ここではわたしが傑作、もしくは価値ありと判断を下し、ビデオテープに残している回を紹介しています。わたしが傑作といっても他の人にはどうだかわかりませんが、そんな時は昔こんな企画があったのか、ってくらいに思ってください。放送日、順番は失念しておりますので一応放送順に近いかたち(下が古く上が新しい)になってますが諸般の事情により一部順番を変えています。そのところはご了承ください。本当に松尾貴史がよく出る。こんなにキッチュの出たネタをとっといてるんだなあと思いました。あと、渡辺祐の出演回数の多さといったら。最近はあまりでないのですけれど。
ゲスト:浅草キッド、井筒和幸 | |||||||||
近年は個室のあるレストラン、あるいはソバ屋で一杯というオッシャレーな食のスタイルがブームだが、タモリは当然そのような風潮に苦虫。そんな中浅草キッドが提案するのがラーメン屋で呑む、ということ。真っ昼間から呑めるラーメン屋こそ最新の呑み処、「居酒屋卒業」らしい。今回はそんな流れで、ラーメン屋で一応新年会という名目で呑み。 入るなり、慣れた手つきで冷蔵庫からビールを取り出す玉袋。つまみ代わりのトッピングもあっという間に出てきた。このように、すぐ呑める、すぐつまめるという点が高ポイント。居酒屋じゃないから、毎日行っても怒られないところもいいのだそうな。そこへ井筒も来店。あたりまえのようにワンカップを取ってから着席。 井筒も来たところで、ラーメンのトッピングを取り揃えて呑む。キャベツやらメンマやらコーンやら、ありとあらゆるトッピング(のみ)が並んだカウンターはまさに満漢全席。どれも100円とか200円とか50円で十分な量。最初は「呑むっつったってラーメン屋だろ?」「トッピングだろ?」と言ってたタモリも、徐々に酒が入ってきたこともあってか「いいねえ」と言い始めた。目ざとくバターのみを見つけたタモリに対して井筒がバターを一気食いする羽目になるハプニングもあったが、タモリも自然に二缶目に突入し、井筒も「もうどうだっていいんだよ」と早くも酩酊モード? 続いては上級者向けとして、調味料を肴に呑む。芝麻醤や味噌ラーメン用の味噌でトッピングの味を変えて愉しむ。しまいには指で少量すくって、舐めてまた酒、となる始末。海苔にラー油と塩を合わせたタレにつけて韓国海苔気分を味わうなど盛り上がってきた。井筒も「京料理以上」と意味のわからない持ち上げ方でご満悦。 と、ここで、「よし、なんかつくろう」とタモリが厨房へ移動。ラーメン屋の食材で肴を作り始めた。まず出てきたのはラーメンスープにメンマを入れただけのメンマのヌキ。「麺要らない」と早速評判。井筒はもうだいぶ回ってきているようで、立ったまま紹興酒を求めたり、次に出てきたもやし炒めを立ち食いしたり、ワンカップの空き瓶にビールを入れたり、完全にカウンター側の中心。 このあたりから店主タモリと客3人の擬似関係になり始め、店主タモリの来し方が淡々と語られる展開に。博士が満州帰りといううまい設定を引き出して四ヶ国語麻雀を匂わす会話が出てくるなど、いい感じになった。そこへ出てきたのが叉焼を使った回鍋肉。井筒を黙らせる傑作に仕上がった。さらに出てくるは焦がし醤油で味付けした叉焼を使った叉焼丼。ほんとうに旨そう。叉焼とメンマとごはんの一体感が見事なようで、井筒は拝んでしまった。そんなこんなでタモリが「これ呑み屋の中継だよね」と最後にこぼした呑み会は4時間続いたという。 玉袋の「俺芸能界入ってこんなキツい仕事初めてだよ」という言葉が示すとおり、出演者にとっては至福の時間。素晴らしい。このダラダラ感こそがタモリ倶楽部のキモ。ドラマも山場もなくていいのだ。強いて言うなら、タモリが厨房に回るのは台本にないハプニングだったのかもしれないけど。このハプニングに加え、顔触れの完璧さ、井筒をはじめとする一同の酔いっぷりも相俟って、一種異様な世界ができあがった印象。ラーメン屋・たくみの貢献も見逃せない。普段の営業は19時からみたいなのに、しかも麺を全然口にしないのにそれでも撮影許可の度量の広さ。さすがハウフルス御用達(ハウフルスに近いので、御用達といかないまでも何らかの縁はあると思う)? タモリ、2本目にまつわる話をしたあとに、なぜか「〜でよろしかったでしょうか」という表現に対して怒りをぶつけた挙句、2本目のネタを忘れてしまい、「これ面白かったんだっけ?」と。
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ゲスト:安斎肇、クリス・ペプラー(司会)、萩原健太、近田春夫(以上出演)、高橋力(VTR出演) | ||||||
ちょうど2年ぶりの空耳アワードである。今回は過去2年間の中から名作をノミネート、大賞を選ぶ。ここ2年の間にTシャツは57曲、ジャンパーは5曲あったらしい。このあたりを中心にオンエアということか。近田の過去の投稿作品も見つつ、本編へ。今回も、ジャンルというかタイプで分けてノミネート。 途中、年400枚も投稿し、2年間でTシャツ6枚、手ぬぐい9枚を獲得した高橋を訪ね、空耳発見の様子を聞く。「たかはしりき、たかはしりき」言っていたのが実は「たかはしつよし」だったという事実も判明した。彼は所持CDは20枚足らずで、レンタルで数をこなしているという。聞くのは1日1枚、数回リピート。海外の曲でも日本人が唄っていると思い込むことがポイントだとか。 オンエアされた空耳は下記の通り。
大賞はマッドハニー「ヒア・カムズ・シックネス」に。賞品は空耳の耳を象ったイヤリング。「街で歩くとすごい評判でしょうね」などと盛り上がる一同だが、受賞者が男性ということを忘れてます。 超有名曲部門の後に高橋のコーナーが流れ、彼の新作ということで紹介。賞品は、宛名と差出人を印字したはがき100枚。通常のオンエアなら手ぬぐいと思われる。
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ゲスト:ふかわりょう、堀部圭亮(進行)、大槻ケンヂ、萩原健太(以上出演)、新竹浩子、栗田祥吾(以上電話出演) | |||||||||
企業・団体のキャンペーンソングはよく知られているものもあるが、その多くが全く知られることのないままである。今回はそうした知られざるキャンペーンソングにスポットをあて、その奥深い世界を堪能する。一部、関係者への電話インタビューも交えてゆく。 前置きもそこそこに楽曲鑑賞がスタート。まずはあら竹による駅弁「モー太郎弁当」のキャンペーンソング「カントリー」。トップ・オブ・ザ・ワールド風味の似非カントリーが哀愁を誘う。モー太郎弁当の現物も出てきたが、蓋を開けると「ふるさと」が電子音で流れ、何ともいえない空気があたりを支配した。新竹に電話インタビューもするが、社員は全員歌えるという。蓋を開けた時に流れる音楽が「カントリー」でないのはあまり知られていないからなんだとか。 続いて桂田経営サービス社歌「自利他利こそわが精神(こころ)」。30年前に作詞マニアの社員が自費で作曲家に依頼して社歌になってしまったというこの歌は、進取の精神が垣間見える先鋭的な歌詞に校歌風のシンプルなメロディー、朗々たる歌唱が混在するものだった。ただ、今ではほとんど唄われていないらしい。 太田油脂のなめくじ除去剤キャンペーンソング「なめくじ逃げー!逃げー!」は大槻に言わせるとレピッシュ「パヤパヤ」へのオマージュ(確かに似てる)であり、レゲエビートのギターが入り、それでいて醸しだす空気が「おさかな天国」風の曲。キャンペーンソングによって除去剤の売り上げが3割増になったという逸品。 北海道電気工事業工業組合の電気工事キャンペーンソング「でんき元気」は自主盤にありがちなシンプルなトラックに不安定な音程の女性歌手の声が絶妙に乗った作品。誤解を招きかねないツッコミどころ満載の歌詞に会場は盛り上がった。 次に流れた日本ブレイク工業社歌は、特撮ヒーローのオープニングテーマに近いノリの、完成度の高い曲。一同が思わず拍手をおくるとともに、つい歌ってしまう出来であった。栗田への電話インタビューによれば、歌っているのはミュージシャンくずれの営業の社員で、音源はCDに焼いて配布中とのことだが、会場からは売ってはどうかという提案まで出てきた。また、顧客にはバラード調の曲を配布することを検討中らしい。 岡山県農林水産部の県産品内需拡大キャンペーンソング「地産地消おかやまの唄」はカントリーの曲調にヨーデルが顔を覗かせたり寿がき屋ラーメンの曲っぽかったりのガンボミュージック。ここでも「でんき元気」のように地産地消の意味を曲解して盛り上がる一同であった。 青森県百石町のイメージアップソング「北緯四十度四十分」はニューヨークと同じ緯度であることを殊更に強調した歌謡曲。唄うはなんとロス・プリモス、しかも星野哲郎作詞・杉本真人作曲のキラーチューンだ。町長が大のロス・プリモスファンで、星野に何度断られても必死に食い下がったことからこの曲が生まれたらしい。しかしアピールしているのはニューヨークと同じ緯度であることだけで、名産品に触れられていないのが一同は不満なよう。あっても自由の女神では…。 以上から大賞を選出。日本ブレイク工業社歌が受賞した。これを受け、日本ブレイク工業社歌の豪華PVが最後に流れた。 音楽関係では(それ以外を含めても?)「また一人」以来の大反響を呼んだ日本ブレイク工業が登場した今回。久しぶりに萩原健太も登場し、音楽ネタでは常連になってきた感もある大槻ケンヂまで出演と、ネタも含め磐石の体制でできているからして当然良い出来になっているわけで。先進的な歌詞に対して「ユーミンに負けないスピード感」と述べたり、ですます調の詞に対して「吉田拓郎・はっぴいえんど的な…」と述べたりと、解説が全く無意味なことをわかっててあえて真剣な風に語る健太氏は素敵。ふかわもなかなか適切なツッコミで、ゲスト陣の人選・コンビネーションともにいい感じ。 曲もたいがいアレなわけで…。日ブ工ばかりがクローズアップされるが、個人的には聴き慣れた感じの曲調で曲としての驚きはとくになかったり(買うけどな!)。もちろん、社歌としてあの曲があることには驚くよりほかないのだけど。自分がぐっとくるのは安い、単音に近いバックでしょぼくれた歌唱を聞かせる曲、要するにこんなのCDにしちゃいかんだろって曲なので、そういった観点では「でんき元気」や「なめくじ逃げー!逃げー!」が良かった。音を外したのにOKテイクになってるところなどもうさいこう。今回出てきた曲はできるだけ、場合によっては直接現地に出向いてでも揃えていきたい所存。もっとも、「でんき元気」さえ手に入れば何とかなるかな? あら竹も桂田経営サービスも太田油脂も名古屋から近いし。初めて名古屋に住んでてよかったと思ったかも。 安斎、珍しくグッズを土産に持ってきた。相変わらず心のこもってない受け答えをするタモリ。
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ゲスト:MEGUMI、KABA.ちゃん、アリtoキリギリス(進行)、若槻千夏、室井佑月、佐藤操(解説)、M男2名 | ||||||||||||
ストレス多き現代社会。芸能人とて例外ではない。ストレス発散には何かを怨念を込めて叩くというのが効果的であろうが、一種SMの世界になってしまいなかなか足を踏み入れにくいもの。そんな中、某クラブでは真性Sでない普通の人も擬似的に女王様体験ができる女性向けコースができ話題になっている。今回はここで女性芸能人・文化人たちの日頃の鬱憤を晴らすとともに、彼女らの怒りの度合い・女王様っぷりから怒りのムチ大賞も選出する。 まずは基本情報として佐藤からいろいろ話を聞く。女性向けコースの客層としてはOLを始めとして、セックスレスの人妻や年配の女性も多い模様。叩くことはもちろんだが言葉でも責めることは大事であるようで、目についたところから突っ込みつつ想像力を刺激し、次第に相手を昂揚させてゆくことがポイントらしい。鞭の使い方も学ぶが、ここでは佐藤にMと判別された石塚をサンプルにして行う。しっかり下に奴隷の衣装を用意している石塚、さすがである。使うのはやはり基本の六条バラ鞭で、軽快なリズム感でためらわずに叩くのがポイント。叩かれた石塚は言葉では否定しているが、なぜか顔が嬉しそう。 さていよいよ各人の怒り発散となるわけだが、一人目は若槻。出番と見るや目つきが変わっているあたりがなかなか。石塚に対して海外の空港で時間がかかりすぎることの不満をぶつけ、結構すっきりした様子。石塚は石塚で変な汗が出てきたらしく、「興奮している」と言われたり佐藤に勃起しかけの股間を指摘されたりと、いじられっぱなしだ。二番手は室井。堂に入った叩きで両親(しかし室井の会社の社員)を温泉旅行に連れていくときにメシがまずいなどということに対する不満をM男にぶつけた。すっかり気に入った様子の室井は「個人的にここ通わせてもらいます」とまで。 続いてMEGUMIが登場。某編集者にマネージャーに間違われた件や「可愛いね」と言われてるのに胸しか見られてない件への怒りをぶつけていた。と、ここで石塚が他のSMグッズについても質問。これがやぶへびで、実際に自身で体験する羽目になってしまった。でも身体は反応したようで、一同大盛り上がり。そして最後に登場したのがKABA.ちゃん。ニューヨークでできた彼に毎回求められ剃毛された挙句、二股をかけられたという生々しい話に怒って、我を忘れてヒートアップ。石井らに止められていた。詳しい話をしたところでまだ足りない風のKABA.ちゃんとMEGUMIはさらに石塚をちょっと叩いた。石塚も叩かれる良さがわかってきたようで、すわMの目覚めか? 最終的に、怒りのムチ大賞はKABA.ちゃんに決定。鞭の打ち方・言葉・ストレスの吐き方で高評価を得た。賞品に金のはたき、また、副賞として石塚が贈られた。「女性ならまだしも…」と言いつつも従ってしまう石塚、弱すぎです。 今回は女性向けとはいえSMの企画だし下ネタもそれなりにある回だったが、女性陣がそれに拒否反応を示さずノッてきてくれたので、盛り上がる回となった。とくにKABA.ちゃんと若槻千夏がいいねー。どちらも単純に個人的な好みの問題だが。KABA.ちゃんは出てきたのが最近のわりに、カマキャラには見られない真性カマとしてのあけっぴろげな発言がいいと思う。彼やピンクフラミンゴのKENちゃんみたいなキャラは大好きだったりするので、もっと出てきてほしいところ。若槻千夏はここしばらく単純にいいなーと思ってるのと、アイドル的売り方をするのかと思いきやちゃっかりこういうのにノリノリで出てくるあたりが素敵。前回出演時はとくに何とも思わなかったんだけど…。自分の位置付けをわきまえつつ前に出ようとするアリキリ石塚(パンツを前後間違えて穿いてたのは天然っぽかったけど)も慣れてきた感じで、バランスの取れた好作。あー、よく考えてみるとこれってSMの殻をかぶった芸能人怒り王決定戦の亜流みたいなもんかしらん? 安斎、みうらじゅんの影響でホテルにチェックインするなり有料チャンネルをつけるようになってしまったらしいが、たまたまスパンキングのビデオが流れて見入ってしまったとか。それを聞いてタモリ、「ビデオ大賞にノミネートしたいですね」と。久しくやっていないビデオ大賞だが復活か?
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ゲスト:板尾、藤井悠、佐藤和歌子(解説)、寺脇賢(VTR出演) | ||||||||||||
「大改造!!劇的ビフォーアフター」やお昼のワイドショーのリフォーム企画がそれなりに注目を集めており、「渡辺篤史の建もの探訪」などを例に挙げるまでもなくお宅訪問番組が息の長いものになっているように、住まいの問題は常に人々の関心事。藤井もちょうど物件を探しているようだが、そこへ現れたのがありきたりな間取りは一つもないというITAO不動産の営業部長、板尾。そこで今回はITAO不動産の抱えるオシャレな間取り(主に一人暮らし向け)を拝見する。 最初に見るのは廊下がムダに長い部屋。そのほかにもシャワーがやたら小さいとか居室に通じる廊下はない(廊下→K→居室という構成)とかキッチンとトイレがつながってるとか、しょっぱなから変な間取り。このあとも様々な間取りが。出てきた間取りは真ん中に収納とUBがあるコの字型の間取り、多角形の部屋で構成されたもの、八角形に近い部屋の壁じゅうにクローゼットが設置されたもの、全ての部屋が鋭角的な2LDK、UBを押し込んだために九角形のリビングになったもの、玄関〜K〜ベランダが直結したもの、ロフトが居住空間(K・UB含む)の2倍あるもの、意味なく玄関が2つあるもの、Kが3つある2階建て一軒家(8・3K)、外階段を上ると30帖のバルコニー、その中にぽつんとプレハブ部屋があるもの。 どれもこれもが変な間取りなのでタモリも藤井も突っ込み放題。九角形リビングでは実際に家具設置シミュレーションをしてみたり、外階段の家では取材班が潜入して室内を撮影したり、住人に直撃インタビューをしたりもしている。インタビューでは一同が予想してたまんまの答えが返ってきて、みな苦笑。 いちおう不動産店を模した今回の企画なので、最後に気に入った間取りを聞いてみる板尾。タモリは「いいもの見せてもらった。これ俺借りる」と間取りを見たときに言っていたベランダ直結型のものを、藤井は強いて言うなら、とクローゼット大量のものを選んでいた。 間取り大好きなので、今回はよかった。珍妙な間取りに笑いっぱなし。久しぶりに大笑いした。…笑いのツボが違うんかな。佐藤のコメントも素で、かつとぼけてて味わいがある。「着たい間取りをTシャツに」とか「単に廊下が好きな人におすすめ」とか、なかなか言えないんじゃないかしら。それに加えて板尾のフォローやコメントはアドリブなのにさらっとしてて、ある程度突き放してて、ちょうどいい感じ。こうしていろいろな間取りを見ていると、デッドスペースが多いものが所謂変な間取りということになるんだろうな、と思う。
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