<99.6〜7に観た舞台の記録>

  ・芝居屋坂道ストア『あくびと風の威力』(1999.6)
  ・TEAM発砲・B・ZIN『ビデオ・デ・ゴメンバー』(1999.6)
  ・惑星ピスタチオ『破壊ランナー』(再々演)(1999.6〜7)
  ・演劇集団キャラメルボックスサマーツアー『TRUTH』(1999.7:神戸公演)
  ・キャラメルボックスサマーツアービデオライブ(1999.7.16)
  ・鴻上ネットワーク『ものがたり降る夜』(1999.7)
 
 

 ・芝居屋坂道ストア『あくびと風の威力』

    大阪梅田・扇町ミュージアムスクエアで6/11〜13の公演。
    6/13のマチネ(昼の回)に行ってきました。
 
    当初行こうかどうしようか迷っていたのですが、直前になって友人が、当日
   精算券をもらったと連絡してきたので、行くことにしました。
    「まえがき」にも書いていますが、ここの劇団には高校時代の先輩がいらっ
   しゃるのです。というか、先輩たちが作った劇団なんですが。友人も私と同じ
   部活で後輩ですので、チケットが送られてきたのでしょう。
 
    で、行ってきまして。
    この脚本で第4回日本劇作家協会新人戯曲賞佳作を取ったとかで、おまけに
   第三舞台の鴻上尚史さんの評価も高いということで、最近有名になってきてる
   (らしい)芝居屋坂道ストア、かなりお客さんが増えてるようです。私が前に
   観たのはもうずいぶんと前、2年は前になるかと思いますが、その時の倍には
   なってるでしょうか。スタッフさんが、席をもう少し詰めてください〜詰めて
   ください、って大変そうでした。
 
    扇町ミュージアムスクエアは天井が低いので、圧迫される感じがあります。
    加えて客席混み混みですと、窮屈な感じは否めません。
    舞台は近いのですが、座席そのものの間隔が前後も狭いため、前に自分より
   でかい人が座ると観にくくなるのが難です。今回は舞台の高さがほとんど床と
   同じでしたし。そのため役者さんが前方に出たり座り込んだりすると、全くと
   言っていいほど見えないことも……セットに階段や奥の高さを確保するために
   そうなっているのでしょうけど、観る側としては、見にくいとどうしてもイラ
   イラしてしまいます。うーん、もうちょっとなんとかならなかったのかな。
 
    作品自体は…………う〜ん、率直に言って、物足りないものが。
    震災がコンセプトにあるのもいまいち分かりにくい。
    震災で失った友達、未来の日々、約束……生き残った者の思い、後悔……
    当時は退屈でつまらない日々だった時間が、今となっては、思い出すたびに
   懐かしくて、同時に辛くてたまらない。来ると信じて疑わなかった「明日」が
   来なかったために、守れない「約束」を抱えたままの、少女の苦しみ。
    そういうのは分かるけれど、どことなく心に迫りきらない感じが……
    「決定的なセリフ」や「思い」が欠けていたのかな、という気がする。
    「抽象的」なまま終わっちゃったなぁ、と。
    具体的ならいいってもんでもないけれど。うーん。
    もう少し、いろんな部分を「まとめ」られれば、よかったかな……?
 
   (うーむ、言いたいこと言ってるな。先輩すみませ〜ん m(_ _)m)
                                (99.6.16)
 

 ・TEAM発砲・B・ZIN『ビデオ・デ・ゴメンバー』

    大阪上本町・近鉄劇場で6/18・19の公演。
    6/18に行ってきました。
 
    ほんとは、興味はあるけどやめておこうと思ってました。諸々の理由で (^^;
    それが無理してでも行こうと思ったのは、結構好きな役者さんがこの作品で
   引退してしまうと聞いたから。それならせめて一度は生で観ておきたいと思い
   まして。
 
    当日は雨。
    直前まで迷ったので、チケットは当日券。急に大きな劇場になったから多分
   チケットも余ってるだろう、当日券もそんなにいないだろうと思ってましたが
   …………ちょっと読みが甘かった。キャラメルやNODA・MAPほどじゃありません
   が、当日券発売5分前に着いた私の前に、25〜30人くらい並んでたんですから、
   結構いた方じゃないでしょうか。雨でなかったら、多分もっと来てたでしょう。
    私のチケットはR列、前から18列目、の左サイド。ちょうど階段でのぼった
   ところの席なので、前の席の人が邪魔にならない、見やすい場所でした。
 
    開演20分前に客席に入ってみると、あれれ、結構席が空いている。
    売り場で見た座席表では、後ろ半分のサイドや最後尾に近い列が空いていた
   くらいで、他は埋まっているはずなのに。
    開演5分前くらいからどんどん入ってきましたが、後ろ数列のサイドは結局
   埋まらず…………私の右隣3・4席も、最後まで誰も来ませんでした。何故?
 
    さて作品ですが。
    98年1月に東京のみで上演された『ゴメンバー』の続編、だと漠然と思って
   いましたが、そういうわけでもない感じが。
    ストーリーがつながっているというわけでもなさそうでしたし。
    むしろ、「ゴメンバー」というヒーローを題材にした、別のお話とでも言う
   べきかも。あるいは、もともとそういうつもりなのかもしれませんが (^_^;
 
    観に行ってよかったな、と思います。
    たのしめました (*^^*)
    ストーリーは、いかにもヒーローもので、ご都合主義なところもありました。
    でも「エンターテイメント」としては成功してるんじゃないかなぁ。あまり
   難しく考えずに楽しめる、というあたりが (^o^;
    前作で感じた「理屈っぽさ」みたいなものが、今回はさほど気になりません
   でした。ストーリーやテーマの違いもあるのかも知れませんけど……
    少なくとも私は値段分たのしませて&笑わせてもらいました。
 
    工藤順矢さん・ゲスト出演の草野徹さん、すごいなぁと思います。
    観るたびにタイプの違う役で、どれもがいつもはまってると…………(笑)
    武藤陶子さん、いいキャラです。ヒロイン格の小林愛さんよりも私は好きで
   すね。
    今回で役者引退のラヴ&ピース川津さん……もっと生で観てみたかった。
    最後にもかかわらず、ラストにちょっとだけの出演でしたので、余計にそう
   思ってしまいました。うー残念。宣伝美術やデザイナーなどのスタッフとして
   はまだまだ活動なさるらしいのですが。
 
    前回の近鉄小劇場からいきなり今回は近鉄劇場ということで、どうなるもの
   かと気掛かりでしたが、思ったほど劇場に負けてるということもなく「おぉ、
   結構いけてるのでは」と思いました。……問題は、セリフがところどころ聞こ
   えなかったということでしょうか……うーん、やっぱりこの点は大事ですよね。
   がんばれ!
                                (99.6.20)
 

 ・惑星ピスタチオ『破壊ランナー』(再々演)

    大阪茶屋町・シアタードラマシティで、7/2〜11までの公演。
    ビデオで再演を観て、ものすごく好きになった作品です (^o^)
    初日に行ってきました。
 
    が実は、その2日前(6/30)に観ることができました。
    トライアウト公演(公開通し稽古)があったのです。無料で。
    当初は東京公演前のみトライアウトの予定でしたが、それの評判がずいぶん
   良かったらしく、何件か要望があったとかで、急遽大阪でもやることに決定。
    ピスタチオの期間限定公式ページ(役者の末満さん作)の中で申し込み受付
   がありました。おもしろそうだと思ったので私も申し込み。
 
    元演劇部員なせいか、「通し稽古」とか「ゲネプロ」とかには、言葉の響き
   だけでつい惹かれてしまいます(笑)
    名前の通った劇団のそれなんて、めったに観られるものじゃないですしね。
   (めちゃめちゃラッキーな偶然で、某有名劇団のゲネプロを一度だけ観たこと
   はありますが、あれは例外的だし)
 
    思ったよりも人が来てましたね。100〜200人の間かな(後に124人と判明)。
    本番ではなくあくまで通し稽古なので、皆さん練習着姿。メイク無し。
    照明も音楽も抑えてあるということでした。
    開場〜開演するまでの30分ほどは、部分部分の練習をしたり、発声をしたり
   の光景が観られました。皆さんが発声なさっているのを聞いてると、なんだか
   部活時代が懐かしくなったりしました(笑)
 
    ……照明も音楽も抑えている、というわりには、ちゃんとそれなりの迫力が
   出ていました。よそだったらあれが本番レベルのところもあるんじゃないか、
   というくらい。ほんとの本番だったらどれだけになるんだろう??? と不安
   なような楽しみなような複雑な気持ちになったりしました。
 
    内容的には……あくまで通し稽古ですから、本番と同じに考えることはでき
   ないのですが。再演(95年)との違いで言うと、状況説明部分が多くなりまし
   たね。たしかに、その場の状況(場所など)の把握は前よりもしやすくなって
   ますが、逆に、セリフが多くなっただけに煩雑な感じも否めないところです。
    好みにもよるのかも知れませんが……私個人は、セリフの量に関しては再演
   の方がすっきりしてていいように思いました。
    あと、セリフが全体的に速いような気もしたな〜。時間が足りなくて急いで
   いたと後でスタッフが言ってましたから、そのせいかも知れませんけど(最終
   的に2時間+15分ほどになりました)。
 
    役者さんはピスタチオオリジナルメンバー5名+客演の方4名の計9名。
    進藤則夫さん(劇団帰ってきたえびす)。
    坂口修一さん(TANT RYTHM)(←ほんとはAが逆さまになります)。
    川田陽子さん(劇団2年6組山田学級)。
    「ショートカッツ」にも出ていらした希ノボリコさん(劇団☆世界一団)。
    以上の方々が客演です。
    ノボリコさん以外は全く知らない方なので半分ドキドキでしたね。
    皆さんそれなりにがんばっていらっしゃいますが……どうしても気になった
   のがノボリコさんの声。東京公演の時にもよく言われていたようなのですが、
   聞こえにくいというか…………高くて細い声質のためか、パワーが足りないの
   です。前の方の席はともかく、後ろの方に座るとセリフが聞き取れないことが
   多くあるんじゃないかなという気がしました。うーん。
 
    音楽も再演とは変わっています。クラシック系が多いようです。クラシック
   系がピスタチオのこの作品に結構合うとは、新しい発見です (^o^)
    また、バレエの得意な役者さんが自分の動きに取り入れていたり、ある箇所
   ではある役者さんが「歌ったり」もしてました。(笑)
 
 
    さて本番……ですが。
    トライアウトの感想だけで長くなっちゃったので(爆)分けました。
    こちらへどうぞ。(注:主に配役の部分のネタばれがあります)
                                 (99.7.4)
 
 

 ・演劇集団キャラメルボックスサマーツアー『TRUTH』

     →ネタばれ「なし」感想を読む人はこちらへどうぞ。
     →ネタばれ「あり」感想を読む人はこちらへ。(長文です!)
     →役者さん一言挨拶が読みたい人はこちら。
                              (99.7.31)
 
 

 ・キャラメルボックスサマーツアービデオライブ

     →こちらへどうぞ。
                                 (99.8.5)
 
 

 ・鴻上ネットワーク『ものがたり降る夜』

    新神戸オリエンタル劇場で、7/26〜8/1の公演。
    初日の7/26に行ってきました。
    I列23番(9列目センターブロック右端)での観劇。
 
    舞台に緞帳が下りていて、まずびっくり。
    そもそもオリエンタル劇場には、今までキャラメル(関連)でしか来たことが
   なく、キャラメルでは開演前も終演後も緞帳は下ろさないので(それを言うなら、
   大半のお芝居(小劇場系)ではそうかな?)、「舞台が見えてない」状態という
   のはなんだか変な感じが。なんつーか、舞台分の奥行きが見えないので、劇場が
   狭くなっちゃった気分でした(笑)
 
    …………まぁ、なんで緞帳が下りていたか、開演して分かったような気が。
    あのセットが最初から見えているのは、いろんな意味で問題あるかも (^^;
 
    普段の「第三舞台」ではなくて「鴻上ネットワーク」。
    いわゆる「第三舞台の役者さん」は出てこなくて、「サードステージ」の若手
   の方々が出演、と言えばいいでしょうか。第三舞台の公演に出てらした役者さん
   も何人かいらっしゃるのですが、何度も観てないからあまり覚えてなくて (^^;
   半分、いや3分の2くらいは、初めて観る役者さんでしたし。
 
    最初のシーンからなんだか強烈。
    その後に続くダンスも目のやり場に困ってしまいました………… (_ _;
    この調子でずっと続いたらどうしよう、いっそ帰っちゃおうか、とかなり本気
   で思ったことは確かです。
 
    その後はまぁ、わりと「普通」に続いてくれましたので(そうでないところも
   あったけど……)とりあえず最後まで観ました。
 
    いくつかのテーマがあると思いますが、一番前面に目立つ形で現れているのは、
   「性愛」ですね。いろいろきわどい、というか「そのまま」な台詞も多かったり
   して、個人的には「うわー」と心の中で叫んじゃうことも…… (^^;;;
    しかし逆に、鴻上さんの作品としては「ストレート」な方でしょうか。ふ〜ん
   こういう作品も書くんだ〜という感じで。
 
    登場人物は、全員がそれぞれの「孤独」を背負っていて、それぞれに「癒され
   る方法」を探していて……それは「性愛」だったり「宗教」だったり「ただ話を
   誰かとすること」だったり。求めて見つける方法はそれぞれに違うけど、きっと
   誰しも「ひとりでいたくない」という思いが根本にあるのではないでしょうか。
    ひとりでいたくないから、誰かと触れ合っていたい。
    同じものを信じていたい。
    話を聞いてもらいたい。
 
    彼らが心の中に抱える「事情」、幼い時から持ち続けている「昔話」。
    それらすべての「ものがたり」。
    ひとつひとつをゆっくり聞いてみたい気持ちになりました。
 
    さて、今回は鴻上さんが役者として出演なさっていました。
    いちばん楽しそうだったのは鴻上さんじゃないかと思いました (^o^)
    重くなりがちなお芝居の雰囲気を(いろんな意味で)和らげてくださるキャラ
   クターでしたね。
    途中、パジャマで出てくるシーンがあるのですが、靴下までがパジャマと同じ
   柄なのが、妙に可愛く見えてしまいました〜(爆笑)
                                  (99.8.3)
 

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