巨骨は語る、世界最大の恐竜博2002

ジュラ紀の森 〜大地揺るがす巨竜〜

では「ジュラ紀の森」で展示されていた中で主だったものを紹介。こんだけ特徴の近いものが集まると、その差別化の為に必要以上に専門的な事を書いてしまいそうになるが、そんな事してもよくわからん内容が多いと思われるので、主な特徴の説明とどーてもいい私見に留めて置く。

トルボサウルス Torvosaurus
アメリカのコロラド州で発掘された大型獣脚類。時代はジュラ紀後期。全長は8.5m程度。獣脚類の新旧の特色を備え、同類の中ではその位置付けがいまいち分かっていない部分があるらしく、単独の科にするか近隣の科に含めるかで意見が分かれている。
サウロファガナクス Saurophaganax
アメリカのオクラホマ州で発掘された。時代はジュラ紀後期。全長11m程度。先のトルボサウルス同様アロサウルスに近い種の大型獣脚類で、アロサウルスよりも大き目。つくづくこんなんと同じ時代でなくて良かったと思いたくなる種類の一つ。
クラメリサウルス Klamerisaurus
中国新疆ウィグル自治区から発掘された竜脚類。全長は17m程度。一般に竜脚類の首と胴の骨は合計で25個といわれていて、胴の骨がより多い方が原始的な種とされているらしいが、この恐竜は胴の骨が13個と原始的な部類に入ると思われるや、首の骨は16個あるとされていてやや特殊な種類となっている。
マメンチサウルス Mamenchisaurus
中国四川省で発掘の竜脚類。ジュラ紀後期のもので、全長は22mとアジア最大の恐竜。とにかく長い首が特徴で、首の骨が19個もある。
確か昔あった「中国の恐竜展」はこれが最大の見物として開催されていたような微かな記憶がある。
シュノサウルス Shunosaurus
中国は四川省で発見された竜脚類。中国の竜脚類では最も多く発見されているらしく、全長は大きいもので12m程になるらしい。この恐竜で特徴的なのは、尾の先に二対の棘が付いた棍棒状のものを備えている点である。写真はその尾を写したもの。やっぱ見た目通りの武器として使ってたんだろうか。
コンプソグナトゥス Compsognathus
ドイツのゾルンホーフェンで発見された小型獣脚類である。標本の全長は80cm程度だが、成体は1m程度になるらしい。何れにせよ小型な恐竜で、かつては最小の恐竜と考えられていた。
「ジュラシックパーク2」にこれをモデルにしたものが出ていたらしが、そういえばこれの集団に人が食われるシーンが有ったような無かったような・・・(違うパートだったかな?)。もし現代に生きていたら、かえってこっちの方が恐ろしい気がする。

Torvosaurus
トルボサウルス

Klamelisaurus
クラメリサウルス

Shunosaurus
シュノサウルスの尾

Compsognathus
コンプソグナトゥス

セイスモサウルス Seismosaurus
最後に今回最大の目玉、イメージキャラクターのモデルにもなっている恐竜である。
ディプロドクスなどで知られる竜脚類の中でも最大級といわれている種類で、全長は35m程もある。アメリカのニューメキシコ州でジュラ紀後期の地層から発掘された。完全骨格での復元としては今回が世界初の公開となる。というよりは、この恐竜博を切欠としてこの大掛かりな復元が実現したという事だ。完全骨格といっても別の項でも触れた通り、全ての骨格が完全に発掘された訳では無い。この恐竜については発見された骨格は実際には30%程度しか無く、残りの未発見の部位は近縁の種から推測し軽い素材(プラスチックの一種)で再現されたものである。ついでにいうとその30%の本物も使用されておらず、型取りして未発見部分と同様の素材でレプリカを造り再現されている。化石保護の目的もあるだろうけど、こいつについては何より本物が重すぎるというのもあるようだ。流石に最大級の恐竜。その名前seismos(ギリシャ語で"地震"の意)は伊達に付けられてはいない。

Seismosaurusデカ過ぎてようやくフレームに収められるかどうかといったところ
Seismosaurus後方から撮ったところ
右側にいるのがサウロファガナクス、
その上方首だけ見えているものの内、左がマメンチサウルス、右がクラメリサウルス。
・・・って何かくどいか。

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