企画だったと思う。 ただ、今回企画の性格上か、「毎度おなじみ…」がなかった。辛うじて武田が喋っていたものもあったが今回はそれすらなし。それはあまりに寂しい。また、わたしはこれを見てから初めて「プロジェクトX」を見たのだが、真面目な話なのに妙に安っぽく感じられて笑いっぱなしという失礼な視聴者になってしまった。余談。 空耳アワーの結果 デスメタルデイ。タモリがデス風に叫んだら2本目はその通り始まって、会場大ウケ。
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900回記念緊急特別企画 2代目ソラミミストオーディション大会 | |||||||||||||||||||||||||||
ゲスト:なぎら健壱(進行)、眞鍋かをり、安齋肇、ポカスカジャン、YOU THE ROCK★、YOU、杉作J太郎 | |||||||||||||||||||||||||||
今回で番組も900回。そのよき日に安齋が突然の空耳卒業宣言。何でも空耳により遅刻のイメージがついてしまい、本業にも社会生活にも影響が出てきたのだとか(彼は本業では遅刻していないと語っているが、本業でも遅刻が多いことは空耳内トークでも語られている。強いて言うなれば見苦しい毎回の言い訳が影響しているのだろう)。会場は騒然、急遽2代目ソラミミストを決めるためのオーディションが安齋が事前に選んだ4組の間で開かれた。それがPSJ以下の4組である。タモリを含む他4名が審査にあたる。 始めになぎらからソラミミストに求められる条件として、近況の豊富さ・流暢な葉書の読み・音楽知識の豊富さ・一般的な英語の知識の4つが掲げられた。杉Jは早くもピンチといった感じだが、安齋でもこの半分くらいしか満たしていないと思われる。 オーディションは各組が実際にタモリと組んで空耳アワーを進めるという実戦形式で行われた。順番はPSJ、YOU、ユウ、杉J。PSJはグループの特徴でもある音楽を交え賑やかに、YOUはごくオーソドックスに淡々と、ユウはよく喋り、杉Jはダメ人間っぷりを大いに発揮して終了。 さて、いよいよ2代目ソラミミスト発表という段になって候補全員が隔週録りの番組ペースに参加できないことが判明。で、安齋が元の地位に収まることに。すなわち、次週からもソラミミストは安齋である。企画開始時からある程度予想されていたが、結局は元鞘だったわけだ。 先が読めていた点はマイナスだが、面白く見られると思う。下ネタ空耳でうつむき加減になる眞鍋を捉えるオヤジ的カメラワークが秀逸。何といってもスキだらけ、ツッコまれまくりの杉Jが素晴らしい。本当に2代目が選ばれるとするとオーディションを見る限りではダントツでYOUだろうが、身贔屓も加わって是非杉Jにやってほしいと思わせる内容だった。今更言うまでもないことだが、彼のダメっぷりが番組に良く合ってることを実感させる好例。YOUが的確なツッコミで杉Jのダメさを際立たせていた。久しぶりによく笑った。あと、PSJの絡みでシタールが見られたというのが個人的収穫。せっかくユウが出たのなら番組をかき回してほしいところだったがまあそれは次のお楽しみ、といったところか。 空耳アワーの結果 上記のような内容につき、変則的な空耳アワー。エントリーの4組が2曲ずつ紹介していった。
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