・演劇集団キャラメルボックス『ヒトミ』(再演)  

    この作品の初演は1995年春。私はビデオで観たのみです(簡単な感想を
   こちらに書いております)。
    キャラメルにはまり始めた当初に観たせいもあってか、比較的思い入れ
   の強い作品です。役者さん10名のバランスが良いな〜と感じました。
 
    9年も間があるので、さすがに初演通りのメインキャストを期待したり
   はしませんでしたけど、今回のメインである小川さん&大内さんはどんな
   感じになるのか、という半ば不安に近い気持ちは発表当時からありました。
 
    逆に期待していたのは、津田さんと真柴さんの久々のご出演。
    お二人とも、本公演には4・5年ぶりで、特に津田さんは体調の問題で
   お休みが続いていたので、どうしていらっしゃるかなーと思っていました。
   まぁ、真柴さんは脚本・演出としてのお仕事をずっと続けていらっしゃる
   ので、ある程度の動向は分かっていましたが。
 
    今回、私が観ましたステージは公開ゲネプロ(リハーサル)。
    最初はトライアスロンパスにて5/23を取っていましたが、当時の仕事の
   都合が悪くて、人に譲ったのです。で、その後転職して、結局は土・日が
   休みになったのですが、その頃にはもう土・日ステージは残り少ない状況。
   加えて、貯金もかなり乏しい状態だったので、どうせ当日券に並ぶならば
   安い方がいいかな……と考えまして(ゲネプロだと1300円安いのです(^^;)
 
    『太陽まであと一歩』の時もそうでしたけど、普段のステージのように
   満席になることはなくて、今回の場合座れたのはC列12番。後ろの方では
   あるけれど1階だしセンターブロックだし、悪くない席位置でした。
    個人的には、ゲネプロの方が落ち着いて観られるかも、とも思いました。
   お客さんが通常の時ほど来てないからか、熱心なサポーターの方々に特有
   の熱気(失礼)もそれほど満ち満ちてはいないし、ロビーがそれほど混ま
   ないから買い物や更新手続きもやりやすかったですし。
 
    そして本編。……正直、SKY PerfecTV!放送分を観た限りでは、あまり
   良いとも思えなくて、その日疲れていたせいもあり、最後まで観る気力が
   続きませんでした……だからなおさら、安くで観ようという思いもありま
   した。
    ……ですが終演後、観に来て良かったと思いました。脇役連は初演の方
   が全体的に良かったなとか、言いたいことはあれど、少なくとも、来る前
   に不安に思っていたほど悪くは無かったです。……このところ、そう思う
   のが常に再演であるのは、別の意味で問題だとも思いますけど。
 
    とりあえず、メインお二人はかなり良かったと感じました。小川さんの
   ヒロイン自体は(申し訳ないですが)実のところ食傷気味ではあるものの、
   「ヒトミ」に関しては初演の坂口さんよりも「巧い」と感じられる部分が
   ありました。特に後半部の、クライマックスまでのあたり。台詞回し等に
   引き込まれました。
    大内さんは、上川さんとはタイプが違うという意味で、いい感じでした。
   どちらが好みかを敢えて選ぶなら上川さんなのですが(笑)、大内さんも
   結構いけてると思いました。
    ……ところで、「小沢」さんの一番の見せ場はおそらくクライマックス、
   台詞で言えば「俺の手は冷たいか」の部分だと思いますが。その前後が、
   初演と再演では違っているんですよね。初演の流れだと件の台詞がわりと
   唐突な感じで、再演では流れが整えられている感じ。おそらく演出側は、
   初演の唐突さを直したくて変えたのだろうと思います。確かに私も、初演
   は「結構いきなり」と思いましたけど……台詞自体によりインパクトある
   のは、初演の方だなぁとも感じるのです。
 
    その他の皆さんに関して。
    あじさいホテルのスタッフは、私はかなりの割合で初演派です。初演時
   と、いろんな意味で相変わらず(爆笑)だった津田さんは別としまして。
   初演の西川さん&今井さんの掛け合いとか、好きだったしなぁ。
    特に、「典子」さんは……初演の岡田さつきさんの方が良かった、と、
   かなりはっきり思ってしまった私です(苦笑)。前田さんが悪いってわけ
   じゃないんですが、さつきさんの方がいろんな意味で「巧かった」と感じ
   たんです。まぁ初演キャストは多くの場合、役者さんに対して「当て書き」
   されてる部分が多いようですから、「さつきさんに合っている」と感じて
   当然なのかも知れませんけれど。
 
    中村恵子さんの母親役は(大抵の場合)好きな私です。「お母さん」の
   雰囲気が良く似合う人ですよね。今回も、ピアニストというよりは、やっ
   ぱり「お母さん」だなぁと。もちろん、そういう役柄ではあるんですけど。
   夏公演ではまるっきりタイプの違う役(しかもかなりのハマり役)になっ
   ちゃうのが、不思議に感じてしまうほどです。
    今回は何度も涙ぐんでしまう瞬間があったのですが、その大半は、中村
   さん絡みのシーンでした。正直、こんなに泣きそうになる瞬間が今回ある
   とは全く予想してなかったのですが。たぶん、介護職として短い間だけど
   働いてみて、介護する人の気持ちが以前よりも実感できたせいもあるかな
   ……と思います。介護(もしくは看護)される人も大変ですけど、する側
   だって、辛いこといろいろありますよね……身内ならなおさら。
 
    あと残りは、病院スタッフの方々。
    客演の、劇団ショーマの川原さん。医者としての貫禄とかは感じたし、
   役柄には合ってて良かったんですが、個人的にはちょっと物足りなかった
   ところも……と言っても、「ギャグ的な見せ場はあまり無かった」という
   程度のことですけど(苦笑)。
    筒井さん、一部で言われるほど「医者らしくない」とは私は感じません
   でした。不必要に元気とか、声が大きすぎる、と言ってしまえばそうかも
   知れませんけどね。
    真柴さん。前回の出演が『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』(再演)で
   したから、あの時と比べると今回はかなり「おとなしい」感じがします。
   正直な感想としては「可もなく不可もなく」ですが、締めるべきところは
   しっかり締めていらっしゃいました。
                              (04.6.20)
 
 


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