西園寺不二男

　東京出身。祖父は元老の西園寺公望（同墓）。父は宮内官僚の西園寺八郎、公望の娘の新（共に同墓）の三男として生まれる。1941(S16)西園寺家の嫡嗣子であった長男は西園寺公一(1906.11.1-1993.4.22)が外務省嘱託を務めている時にゾルゲ事件に連座をし逮捕されたため西園寺家から廃嫡された。そのため三男であったが不二男が西園寺家を継ぐことになった。兄の公一は戦後に参議院議員となる。'46 父の八郎が没し、西園寺家の家督を相続し西園寺家の第37代当主となる。公爵の襲爵手続きは行わなかったが、華族制度自体が翌年に廃止された。
　1935(S10)東京帝国大学経済学部卒業。日本銀行に入行。戦後も日本銀行資金局復興金融課長などを務め、'52 日本銀行を退職。同.8 義理の父の鮎川義介(10-1-7-1)が経営権を持っていた中小企業助成銀行の頭取に就任。'58 中小企業助成銀行が東都銀行に改称され引き続き頭取を引き継いだが、翌年辞任した。'60 日産興業会長を歴任した。

＜大衆人事録 東京篇＞
＜人事興信録など＞

＊大きい鳥居をくぐると、墓所には二基建つ。入口正面に和型「西園寺家墓」、裏面「大正九年十二月建」。左手側正面和型「西園寺公望墓」、裏面「昭和十五年十一月二十四日薨」。墓石左右の灯篭には「国葬委員」と刻む。

＊不二男の妻は日産コンツェルン総裁の鮎川義介(10-1-7-1)の長女の春子。春子との間に2男1女を儲けた。
　長男は西園寺公友(1943-)。早稲田大学理工学部卒業後、三井造船の技師として勤め、退職後は父の後を受け継ぎ、地球環境情報センター取締役を務めた。公友の妻は延子は第一銀行常務の清原薫の三女。
　長女の西園寺祥子（さちこ）はドン・フリーマンなどの童話や絵本の翻訳家。
　二男は西園寺裕夫(1949-)。学習院大学経済学部卒業後に渡米し、ミシガン州立大学大学院に進学。修了後帰国し日本精工海外本部に勤め、'88 米国非営利法人May Peace Prevailon Earth理事長（国連広報局NGO）、'99 公益財団法人五井平和財団理事長を務めた。2008日本ユネスコ国内委員会委員。妻の悦子は、男爵の尚誠(21-1-2-5)の長女で尚順(21-1-2-5)の孫にあたる。五井昌久の養女。五井昌久は生長の家の谷口雅春(5-1-18-12)の弟子であり、宗教法人白光真宏会の開祖である宗教家。悦子は名前を西園寺昌美と改称し白光真宏会第二代会長、ワールドピースプレヤーソサエティ代表、公益財団法人五井平和財団会長を務めた。

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