<キャラメル舞台レポート・その4>

 ・ファンタジックシアターVol.2『ケンジ先生』

   西暦2098年。学校や先生というものは何十年も前になくなり、勉強はすべてパソ
  コンでやる時代。
   今は夏休み。孫の誕生日プレゼントにとおばあちゃん(石川寛美)が古道具店で
  買ったのは、100年前に作られた教師アンドロイド・ケンジ1998、「ケンジ先生」
  (山田幸伸・劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)所属)。孫の
  レミ(中村亮子)に本当の勉強をさせるために。レミのママ(大森美紀子)は反対
  するが、おばあちゃんやパパ(田尻茂一・アクションクラブ所属)の協力でケンジ
  先生は家にいることになった。
   レミは夏休みの宿題を手伝ってもらおうとするが、ケンジ先生は「自分でやりな
  さい」と言うばかり。怒ったレミが同級生のソラコ(前田綾)の家へ行くと、ソラ
  コの姉でレミの憧れの歌手・トシコ(津田匠子)がいて…………
 
   新神戸オリエンタル劇場で、9/10〜13の公演。
   6ステージしかない公演を、3回観に行ってしまった。うひ。
 
   1996年8月に、東京オンリーで初演があった作品です。
   ですから初演はビデオでしか観ていないのですが、キレイな作品なんですこれが。
   その感想なんかは「キャラメルな思い出のページ」にもちょっとばかり書きまし
  たけど。
 
   今回は再演。
   キャストのほとんどは初演と変わりなし。めずらしい。
   ただ、主役をやってらした女優さんはすでに退団していらっしゃるので、それは
  別の方です。あ、あともう一人、重要な脇役も別の人だ。それとアクション担当の
  人たちも。
 
   この公演でなにが楽しみだったかといえば。
   まぁいっぱいあるんですけど、あえて選ぶならば、やっぱり客演の山田さんが演
  じる「ケンジ先生」が生で観られるってことかなぁ。
   あと、西川さんが演じる「タカダさん」(古道具屋の主人)も、すごい楽しみで
  した。
 
   他、初演は四方から入退場できる丸い劇場でやったのが、今回はそういう劇場じ
  ゃないから、どんなふうに劇場を使うのだろうとか。
   劇中歌の数々が生で聴けることとか。
   言い出したらきりがないくらい、たくさん楽しみの待っていた公演です。
 
   客演の方が比較的多いのも、この作品の特徴というか。
   出演なさる男優さん7人のうち、キャラメルの役者さんは西川さんだけなんです
  よね〜。あらまぁびっくり。
   キャラメルの役者さんは全体の半数、という感じなのですが、西川さんや女優さ
  ん目当ての人は絶対来てたでしょうから、客層はそんなに普段と変わりなかったと
  思います。「こどもたちに観てほしい」という主旨のある公演でしたが、思ったほ
  どこどもたちはいなかったですね〜。ま、いつもよりはこどもの声がたくさんしま
  したけど。
 
   で、今回の感想ですが。
 
   セットがねー、すごいGOODなんですよ〜! びゅーてぃふる。
   模型にできるものなら模型にして、持って帰りたいくらいでした。(*^o^*)
   それに照明がつくと、この世のものとは思えません(←ちょっとオーバーか?)
   いやもー、こんなに「あの舞台に立ってみたい!」と思った公演はないですね。
 
   楽しみにしていた「ケンジ先生」は、いろんな意味で「初演のまま」でした。
   ギャグもほんとに変わりなし(笑)
   昨年の『嵐になるまで待って』でやったような役も嫌いじゃないけど、私の感覚
  では山田さんは「ケンジ先生」なんだよなぁ。先に観たせいでしょうか。
  「タカダさん」は…………初演より地味になったかな。ていうか、初演が派手だっ
  たのか? なんせ衣装が花火柄のブラウスだったもんな〜。
 
   歌は、よかったです! やっぱりビデオで観る(聴く)のと生で観る(聴く)の
  とは、全然違いますね〜。いくらか歌詞を覚えてたりしたので、歌のシーンのたび
  に歌いたくなっちゃって、ちょっと困りました (^^;
 
   ストーリーが、初演といくつか違うところがありました。「トシコ」の所属プロ
  ダクションの「シラキ社長」(明樹由佳)の部下たちがアンドロイドに変わってい
  たのが大きな違いで、あとは細かいところがちょこちょこと。
   部下たちがアンドロイドになったことで、見せ場が増えたり「気持ち」の辻褄が
  合ったりして、それはそれで良かったのですが、逆に、「ちょっと煩雑になったん
  じゃないかなぁ」と思ったりもしました。ストーリー全体として。そういう意味で
  は初演の方がシンプルだったよな。話のポイントが増えてしまって、少しごちゃご
  ちゃしたような気がする。
 
   中村亮子さんの「レミ」。初演は関根麻美さん(97年退団)。
   どっちかというと、私は関根さん「レミ」の方が好きですね。「レミ」という子
  には、関根さんの方が合っている気がするので。中村亮子さんはあんまり「レミ」
  のような「小狡い」キャラの雰囲気ではないなぁ、と思ったんです。昨年の『サン
  タクロースが歌ってくれた』の「フミ」ちゃん的かな。
 
   津田さんの「トシコ」。初演は歌手の咲恵子(さえこ)さんという方。
   スター性では津田さんなんですけど、「ソラコ」の姉・「トシコ」のキャラの雰
  囲気としては、咲恵子さんの方がいいかなぁと私は思います。
 
   他は…………
   ひっかかったことが、ちょっと。
   ラスト近くで「ケンジ先生」が、「おばあちゃん」が昔教えていた生徒だったこ
  とを思い出すシーン。「明るくて、責任感があって、ちょっと頑固な……」と。
   思い出すのにこんな言葉が出てくるのはおかしい、という意見もありますが、そ
  れ自体は私は特に変だとは思いません。ただ、指折り数えて思い出すのは、ちょっ
  と…………「暗記していたこと」を思い返しているみたいに見えました。いくらア
  ンドロイドとはいえ、「ケンジ先生」がそんな思い出し方をするかなぁと。
 
   ステージ数が少ないせいか、初日から立ち見が出ていました。神戸の平日の夜で
  立ち見を見たのは、私は初めてです。うーむ。
 
   さて次は、アコースティックシアター『My Belle』。
   初めて、冬のアコースティック。「にぎやかな芝居」になるらしいですが、さて。
   ちなみに、これのチラシは神戸元町・大丸の付近で撮ったそうです。
   仮チラシの方は、新神戸オリエンタル劇場でした…… (^o^)
                                 (98.9.15)
 

   千秋楽の「おまけ」を知りたい方は、こちら。(98.9.22up)

 


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