巨骨は語る、世界最大の恐竜博2002
そして・・・ 〜中国・鳥への連鎖〜
6500万年前に恐竜は滅んでしまったといわれるが、その原因は諸説入り乱れていた。最近はそれについて、メキシコ近海への大隕石落下による急激な気候変動、いわゆる"ジャイアントインパクト"が有力とされているが、恐竜はその段階で既に衰退期にあり、隕石落下はその決定打となったに過ぎないとする立場の学者も多いという。
だが、もう一方で恐竜は絶滅していないという見方をする立場も出てきた。
それは一部の恐竜は鳥へと進化を遂げ、今日まで繁栄を続けているとするものだ。この考え方そのものは随分前から唱える学者がいて、根拠として一部の獣脚類の特徴と現代の鳥とに幾つかの類似点が見られた事を挙げていたのだが、その証拠を固めるのに十分な化石はほとんど見つかっていなかった。
しかし1996年、中国遼寧省の白亜紀前期の地層でのシノサウロプテリクス(中華竜鳥)の発見から始まった多種にわたる羽毛を持った小型獣脚類の発掘が、恐竜と鳥との連続的な進化過程を示す証拠として注目され始めた。
コンプソグナトゥス科に分類されるが、全身を鱗ではなく毛のようなもので覆われていた。羽毛と呼ぶにはまだ単純な構造を持ったものだが、飛ぶ事はできない為保温効果が主目的ではないかと考えられている。
前肢と尾先に羽軸のある羽毛を持つ、極めて鳥類的外観を持つ獣脚類。恐竜ではなく、飛ばない鳥という説もある。
同地域のものとしては最大の部類に入る獣脚類。前肢に羽毛の痕跡がある。
樹上生活をしていたらしく、そこからの滑空をしていたかもしれないとされる。
ここには写真等での紹介をしていないが、同じこの地域では他に多数の原始的鳥類が発掘されている。これら含めた進化の過程を追ってみると、最早恐竜と鳥類の境目が付け難い程その連続性が見られるらしい。
しかし恐竜から鳥類への進化を決定付けるにはまだ少し課題がある。最初の鳥類とされる始祖鳥の存在だ。
始祖鳥はジュラ紀後期のものの為、白亜紀の恐竜進化が鳥類を生んだとする事がいえなくなってしまうからだ。その為、始祖鳥の時代より前に鳥への進化を示す恐竜の発掘が求められているが、これについてもこの遼寧省でのジュラ紀地層の今後の発掘に注目が集まっている。
だが、もう一方で恐竜は絶滅していないという見方をする立場も出てきた。
それは一部の恐竜は鳥へと進化を遂げ、今日まで繁栄を続けているとするものだ。この考え方そのものは随分前から唱える学者がいて、根拠として一部の獣脚類の特徴と現代の鳥とに幾つかの類似点が見られた事を挙げていたのだが、その証拠を固めるのに十分な化石はほとんど見つかっていなかった。
しかし1996年、中国遼寧省の白亜紀前期の地層でのシノサウロプテリクス(中華竜鳥)の発見から始まった多種にわたる羽毛を持った小型獣脚類の発掘が、恐竜と鳥との連続的な進化過程を示す証拠として注目され始めた。
シノサウロプテリクス Sinosauropteryx
中国の遼寧省西部で最初に発掘された羽毛恐竜。全長は120cm程度。コンプソグナトゥス科に分類されるが、全身を鱗ではなく毛のようなもので覆われていた。羽毛と呼ぶにはまだ単純な構造を持ったものだが、飛ぶ事はできない為保温効果が主目的ではないかと考えられている。
カウディプテリクス Caudipteryx
全長80cm程度。前肢と尾先に羽軸のある羽毛を持つ、極めて鳥類的外観を持つ獣脚類。恐竜ではなく、飛ばない鳥という説もある。
ベイピアオサウルス Beipiaosaurus
全長2.2m程度。同地域のものとしては最大の部類に入る獣脚類。前肢に羽毛の痕跡がある。
ミクロラプトル Microraptor
全長40cm程度。現在最小とされている恐竜。樹上生活をしていたらしく、そこからの滑空をしていたかもしれないとされる。
ここには写真等での紹介をしていないが、同じこの地域では他に多数の原始的鳥類が発掘されている。これら含めた進化の過程を追ってみると、最早恐竜と鳥類の境目が付け難い程その連続性が見られるらしい。
しかし恐竜から鳥類への進化を決定付けるにはまだ少し課題がある。最初の鳥類とされる始祖鳥の存在だ。
始祖鳥はジュラ紀後期のものの為、白亜紀の恐竜進化が鳥類を生んだとする事がいえなくなってしまうからだ。その為、始祖鳥の時代より前に鳥への進化を示す恐竜の発掘が求められているが、これについてもこの遼寧省でのジュラ紀地層の今後の発掘に注目が集まっている。
シノサウロプテリクス
カウディプテリクス
ベイピアオサウルス
ミクロラプトル