お茶の起源

 ではまず最初は、お茶の起源についてのお話をします。


「お茶の期限……? うーん、2〜3年くらいはもつのかな?」



 いや、その「期限」じゃなくて、「起源」です(汗)
お茶がいつごろ、どこで飲まれ始めたのかとか、そういうことです。
 ……ちなみにお茶は乾物ですので、その気になれば何年でももちますけど、
おいしくいただけるのは、せいぜい1年以内です。


「えー、1年過ぎたらもうダメなの?」


 いや、ダメってことはないですけど、
お茶の成分は時間によって、減ることはあっても増えることはないのです。
 私は20年物のプーアル茶を飲んだことがあるのですけど、
ぜんぜん味がしなくて、はっきり言ってまずかったです……。


「えー20年!? お腹こわさない?」


 まあ、プーアル茶はもともとカビつけしてあるから……。
……それより「起源」の話に戻っていいですか?


「あ、うん。いいよ」


 では。コホン……。
さいこちゃんは、お茶はどこで最初に飲まれるようになったか知ってるかな?


「んもう、そんなの日本じゃないの?」


 ブブー。正解は中国です。
もっとつきつめれば、中国雲南省が茶の木のルーツであろうといわれています。


「へー中国なんだ。ていうか中国にもお茶があったんだ」


 中国の人に怒られますよ。 ……ていうかお茶は世界中にあります。
……それでは、いつごろから飲まれていたでしょうか?


「うーん……1500年くらい前から?」


 お、いいですねえ。日本で飲まれ始めたのが大体それくらい前からです。
815年が「日本にお茶があった」という初の公式記録ですけど、実際はもうちょっと前から
だろうから、まあ1300年くらい前には、もう日本にお茶はあったんじゃないかな。


「ふーん。 ……でもそれじゃあ中国ではもっと前なの?」


 そうです。「中国にお茶があった」という最初の公式記録は、なんと2000年も前のものなのです。
さらに神話も数に入れるなら、人間とお茶の出会いは、5000年前にまでさかのぼります。


「うえー! 5000年!? 5000年ていうと……」


 日本はまだ縄文時代。
エジプトではピラミッド造ってるようなころです。


「うあ〜……そんな昔から飲んでたんだぁ……」


 まあ、最初は薬として飲んでいたのですけどね。


「お薬なの? ジュースじゃなくて?」


 そうです。「お茶は健康によい」って聞いたことありませんか?
昔は「茶はどんな病気にも効く、神秘的な薬」とか、「お茶の木が生えている山は神聖だ」
とも言われていたのです。


「へー」


 さきほど、お茶は世界中にあると言いましたけど、
お茶を生活に使っていたからといって、今現在私たちが飲んでいるようなお茶とは
ぜんぜん形態がちがうのです。

 むしろ今だって、世界の国々によって、お茶の形はぜんぜん違いますし。


「ふふん、そんなばかな……。お茶はお茶でしょ?」


 そう、お茶はお茶ですけど。
たとえば「紅茶」は知っていますか?


「むっ。あたしをバカにして。紅茶くらい知ってますよーだ」


 じゃあ、「烏龍茶」は?


「だから知ってるよ」


 ……じゃあ、
日本茶も紅茶も烏龍茶も、みんな原料の葉っぱは同じ
だって、知ってます?


「えーっ!? うそっ!!」


 本当です。
日本茶、紅茶、烏龍茶。それぞれ全然、味が違いますよね。
それでは次は、こういった「お茶の種類」についてお勉強しましょう。


「ういっす!」



1:お茶の起源
2:お茶の種類
3:日本茶の産地
4:製造工程
5:お茶のおいしい淹れ方
6:保存方法

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