巨骨は語る、世界最大の恐竜博2002

白亜紀 〜アフリカ・未開の地の系譜〜

巨大な「ジュラ紀の森」を抜けると、時代は下って白亜紀代のコーナー「白亜紀研究所」へと場所を移す。そこには今まであまり見る事の無かった、アフリカ発掘の恐竜達がその主となっていた。

1990年代以前のアフリカは、恐竜化石の発掘においてはほぼ未開の地域であったらしく、パンゲア大陸がローレシアとゴンドワナに分化した白亜紀以降、この地域での恐竜達がどのように進化を遂げたはほとんど不明だった。白亜紀の恐竜について、北アメリカやアジアでは多様な恐竜が発見されているにも拘わらず、この時代のアフリカのものは僅かに1種類が確認されるのみとなっていた。
ところが、ある学者が別の生物の発掘でニジェールを訪れた時、たまたま遭遇した現地の遊牧民の導きによってとある場所を掘り起こしてみると、実に多様なアフリカ地域独自の進化を遂げた恐竜達が多数姿を現したのである。
その一部が以下に示す恐竜達である。
ジョバリア Jobaria
大型の竜脚類で、全長は21m程。白亜紀前期のものであるが、首は短かくその骨は12個。竜脚類としては比較的原始的な特徴を持つ。ニジェールで発見された最初の恐竜である。名前の由来は現地の遊牧民達の民話に出てくる生物"ジョバール"から取られている。
スコミムス Suchomimus
白亜紀前期の獣脚類。全長は11m程。ワニのようなその特徴的な頭部から"ワニに似たもの"という意味の名称が付けられている。肉食竜である事に違いはないが、口と三本の長いカギ爪を持った特徴から魚を主に食べていたのではないかと考えられている。
アフロベナトール Afrovenator
ジョバリアの近くで発見された大型の獣脚類。全長は約9m。名前の由来は"アフリカのハンター"。アロサウルスに似ているが、厳密にはスコミムス等を含むスピノサウルス科とそれの間くらいではないかと位置付けられている。ジョバリアを主に捕食していたのではないかと考えられている。

アフリカを含む南半球とインドについては発掘がまだまだ未開拓の地域らしく、大陸が分化して以後の新しい恐竜のグループが出てくる事が期待されている。こんな事にも南北問題はあるのか、とかいう余計なツッコミはさておき、今も新しい発見が続くこれらの地域の恐竜達の姿がまた公開される日を楽しみにしたい。それらの恐竜が、現代の生物とどう繋がってくるのかも興味深いところだ。

その繋がりという意味で、次に紹介する中国の恐竜達はまさに今回一番興味深いものではないだろうか。

Jobaria
ジョバリア

Suchomimus
スコミムス

Afrovenator
アフロベナトール


オマケ
"白亜紀研究所"コーナーには他にもこんなんあったよ。

Gastonia
ガストニア
Tyrannosaurus
ティラノサウルス頭部

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