これは神経内科を受診される方で最も多い症状です。 頭痛には危険
な頭痛とそうでない頭痛があります。 危険な頭痛としてはクモ膜下
出血、脳出血、脳梗塞、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、髄膜炎などが
あります。これらは緊急治療を必要としますので、病院に移送して
治療をしてもらうことになります。幸いなことに、このような頭痛は
滅多にありません。頭痛で圧倒的に多いのは筋緊張性頭痛と片頭痛
です。この二つは重複していることもありますが、問診だけで大抵の
場合区別がつき、診断が可能です。筋緊張性頭痛はしめつけ感や
圧迫感が主体ですが、ストレスが原因となっていることが多く、緊
張をリラックスさせることでよくなります。片頭痛は頭の一部の拍
動性の痛みが主体で女性に多い病気ですが、近年頭痛発作時の特効
薬が開発されて痛みで悩むことも少なくなってきました。片頭痛が
頻繁に起こる場合は予防薬をお出しすることもあります。神経内科
ではそれぞれの方の症状に合った治療をいたします。 |
眠れないという訴えも大変多いですが、単なるストレスや不安によ
る場合とうつ病の症状として表れる場合があります。うつ病の場合、
軽症であれば神経内科でも治療しますが、重症の場合は、メンタル
クリニックをご紹介しています。 |
肩凝りという言葉は夏目漱石が作ったといわれていますが、くび
や肩のこりは国民病といってもいいほど多くの方が経験されてい
ることと思います。軽い場合は医療機関を受診する必要もありま
せんが、ある程度つらい時は神経内科を受診されるこおとをおす
すめします。原因はストレスによる場合と頸椎などの変形が強く関
与している場合があります。もし理学療法が必要な場合は整形外科
にお願いし、ストレスによる場合は神経内科で治療します。 |
これも神経内科を受診される方で大変に多い症状です。原因は多岐
にわたり、頚椎や腰椎の変形による神経根症状として起こる場合、
末梢での神経の圧迫、末梢神経炎、筋膜炎によるものなどがありま
す。頸椎や腰椎の変形が強く、明らかにそれが症状に関連している
と考えられる場合は整形外科や脊柱外科に治療をお願いします。そう
でない場合は神経内科でできるだけのことをします。痛みは体の異
常を知らせる大切なシグナルなので注意深く調べる必要がありますが
、実際には手足のしびれや痛みを訴える方で、いくら検査しても原因
不明なことも少なくありません。また、体の広範な部位の痛みを主訴
とする線維筋痛症などのいわゆる慢性疼痛の方も最近は増えてい
ます。慢性疼痛はペインクリニックかリウマチ科の受診が最も妥当と
思いますが、心因性の要素も少なからず関与していますので、これか
らは神経内科医も取り組むべき分野かと思います。
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手足のふるえは神経内科の領域です。ふるえるだけなのか、他に症
状があるのか?注意深く診察する必要があります。病気としては本
態性振戦、甲状腺の機能亢進、パーキンソン病などがあります。
ふるえ以外にも、自分の意志に反して体の一部が動いてしまう症状
はいくつかあり、それらをまとめて不随意運動といいます。
神経内科は不随意運動の専門診療科です。厳密には不随意運動
ではありませんが、夜寝床に入ると下肢がむずむずして動かさず
にいられない、むずむず脚症候群の方も最近は増えています。この
ような病気は専門診療科がはっきり決まっていないのですが、神経
内科でも治療します。 |