中国二億五千万年、驚異の大恐竜博

恐竜境界線

歩みを進め、隣接するコーナー「恐竜誕生区」へ場所を移すと、そこには主竜類の中から更に派生し恐竜とそうでないものの境界に位置する生物が展示してあった。
恐竜はどの時点から恐竜となったのか。その答えは今後も発掘・研究が進む過程で変わっていく事もあるだろうが、解剖学的に恐竜として認定する要件をこの展示では9つ提示している。幾つかあげると、寛骨臼という大腿骨が接合されている窪みが貫通して完全に穴となっている事や、仙椎の数が3つ以上である事等がある。
現状、それらの要件を満たしている中で最古の恐竜とされているものが"エオラプトル"だ。時代は後期三畳紀というから約2億3000万年前。つまり現状恐竜誕生とされる時代はおおよそそのくらいの時代だと認識される。
一方、残念ながらという事もないが、外見はエオラプトル等獣脚類によく似ていながら、先の要件を満たしていない為に恐竜とは分類されない"ラゴスクス"という生物も展示されていた。常時二足歩行をする生物としては"最古"という事らしいが。

ラゴスクス Lagosuchus
50cmにも満たない小型獣脚類のような姿をしているが、実はより原始的な小型の爬虫類であって恐竜としては扱わない。展示のものは中期三畳紀の南米アルゼンチン付近の発見。恐竜と分類されなかった最大の違いは仙椎の数が2つしか無い事。しかし最近はこれが属すラゴスクス類を恐竜類とを合わせて"恐竜様類"(ディノサウロモルファ)と呼ぶ事もあるようだ。
Lagosuchus
[3-1]ラゴスクス

エオラプトル Eoraptor
最も原始的な恐竜ともいわれているが、それ故にか一方で恐竜として認めていない学者さんもいるらしい。まあ一応先に紹介した要件は満たしているようなのでここでは恐竜としておく。展示は南米アルゼンチンで発見されたものだが、何とこの恐竜の骨格は1体分しか発見されてないらしい。という訳で写真のものもかなりの部分に不足がある中での復元標本。まあ、化石の多くはそんなもんだけど。
Eoraptor
[3-2]エオラプトル

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